take5さんの登録情報 | |
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平均点:6.61点 | 書評数:397件 |
No.257 | 7点 | 禁断 今野敏 |
(2023/10/14 18:46登録) すらすら読めます。 典型的なやくざが出てきたり、 警察の様子は警察小説の典型で、 横浜を舞台にテレビのドラマのよう。 ただ、 中国の要人とあれほど簡単に合流して 心通わせていくのはいくらなんでも 都合がよすぎるかと。 前半の不穏な空気感はよかったのに。 |
No.256 | 4点 | 『アリス・ミラー城』殺人事件 北山猛邦 |
(2023/10/01 14:41登録) すみません。 叙述トリックを楽しみたくて 借りたのですが 途中で寝ていました。 体調のせいでしょう。 こんな理由で評価されるなんて ファンの方に失礼ですが、 物語や人物そのものの魅力が、、、 否体調のせいでしょう。 |
No.255 | 7点 | 闇に香る嘘 下村敦史 |
(2023/09/23 17:47登録) 江戸川乱歩賞受賞 一人称の文体が効果的な作品。 学習の一環として点字を打った事があり、 トリックは想像がついたのですが、 確かめるまではしないまま読み進めました。 主人公が兄の存在に不信感を抱いて、 母がそれを知った際の反応の叙述、 そこで真実が朧気ながら見えます。 苦難の歴史の中で母は慈愛を育てる、 1つ前に読んだ作品の母子愛とは 異なる深さですね。 中国残留孤児問題に触れる 社会的事象を学ぶ意味でも 意味のある読書でした。 1つ前に読んだ作品の三割り増しで 時間がかかりました。よい意味で。 |
No.254 | 6点 | 聖母 秋吉理香子 |
(2023/09/23 14:19登録) 叙述トリックもの260ページ 食後にサクッと90分読了、 あっという間に読めます。 毒を含むタイトル通り、 内容はどくどくしいです。 猟奇殺人、不妊治療、母子愛。 うまいのになぜか刺さらず、 うまいですよ。 でも隠れ蓑になる元祖猟奇者との接点が、 ご都合的で、そこだけが残念。 結論。 最後は好みですねそればっかりは しょうがない。 |
No.253 | 7点 | 追憶の夜想曲 中山七里 |
(2023/09/19 19:57登録) みりんさん、 飢餓海峡ありがとうございました。 当方は逆に中山七里で 書評続けさせて頂きました。 飢餓海峡、 なぜか三日天下で残念でしたが、 社会派の名作なので 何方かまた読んで頂けたら幸いです。 さて、本題ですが、 読後感がひどく悪い! そんな名作。 300ページしかないのに、 あれほど人の悪意を 入れ込みますかね。 そしてこれでもかと伏線の回収を ぶっこみますかね。 軽妙なやり取りが素敵な よくできた法廷ミステリーでいいのに。 御子柴の生い立ち回収まで、 一気に読ませてしまう筆力。 一章の頭が前作のおさらいということを 引き算すると、 ますますコスパのよすぎるページ数。 内容が息子とシェアできない (したくない)のだけ残念。 こんなに波乱万丈なら、 御子柴の三作目はどうなってしまうのでしょう? |
No.252 | 7点 | 贖罪の奏鳴曲 中山七里 |
(2023/09/18 10:54登録) 好きなタイプのミステリーでした。 法廷での大逆転。 キャラの立った主人公の生い立ちと メインストーリーのリンク。 人が更正できるのなら、 その要因は何なのか。 少年犯罪を扱う社会派でもあり、 今後もこのシリーズで しばらく楽しめそうです。 300ページ未満のこなれた文章も 大変好ましいです。 ※主人公が弁護士として やっちゃいけない運搬をしてるのも、 かつての教官のいう、 死ぬまで贖罪の労を惜しむな ということを体現していて良しと。 |
No.251 | 8点 | 名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件 白井智之 |
(2023/09/06 19:51登録) バタバタと人が死に、 げぼが撒き散らされ、 どうなることかと思いましたが、 反転、反転、また反転、 これ程練り込まれたロジックは なかなかないなと、 現代ミステリーの 1つの到達点です。 情緒や風情を求めずに、 紙媒体の可能性を広げた 名作と言えるでしょう。 はらわたから2年で ここまで精度が上がるとは。 |
No.250 | 7点 | 空中ブランコ 奥田英朗 |
(2023/09/03 22:56登録) イン-ザ-プールが7点だったので もう少し高くてもよいかとおもいましたが 四捨五入して7点ということで。 伊良部シリーズはとにかく読みやすい そして面白いです。 精神科医としてめちゃくちゃな様で 読者にも痛いというか刺さる ところが出てくるのが、 ユーモア作品の王道です。 一話の長さもちょうどよいです。 見たことはないですが、 映画やアニメにもなった様です。 キャラが立っている証拠ですね。 |
No.249 | 7点 | イン・ザ・プール 奥田英朗 |
(2023/09/02 16:33登録) 伊良部シリーズは読みやすいです。 ミステリーの範疇かは定かではないですが。 主人公の思い込む世界が反転するのを 読者として追いかけるというスタイル。 5つの作品のいずれかには、 誰しも多少思い当たる事柄が在るのでは。 因みに学校公開で訪れた中学校の学級文庫に 奥田作品がずらっと並んでいました。 自家中毒予防? |
No.248 | 7点 | 短編少年 アンソロジー(出版社編) |
