home

ミステリの祭典

login
蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1701件

プロフィール| 書評

No.241 6点 聖女の救済
東野圭吾
(2012/07/14 11:05登録)
トリックは、湯川の言葉通り「理論的に考えられても、現実的にはありえない。」ということでしょう。アイデアは面白いと思いましたが、やはり現実味がないので、感心することはありませんでした。ストーリーテリングはうまいといつもながら感心します。内海薫は、テレビと違い切れ者の感じがし好印象でした。


No.240 6点 007/ロシアから愛をこめて
イアン・フレミング
(2012/07/12 22:33登録)
007シリーズの映画化第2作目(邦題は「007/危機一発」)、本の方は5作目。原作者イアン・フレミング氏はこの作品が映画化されたあと逝去。映画はボンド=ショーン・コネリー氏の7作品(1作品はシリーズと別の映画)+αしか観ていないのですが、この作品が最高傑作であると思います。ダニエラ・ビアンキさんの色気に圧倒されました。映画は原作に+αがあり、派手な感じがしますが、本作はスパイ同士の恋愛を中心に描かれています。ラストは映画とは全く違うものでした。採点は甘めで・・・。


No.239 7点 誘拐者
折原一
(2012/07/11 19:01登録)
長編ですが、だらけることもなく謎とサスペンス感を保ちながら物語は進行しています。普通の誘拐物と違って、事件(誘拐)の20年後から物語が始まります。中年の女性(元妻、元同棲者、現同棲者、元囚人、元妻と名乗る者、記者の恋人)が入り乱れ混乱(いい意味で)させられますが、最後は時系列でスッキリさせてくれています。中年の看護婦が男性主人公(偽名を使っている)を本名で呼ぶシーン(看護婦は本名を知らないはず)があり、これは犯人が看護婦であったという伏線?と思いましたが、関係ありませんでした。ただの誤記???。


No.238 6点 鳴風荘事件
綾辻行人
(2012/07/10 10:59登録)
(ネタばれあり)二つの事件のトリックを解明してゆくと、犯人には結びつかないというところがミソなのでしょう。読者への挑戦もあります。伏線はかなりちりばめられていたのですが、解りませんでした。今までも犯人が解ったことはありませんが・・・(笑)。


No.237 4点 眩暈を愛して夢を見よ
小川勝己
(2012/07/07 12:51登録)
須山は、高校時代の憧れの先輩・柏木美南(現在AV女優)と再会したが、普通の人と結婚すると言い残し失踪してしまう。美南の行方を探すが、やがて美南の悲惨な過去が浮かび上がってくる。そして美南に関わった人物が相次いで殺されてゆく・・・。                                   奇作というのでしょうか、一読ではよく解りませんでした。作中作が突然出てきて、その論評がなされたりするものですから・・・。けしてつまらなくはないのですが、ミステリーとして評価すれば、題名から推測できるように反則技?ではあると思います。


No.236 6点 卍の殺人
今邑彩
(2012/07/06 07:27登録)
デビュー作としては、展開もいいし良い出来だと思います。ただ、事件解決か?と思われた後の真相が簡単に判明し過ぎるのがもったいないように感じました。語り手・亮子の友人が話だけで・・・というのはどうも釈然としません。亮子があることに気が付き、そこから真相にたどりついてゆく、犯人を追いこんでゆく、とした方が盛り上がったような気がします。


No.235 5点 四神金赤館銀青館不可能殺人
倉阪鬼一郎
(2012/07/04 20:11登録)
バカミスといわれるものは読んだことがないので、どんなものかと手に取った1冊です。なるほど、こういうものをバカミスというのだなと納得しました。伏線もかなりあり楽しめましたが、マニアにはなれませんね。


No.234 6点 007/ドクター・ノオ
イアン・フレミング
(2012/07/03 11:09登録)
007シリーズの映画化第1作目(邦題は「007は殺しの番号」)青春時代、007=ショーン・コネリー氏に魅せられ、かなりハマったことを思い出します。当時映画館は何回観てもOKな時代でしたし、今でいうロードショーが終了すれば、場末の映画館で2本立てで、また観ることができました。何回観たことでしょう(笑)。本では映画と異なり、ボンドの人間臭さがよく描かれています。ノオ博士との緊迫したやり取りも楽しめました。好きなシリーズなので甘めな採点となります。


No.233 8点 女囮捜査官 2 視姦
山田正紀
(2012/07/02 15:40登録)
息もつかせぬサイコ・サスペンスという感じで一気読みできました。もったいないと思うのは、秀逸なトリックが影に隠れてしまっている?又はあえて流してしまっている?・・・という感じがしてしまう点です。某人気作家の超有名作品と本質的には同様なトリックと思いますが、私的には本作品の方がうまい扱い方だと感じました。


