蟷螂の斧さんの登録情報 | |
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平均点:6.09点 | 書評数:1660件 |
No.1360 | 5点 | 黒い画集3 松本清張 |
(2020/08/31 18:04登録) 本書は、新潮文庫版「黒い画集」では未掲載の2作品が掲載されています。 ①凶器 6点 別途評価済み 後書きでは、クリスティ女史にも同様な作品があるとのことで調べてみましたが、それは単なる凶器の使用でトリックではなかったようです。 ②濁った陽 6点 1960年の中編作品。汚職事件に絡むアリバイ崩しです。出だしは「点と線」を彷彿させます。トリックは既視感のあるもので、後発は何点かの作品は覚えていますが、先発があるかどうかあやふやです。 ③草 4点 病院院長と婦長が駆け落ち?。あるいは無理心中?。○○を狙ったのでしょうが大失敗。慣れないことはやらない方がよかったような(笑)。 |
No.1359 | 6点 | 疑惑 折原一 |
(2020/08/29 15:49登録) 著者の得意な叙述は一作品のみで、ブラックユーモア系が多かったですね。 ①偶然 8点 振り込め詐欺の電話を受けっとった老女のお話。結末は思わず吹き出してしまった。バカウケ。 ②放火魔 6点 息子が放火魔らしい。母のとった行動は思いもよらないもの? ③危険な乗客 6点 殺人者が同席する確率は?二人の女性客のねちっこい会話が楽しめた。オチもいい。 ④交換殺人計画 5点 失敗?するも、結果的には成功なの??? ⑤津村泰造の優雅な生活 6点 優雅な生活とはとても言えない(笑)。善人と悪人、嘘と真実の反転が面白い。 ⑥黙の家 7点 誰も訪れることのないような美術館での出来事。著者らしくない?ホラー・テイストな作品で、シュールな感じが何とも言えない。 |
No.1358 | 7点 | 失踪者 下村敦史 |
(2020/08/27 19:03登録) あらすじ~『2016年、ペルーはブランカ山群。山岳カメラマンの真山は単身シウラ・グランデ峰を登っていた。10年前、クレバスに置き去りにしてしまった親友・樋口を迎えにきたのだ。クレバスの底に降り立ち、樋口を見つけ出した真山だったが、遺体の顔を覆う氷雪を落として驚愕する。樋口の顔は明らかに10年前より老いていたのだ。』~ 「生還者」に続く山岳ミステリーです。本作はカットバック方式が採用されていますが、成功したとは言い難いです。理由は、同じ登場人物による同じような山岳場面が多いため、各年代の区別が曖昧となってしまい頭に入ってこないということです(苦笑)。ミステリーとして、また感動ドラマとしては成功していると思います。8点献上してもいいくらいですが、前記の点がマイナスポイントと言わざるを得ないですね。トリックはよくあるものですが、数少ない山岳ミステリーでの使用だったので、かなり新鮮に感じることが出来ました。 |
No.1357 | 6点 | 傷痕のある男 キース・ピータースン |
(2020/08/24 08:37登録) 裏表紙より~『若きジャーナリスト、マイケルは雪に覆われたボスの別荘に招かれた。クリスマス・イブの夜、マイケルが、「傷痕のある男」の怪談をした時、青い目の少女スザンナは異常とも思えるほど怯えた。ニューヨークにもどり、数カ月が過ぎたある霧の深い夜、マイケルは車の中からあの「男」を見掛けた。あれは作り話だ、そんな男が実際に存在するわけがない。が、スザンナも同じ時、その男―何度も悪夢に現われては彼女を苦しめていた「傷痕のある男」―を見ていたのだ。夢の恐怖が現実となった時、二人は何者かに襲われた―。』~ あらすじはホラー系サスペンスのように思われますが、著者の別名義アンドリュー・クラヴァン「真夜中の死線」と同様なデッド・リミテッド型サスペンスの要素が強い小説です。また、ラブロマンスが重要な要素の一つでハラハラドキドキ感がたまらない(笑)。プロットは優れていると思いますが、少し複雑にしたため、ラストのインパクトがやや薄れてしまった点が惜しいところです。でも読みごたえはありました。 |
