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ミステリの祭典

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蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1701件

プロフィール| 書評

No.161 7点 倒錯の死角−201号室の女−
折原一
(2012/03/03 08:35登録)
折原ワールドに引き込まれ、面白く拝読。それぞれの登場人物の狂気がうまく描かれていると思います。結末に至る手段に若干無理があるのではと感じましたが、よく考えてみればそれ自体が本当の狂気であったので納得してしまいました。


No.160 4点 八日目の蝉
角田光代
(2012/03/03 08:29登録)
日本アカデミー賞『八日目の蝉』が最多10部門で最優秀賞!のニュース。ミステリーとは思っていなっかたので、このサイトにはないと思っていましたが、登録されていたので評価しました。サスペンス度もあまり感じませんでしたし、一章の誘拐犯の女性および二章の誘拐された女の子(成長後)の心理は男である私にはよく理解できませんでした。余談ですが、近所のおばちゃんから「この本はよかったね?」と同意を求められ困ったことがありました。(笑)


No.159 7点 まほろ市の殺人 夏
我孫子武丸
(2012/03/02 16:56登録)
真相は非常に面白かった。ただ短編(中編?)なのが残念で、長編で読みたいと思いました。前半は、乾くるみ氏の「イ二・ラブ」「セカンド・ラブ」的な感じの話で、私の我孫子武丸氏に対するイメージとは違っていましたが、後半は氏らしい結末を用意してくれています。


No.158 5点 バイバイ、エンジェル
笠井潔
(2012/03/01 16:46登録)
ミステリー、哲学、革命論の融合?。その結果、ミステリー部分(特にフーダニット)がぼやけてしまって、集中できませんでした。また、登場人物の名前や関係を確認するため、登場人物表を何回もひっくり返しながら読まなければなりませんでした(笑)。首なし死体の真相は面白いと思いますが、犯人の設定(誰?および真相)についてはあまり感心しませんでした。


No.157 7点 リア王密室に死す
梶龍雄
(2012/02/28 11:32登録)
題名の密室自体には、あまりインパクトはありませんが、物語は二重構造になっており、構成として面白いものになっています。青春時代には探偵役が登場し、事件は解決と思われますが・・・、そして30年後、主人公の息子が探偵役を務め真相を明らかにしてゆきます。この時代の日本の因習、恋愛意識、貧しさ、学生気質などがうまく描かれていると思いました。


No.156 6点 塔の断章
乾くるみ
(2012/02/26 10:02登録)
小説の「あとがき」ではなく「解説」(作者の意図等完全なるネタばれの記載)があります。作品を作る過程で、読者がどう思うか、それに対してアンフェアにならないように伏線をどう張るか等面白く拝読。「イニ・ラブ」より以前の作品ですが、ああやっぱり騙されてしまったかと思いました。と同時に最後の二人の行為の恐ろしさが余韻として残ります。


No.155 8点 切り裂きジャック・百年の孤独
島田荘司
(2012/02/24 20:23登録)
服部まゆみ著「一八八八切り裂きジャック」と比較しながら読んでみました。本作品の1888年ロンドン編の真相のアイデアは秀逸で妙に納得してしまいました(笑)。1988年ベルリン編は登場人物が少ない割にうまく犯人を処理(隠匿)していると思います。猟奇的で陰鬱な事件を扱っていますが、クリーン・ミステリ氏の登場で雰囲気を和らげており、読後感は悪くはないです。


No.154 8点 一八八八 切り裂きジャック
服部まゆみ
(2012/02/24 20:22登録)
医学留学生から見た1888年のロンドンの様子や雰囲気がうまく描かれています。一般ミステリーとは趣が異なった小説であり、福翁自伝(諭吉氏がアメリカの異文化に驚いている様子)を思い出させるような雰囲気です。実際に起こった事件(未解決)なので大胆なトリックなどはありませんが、ある有名人物を上手に絡ませている点や、また犯人に仕掛ける罠など評価できると思います。大変な力作であることは間違いないのですが、ただちょっと長かったなあ・・・との印象です。(格調の高さに+1)


No.153 7点 危険な童話
土屋隆夫
(2012/02/21 19:57登録)
証拠探しの本格物と言えるでしょう。トリックは大がかりなものや驚きはありませんが、細かいトリックが積み重ねられています。題名とトリックがうまく融合され、独特の雰囲気を味わうことができました。


No.152 6点 影の告発
土屋隆夫
(2012/02/19 15:09登録)
完璧なアリバイをいかに崩していくかというストーリーと一人の少女の独白とが交互に組み合わされています。文章は非常に読みやすいです。物語の背景にある「戦後の影」もうまく描かれていると思います。トリックはこの時代(1960年代)を考慮すれば納得できるものです。


