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ミステリの祭典

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蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1701件

プロフィール| 書評

No.281 4点 庭師(ブラック・ガーデナー)
高瀬美恵
(2012/09/12 07:15登録)
「マンションに引っ越してきた女主人公が目にしたものは怪しげなHP。異臭騒ぎ、ペット惨殺、子供の転落死と続き、それがリアルタイムでHPに掲載される。掲載者(庭師)は誰なのか。住人は疑心暗鬼にとらわれ、そして狂気が徐々に・・・」と途中まで、サイコホラー系でミステリアスな感じが良く出ていて楽しめたのですが・・・・・。                                                    (以下ネタばれ)裏表紙には「パニック・ホラー」とあり、ホラー系特有の「オチ」があるのではと懸念していたのですが、やはりそのとおりとなってしまいました。残念です。


No.280 8点 ナイルに死す
アガサ・クリスティー
(2012/09/11 15:23登録)
この物語の展開であれば、○○が犯人であろうと予想しながら読みましたが、最後までトリックは見破ることはできませんでした。長編ではありますが、登場人物はそれぞれ個性があり、飽きずに楽しく読むことができました。海外ものは、姓で呼んだり名で呼んだりするので、名前が覚えきれないのが難点です。


No.279 7点 五匹の子豚
アガサ・クリスティー
(2012/09/07 18:16登録)
夫を毒殺した罪で捕らえられ、獄中で亡くなった妻。その行動(毒を盗んだ)、言動、動機などにより、どうしても妻が犯人としか考えられない。そして当事者5人の証言は、いずれも食い違いがない。しかし、その証言を繋ぎ合わせていくと、ひとつの絵が浮かび上がってくるというもの。解説にある「ダリのだまし絵のように」は言い得て妙です。妻の毒を盗んだ動機が、死亡しているため不明のままなのが残念です。


No.278 6点 キングを探せ
法月綸太郎
(2012/09/05 17:32登録)
物語の展開など、よく練られているのですが、パンチをもうひとつ食らわして欲しかったという感じです。犯人が以外とあっさり落ちてしまったのが原因かもしれません。警察側の仕掛けに、もう少し反抗し、粘ってほしかったですね。


No.277 4点 眠り姫とバンパイア
我孫子武丸
(2012/09/04 19:19登録)
(ミステリーランド)家庭教師の荻野は、優希(小学5年生)から、死んだはずの父親と3年ぶりに会ったと告白される。優希は「父親はバンパイアだ」と言いだしたりし、夢と現実とが区別がつかなくなっているのでは、と荻野は疑い始める・・・・・。幻想的な雰囲気もあり、途中までは中々いい展開なのですが、解決編が今一つはっきりしない点があること、また、嫌いな「見えるものが見えない」フレーズがあったことなどにより、少し辛めの採点としました。


No.276 3点 あなたがいない島
石崎幸二
(2012/09/04 14:14登録)
裏表紙「無人島で精神的サバイバル生活が始まる。ここは本格の”約束の地”だった。」に魅かれたのですが、内容はずいぶん、かけ離れたものでした。「日曜日の沈黙」と同様、オチャラケ系でした。作者の意図がよく解らないので、この評価となりました。


No.275 4点 完全犯罪の女
青柳友子
(2012/09/02 21:39登録)
資産家に係る3人の女性(妻、娘、長男の妻)が相続を狙う。惨劇が起こり、長男が犯人として捕らえられる・・・。題名から、犯人は女性であると推定され、叙述(ある人物と思わせる)により、それなりに騙されるのですが、意外性があまり感じれれないのです。物語の構成の問題?かもしれません。警察の捜査は甘いと思うし、長男が犯人となった証拠や行動(真犯人が仕掛けたはず?)も、うやむやです。登場人物の強欲さは、うまく表現されていると思いました。


No.274 9点 刺青殺人事件
高木彬光
(2012/08/31 17:37登録)
(再読)高評価の「人形はなぜ殺される」より本作の方が、やはり良い(好み)ですね。トリックはこれしかないと読者に思わせるのですが、その真相がなかなか解らない。これこそ心理トリックの醍醐味だと思います。再読なので、伏線もしっかり張ってあることを確認しながら読むことができました。解説(小泉喜美子氏)にある「日本推理小説史上に燦として妖しき光芒を放つ作品」ということでしょう。


No.273 5点 スタイルズ荘の怪事件
アガサ・クリスティー
(2012/08/30 11:00登録)
前書き「スタイルズ荘の怪事件」によせては”ネタばれしている”ので先に読まない方が良いと思います。読後(意外な犯人)の印象はだいぶ違ってくると思いますので、前書きがない方がよかったのでは?とつくづく思う次第です。犯人の狙い(仕掛け)は非常に面白いもの(高評価)でしたが、ひとつ好みでない点(私的に大きな減点対象)があり、この評価となりました。ポアロの目的が犯人逮捕以外にもあったりして凝っています。これがデビュー作とは思えませんでしたね。


