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ミステリの祭典

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蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1722件

プロフィール| 書評

No.1722 8点 野良犬の値段
百田尚樹
(2026/03/27 16:23登録)
ホームレス6人が誘拐された。犯人はマスコミの各社(新聞2社、TV2局)に身代金を要求した。身代金など支払う義務もないマスコミの対応は?…。SNSを含む劇場型犯罪で、マスコミの裏事情も明かされ楽しめました。構成も上手いし、最後の一行も決まっている。


No.1721 8点 輝く夜
百田尚樹
(2026/03/16 18:17登録)
何処にもありそうなメルヘンの世界。文章が文学的でもないのに、どこがいいのか?。そうだ!ストーリーティングが巧みなんだな。
①魔法の万年筆 7点 彼女はクリスマス・イブの日にリストラされた。金もなかったが、ホームレスに施しを…ホームレスからもらった鉛筆(これぞ、大人のメルヘン?)
②猫 8点 猫と暮らす派遣社員の彼女。残業で青年社長と二人っきりとなる。食事に誘われるが、猫が待っていると断る…気持ちとは裏腹(最後の一行が決まるW)
③ケーキ 8点 末期がんの二十歳の娘は密かに若い医師に思いを寄せていた…奇跡的に癌が消滅(切ないなあ)
④タクシー 9点 酔った彼女はタクシー運転手に、昔の彼氏との出会いから別れまでを話し始める…スチュワーデスと偽っての付き合い(そういう展開になるとは)
⑤サンタクロース 5点 妻は、初めて夫に昔のつらい経験を語り出す…ぐれた長男(現実であれば、長男の性格等書き込み不足で納得感なし。SFと捉えてもなあ)


No.1720 6点 死の猟犬
アガサ・クリスティー
(2026/03/10 07:51登録)
今年は、アガサ没後50年。評論家・松江松恋氏のアガサ・ベスト10の1冊です。
①死の猟犬 4点 ドイツ軍が修道院に入ってくると、大爆発が起こった…生き残った修道女(オカルト風風味だがイマイチ)
②赤信号 6点 「家に帰るな」との予感と霊媒師の予言が一致…帰宅すると見知らぬピストルを発見(愛憎劇の明快なストーリー)
③第四の男 6点 多重人格の女性が自殺した話題。列車内の同席の男が、その原因を語り出す…二人の少女の関係(生への執着と虚しさ)
④ジプシー 6点 友人はジプシーの夢をよく見、その予言が当たると恐れていた…友人の死を予言した夫人(幻想と現実。「終わりなき夜に生まれつく」にも「ジプシーが丘」と老婆のジプシーが登場していた) 
⑤ランプ 6点 子供の泣き声が聞こえるという噂のある屋敷…そこに住んだ子供(「闇に迷えるかよわき子らを運命の女神はいかなるランプもて導きたもうや」バッドエンドともハッピーエンドとも?)
⑥ラジオ 5点 ラジオから亡き夫の声が…「お前を迎えに行く」(ホラーか?ミステリーか?)
⑦検察側の証人 8点 夫が殺人容疑で逮捕された。その時間、妻と一緒にいたアリバイがある…妻の証言(同「戯曲」とは結末が違っている。評価は余韻を採るかどんでん返しを採るか?)
⑧青い壺の謎 7点 森の方で「人殺し、助けて」と声がした。森の中の一軒家に娘がいたが、そんな声は聞こえなかったという…幻聴?(ホラー風味から現実への展開がいい)
⑨アーサー・カーマイクル卿の奇妙な事件 4点 青年は急に猫の仕草をするようになった…猫の鳴き声(オカルト。昔は東洋人への偏見が強かったんだね)
⑩翼の呼ぶ声 6点 百万長者は、奇妙な楽器で奇妙な曲を吹く足のない男に出会う…幻想(著者の意外な一面?)
⑪最後の降霊会 8点 亡くなった子供を呼び出す降霊会…霊媒師は最後の会としたい(オカルトと人の心、どっちが怖い?)
⑫S・O・S 6点 車がパンクし、人里離れた家を訪問し一泊を乞う。すると寝室のテーブルにS・O・Sの文字があった…2人の娘のうち、どちらかが書いたはず(ホラーと思ったらミステリー)