No.1356 | 6点 | 生還者 下村敦史 |
(2020/08/20 14:40登録) どんでん返しは山岳ミステリーらしいもので楽しめました。 【以下、ネタバレ全開です】 生還した2名の言い分が正反対であることは、どちらかが嘘をついていると通常は考えるはず。ところが結果的に、この前提が崩れてしまった。つまり両名とも嘘をついていたのだ。これはどうなんだろう?。地の文での嘘ではないのでアンフェアではないのかもしれないが、どうも気持ち的にすっきりしない(笑)。生還した高瀬の思考回路がどうも理解できません。加賀谷の話だけを信じて、彼を英雄に祭り上げてしまったことですね。実際の悪意(殺人計画)は東一人のみで他の人物については描かれていない。よって悪意があったかどうか不明。そして主人公の兄はまったく殺人計画には関与していなかった。ところが高瀬の嘘で東以外の4人は悪役となってしまっている。ラストで、真相本が発行され、高瀬と加賀谷についてはフォローはされていますが、悪役となった4人のフォローはなされていません。彼らが浮かばれません。その点が残念です。 |
No.1355 | 7点 | 裁きの街 キース・ピータースン |
(2020/08/16 20:08登録) 裏表紙より~『ウェルズのもとに、情報提供を申し出る一本の電話が入った。出向いた彼を待っていたのは、悪徳警官として知られるワッツ警部補が、以前組織の制裁殺人に手を貸したことがあるという情報。勇んで取材を開始したウェルズだったが、その矢先、謎の暴漢に襲われ、逆に相手を殺す仕儀となってしまう……。サスペンス溢れる第四弾。』~ シリーズ最終編。正当防衛とは言え、人を殺めてしまった記者ウェルズの苦悩。それを楽しむかのような悪徳警官ワッツ。殺人罪で逮捕状を取り、追い詰めるワッツ。逃げるウェルズ。楽しめました。脇を固める登場人物も魅力的でした。なお、女性記者ランシングのファンクラブがあるらしい。解説は日本ランシング・ファンクラブ飯田橋支部の茶木則雄氏で怪説です(笑)。 |
No.1354 | 7点 | 張込み 松本清張 |
(2020/08/15 14:00登録) 唇の厚い男が二編に登場しています(笑)。⑦⑧について、背景・テーマは社会派的ではありますが、短篇のため深く掘り下げられてはいなかったですね。 ①張込み 7点 刑事のやさしさと女の性 ②顔 7点 人間の記憶なんて・・・皮肉 ③声 7点 当日、雨が降っていたとは・・・アリバイ崩し ④地方紙を買う女 6点 社会派の原点か? 犯罪に至る動機 ⑤鬼畜 6点 TVドラマの方が泣けるようです 心理描写 ⑥一年半待て 8点 女性評論家としては「それは推論でしょ」と言いたくはなる(笑)これぞ短篇の切れ味 どんでん返し ⑦投影 6点 事故死には、やはりこれだけ手数をかけなければならないだろう 物理的トリック ⑧カルネアデスの舟板 6点 法的な緊急避難ではなかった点が残念。男心と秋の空 |
No.1353 | 7点 | 夏の稲妻 キース・ピータースン |
(2020/08/09 16:52登録) 裏表紙より~『情報屋のケンドリックから数枚の写真を見せられたのは、八月の暑い盛りのことだった。上院選立候補中の議員がSM行為?ウェルズは慎ましく情報提供の申し出を断ったが、翌日ケンドリックは死体となって発見された。失職の危機に瀕したウェルズは、職業生命を賭けて卑しき街をさ迷うが…。夏の終わりに、彼が到達した真実とは?【MWA最優秀ペイパーバック賞受賞】』~ ハードボイルド系サスペンス。スキャンダル写真の女性は女優志望で、フィアンセを田舎に置いてNYへ出てきていた。彼女を捜す純朴な牧師見習いの青年・・・。ウィットに富んだ会話が心地よい。主人公(新聞記者)と同僚ランシングとの年齢差のある恋?の行方も気になるところ。勧善懲悪小説と思っていたら、意外な方向へ。楽しめました。 |
No.1352 | 6点 | ホロー荘の殺人 アガサ・クリスティー |