No.272 6点 夜の熱気の中で
ジョン・ボール
(2012/08/28 22:32登録)
書評を読んで、これは映画「夜の大捜査線」(1967年・主演シドニー・ポワチエ氏)では?と思い手に取りました。黒人の犯罪捜査官が人種差別と闘いながら事件を解決してゆくものです。ミステリー度はそれほどではありませんが、当時の人種差別がよく描かれています。映画では警察署長役のロッド・スタイガー氏(白人)がどういうわけかアカデミー主演男優賞を受賞しています。どう見たって助演だろう!これこそ人種差別ではないかと、当時憤慨したことを思い出しました。


No.271 6点 私が彼を殺した
東野圭吾
(2012/08/27 18:36登録)
毒入りカプセルの数だけを追って読んでいたので、3点(バック、瓶、ピルケース)はスルーしてしまいました。判るわけないです(笑)。「流星の絆」の兄妹愛が良かっただけに、本作の兄妹愛は受け入れがたいものでした。


No.270 4点 どちらかが彼女を殺した
東野圭吾
(2012/08/24 17:26登録)
(ネタばれあり)                                                    設定(犯人が不明のまま。犯人の偽装+兄(警察署勤務)の偽装。兄と加賀刑事との対決)は非常に面白いと思います。しかし、犯人特定については、何人かの方が指摘しているよう納得はできませんでした。利き手を睡眠薬の袋の破れ方から推理(読者)するものですが、これは不可能でしょう?犯人がすべての袋を同じ面、同じ方向から破っているのなら理解できますが、裏にして破ったかもしれないし、上下左右逆にして破ったかもしれないし、左手または右手を手前に引いたかもしれないし・・・・・・この推理自体が誤り?(笑)


No.269 7点 迷蝶の島
泡坂妻夫
(2012/08/23 21:18登録)
洋上でのサバイバル。ちょっとした手違いで結びついた男女。その二人の手記(1章・3章)と捜査官の報告書(2章)で構成されています。各視点での心理描写については、読み応えがありました。死んだはずの人物の登場は、幻覚?トリック?・・・また死亡者は他殺?自殺?の謎を抱えながら終章へ。登場人物が少ないので、ある程度は予想がつきやすいのですが、終章での真相(伏線はお見事)はわかりませんでした。


No.268 7点 黒い家
貴志祐介
(2012/08/22 07:49登録)
ホラーは超常現象ありのイメージが強く、手を出しづらかったのですが、本作は純然たるサスペンスもので、読み応えがありました。包丁一本のオバサンの狂気や、黒い家の悪臭が伝わってくるのは、筆力があるからでしょう。


No.267 7点 暗いところで待ち合わせ
乙一
(2012/08/20 17:02登録)
甘く切ないファンタジーにミステリーをまぶしたような感じで、読み心地は良かったです。見知らぬ男が潜んでいるなかで、入浴しなければならないシチュエーション(女性心理)がなかったのはちょっと残念でした(笑)。


No.266 6点 銃とチョコレート
乙一
(2012/08/17 21:57登録)
(ミステリーランド)冒険ミステリーです。伏線があったり、意外な結末などミステリー要素は既読のミステリーランドの中では上位にあると思います。どうしようもない悪ガキの将来が気になりました・・・(笑)。題名のチョコレートの意味がラストで明らかになるところがいいですね。


No.265 5点 わが身世にふる、じじわかし
芦原すなお
(2012/08/17 09:36登録)
短編集は奇妙な味(阿刀田高氏やロアルド・ダール氏)が好みで、探偵ものの短編は高評価であってもほとんど敬遠してきました。探偵ものミステリーは長編に限るというこだわりがあるのかもしれません。本作は、ほんわかとした気分にさせてはくれますが、やはり物足りないというのが実感でした。


No.264 5点 青春デンデケデケデケ
芦原すなお
(2012/08/17 09:35登録)
ミステリーではないので本サイトの趣旨と異なると思いますが、先人の書評があったので読後、追随してしまいました。本作は映画化(1992大林宣彦監督)され、そちらを先に観ています。青春バンド物語です。著者とは同世代であるので相通ずるところがかなりあり、バンド演奏場面ではおもわず目頭があつくなってしまいました(笑)。著者は50、60年代ロックについて幅広いのですが、私はベンチャーズ(2008.マドンナと同時にロックの殿堂入り)オンリーで、今でもカラオケをバックに一人ベンチャーズを楽しんでいます。”電気ギター”が「テケテケテケ」でなく「デンデケデケデケ」(パイプライン)がいいですね。


No.263 8点 霧に溶ける
笹沢左保
(2012/08/15 18:00登録)
犯罪構造のアイデアに一票という感じですね。ハウダニットが解明されても、フーダニットが不明という物語の流れも気に入りました。1960年代の金銭感覚や性意識が垣間見れて楽しめました。作者のあとがきにある「哀感のような、澱んだ感傷のような、そんな余韻が残る・・・推理小説」はラストで見事に描かれていると思います。


No.262 7点 漂流者
折原一
(2012/08/15 08:18登録)
復讐劇とサバイバルもので読みごたえがありました。氏ならこう来るのではと確信しながら読んでいるうち、やはり違っていたかと思わせたり、また途中で予想外の人物が殺害されたりし、多少混乱しました(笑)。二つの物語(野獣死すべし・そして誰もいなくなったのオマージュ)がうまく絡まっていて、良い出来だと思います。

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