No.1719 9点 シャッター・アイランド
デニス・ルヘイン
(2026/03/02 08:21登録)
裏表紙より~精神を病んだ犯罪者のための病院で女性患者が謎のメッセージを残し、姿を消した。鍵がかかった病室からどのようなトリックを使って脱け出したのか?そしてその病室には「ローオブフォー」(4の法則)なる暗号がのこされていた。連邦保安官テディは病院に赴くがある事に気をとられ、捜査ミスをおかす。妻を殺した男がここに収容されていたのだ。ボストン沖の孤島に建つ病院で惨劇が始まる。挑発的仕掛けのサスペンス。~

「どんでん返しのある映画」で上位にランクされる作品の原作。解説にある通り、リチャード・ニーリィ好きにはたまらん(笑)。オチはもちろん、伏線の妙、心理描写が抜群。特にラストの心理戦(会話)は圧巻であった。なお、密室からの女性患者の行方不明(あらすじ)はとっかかりに過ぎないので、そこは期待しない方がよいと思います。


No.1718 5点 ユージュアル・サスペクツ
クリストファー・マックァリー
(2026/02/25 17:22登録)
~家宅侵入のプロ、ハードウェアと火薬のプロ、詐欺師、元汚職警官、そしてクレイジーな犯罪者。彼ら5人がしでかす犯罪とは…? サンダンス映画祭審査員大賞受賞作の原作。~
「どんでん返しのある映画」でよく投稿されている作品の原作です。大口の麻薬取引が行われようとしていた。その時、銃撃戦が勃発し、麻薬運搬船が大爆発を起こした。現場近くにいた手足の不自由な詐欺師が逮捕された。彼は何が起こったのかをぽつりぽつりと話し出す…。
大きな謎は、この取引を仕組んだ伝説のギャングが存在するか否かです。ミステリー的には、それほど驚くようなことはありませんでした(苦笑)。全体的に緊迫感がなかったのが残念な点です。


No.1717 7点 あんたを殺したかった
ペトロニーユ・ロスタニャ
(2026/02/22 18:10登録)
謎の設定や小出しにする方法は上手く、また章立ても短く、リーダビリティはあります。「死体なき殺人事件~ラスト10頁であなたも驚愕する」と帯にありますが、煽り過ぎ(笑)。フランス風なエスプリなのかな?。二人で○○でフェードアウトの方が余韻が残ったような…


No.1716 6点 鑑定士と顔のない依頼人
ジュゼッペ・トルナトーレ
(2026/02/19 13:09登録)
~天才的鑑定眼をもつ初老の美術鑑定士の元へ、若い女性から屋敷に遺された絵画や家具の査定をしてほしいとの依頼があった。しかし、依頼人はその姿を決して見せることはなかった。深まる謎…~
「どんでん返しのある映画」で検索したらヒットしたので拝読。2013年に映画化(イタリアで最優秀賞を受賞~未観)。原作というよりノベライズ未満の中編小説(90P)と言えるでしょう。若い女性が何故そんなとっぴな行動をとるのかな?と思うようなところがありました。まあ、それがラストに結びつくんですがね(笑)。登場人物の特殊な性格(潔癖症と対人恐怖症)と、ゴシック風味な屋敷の様子がうまくマッチしていたと思います。


