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ミステリの祭典

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完全犯罪の女

作家 青柳友子
出版日1985年05月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 6点 人並由真
(2020/03/22 05:59登録)
(ネタバレなし)
 大企業「西条計器」の社長で57歳の西条宏介は、概算40億の資産の主。現在は10年前に結婚した29歳の後妻ルミ子と暮らしていたが、そんな彼のもとに死別した前妻との間の長男・英一とその妻の馨子、そして長女の聖子が金策の相談に来る。聖子も馨子もそしてルミ子も、宏介と親族の女性はみな揃って29歳だったが、その三人の中のひとり「私」の宏介を狙う殺人計画がひそかに進行していた……。

 どこかのミステリガイドブックで褒めていたので、ブックオフの100円均一コーナーから、まだ消費税が108円だった一年くらい前に文庫版を発掘して購入。気が向いて、先ほど読了した。
 青柳作品は初読だが、新章文子をちょっと薄口にやや敷居を低くしたような感じの文章で、これはこれで昭和作品っぽい味がある。
 分類すればサスペンス&クライムストーリーの鋳型に流し込んだ技巧派パズラーで、3人の女の誰が「私」か、そして事件の実相は……というフーダニットでハウダニット(ホワットダニット)。

 ちなみに元版は1985年のようだが、(中略)的、(中略)的には、当時ですらけっこうギリギリだったのでがないか? というピーキーな大技を用意してあり、もちろん21世紀の新作でこれを書いたら絶対に許されないだろ、という作り。その辺は前もって了解しておいた方がいい。

 ただ、そう踏まえて読むのなら、アルレーが好きらしいという作者の狙いどころは悪くない。あくまで昭和ミステリと心得た上で、こういう妙な茶目っ気のあるものも楽しみたいと思う。
 うん、まあ、嫌いではないです。

No.1 4点 蟷螂の斧
(2012/09/02 21:39登録)
資産家に係る3人の女性(妻、娘、長男の妻)が相続を狙う。惨劇が起こり、長男が犯人として捕らえられる・・・。題名から、犯人は女性であると推定され、叙述(ある人物と思わせる)により、それなりに騙されるのですが、意外性があまり感じれれないのです。物語の構成の問題?かもしれません。警察の捜査は甘いと思うし、長男が犯人となった証拠や行動(真犯人が仕掛けたはず?)も、うやむやです。登場人物の強欲さは、うまく表現されていると思いました。

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