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ミステリの祭典

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蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1696件

プロフィール| 書評

No.216 5点 帝王、死すべし
折原一
(2012/05/30 07:41登録)
さすが叙述の折原という感じです。見事に騙されました。いじめに合っている主人公に対する、いじめの張本人の言葉(ネタばれになるので書けませんが)は強烈な印象(ブラック)を残してくれました。ただ、物語の展開がやや緩慢な感じがしたのでこの評価です。


No.215 6点 再会
横関大
(2012/05/28 15:34登録)
幼馴染の四人の誰かが犯人なのですが、誰もが犯人であってほしくないような気持ちにさせる描き方はうまいと思います。誰がタイムカプセルを開けたかという謎、殺人犯は誰、そして23年前の隠された事件の謎がうまく絡み合っており楽しめました。


No.214 6点 絶望ノート
歌野晶午
(2012/05/28 15:33登録)
なんとなく予想していたので驚きはそれほど感じませんでしたが、読みごたえはありました。主人公、ジョン・レノンかぶれの父親、主人公を嫌う女子学生、異常に主人公に声をかける先生等々の性格がうまく描かれていたと思います。ブラックな味わいでした。


No.213 3点 鬼女の都
菅浩江
(2012/05/28 15:32登録)
<復旧再登録>舞台は京都。同人誌の人気作家・花奈女がプロデビュー前に自殺した。謎の女「ミヤコ」に新作を酷評されたのが原因らしい。同人誌の仲間・優希が真相を追うと怪事件が次々と起こるというもの。優希(女性)が「ボク」というのが違和感・不快感が残ってしまった(二重人格へのミスリードを狙った?としたら失敗)。京都という歴史の特異性を表現したいのは理解できるのですが、京都を鬼の棲む町という表現がやたら出てきて白けてしまいました。源氏物語および能の「葵上」をなぞるのですが、古文なので読みずらいし、サスペンス感も感じられず辛いものがありました。SF作家による本格ミステリーということらしい。


No.212 4点 模倣の殺意
中町信
(2012/05/28 15:29登録)
<復旧再登録>創元推理文庫版。本作品のあとに類似のトリックが多く発表されたため、双葉社版(当初)のプロローグを変更したとのこと。双葉社版のプロローグは完全にネタばれになっているので、本書では、その部分をカットしたのですが、その結果、「被害者は○○○○であった」が唐突であり、意外性を感じられず、まったく面白くありませんでした。「それはないでしょう」といった感じです。プロローグで謎を残すような記載があれば評価はかなりアップしたと思います。残念です。


No.211 7点 白光
連城三紀彦
(2012/05/28 15:28登録)
<復旧再登録>普通の家庭での殺人事件。探偵も警察も登場しない。次第に明らかになってゆく登場人物の心の闇。こういう展開って好きですね。そして衝撃の真相。最終章の独白がその前の章と前後していたら、もっと強い衝撃となったと思います。惜しい気がします。


No.210 5点 被告A
折原一
(2012/05/28 15:26登録)
<復旧再登録>本作(2003)は、東野圭吾氏(1990)道尾秀介氏(2008)の作品と同様のプロットでしたが、若干物足りなさがありました。スピード感・緊迫感がやや欠けていたと思います。といっても結局、騙されましたけれど・・・。


No.209 7点 双月城の惨劇
加賀美雅之
(2012/05/28 15:25登録)
<復旧再登録>重厚な雰囲気をもった本格ものですね。ライン川下りの観光をしたことがあるので、崖の上の古城の雰囲気を懐かしく思い出すことができました。さて、本編の首・手首切りの「動機」および「トリック」は驚嘆ものでした。第二の殺人の動機も好みです。ラストも良い。と非常に高評価なのですが、何人かの方が指摘してる点があり、私も-1となりました。


No.208 9点 ユダの窓
カーター・ディクスン
(2012/05/28 15:24登録)
<復旧再登録>(再読)法廷場面での盛り上げ方は非常にうまいと思います。読みやすいし、分かり易い文章で丁寧に説明がされています(海外ものは一般に読みにくいのですが)。トリックは有名なので、たとえ、それが分かっていても楽しめる作品であると思います。もし知らない、忘れたとしたら「ユダの窓」のキーワードの使い方は秀逸であると感じることができると思います。


No.207 5点 無間人形 新宿鮫IV
大沢在昌
(2012/05/28 15:23登録)
<復旧再登録>物語は進が崩れていく様子や、鮫島の恋人・晶が不思議な雰囲気を持っていたり、筋・展開は面白いと思いました。ただ、ハードボイルド系は苦手意識(謎が少ないのであまり好みでない)があり、ミステリー(謎)という点でこの評価となりました。


No.206 7点 沈黙の教室
折原一
(2012/05/28 15:20登録)
<復旧再登録>長編ですがサスペンス色が強く一気読みができました。物語の展開、テンポも良かったと思います。叙述トリックに期待し過ぎたのでしょうか、ラストについては、あまり驚きはありませんでしたが、全体では良く練られた作品だと感じました。