No.1715 8点 ゴールデン・フリース
ロバート・J・ソウヤー
(2026/02/15 20:02登録)
「2001年宇宙の旅」(1968年)と比較しないわけにはいかない(笑)。本作は1990年の発表なので、コンピュータの性能(意志・感情)は、前者より格段上ですね。倒叙式なので、最初から犯人がコンピュータと分かっています。殺害された女性物理学者の元夫が探偵役となります。AMなどの感想では「動機」の謎が良いという意見が多いですね。私的には、後半の探偵役とコンピュータの駆け引きが楽しめました。壮大な宇宙の話と、ミステリー的な解決が骨董品の小道具という対比が上手いと思いました。


No.1714 5点 狼の一族 アンソロジー/アメリカ篇 
アンソロジー(国内編集者)
(2026/02/09 20:34登録)
(異色作家短篇集20)
①ジェフを探して(フリッツ・ライバー) 6点 バーに立ち寄る若い娘。年老いたバーテンには彼女が見えるが、若いバーテンには見えない…彼女の依頼事(SFではなくホラー)
②貯金箱の殺人(ジャック・リッチー) 7点 少年が小遣いを貯めた27ドルで殺人を依頼。実際に殺人事件に…少年の目的(二転三転)
③鶏占い師(チャールズ・ウィルフォード) 7点 鶏占いで2回も同じ「死」が出た。信じるしかない?…その対策(結末は皮肉)
④どんぞこ列車(ハーラン・エリスン) 7点 貨物列車で生活する男。そこに若い男女が乗り込んできた。「こいつはいけるぞ」…危険な臭い(男気)
⑤ベビーシッター(ロバート・クーヴァー) 2点 パーティに出かけた夫婦。留守を預かるベビーシッター。そのボーイフレンドたち。その他TV番組などが断片的(非常に短く)、かつ時間軸も前後して語られる…現実?幻想?(実験小説らしいが面白くもなんともない)
⑥象が列車に体当たり(ウィリアム・コツウィンクル) 5点 列車に立ち向かう、お馬鹿な象さん…ナンセンス(牝牛の行動が笑える)
⑦スカット・ファーカスと魔性のマライア(ジーン・シェパード) 6点 少年時代の喧嘩ゴマ。強いコマを捜し勝負する…勝負の行方(たかが玩具のコマだけど迫力があった)
⑧浜辺にて(R・A・ラファティ) 6点 頭でっかちの4歳児。浜辺で彼の頭より大きい貝を見つけた…利発な貝(父親ほか登場人物がとぼけているW)
⑨他の惑星にも死は存在するのか?(ジョン・スラデック) 2点 ある惑星での地球人スパイの逃亡劇…手提げ鞄が重要(SFなんだけど、理解できませんW)
⑩狼の一族(トーマス・M・ディッシュ) 6点 幼い少年は、ある日突然狼に変身。その後、人間に戻ったり…その運命は?(人間に戻った時、狼狩りに参加しなければならない)
⑪眠れる美女ポリー・チャームズ(アヴラム・デイヴィッドスン) 5点 展示場には三十年間眠り続けている金髪の美女がいた。話しかけると…インチキ?(事故で助けたのはどちらの人物?)