(2023/08/26 17:36登録) 収録作品 「逆ソクラテス」 伊坂幸太郎 「下野原光一くんについて 」あさのあつこ 「四本のラケット」 佐川光晴 「ひからない蛍」 朝井リョウ 「すーぱー・すたじあむ」 柳広司 「夏のアルバム」 奥田英朗 「正直な子ども」 山崎ナオコーラ 「僕の太陽 」小川糸 「跳ぶ少年」 石田衣良 特に『逆ソクラテス』の伏線回収が素敵。 どの作品も少年時代を瑞々しく切り取った 素敵なものばかりです。 |
No.247 | 6点 | 家日和 奥田英朗 |
(2023/08/24 05:54登録) ミステリーでも ミステリーではなくとも 一番身近な家族を題材としたものが 読んでいて安心して面白い しかもそこにユーモアがあれば尚更、 というのが私の定説です。 私見です。 |
No.246 | 9点 | 言葉屋 言箱と言珠のひみつ 久米絵美里 |
(2023/08/21 16:12登録) 朝日学生新聞社児童文学賞受賞 大人こそ言葉の持つ意味、力を再認識できる 必読の一冊です。 詠子のもらった手紙の秘密は、、、 言葉を題材とした 言葉を大切にした筆者の 人間を描く力が琴線に触れる名作です。 たまたま息子に借りて読んで 豊かな時間でした。 |
No.245 | 7点 | リバー 奥田英朗 |
(2023/08/18 12:57登録) この作品をなぜ選書したのか 忘れてしまいましたが、 図書館から予約の連絡が来て 読んだ次第です。 読了し、この書評の前に、 既読お二方のコメントを見て、 それぞれ納得。 ミステリーとして弱いが 物語として読みごたえあり。 人物像は立ち上がっているが 事件の整合性は疑問。 警察の様子はよく書けています。 630ページも凄いねと息子が言う割に サクッと読めました。 |
No.244 | 6点 | マスカレード・ゲーム 東野圭吾 |
(2023/08/12 12:05登録) 360ページ、二時間で。 東野圭吾は読みやすい。 マスカレードシリーズ第4彈 前半の群像劇は面白いですが、 終わり方が私にはいまいち。 映画化が透けて見えてしまいます。 |
No.243 | 9点 | 飢餓海峡 水上勉 |
(2023/08/11 22:37登録) 満足しました。 戦後日本の混乱期に、実際に起きた 2つの事件を元に物語は始まります。 設定や背景に説得力があって、 社会派小説としても読みごたえあり。 しかし、作者が後書きで述べていますが、 ○○小説とくくるのではなくて、 とにかく面白いものは面白いのです。 警察の執念を感じる調査、 函館、舞鶴、亀戸、倶知安、 全国をかける人間模様。 悪人善人と決めつけられない 貧困からくる人間の業。 上下合わせて700ページ ああ本当に満足です。 ※あと1つの書評で、 上位2つの 『王者の如き在るもの』を 抜くんですよ。 どなたかお願いします! |
No.242 | 8点 | かげふみ 朽木祥 |
(2023/08/04 17:20登録) これは一人の少年が少女の謎に迫る ミステリーであり、 ファンタジーであり、 ノンフィクションでもあります。 原爆忌を前に朽木祥さんの作品が読みたかった。 解説を入れて170ページ足らずの作品で 自分の見える世界が少しでも変わるなら、 作品の力が現実社会に少しでも影響するなら、 そんな思いをもって書評させて頂きました。 |
No.241 | 7点 | ライオン・ブルー 呉勝浩 |
(2023/08/04 10:03登録) 人並さんの書評で読んでみました。 文体の人称からはうまく隠されている 反転の妙や、 人間がよく描かれています。 名作だと思います。 2017年版で読みましたが、 装丁の絵がテーマの隠喩になっています。 ※夏の甲子園を違った目でみられるかも。 |
No.240 | 7点 | Blue 葉真中顕 |
(2023/08/02 17:31登録) 倒叙で登録されていますが、 社会派、警察物の方かピンとくる作品。 平成史と2つの事件を追いながら 自分でも30年余りを生き直した気分です。 600ページ一気にいけます。 カットバック形式もおさらいから入って 読みやすいです。 自身が子として親として 恵まれていた(いる)から、 逆に登場人物の凄惨な人生を読み物として 受け止められるだけかもしれない、 そうでなければ文中の刑事さんみたいに--- そう感じました。 因みに平成の始まりは小さい頃、 官房長官が額を立てる所を テレビで見たのを覚えています。 平成の終わりは仕事の多少の変化で 緊張感があった、そんな思い出が。 皆さんの平成史は如何ですか。 |
No.239 | 7点 | カエルの小指 道尾秀介 |
(2023/07/30 18:53登録) 私の好きな方の道尾秀介でした。 もともとカラスの親指や ラットマンの時代が好きなので、 今回の続編も楽しく読めました。 コンゲームとして、 反転は確かに小ぶりですが、 折々に人間くさい素敵なやり取りがあります。 個人的なクライマックスは、 ラスト10ページ、 武沢がキョウに親のくだり 本当に信じていいかと聞かれ、 力強く本当だと言うところです。 ↑ネタバレにならない叙述 |
No.238 | 5点 | 11枚のとらんぷ 泡坂妻夫 |
(2023/07/29 11:13登録) 奇術という記述、 時代が感じられますねえ。 作中作品の伏線回収×11は、 よく練られているとは思いますが 感動はできず、 犯人のWhyはそこまでこだわる!? という感想で、 私は結局リアルな人間ドラマが先で ミステリーを捉えていると 再確認した次第です。 |