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ミステリの祭典

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take5さんの登録情報
平均点:6.62点 書評数:464件

プロフィール| 書評

No.444 8点 カリフォルニアの炎
ドン・ウィンズロウ
(2026/03/10 20:57登録)
カリフォルニアの乾いた風が
太平洋を見下ろす豪邸を焼く
火災査定人ジャックウェイド
彼が知る炎の言葉は、巧妙に
仕組まれた殺人を暴いていく。

500ページオーバーなのに
この読みやすさ。登場人物も
しっかりキャラが立っていて
どんでん返しも盛り込まれる
豪華な作品。ハードボイルド
な終わり方もかっこいいです。
保険会社や消防学校の知識も
筋に必要な描写故に好ましい。

こちらでお二方の書評を見て
読みました。出会いに感謝。


No.443 7点 真綿荘の住人たち
島本理生
(2026/03/04 19:00登録)
各章が次第に収束する中見えてくる別の絵

①進学のため真綿荘へやってきた大和葉介
「青少年のための手引き」タイトルからも
痛めの青さを読者として許容するスタート
②付き合いを隠している八重子と椿の関係
「清潔な視線」お互いの信頼とちょっとの
ズレが繊細に描いている島本理生本領発揮
③意外な鯨が好きな荒野先輩「シスター」
こういう恋愛は生い立ちが素、説得力の元
④サークルの絵麻と駆け落ちさせられ葉介
「海へむかう魚たち」受身から少しの成長
これは好きです。男性として読み応えあり
⑤下宿主:千鶴と画家:晴雨の出会いの話
「押し入れの傍観者」種明かし編で反転。
⑥千鶴と晴雨の再出発の話「真綿荘の恋人」
少し不幸で少し幸せ少し不思議なラストは、
賛否が分かれるところですが綺麗事はなし。


No.442 8点 ふたたびの虹
柴田よしき
(2026/03/01 11:50登録)
こもとさんと同じ感想を最初に
持ちました。『香菜里屋』とは
どちらが先なのか。優しい料理
真っ直ぐな眼差し。両方が一体
そういう読んでいて豊かになる
素敵な読書になりました。感謝


No.441 6点 正月十一日、鏡殺し
歌野晶午
(2026/03/01 09:23登録)
虫暮部さんメルカトルさん他が触れて
らっしゃいますが、前5つが捨て駒か
という位ラスト2つとの差を感じます。
多重視点の妙と人物像が書けていると
感じる後半がなければ、がっかりした
ところでした。あきらめず読んでいて
よかった。しかし歌野晶午作としては
五指には入らないかなという私見です。


No.440 7点 女王様と私
歌野晶午
(2026/02/22 18:26登録)
歌野晶午さんの作品は数あれど、
こんなに前評判の低いのは稀で、
逆に興味から手に取った訳です。

結論からいうと私には意味あり。

会話が多く2時間半で一気読み。
お金出してまで読まない内容に
図書館で借りてよかったーとか
読み手としてキモオタ無いわー
と達観している自分がいる事に
認知が及ぶと、読み終わって後
そこまで作者に見透かされた感

イヤミス、バカミス、そういう
捉えがあるのも納得。なぜなら
設定からして数ページで主役の
空想物だとわかり、かつ空想で
語られるいつ.どこ.誰.なぜは
恣意的で構わないから、ずっと
破綻したリアリティを笑う様な
テイストで進む訳です。其故に
私には胡蝶之夢的な薄ら寒さを
感じます。例えはリアル殺人の
伏線回収が最終盤にに無くても
これは鬱屈した心情を、笑うに
笑えない、シビアなミステリだ
そう思いました。怖い怖い一一


No.439 6点 魔術はささやく
宮部みゆき
(2026/02/22 11:09登録)
宮部みゆきさんのかなり初期作
その後の大作よりも展開が早く
人物の境遇は重いが作品はまだ
重くなく、読みやすかったです。