No.232 6点 マリオネットの罠
赤川次郎
(2012/07/01 20:09登録)
物語と題名の意味が結びつかず、進んで行きます。そしてラストにその意味が分かるというもので中々凝っていると思います。サスペンスものとして読んでいたので、フェア・アンフェアを感じることはありませんでした(ただし、本格ものを意図していたら、アンフェアになると思いますが・・・)。スリル・スピード感もあり楽しめました。


No.231 9点 ハムレット狂詩曲
服部まゆみ
(2012/06/30 20:45登録)
裏表紙より『劇団薔薇』新劇場のこけら落としで、「ハムレット」の演出を依頼された、元日本人で、英国籍を取ったケン・ベニング。ケンにとって、出演者の一人である歌舞伎役者の片桐清右衛門は、母親を捨てた男だった。ケンは、稽古期間中に、清右衛門を殺そうと画策するが…。様々な思惑の交錯、父殺しの謎の反転、スリリングな展開。結末は…真夏の夜の夢!?            サスペンスでこれほどの後味の良さを味わったのは初めてです。ハムレット上演の舞台裏が美しい文章で描かれており、どんでん返しも用意されています(さすが役者といったところ)。解説は俳優の江守徹氏ですが、ネタばれしています。


No.230 5点 はじまりの島
柳広司
(2012/06/29 06:40登録)
動機や真相は、この時代の背景とガラパゴス諸島のシチュエーションをうまくミックスしていて面白いし、また新鮮さも感じられました。ただ、解説にもあるとおり、あえて翻訳ものの文章にしているせいか、硬い感じがし、恐怖感や緊迫感がどうしても伝わってきませんでした。


No.229 4点 ぼくのミステリな日常
若竹七海
(2012/06/26 22:26登録)
骨組みは凝っていると認めざるを得ないのですが、短編はワクワクして読む雰囲気はありませんでした。”先に読んでほしい解説”(異例扱い?)に、「短編の形式を取っているが、後で全体に関わってくる」と記載されています。短編が面白ければ、このようなことは必要ないと思いました。


No.228 7点 写楽殺人事件
高橋克彦
(2012/06/24 19:14登録)
(再読)発売当時、ミステリーというより写楽は誰なのかの方に興味があり購読したものです。今回再読で、あらためて力作であるという思いを強くしました。ミステリー(事件)より写楽の謎を楽しむ作品だと思います。


No.227 5点 水底の殺意
折原一
(2012/06/23 21:56登録)
○○殺人の設定は面白いと思います。最初の死亡者が自殺と認定され、後半になって、もしかして生きているのでは?となりますが、これは前半から匂わせた方がサスペンス度はもっと盛り上がったような気がします。ラストについては、叙述の折原としては今一歩の出来といったところでしょうか。


No.226 7点 ルームメイト
今邑彩
(2012/06/22 14:45登録)
多重人格物は好みではありませんが、本作は気に入り結構楽しめました。ミスリードが冴えていますし、叙述・どんでん返しもあります。読みやすいし、モノローグ4があってもなくても、どちらにしても後味は良かったですね。


No.225 6点 仔羊たちの聖夜
西澤保彦
(2012/06/21 20:00登録)
シリーズ(前後?)を読んでいないので、タカチとタックの二人の状況は良く解りませんが、本作での二人の関係は、軽いタッチの青春小説のようであり面白く拝読。ミステリーとしては3つの事件の真相は、現実的な動機としてはどうか?・・・とやや納得性に欠けるような気がします。


No.224 6点 花面祭
山田正紀
(2012/06/20 20:47登録)
各章での事件はその章で完結しますが、全体を通しては「しきの花」の謎が流れているので、連作ものという違和感はありませんでした。幻想的な雰囲気で物語は進んで良かったのですが、最後の探偵役の扱いはいかがなものか・・・。幻想の世界から打算的な現実へ引き戻された感じで残念です。


No.223 8点 殺しへの招待
天藤真
(2012/06/19 21:01登録)
五人の夫達へ誰の妻からか不明の手紙が届く・・・ワクワクするような設定がいいですね。古さを感じるということはありませんでした。人間的にいわゆる「良い人」の登場が多く、そのことによってラスト(第3部)での「悪い奴」がよけいに際立ってきています。こういう終わり方は好みですね。


No.222 6点 館島
東川篤哉
(2012/06/13 09:00登録)
ユーモアは笑うに笑えない中途半端な感じのものでした。相馬刑事のキャラクターをもっとドタバタにした方がよかったのかも。建築家・十文字和臣のアイデアと芸術性に+2点、住人の誰もが気がつかないという不自然さが-1点

1701中の書評を表示しています 1461 - 1480