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ミステリの祭典

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日曜日の沈黙
ミリア&ユリシリーズ

作家 石崎幸二
出版日2000年12月
平均点5.23点
書評数13人

No.13 5点 ミステリ初心者
(2023/02/22 08:23登録)
ネタバレをしております。

 メフィスト賞受賞作品には、よく"究極"とか"天才"とかいう文字が出てきますねw 
 紹介文には、殺人劇や推理合戦などの文字が書いてあり、また表紙も黒を基調とした重苦しそうな印象のデザインだったため、本の内容の軽さというか明るさに驚きましたw 探偵役石崎と、それを振り回す女子校生ミリアとユリのキャラクターが漫画的であり、ほぼギャグミステリ(ユーモアミステリ?)のノリです。そのため、非常に読みやすく、ほぼ一瞬で読み終えられた気がします。

 メフィスト賞受賞とのことですが、推理小説的にはやや薄味でした。
 殺人劇による推理は楽しむことができません。自殺とのことですし、ミステリになっていませんでした。死んだ人物と死因と凶器による暗示もつまらないですし、それによる推理合戦もやっぱりつまんないです。
 来人の死の真相、究極のトリック、幻の7作目の行方についてが本作品のメインの謎になりますが、これも読者が推理を楽しむ類ではありませんでした。

 総じて、ほぼほぼミリアとユリのキャラクターを楽しむ本でしたw ギャグ(ユーモア)ミステリというと、東川篤哉さんの作品をいくつか思い浮かべますが、そちらはミステリとしてしっかりとしていた(私の読んだ作品においては)のですが、こちらはミステリとして薄味過ぎたのが良くありませんでした。
 とはいえ、楽しく読められるシリーズものを見つけられてよかったです。何作か買って、ページ数の多いミステリや重いテーマのミステリを読んだ合間にこのシリーズを読みたいと思いますw
 関係ない話ですが、ミリアとユリのキャラクターが似すぎていると思います。もうちょっと喋り方や性格に個性を持たせるか、なにかパーソナルデータが欲しいところでしたw

No.12 5点 名探偵ジャパン
(2020/01/09 11:36登録)
メフィスト賞受賞作家で、結構な数の作品を上梓しているにもかかわらず、よほどのマニアでもなければほとんど知られていない作家ですよね。私も去年『あなたがいない島』という作品で初めて知りました。このサイトでの登録作品平均点数が軒並み「5点」の連発で、(恐らく)ノベルズが文庫化もされてないということは、まあ、そういう評価の作家なのでしょうね。
確かに、5点を付けるのにこれほど無難な作品はないなと私も思いました(笑)
唯一、『あなたがいない島』でも十分すぎる個性を発揮していた二人の女子高生キャラクターに対して、もっと高得点を付けてもいいかなと思ったのですが、「金で買えないトリック」のオチで相殺です。
あと、作者と同名の登場人物が探偵役で、二人の女子高生にいじられつつ、まんざらでもないという設定が作者の願望や性癖を具現化しているみたいで、ちょっと気持ち悪かったです(笑)

No.11 5点 メルカトル
(2013/10/31 22:29登録)
再読です。
「お金で買えない究極のトリック」を目の前にぶら下げられて、最後まで引っ張られ、挙句の果てにそのトリックがこれか、と幾人の読者が憤りを覚えたことだろう。
まあ、ミステリィど素人の女子高生コンビと、ぼんやりとした名探偵石崎幸二の掛け合いは結構笑えるので、その意味では面白かったとも言える。
中でも、殺人劇の謎を解くために招待された内の一人である、ミステリィ研の大学生の「ミステリィファンにとってはたまらない名誉だぜ」という発言に対して、女子高生コンビの一人ミリアの「たまらないのはあんたの頭の中よ」という傍若無人な発言には笑えた。
しかし、起こるのが実際の殺人事件ではないので、のんびりピクニックにまで出かける始末。こんな緊張感を欠いたミステリも珍しいのではないか。
そんなわけで結局最後まで消化不良のまま終わって、スッキリしない読後感を味わわされる羽目になる。
ダミーの解答はそれなりに考えられているとは思うが・・・。

No.10 4点 蟷螂の斧
(2012/05/03 15:36登録)
ホテルでのイベント(連続殺人劇)に興味をひかれつつ読みましたが、実際の殺人劇は起こらず、ピクニックへ出かけてしまう始末。しかし「お金では買えない究極のトリック」という謎が残っているのでと期待するも、結末は拍子抜けしたものでした。