(2020/08/06 20:59登録) 複雑に絡み合った恋愛関係が読みどころ。一途な女性ミッジを応援!!その結果は満足です(笑)。この人物が犯人で、動機もこうであろうと思いながらの読書でしたが、毎度のことですが、大ハズレ。読むたびに著者はうまいなあと感心するばかりです。なお、結末に至る過程がややあっけなかったかなと思いで6点どまりとしました。 |
No.1351 | 6点 | 告訴せず 松本清張 |
(2020/08/01 13:44登録) 主人公と温泉旅館の女中・お篠との出会いは、「飢餓海峡」(1963年水上勉氏)を彷彿させます。また「赤いダイヤ」(1962年梶山 季之氏)を意識してか?前半はかなり「小豆相場」にページを割いています。株やFXなど相場に興味のある方は楽しめるかも。しかし、その結果、後半のエピソードや解決篇がやや大雑把になってしまった印象を受けました。そういえば、昔、金融機関では偽名預金もOKだったんですね。 【ネタバレ】記憶喪失のエピソードはトリックとしても面白かったので、もう少し騙し合いの場面を見てみたかった(笑)。 |
No.1350 | 6点 | ポオ小説全集2 エドガー・アラン・ポー |
(2020/07/29 19:46登録) ポオ小説全集4冊の再読完了。結構時間がかかりました。やはり全体的には難解なものが多かったという印象です。 ①ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語 7点 冒険譚で楽しめましたが終わり方に?マーク ②沈黙 5点 岩に書かれた文字が変わる? 理解力不足でよくわかりません(苦笑)。余談~沼地の睡蓮(スイレン)とありますが蓮(ハス)の誤りだと思います。 ③ジューリアス・ロドマンの日記 5点 本作は中編ですが、プロットが似ている冒険譚(短篇)がありましたね。 ④群集の人 6点 何ということがないストーリーなのですが、不気味。これも難解。 ⑤煙に巻く 6点 ユーモア系 マニアほど騙しやすい? ⑥チビのフランス人は、なぜ手に吊繃帯をしているのか? 6点 コント風 題名の理由が笑えます。 |
No.1349 | 7点 | 幻の彼女 酒本歩 |
(2020/07/24 20:31登録) 「BOOK」データベースより~『ドッグシッターの風太に一通の喪中はがきが届く。以前交際していた美咲の訃報だった。まだ32歳なのにと驚く風太。ほかの別れた恋人、蘭、エミリのことも思い出し連絡を取ろうとするが、消息がつかめない。彼女たちの友人、住んでいた家、通っていた学校…三人はまるで存在しなかったかのように、一切の痕跡が消えてしまっていた。友人の雪枝、裕一郎とともに謎を追う風太。辿り着いた驚愕の真相とは…前代未聞、必涙のラスト!!第11回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。』~ トリックは近未来を見据えた新機軸と言っていいでしょう。重いテーマですけれど、さらっとした文章で読み易いですね。読み終わったあとで、表紙をじっくりと見ると、”ああ成程なあ”と思うのであります(笑)。 |
No.1348 | 6点 | ふたたび嗤う淑女 中山七里 |
(2020/07/23 10:38登録) 「BOOK」データベースより~『類い稀な話術で唆し、餌食となった者の人生を狂わせる―「蒲生美智留」が世間を震撼させた凶悪事件から三年。「野々宮恭子」と名乗る美貌の投資アドバイザーが現れた。国会議員・柳井耕一郎の資金団体で事務局長を務める藤沢優美は恭子の指南を受け、資金の不正運用に手を染めるが…史上最恐、完全無欠の悪女ミステリー!』~ 野々宮恭子が議員の柳井を狙う目的は金銭や復讐ではないのか???。このあたりが不気味ではあった。どんでん返しは、まったく考えてもいないことだったが、第一作よりは小粒。まあ、ある人物の活躍が目立ってはいたのだが・・・(笑) |
No.1347 | 7点 | 嗤う淑女 中山七里 |
