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ミステリの祭典

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ヴェニスの商人

作家 ウィリアム・シェイクスピア
出版日1963年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 蟷螂の斧
(2021/03/21 17:06登録)
裏表紙より~『ヴェニスの若き商人アントーニオーは、恋に悩む友人のために自分の胸の肉一ポンドを担保に悪徳高利貸しシャイロックから借金してしまう。ところが、彼の商船は嵐でことごとく遭難し、財産の全てを失ってしまった。借金返済の当てのなくなった彼はいよいよ胸の肉を切りとらねばならなくなるのだが――。機知に富んだ胸のすく大逆転劇が時代を越えてさわやかな感動をよぶ名作喜劇。』~
発表当時(1590年代)は喜劇だったんだろうけれど、現在ではシャイロックの悲劇ですね。これほどユダヤ人を差別しているとは思っていなかったので、後味はよろしくない。まあ、シャイロックの裁判での叫びが唯一の救いではあるのだが。ユダヤの人々が本作をどのように評価しているのか気になって調べたら、やはり人権団体が学校教材や舞台演劇に使用することに反対する運動や裁判を起こしていましたね。現代の演劇や映画では、「悲劇」と扱っているようです。あと、当時の貞操観念が面白い。未婚の女性が、婚約者に「わたしは○○と寝ましたのよ」(嘘ではあるが)などと言う。こんなところが喜劇要素だったのかも。

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