No.1713 4点 エソルド座の怪人 アンソロジー/世界篇
アンソロジー(国内編集者)
(2026/01/25 09:33登録)
(異色作家短篇集18)いわゆる短篇の「切れ」や「オチ」がない作品が多いような。
①容疑者不明(ナギーブ・マフフーズ~エジプト・ノーベル賞作家) 4点 同じ手口の連続殺人。物証、関連性もなし…警察の動き(文学的と言えばそうなのかも、でもミステリーとしては?)
②奇妙な考古学(ヨゼフ・シュクヴォレツキー~チェコ) 5点 娘が国外へ違法脱出か?。11年後、白骨体が発見され…無くなったペンダント(共産主義下の重苦しい雰囲気の小説)
③トリニティ・カレッジに逃げた猫(ロバートソン・デイヴィス~カナダ) 6点 カレッジに猫が住みつかない。青年科学者はフランケンシュタインを見習い、巨大猫を造るが…猫の嫉妬(青年の創造物への愛情は)
④オレンジ・ブランデーをつくる男たち(オラシオ・キローガ~ウルグアイ) 4点 片腕の男は、飲んだくれの博士に蒸留酒の製造アドバイスを求めるが…博士の娘の運命(ホラ噺からシリアスな展開)
⑤トロイの馬(レイモン・クノー~フランス) 3点 バーで水だけ飲んでいる男女。そこへ一頭の馬が声をかける…トロイ出身(最初、擬人法と思って読んでいたら、シュールだったんだW)
⑥死んだバイオリン弾き(アイザック・バシェヴィス・シンガー~ポーランド・ノーベル賞作家) 7点 恋人を失った娘に、男と女の死霊が憑りついた。お互い悪態をつくが、二人は結婚すると言い出し…男の死霊はバイオリンが上手い(死霊同士がののしり合いがいいね。何故、娘に憑りついたのか?)
⑦ジョヴァンニとその妻(トンマーゾ・ランドルフィ~イタリア) 4点 その男はオペラに精通し美声とのこと。ある日、その美声を聞くと…妻とのデュエット(音程は?)
⑧セクシードール(リー・アン~台湾) 4点 妻はいつか夫の胸におっぱいが
出来たらと思うようになり…幼少時の布人形(サイコかユーモアかどっちつかず)
⑨金歯(ジャン・レイ~ベルギー) 6点 私は墓から金歯を盗むを生業にしている。ある日、姉妹に出会い、金歯の妹に惚れる…姉の正体(軽快な乗り)
⑩誕生祝い(エリック・マコーマック~スコットランド) 5点 男の誕生日。モーテルには女がいた…SF的エログロ(読み飛ばしてもいいとのことW)
⑪エソルド座の怪人(G・カブレラ=インファンテ~キューバ) 4点 映画鑑賞をする男女。映画や小説の話があちこちに飛ぶ…映画館内での盗難(脱線話?のオンパレード)


No.1712 3点 我輩はカモである
ドナルド・E・ウェストレイク
(2026/01/17 11:04登録)
アメリカ探偵クラブ受賞のユーモアミステリーとのことで拝読。ユーモアとあるが、全く理解できなかった。笑えるツボが違うので致し方ないか?。展開も余計な部分(詐欺に引っかかる)が多く退屈。本命の犯人探しの結末もショボイ。これがMWA賞?というのが印象でした。