(2020/07/23 10:32登録) 小説なんぞ、それぞれの専門分野の方が読めば、穴があるのは承知の上。そういう意味では第2章などは穴だらけ(笑)。しかしエンタメ系に関しては細かいことは全く気にしない。楽しめるかどうかの問題。といっても第1章は嫌悪感のある性的虐待を扱っており、読者を選ぶ題材であることには違いない。まあ、ヒロインがエンタメ系らしい悪女で魅力的、そしてどんでん返しが・・・といったところ。 |
No.1346 | 7点 | 黄金の13/現代篇 アンソロジー(海外編集者) |
(2020/07/17 17:26登録) ①「戦士の星」マンリイ・ウェイド・ウェルマン 6点 民族の歌を得ようと、3人の歌手に近づき殺された艶女。インディアンの風習が決め手? ②「名探偵、合衆国大統領」H・F・ハード 8点 北極の氷が溶け、領土が狭くなることを懸念する大統領。彼のとった戦略は?SF的であるが発想が面白い。 ③「裁きに数字なし」アルフレッド・セグレ 4点 賭け事と首なし死体の取り合わせだが意味不明の小説。これが年間のベスト? ④「幸福なるかな、柔和なる者」ジョルジュ・シムノン 8点 懸賞金付き殺人事件。主人公は犯人を知るが、証拠を示せないので焦るのだが。 ⑤「パリから来た紳士」ジョン・ディクスン・カー 6点 遺言状の隠し場所をのん兵衛が推理する。 ⑥「敵」シャーロット・アームストロング 7点 子供たちが犬が毒殺されたと騒いでいる。その顛末は? ⑦「アデスタを吹く冷たい風」トマス・フラナガン 5点 別途書評済み ⑧「追うものと追われるもの」スティーヴ・フレイジー 5点 森へ逃げ込んだ脱獄囚を捜索隊が追う。捜査隊の一人は囚人を狩ることしか頭にない男。 ⑨「二重像」ロイ・ヴィガーズ 8点 夫とそっくりな人物が現れた。夫は双子であるが、片方は死んでいるという・・・。 ⑩「決断の時」スタンリイ・エリン 9点 自信家ヒューの前に引退した奇術師が現れる。ヒューは彼に挑戦状(賭け)を突きつける・・・。リドル・ストーリー。表面上は負け、実質は勝ちという結末を大発見(笑) ⑪「黒い小猫」A・H・Z・カー 6点 愛娘が飼っている猫を誤って殺してしまったやもめの牧師の心情。ミステリーか? ⑫「物は証言できない」エイヴラム・デイヴイッドスン 5点 奴隷に証言を求めるが・・・。 ⑬「一滴の血」コーネル・ウールリッチ 9点 本短篇集のマイベスト。完全犯罪のはずが・・・。短篇「砂時計の伝言」(法月綸太郎)は本作のオマージュ。 |
No.1345 | 6点 | 死が最後にやってくる アガサ・クリスティー |
(2020/07/10 20:33登録) ロマンスの行方は予想できましたが、犯人は分からずじまい。古代エジプトが舞台なので、犯人にはそんなに悪知恵はないだろうとの思い込みが敗因でした(笑)。ラストはほのぼの感に満たされています。こういうのに弱いんです。なお、裏表紙にある重要事件がすぐ起きるものと思ったら、全頁の五分の二まで起こりませんでした。よって、かなり無神経なネタバレであると思います。 |
No.1344 | 7点 | 愛国殺人 アガサ・クリスティー |
(2020/07/05 17:40登録) 本書は江戸川乱歩が選んだクリスティ作品ベスト8の一冊。「惜しげもなく大胆なトリックをいくつも織り込んだ、よく考えられた複雑な筋」と絶賛しています。何気なく読むと、大したトリックでもないような気がしますが、実は一点一点よく見ていくと本当に手の込んだトリックと分かります。 ベスト8(マイ評価・本サイト平均点) 「そして誰もいなくなった」(10点 8.67点) 「白昼の悪魔」(7点 7.08点) 「三幕の殺人」(5点 6.27点) 「愛国殺人」(7点 5.67点) 「アクロイド殺し」(10点 7.83点) 「ゼロ時間へ」(8点 6.38点) 「シタフォードの秘密」(6点 5.20点) 「予告殺人」(5点 5.74点) 【ネタバレ】 邦題は米国版「The Patriotic Murders」より。ダブルミーニングで大変良いと思います。 |
No.1343 | 6点 | 赤い部屋異聞 法月綸太郎 |