No.9 5点 江守森江
(2010/03/04 04:52登録)
「≠の殺人」を読む前に、出版早々に読んだが面白かった印象のみで内容が定かでないブランク以前の4作を再読する事にした。
本作はメフィスト賞を受賞したデビュー作。
「殺人?イベントの意味」と、その先の「究極のトリック」を本格ミステリとして評価するなら泡坂妻夫の出来損ねレベルだろう。
故に内容が定かでなかった事にも納得した。
しかし、名前を入れ替え出版しても問題ない(区別出来ない)ミリア&ユリの、ギャグにまぶしながら本質を射抜く会話は、アンチ・ミステリとして素晴らしい(東野圭吾「名探偵の掟」より鋭いかも)
特に、高木彬光が世界一短いミステリは2行と随筆に書いていたが、それを1行に短縮したネタ(後のメフィスト賞作で深水が最大限に膨らませた)とそれの出版方法(都筑の某作のアレンジ)は爆笑ものだった。
ギャグと皮肉タップリな批判部分を楽しむ作品だと認識すれば非常に面白い。
再読して良かった。

No.8 6点 深夜
(2008/04/17 21:58登録)
ハードルが上がりまくってたので肩すかしをくらった。途中までは良かったんだけど・・・。このトリックは微妙です。IQサプリみたいな感じ。

女子高生のキャラや、平和な雰囲気は好きなんだけど、これ以上の評価はできないなぁ。

No.7 1点 キトウY
(2007/10/27 22:24登録)
ミステリィって表記から森博嗣好きだろうとは思ってたが、「西之園萌絵か」とか書くのはあまりにも気持ち悪い。こういうの痛いオタが喜んでやりそうなので読んでて鳥肌たった。究極のトリックに期待して我慢して最後まで読んだが、ふーん。で、だから何としか言えないもの

No.6 6点 こもと
(2007/10/14 16:06登録)
 う~ん・・・女子高生二人のキャラがあまりにもベタで、最初はかなり辟易していたというのが正直なところなんですが。
 でも、二人はただのキャラではありませんでした。
 ラスト付近で見せてくれる彼女たちの推理披露に、もう「まいった!」という感じです。 笑いました。 こんなの、アリ?(笑)

No.5 6点 てぃぐれ
(2005/06/21 05:37登録)
この作者・作品への批判も理解できるんだけど、個人的にはまったく嫌いじゃない。むしろ好き。でも、なにがいいのか言葉に出来ないけど(笑)。

No.4 6点 ギザじゅう
(2003/02/22 01:27登録)
『究極のトリック』は大体予想通りだったのでがっかり。
お芝居の殺人を変わった形で解体していくのはなかなか面白い。

No.3 7点 ねずみとねこ
(2002/09/06 16:25登録)
この作品、好きですよ。変に小難しい単語を使いまくり作品を読みにくくした割に、トリックなんかは大したことのないことが多いメフィスト賞の作品群の中では、読者が楽しめて、でもトリックもしっかり……というのがすばらしいと思いました。あと、ミリアとユリに馬鹿にされながらも、いちいちそれに反論しないで、素直に受け流していく石崎さんのキャラって、案外有りそうでなかなかいない性格だと思いません?

No.2 6点 由良小三郎
(2002/08/16 17:03登録)
 石崎幸二もよんでみようと思って3作ばかりに手をつけて、最初に読み終えられたのがこれでした。
手口としては、ありがちなウケねらいですが、かなり寒いギャグでも連発されると、うけてしまった自分がはずかしいのですが、まあこういうスタイルもありだと思いました。ストーリの部分は、とりあえず何かないと終わるきっかけがなくなるので・・、という程度でしょうか。

No.1 6点 しゃん
(2002/04/30 15:29登録)
・会話がテンポがよく、すんなり読める
・ミステリを知らない女子高生がミステリを語り、挑戦し、玩具にするというストーリーは面白い
・最後の数字を使った謎解きはつまらなかった、分かり難い。
・主人公の女子高生二人の書き分けが出来てないのは
視点が、石崎幸二というおじさんからのものであるということを計算に入れているのかもしれない
おじさんからみれば、女子高生は皆いっしょに見えるというのは納得が出来る。
・作中の石崎幸二の情けなさは○

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