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ミステリの祭典

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銃とチョコレート

作家 乙一
出版日2006年05月
平均点6.29点
書評数7人

No.7 5点 メルカトル
(2019/02/24 22:00登録)
大富豪の家を狙い財宝を盗み続ける大悪党ゴディバと、国民的ヒーローの名探偵ロイズとの対決は世間の注目の的。健気で一途な少年リンツが偶然手に入れた地図は事件解決の鍵か!?リンツは憧れの探偵ロイズと冒険の旅にでる。王道の探偵小説の痛快さと、仕掛けの意外性の面白さを兼ねる傑作、待望の文庫化!
『BOOK』データベースより。

ミステリーランド叢書ということで、ジュブナイルのせいか難読漢字でもないのにやたらとひらがなが多用されて、非常に読み難いです。
序盤は乙一どうしたって感じで不安でしたが、中盤からそこそこ面白くなってきます。単なる勧善懲悪ではなく、敵と味方が頻繁に入れ替わり、ミステリに対する揶揄や皮肉も交えて、冒険小説はこうあるべきという概念を覆そうとしているのが見え隠れしていますね。
小学生が読めばそれなりに印象深い小説と言えるかもしれません。大人は信用できないよ、人を見る目を養いなさいよ、という教訓を子どもたちに与えようとする姿勢が本作を一味違った作品にしていると思います。まあ大人にはやや物足りない気もしますが。

しかし、これを単行本で2000円も出して購読していたら業腹だったでしょうが、古本屋でノベルスが100円だったのでよしとします。それ以上高かったら買わなかったでしょうけどね。

No.6 7点 青い車
(2016/11/14 17:58登録)
 初の乙一作品。軽妙かつ捻りの利いた展開で後半に向かうほど面白さが増していきます。宝捜しや怪盗と名探偵など、子供心をかきたてるお決まりの材料を、こちらの期待をいい意味で裏切って楽しませてくれるのが粋です。小学生が大人の仲間入りができたと感じるのではと思うほど、少年向けでありながらかなりの完成度でした。不満を挙げるとするなら普通なら漢字であるところのひらがな表記が多く、却って読みづらかったところです。

No.5 6点 蟷螂の斧
(2012/08/17 21:57登録)
(ミステリーランド)冒険ミステリーです。伏線があったり、意外な結末などミステリー要素は既読のミステリーランドの中では上位にあると思います。どうしようもない悪ガキの将来が気になりました・・・(笑)。題名のチョコレートの意味がラストで明らかになるところがいいですね。

No.4 6点 白い風
(2012/01/20 20:30登録)
昨年から読んでいる”ミステリーランド”9冊目。
怪盗が出てきたり、宝の地図が出てきたりして今まで読んだ中で一番子供がワクワクする内容だと思いました。
ちょっと架空の世界の話だけに、冒険小説にも感じられましたね。
それに登場人物がチョコレート菓子名にもなっているのも楽しめました。
(脇役についてもネットで調べちゃいました(笑))

No.3 7点 touko
(2011/04/08 21:03登録)
児童向けミステリ企画で出された1冊。
漢字にルビがふってあったり、登場人物の名前がすべてチョコレートのブランド名だったり、どことも知れない外国を舞台に、明智小五郎と少年探偵団と怪人20面相を思わせる設定だったりと、いかにも低年齢向けを意識した内容。

ご近所世界から世界が広がっていくドキハラ感、気弱な主人公のいざという時の勇気、いじめっ子が意外と頼りになったりと、一般映画のランキングにも入ってくるような映画版のドラエもんの名作みたいな感じで、子供はもちろん、大人も楽しめるクオリティ。本格ミステリ要素も、うまく調和しています。

ただ、暴力的だったりダークな要素も強いので、子供にはちょっと刺激的すぎるかな。。
自分が子供の時に読んだら、その刺激的なところも面白いと思っただろうけど、大人の立場で考えると、児童文学としてとてもすぐれたところがあるにも関わらず、子供に積極的に読ませる気にはなれないという微妙さ。

人間の多面性だけじゃなく、移民や民族差別等、白黒決着つけるには難しい問題も出しているので、もうちょっと対象年齢上の作風で、もう少し踏み込んで書いた方が(高学年向けのハリポタくらいの感じで)、まだ違和感なかったんじゃないかな?

No.2 5点 H.T
(2009/04/05 10:51登録)
「このミス」でもわりと話題になった作品です。
この作品を前半・後半に分けると、前半はまあ楽しい生活。けれど、後半になってしまったらあら大変!人間の黒さがはっきりと浮き出ているではありませんか!(←ちょっとばかり言い過ぎではありますが…)
ジュブナイルミステリーとしてはどうかな?と思いました。
けど、楽しめました。

No.1 8点 VOLKS
(2008/03/04 16:22登録)
ワクワクした。
こどもの頃を想い出すような冒険ストーリー。勿論ここまでの冒険は経験したことがないけれど、経験ないが故に主人公に羨望。また冒険ストーリーにとどまらずミステリィ要素も注入されていて、とにかく楽しい読み物だった。

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