(2020/07/02 19:09登録) 「赤い部屋異聞」・・・7点 オチは面白いが、説明がややクドいかな。「赤い部屋」(江戸川乱歩) 「砂時計の伝言」・・・6点 わかるはずのないダイイングメッセージだが警察のお手柄で。「一滴の血」(コーネル・ウールリッチ) 「続・夢判断」・・・・7点 思わず笑ってしまうブラックユーモア。「夢判断」(ジョン・コリア) 「対位法」・・・・・・5点 作中の人物が・・・メタミステリー。「続いている公園」(フリオ・コルタサル) 「まよい猫」・・・・・5点 前半の描き方がうまくないのでラストの効果が半減。「元犬」(落語) 「葬式がえり」・・・・5点 人気があるようですが、あまりインパクトがなかった(苦笑)。「小豆とぎ橋?」(ハーン?) 「最後の一撃」・・・・6点 クイーン好きにはお勧め?「馬をのみこんだ男」(クレイグ・ライス) 「だまし舟」・・・・・7点 恐ろしくて半分までしか読めない本?「阿蘭陀すてれん」(都筑道夫) 「迷探偵誕生」・・・・6点 悪魔との契約で最終的に望むものは?「洋梨形の男」(ジョージ・マーティン) |
No.1342 | 5点 | アンドロイドは電気羊の夢を見るか? フィリップ・K・ディック |
(2020/06/29 23:05登録) 映画「ブレードランナー」は、SF映画ベスト100(情報誌Time Outロンドン版2014年)の第2位、史上最高の映画500(エンパイア誌2008年)の第20位と名作なのですが、主人公がレプリカント(小説はアンドロイド)に惚れてしまう物語という程度の記憶しか残っていません(苦笑)。本作は映画の原作というより、「原案」と言った方がよいのかも。アンドロイドは殺人を犯し地球にやってきたのですが、どうして殺人を犯してしまったのか説明がされていません。単純に奴隷からのがれるためだけでは短絡的過ぎませんか?。よって、残念ながらアンドロイドに感情移入できませんでした。殺人が出来ないようにプログラムすればいいだけの話なのに、まだ殺人ができる次世代のアンドロイドを製作中というのです。この辺がよく分かりませんでした。映画の方がアンドロイドを愛してしまう人間性を描いているという点では上回っているような気がしました。 (参考)SF映画ベスト100の上位10作品(*は2008年、英国「エンパイア」の映画ベスト500) 1位「2001年宇宙の旅」(1968)(*16位) 2位「ブレードランナー」(1982)(*20位) 3位「エイリアン」(1979)(*33位) 4位「未知との遭遇」(1977)(*59位) 5位「エイリアン2」(1986)(*30位) 6位「スター・ウォーズ」(1977)(*22位) 7位「未来世紀ブラジル」(1985)(*83位) 8位「メトロポリス(1926)(*-) 9位「ターミネーター」(1984)(*308位) 10位「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」(1980)(*3位) |
No.1341 | 3点 | 湘南アイデンティティ 西村京太郎 |
(2020/06/26 20:30登録) 裏表紙より~『小田原に住み、湘南ライナーで新橋の経済研究所に通勤する武藤の前に現れた美女・小早川恵。彼女は武藤に、週に一度、平塚にある自分のマンションで一夜をともにしてほしい、ただしセックスは抜きで、と持ちかける。恵はこうして、川上、大杉、岸川、仲という湘南に住む五人の三十代エリートに声をかけ、それぞれ月曜日から金曜日まで「一夜同棲契約」を結ぶ。岸川の美人秘書が殺され、捜査に乗り出した十津川警部の元に、恵と男たちの奇妙な関係を記した報告書が届く。一方、恵の魅力に翻弄された岸川は、他の男たちに恵をレイプしようと持ちかける。 』~ 折原一氏の小説(天井裏の散歩者、奇術者あたり)を読んでいるような気になりました。彼女の争奪戦です。もちろん叙述ものではありません。ところが十津川警部登場にもかかわらず、肝心の推理も捜査も何にもないのです(苦笑)。謎といえば誰が興信所へ調査を依頼したか程度。これも見え見えで・・・。残念至極。 |