No.151 4点 殺人喜劇の13人
芦辺拓
(2012/02/19 15:08登録)
トリックの詰め込み過ぎで食傷ぎみになってしまいました。トリックの謎解きが好きな人にはお薦めなのかもしれませんが・・・。意図的なものがあるとはいえ読みにくかったことは事実。


No.150 3点 見えない精霊
林泰広
(2012/02/17 19:19登録)
物語性がなく、クイズまたはゲームのような感じの小説で、トリックも感心するものではありません。残念ながら、まったく肌が合いませんでした。


No.149 6点 北の夕鶴2/3の殺人
島田荘司
(2012/02/16 20:52登録)
時間的制約のあるサスペンス&ハードボイルドタッチの小説で、ロマンスもあり面白くスラスラと拝読できました。トリック自体は、手段としてある物を使用しない限り不可能と思っていたので、判明してもあまり驚きはありませんでしたが・・・。


No.148 6点 花嫁のさけび
泡坂妻夫
(2012/02/15 21:28登録)
細かい伏線がちりばめられていたことが、解決編で丁寧に、また見事に説明されています。解説で、フェア・アンフェア(犯人が解らない?)に触れられていますが、まったくアンフェアとは思いません。私にとってアンフェアと感じるのは、犯人がほとんど登場しないような(描写されていない)作品ですね。


No.147 6点 九尾の猫
エラリイ・クイーン
(2012/02/14 16:31登録)
前半はサスペンス要素が強く、後半は警察小説のような感じです。長編の割には早めの犯人逮捕になりますが、自白内容等の描写が少ない点(警察が甘いとの印象)が気になり、-1の減点となりました。著者本人のお気に入りの一冊とのとおり、力作であるとは感じました。


No.146 9点 ドグラ・マグラ
夢野久作
(2012/02/14 16:30登録)
(再読なしの書評)再読となればかなりの労力が必要。東西ミステリーベスト100(1986)<1315人のベスト10を集計>の国内第6位にランクされています。私など理解不能な小説でした。読後、映画化され(桂枝雀主演1988~DVDあり)観ましたが同様でした。理解はできませんけれど、印象深いという点では、SF映画「2001年宇宙の旅」と同じような位置づけとなるのでしょう。記憶喪失、幻想、夢、近親相姦、作中作、終章から始章へ等々、現在、他の作者が取り上げている構成や、題材をこの時代に書き上げたことには、ただただ感心します。


No.145 9点 セカンド・ラブ
乾くるみ
(2012/02/12 08:05登録)
ラストが解りやすいので、「イニ・ラブ」より衝撃度は大きかった。謎めいた序章、「オチ」はこれしかないとの思わせぶり、そしてラストのどんでん返し、お見事です。ラストへの伏線は3ヵ所あったのですが騙されました。音楽は素人ですが、「章」と「曲名」の関係で、宇多田ヒカルさんの「Can You Keep A Secret ?」が(序章・秘密をその胸に)、以下「Automatic」(2章・時は自動的に)「First Love」(6章・はるかな初恋)、中森明菜さん「スローモーション」(1章・緩やかな動き)「セカンドラブ」(5章・二番目の愛を)「1/2の神話」(7章・1/2の女)「北ウイング」(終章・北へと向かう翼)くらいが分かりました。中々凝ってますね。


No.144 4点 誰のための綾織
飛鳥部勝則
(2012/02/12 08:04登録)
プロローグ「推理小説に禁じ手などあるのだろうか。おそらく、ありはしない。面白ければそれでいい。」そのとおりなのですが、本作のトリック自体は面白くありませんでした。今まで読んだ限り「○○荘事件(1990)」「○○城殺人事件(2003)」と同じなので同評価とします。絶版なのでアマゾンでは8千円~5万円、もちろん図書館で借りましたけれど。


No.143 6点 夜想曲(ノクターン)
依井貴裕
(2012/02/11 10:11登録)
文章が読みにくいのには、少し閉口しました(笑)。2つのトリックをうまくミックスした構成は良いと思いました。1つは現在ありふれたものですが、使い方は初めてのもので納得できました。もう1つは今邑彩「○○荘の殺人」(1996)と同様なモチーフのような気がします。


No.142 7点 金雀枝荘の殺人
今邑彩
(2012/02/10 21:18登録)
館、密室、見立て殺人と本格もので、緊迫感もあり一気読みができました。序章が終章になるという構成や、見立て殺人のトリックも面白く感じました。霊感少女の登場は、ご愛敬として受け止めましょう。

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