No.1711 6点 エドガー賞全集 1990~2007
アンソロジー(出版社編)
(2026/01/09 10:14登録)
①悪党どもが多すぎる(ドナルド・E.・ウェストレイク) 7点 二人組の銀行強盗は地下水道から銀行の地金庫室に侵入…そこには銀行員全員がいた(プロット良し)
②エルヴィスは生きている(リン・バレット) 5点 エルヴィスの物まね芸人の日々(心情を描いた作品)
③九人の息子たち(ウェンディ・ホーンズビー) 8点 貧しい農家には9人の息子、女の子が生まれ…最後の一行(わかっているけど、その言葉は聞きたくない)
④メアリー、メアリー、ドアを閉めて(ベンジャミン・M・シュッツ) 5点 資産家から姪の婚約者の素性調査を依頼された私立探偵…恋は盲目(ハードボイルドタッチ)
⑤ケラーの治療法(ローレンス・ブロック) 6点 鼠を殺す夢を見る男は精神科医を訪ねる…医者のたくらみ(結末は少し外れW)
⑥ダンシング・ベア(ダグ・アリン) 7点 戦場から戻った兵士。恋敵だった友に会いに来たが…恋人は死んだと言われた(領主の妻の存在)
⑦判事の相続人(ジーン・B・クーパー) 5点 横領犯の女は幼馴染…女の兄との確執(3人の小指の切断の意味がわからん)
⑧赤粘土の町(マイケル・マローン) 5点 元恋人が女優となった。その彼女が夫殺しの被告となり…唯一無実を信じる元彼(元彼の子供の視点で)
⑨ケラーの責任(ローレンス・ブロック) 7点 殺し屋は標的の孫を助けてしまい…依頼主は誰?(プロット良し)
⑩密猟者たち(トム・フランクリン) 6点 密猟の3兄弟は新任狩猟監視官を殺害してしまった…伝説の狩猟監視官の登場?(姿が見えない)
⑪英雄たち(アン・ペリー) 5点 前線で戦う兵士。相手の仕掛けた鉄線につまづき…精神の不安定(英雄になりたい?)
⑫ミッシング・イン・アクション(ピーター・ロビンスン) 8点 父親が戦死。その息子が行方不明に。最後に少年に声をかけた男…町の悪意、母親の言語障害(やるせなさと怒り)
⑬ペテン師ディランシー(S・J・ローザン) 5点 探偵の知り合いがペテン師に引っかかり…輸入禁止(騙し合い)
⑭メキシカン・ギャツビー(レイモンド・ステイバー) 7点 ギャング映画にギャング自身が主演すると言い出し…二通りのシナリオ(現実のラストが良し)
⑮メイドたち(G・ミキ・ヘイデン) 5点 奴隷社会。牛と白人に流行り病が…キリスト教の黒人メイドの悩み(白人支配の終焉)
⑯隠れた条件(ジェイムズ・W・.ホール) 5点 殺し屋は200ドルという安さで仕事を請け負う。殺し屋は依頼人に質問を…納得の動機(息子殺しだが、そのわけは)
⑰銃後の守り(チャールズ・アルダイ) 8点 戦時中、物価管理官はスタンドでガソリンを適正に販売しているかチェック。不正従業員の青年をを逮捕、連行中に事故に遭遇…青年の母親とのめぐり逢い(ハッピーエンド?バッドエンド?)


No.1710 5点 棄ててきた女 アンソロジー/イギリス篇
アンソロジー(国内編集者)
(2025/12/29 15:13登録)
(異色作家短篇集19)
①時間の縫い目(ジョン・ウインダム) 7点 車椅子の夫人は窓辺で50年前のあの日を想った。恋人を待っていたが現れなかった日だ。まどろむと、恋人が昔の姿のまま現れた…夢?(SFファンタジー)
②水よりも濃し(ジェラルド・カーシュ) 7点 愛する女のため、偶然にも裕福な叔父を殺害する機会を得る…意気地なしと言われ(奇妙な味というより奇妙な展開の物語)
③煙をあげる脚(ジョン・メトカーフ) 5点 インチキ医者が水夫の脚を手術…埋めこめられた宝石(魔術による復讐)
④ペトロネラ・パン~幻想物語(ジョン・キア・クロス) 5点 30年間、赤ちゃんコンクールを開催する男。これほどの美しい赤ちゃんに見向きもしない…ある秘密(SFチック)
⑤白猫(ヒュー・ウォルポール) 4点 男は富豪の未亡人に求婚する…でも飼い猫が(まあ、予想通り)
⑥顔(L・P・ハートリー) 6点 理想の女の顔を描き続ける男。似た女と結婚するも死に別れ。また似た女が現れたと聞き…女性側の悲劇(普通の小説?)
⑦何と冷たい小さな君の手よ(ロバート・エイクマン) 5点 見知らぬ女性と電話で話すようになり…女性は男をじらす(電話中毒)
⑧虎(A・E・コッパード) 4点 見世物動物園に虎がやって来た。うまく調教できるか…横恋慕の結果(口のきけない黒人がアクセント)
⑨壁(ウィリアム・サン ソム) 7点 消防士らは5階建てのビルの消火に。すると壁一面が…4人の運命(オチは感心)
⑩棄ててきた女(ミュリエル・スパーク) 5点 仕事帰りのOL。何かやり残したことがあるような…最後の一行(伏線はあるが、驚けない)
⑪テーブル(ウィリアム・トレヴァー) 4点 売りに出たテーブルにまつわる話…家具商の想像力(売却先は愛人?)
⑫詩神(アントニイ・バージェス) 5点 宇宙にもう一つの地球がある。シェークスピアが本当に戯曲を書いたのか調べるため時空を越え…何人かが同じ調査をしていたようだ(宇宙人は宇宙人だね)
⑬パラダイス・ビーチ(リチャード・カウパー) 9点 美しい浜辺のホログラフィ。現実に存在する?…浜辺に入った夫人は(SFと思いきや探偵小説)


