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ミステリの祭典

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Q

作家 呉勝浩
出版日2023年11月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 6点 take5
(2024/04/27 10:58登録)
人並さんの書評から興味を持ちました
コロナ禍の始まりとリンクする600頁
カリスマ的存在,Qをウイルスと重ねて
描かれている世界がリアルでよいです
個人的には作者の他作品では爆弾やら
ライオンブルーやらの方が好みですが
力作大作であることは間違いないです
余談ですが最近手にした本の中で特に
装丁が美しく個人的に満足しています

No.1 8点 人並由真
(2024/01/18 06:19登録)
(ネタバレなし)
 2019年半ばの千葉県富津市。「わたし」こと清掃会社「人見クリーン」のバイト作業員・町谷亜八(まちや あや)は、傷害事件を起こして現在は執行猶予中の身だった。そんなある日、亜八を「ハチ」と呼ぶ、同い年の義姉「ロク」から数年ぶりに連絡があった。それは二人の弟で、やはり血の繋がらない「キュウ」に関するものだった。

 書き下ろしで、本文660ページ以上の大冊。
 しかし強烈な物語の勢いに引き込まれ、二日で読了。

 物語は、一人称記述の亜八のパートと、それ以外の登場人物たちの三人称記述の別パートの組み合わせで進行。
 メインキャラクターは三人の姉弟で、さらに前半のうちからもう一人、4人目の主人公といえる登場人物が物語を牽引するようになる。
 話の要綱は、超人的なカリスマ性を持った美青年アイドルダンサーであるキュウ=「Q」によって人生を変えられていく者たちの群像劇(21世紀の芸能界の業界もの的な側面も多い)、そしてそんなストーリーの背後に潜むクライムノワール調のドラマだが、暴力人間としての半生を送りつつ、現在の平凡な生活にしがみつこうとするハチの葛藤も物語の太い軸となって、読み手を惹きつける。

 まさに「小説を読んだ」という満腹感でいっぱいの一冊で、さらにストーリーの流れを、2020年前後の初期コロナ災禍で騒乱する現実世界の局面ともシンクロさせてあるのもミソ。その設定というか、文芸的な意味は終盤にテーマのひとつとして言語化されている。

 作者のベストワンとは言わないが、『ライオン・ブルー』『爆弾』などといった優秀作~傑作と比べても遜色のない作品なのは確か。作中の秘められた真実が明かされていくなかで、最後まで読んで思う部分がまったくない訳ではないが、たぶんその辺は(以下略)。
 しっかり体力のあるときに、読んでください。

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