No.205 4点 日曜日の沈黙
石崎幸二
(2012/05/03 15:36登録)
ホテルでのイベント(連続殺人劇)に興味をひかれつつ読みましたが、実際の殺人劇は起こらず、ピクニックへ出かけてしまう始末。しかし「お金では買えない究極のトリック」という謎が残っているのでと期待するも、結末は拍子抜けしたものでした。


No.204 3点 クラリネット症候群
乾くるみ
(2012/05/03 10:37登録)
ドレミ・・・の音が聞こえなくなることにより、本文中の会話もドレミ・・・がぬけてしまって非常に読みにくい。ドレミ・・・をいれて(想像して)読む根気はありませんでした(笑)。手紙の暗号を解くだけの話?


No.203 5点 マリオネット症候群
乾くるみ
(2012/05/03 10:36登録)
軽めのSF設定で、ブラックユーモアのオチがあり楽しめました。


No.202 4点 アリスの国の殺人
辻真先
(2012/05/01 11:17登録)
夢の世界では、ニャロメや鉄人28号が登場し漫画チックでありますが、言葉遊びや漫画はどうも趣味に合いませんでした。現実の世界でのトリックの発想は面白いと思いましたが、現実味としてはどうか?といったところでしょう。夢の世界(アリスの国)と現実の関連が、いまひとつピンと来ない物語でした。


No.201 7点 ナポレオン狂
阿刀田高
(2012/04/29 18:56登録)
(再読)別サイトで4000冊以上のミステリー書評をしている方が「切れ味について、短編ミステリはナイフ、阿刀田短編はカミソリ」と評しています。全く同感です。本作は直木賞。うち「来訪者」は日本推理作家協会賞受賞。歴代の同協会理事長には著者をはじめ、松本清張氏や東野圭吾氏が就任していますので、『才能』は認められているのでしょう・・・。著者は”人間性を描いたものが「純文学」娯楽物は「大衆文学」、前者の対象が「芥川賞」後者は「直木賞」、そのような区別は避けるべき”との旨発言しています。・・・そのようなことはさておき、長編ミステリーの合間には、手ごろな読み物と思います。


No.200 8点 冷蔵庫より愛をこめて
阿刀田高
(2012/04/29 18:55登録)
書評200冊目は著者の処女短編集(18話)です。当時007「ロシアより愛をこめて」をもじった題名に引かれ拝読。その後同著者にハマりかなりの冊数を読みました。今回再読。ブラック・ユーモア(奇妙な味)の世界です。「冷蔵庫より愛をこめて」・・精神病院を退院してみると、妻に愛人がいる様子。彼は貸し冷蔵庫業を思いつく。「趣味を持つ女」・・近所で葬式があるたびに女が現れる。どうも趣味らしい。「あやかしの樹」・・種を育てると女性の形をした樹となるという。そのためにはあることをしなければならない。~この作品がエロティックで一番好みで、オチは思わずニヤリとしてしまいます。印象に残っている1冊です。


No.199 6点 逃亡者
折原一
(2012/04/29 18:53登録)
謎のインタビュー(誰がインタビューしているのか?、時はいつなのか?時効が成立した後、または逃走中?)が合間に入り、面白く拝読。これが大きな伏線になっていたのですが見破れませんでした。叙述がなくても可のストーリーで、逃亡劇のニアミスシーンでは、昔の「逃亡者」(テレビではデビット・ジャンセン、映画ではハリソン・フォード)のようでハラハラ、主人公に感情移入してしまいました。(笑)


No.198 4点 ジャンピング・ジェニイ
アントニイ・バークリー
(2012/04/27 16:48登録)
「第二の銃声」が面白かったので期待したのですが、本作は駄目でした。3作(毒入り・第二の銃声・本作)続けて探偵が犯人を特定できないなんて・・・。探偵が道化役になってしまい、仮説を立ててもどうせ間違っていると思ってしまい信憑性がありません(1,2冊ならアンチ探偵もので面白いかもしれませんが・・・)。本作の重要ポイントとなっている首吊り死体の下にある椅子の位置についてですが、自殺であろうが他殺であろうが、どうにでも説明はつくはずですが・・・。それを変にこねくり回してしまったという感じです。


No.197 8点 第二の銃声
アントニイ・バークリー
(2012/04/21 19:12登録)
伏線はかなり明確に書かれていたのですが、素通りしてしまいました(笑)。ピンカートン(殺人嫌疑)とアーモレル(被害者エリックの従妹)のやり取り、そして結婚までしてしまう滑稽さ、さらに名探偵の取り扱いのユニークさ(毒入りチョコレートも同様)が際立っていました。真相はもちろんですが、ストーリー自体が非常に楽しめました。

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