No.1709 7点 深夜勤務
スティーヴン・キング
(2025/12/22 09:57登録)
①地下室の悪夢 5点 古い工場の地下室の掃除。巨大な鼠が出没…アルバイトと上司(B級パニック映画)
②波が砕ける夜の海辺で 6点 パンデミックで生き残った若者数人。仲間が…(夜の波の音が聞こえるようだ) 
③やつらの出入口 8点 金星探査から帰還した宇宙飛行士。手の指先に痒みと痛みが…少年と友人の死(分かっていても不気味)
④人間圧搾機 6点 クリーニングの圧搾機での事故…機械が自我を持っているのか?(クリーニング屋でのバイト時の発想)
⑤子取り鬼 7点 診察室で医師に語る男。子供3人がロッカーから出てくる鬼に殺されたと…精神病?(というオチと思ったが)
⑥灰色のかたまり 4点 ビールばかり飲んでいる父親の様子がおかしいと、息子が…異臭、ネバネバ(気色悪いだけ)
⑦戦場 7点 ある殺し屋の元へ玩具店から小箱が届いた…中身は小人の軍隊(SFチック。殺傷能力は?)
⑧トラック 7点 ハイウェイの駐車場でトラックが暴走…給油(この点は笑える。著者は無機物の暴走が好き?)
⑨やつらはときどき帰ってくる 7点 新任教師は幼い頃、チンピラに兄を殺されていた。そのチンピラそっくりの生徒が教室にいた…夢にうなされる(対策はそっちへ行くか)
⑩呪われた村<ジェルサレムズ・ロット> 7点 呪われた村の過去を探る…邪教、近親相姦、不具者(ある人物の死は幻想、殺人?)


No.1708 7点 最後の一壜
スタンリイ・エリン
(2025/12/16 18:29登録)
①エゼキエレ・コーエンの犯罪 7点 娘の父親はナチスに同胞を売ったとされリンチにあって死亡…この汚名を晴らせるのか?
②拳銃よりも強い武器 6点 広大な屋敷に住む夫人。今では家具まで売り払う貧しい生活。そこへ10万ドルで屋敷を買う男が現れ…カード好きな夫人
③127番地の雪どけ 6点 アパートの暖房も入れぬ家主。その息子と住人の娘が恋に落ち…メルヘンチックで残酷
④古風な女の死 6点 画家の妻の座を奪い取った女の死…容疑者は5人(ダ・ヴィンチやダリもそうだったのかな?)
⑤12番目の彫像 5点 映画関係者が行方不明に…判りやすいが一捻り
⑥最後の一壜 9点 幻のワインを手に入れた大富豪。ついにコルク栓をぬく時がやって来た…十万フランの価値(代表作「特別料理」より、こちらの方が断然好み)
⑦贋金づくり 6点 パリへ旅行中の中年夫婦。妻は蚤の市で買い物。夫は…合言葉(飄々として)
⑧画商の女 6点 老獪な女画商に翻弄される画家。その若妻の策略(頓智っぽく分り易いが笑える)
⑨清算 6点 海辺からホテルに侵入しての殺人…計画的?(ギャップが激しい) 
⑩壁のむこう側 7点 精神科医と患者の会話…夢と現実(阿刀田高氏の「冷蔵庫より愛をこめて」は本作がヒント?)
⑪警官アヴァカディアンの不正 4点 誘拐事件発生?。被害者の医師は否定…ある老女の企み
⑫天国の片隅で 5点 アパートの住人は早朝の騒音に悩まされ…観葉植物にとっても?
⑬世代の断絶 7点 ヒッチハイカーのティーンエイジャー娘を乗せた男は…困ったもんです
⑭内輪 6点 父親がなくなり、母親がすべて遺産相続。娘、息子は気に入らないが…数十年経過、事故?
⑮不可解な理由 7点 肩たたきにあった元同僚に偶然出会った。いつか自分も?…上司からの呼び出しの朝(ワンパターン化しているかも)


No.1707 6点 ママは何でも知っている
ジェームズ・ヤッフェ
(2025/12/03 19:16登録)
①ママは何でも知っている 5点 ホテルでの娼婦殺人事件。容疑者は3人。果たして誰が?…メイドとフロントの証言
②ママは賭ける 6点 レストランでの毒殺事件。スープに毒を入れるチャンスがあったのは一人だけだが…小さな復讐心
③ママの春 7点 老女の殺害事件。謎より、夫と死別したママに、やもめの警部を引き合わせること、および老女の悲哀がメイン?
④ママが泣いた 6点 父親のいないケニイ。好きになれない伯父が同居。伯父が屋上から墜落死。DMは「どうして、ケニイ、どうしてだ?」…無邪気な子供心
⑤ママは祈る 5点 大学教授の殺害事件。容疑者は被害者に職を奪われた元教授。それぞれの息子と娘が婚約…アリバイと動機
⑥ママ、アリアを唱う 4点 オペラマニアの毒殺。コーヒーを渡した人物が犯人?…職業がヒント
⑦ママと呪いのミンクコート 7点 呪いのコートを手にした夫人が亡くなった…夫への気持ち
⑧ママは憶えている 6点 死に別れたママの夫(パパ)の事件。結婚の前日に、パパに言い寄った女性が殺害され、パパが逮捕された…ママのママが解決


No.1706 7点 オズワルド叔父さん
ロアルド・ダール
(2025/11/24 12:46登録)
大人向けの童話(艶笑譚)。「ぼく」がオズワルド叔父さんの日記を公開すると形で物語が進みます。オズワルドは十七歳の時、甲虫から強精剤を作り、パリの金持ちに売りさばき、一財産築く。その後、大学で教授が精子を凍結し、長期保存する方法を発明したことを知る。それに目をつけたオズワルドは、天才たち(ルノアール、、ピカソなどの画家、アインシュタインほか科学者、音楽家、作家等)や各国の国王の精子を入手し、裕福な婦人たちに売ることを考え出す…。バカバカしいのですが、結構笑えます。食事の場面も多く、特に生牡蠣の食し方には感心しました。


No.1705 6点 マーニイ
ウインストン・グレアム
(2025/11/13 16:12登録)
主人公マーニイは会社を転々とし、盗みを働く女性。美貌の持ち主であるが、わざとダサい恰好をしたりして男を寄せ付けない。過去のトラウマが原因?で物語を引っ張って行く。マーニイの心理描写が主体で、相手役・マーク(ヒッチコック監督で映画化、ショーン・コネリー主演)の存在感は薄いような。トラウマに関連する出来事は、映画とは全く違っている。ラストは主にハッピーエンド、バッドエンド、リドルストーリーに別れるが、本編はさて?といったところ。


No.1704 8点 幸福な生活
百田尚樹
(2025/11/04 11:52登録)
「最期の一行」に特化した短篇集。その試みが素晴らしいし、バラエティに富んでいる。
①母の記憶 7点 老人ホームにいる認知症の母を訪ねた息子。息子は子供の頃、大切なオモチャがなくなったことを思い出した…母はその理由を(ブラック)
②夜の訪問者 8点 帰宅すると、浮気相手が妻とおしゃべりしている。妻が席を外すと彼女がキスをしてくる…彼女曰く、妻は私たちのことを知っていると(爆笑もの)
③そっくりさん 10点 妻の悩みは、夫の同性愛疑惑。寝言で「ひろし」とつぶやく…世の中には、そっくりさんが3人はいるらしい(これぞ、最後の一行)
④おとなしい妻 6点 人見知りで内気な妻が、パチンコ店で暴れたという…妻は泣くばかり(まあ、ありがち)
⑤残りもの 6点 30代最後の年にハンサムな美容師と知りあい、即結婚。残りものに福は?(そうなるわな)
⑥豹変 5点 夫はあることで憂鬱になっていた。妻は今日いい事があったという…これしかないオチ
⑦生命保険 8点 友人にさえない夫と結婚した理由を話す。夫は生命保険のようなもの…チンピラから助けてもらった(爆笑もの)
⑧痴漢 8点 満員電車で痴漢扱いされ、その場しのぎで金を支払ってしまった。その後も慰謝料を請求され…警察にいけない理由(ギャップがいい)
⑨ブス談義 5点 結婚式のあと、ロビーで新郎の友人3人が花嫁の容姿の悪口を言い合う。そこへその友人の一人の美人妻が現れ…美男美女の娘の容姿(分かりやすいオチ)
⑩再会 7点 酒、暴力、賭博が原因で別れた元夫が10年ぶりにやって来た。病で瘦せて昔の面影もない…彼女に言い寄る上司(そっち系かW)
⑪賭けられた女 7点 パーティで、しがない編集者は好色な作家と賭け事を。編集者は自分の美人妻を作家はポルシェを賭けることになった…ポケットのコイン(「南から来た男」のオマージュ)
⑫雪女 9点 16年前の事故のことは記憶がない。だが最近記憶が蘇ってきた。事故現場には宇宙人がいた…幸せな家庭(SFチック)
⑬ビデオレター 8点 妻の49日の法要が終わると、生前に撮影した妻のビデオレターが届いた。感謝の言葉が続く…ホトトギスの托卵(伏線がいい)
⑭ママの魅力 6点 体重100kg身長170cmのママをパパは大好きだ。僕はママに痩せて欲しい。ある日、公園で猛犬が暴れ出して…(ほほえましい)
⑮淑女協定 6点 社内パーティに出席の夫に同伴した3人の妻。彼女らは同期で社内結婚。結婚前の男関係はお互い知っている。夫には自分以外の男遍歴を喋っている…俺は社内結婚でなくてよかった(まあ、世の中そんなもんですな)
⑯深夜の乗客 6点 タクシー運転手は、真夜中、雨に濡れた若い女性を乗せた。バックミラーから姿が消えた?…自宅で老婆出現(怪談風だが?)
⑰隠れた殺人 8点 父が自宅で亡くなった。殺人の可能性もと冗談。遺品に箱根細工があった。開けてみると…父と母は18歳の年齢差(かなりブラック)
⑱催眠術 8点 妻に催眠術をかけたら、なんと!かかってしまう。夫は禁断の質問(男関係)を聞き出す…悲劇、喜劇?
⑲幸福な生活 9点 娘が恋人を家に連れてくる日。父母は自分たちの過去を振り返る…部下との浮氣(場面は一転、放送作家らしい作品)


No.1703 9点 禁じられた館
ミシェル・エルベ―ル&ウジェーヌ・ヴィル
(2025/10/25 18:24登録)
序盤は多重解決や消去法で、あまり興味のある分野ではなかった。中盤から素人探偵が登場し、面白味が増してきた。当初から、容疑から外れた〇〇が犯人と決めつけての読書(笑)。しかし、真相は考えもつかなかった!。完全にうちゃられましたね。どんでん返し大好き。1932年の作品ということで、9点献上します。

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