デ・キリコの作品、効いてます。
主人公、守の境遇や葛藤などは
よく書けています。魔術が故に
エンタメ色は拭いきれませんが
後の社会派の香りはしますね。


No.438 8点 ある男
平野啓一郎
(2026/02/13 19:41登録)
登場人物の境遇が重いです。が、
それを追う主人公の悩みがまた、
繊細に刺さる。重さよりも寧ろ。

日頃は無意識に見ないでいる事、
日常に潜む事を、ある者は故意
ある者は環境にえぐり出されて
突きつけられてしまう。ただの
入れ替わり事件ではなく、私達
の今をも揺さぶる深い作品です。


No.437 4点 アミュレット・ワンダーランド
方丈貴恵
(2026/02/08 14:56登録)
前作アミュレットホテルを
読んだはずなのに書評せず
本作高評価なのにはまれず
作家さんの評価もサイト内
第10位で高いのに何故か
刺さらず理由わかりません。
他の方のお勧め書評を信じ
どうぞお読みくださいませ。


No.436 7点 紫の傷
連城三紀彦
(2026/02/01 13:49登録)
十年ぶりに再読しました。
掲載順に、「唯一の証人」
「ゴースト・トレイン」
「落書きの家」
「眼の中の現場」
「紫の傷」5編収録です。
叙述の反転は連城らしさを
感じますが。短編集なので
技巧は、なるほど程度かと。
時代社会の様子が変われど、
人間の性は変わらないなと
感じさせる、作品集でした。


No.435 6点 架空犯
東野圭吾
(2026/01/26 22:10登録)
五代巡査部長と山尾警部補のバディが
形を変えて最後の真相まで走り切る。
457ページ中291ページになって
題名の架空の犯人が登場。確かに架空
その歴史的背景はいささか強引だった。
五代作品は『白鳥とコウモリ』の方が
私には合っていたかなと思いました。
しかし東野圭吾作品のリーダビリティ
そこはさすが。※印刷文字が大きい!?


No.434 8点 君が手にするはずだった黄金について
小川哲
(2026/01/18 18:30登録)
君のクイズが良く、これも私良かった。
次は拳かな、でもあの厚さは躊躇する…

小説家小川哲は、極めて真面目な人で、
その小説の流儀や作成課程もそこに滲む
私小説のような本作。他人を観察する目
そして自身を観察する目が真っ直ぐ故に
紡がれる6つの短編がどれも刺さります。

高評価でも数多ある小説の中には、文体の
好みはあるでしょうが、作家さんメタ認知
できていない?と痛さを感じるというか、
書いていて盛り上がっちゃったのかとか、
俯瞰で捉えてしまい、没入できない読書、
そういうものもありますが、小川哲さんは
極力自家中毒を排除しようとする誠実さを
感じます。←私の書評自体が痛いという、
矛盾そこは読み手は素人なので許して頂き
やはりプロの方の小説には、こちらの世界
そのものを揺さぶって頂けるようなものを
例え熱を感じてもそこに作為でなく熱だけ
伝わるものを求めます。その熱は単に勢い
ではなく、広い知見と生みの努力と葛藤の
結晶なのだと、改めて感じる次第です。


No.433 6点 ラストラン ランナー4
あさのあつこ
(2026/01/17 19:05登録)
ランナーシリーズ4作最終章
ついに2人のレースが始まる。
終わり方が意外ですが、2人の
走ることに対する答えとして
あれだったのだなと思います。

作品の深みとしては、シリーズ
1、2作目の方がありましたが、
無事に読み終わり。ホッとした
そんな自分がいます。1時間で
読め、リーダビリティ高いです。


No.432 6点 レーン ランナー3
あさのあつこ
(2026/01/17 17:41登録)
正直ミステリではないですが
2を登録したので本作3と4も
読みましょう。高校生2人の
交差するランナーの有り様が
お互い触発されて、どうなる?
1、2作よりも希望のある内容。
次作で完結です。決戦迫る!?


No.431 7点 長恨歌 不夜城完結編
馳星周
(2026/01/12 22:32登録)
400頁以上を一気読みでした。
5時間位でしょうか。完結まで
頁をめくる手を止めたくなくて。

3冊で完結、よい頃と思います。
これ以上酷いことは読者も辛い。
最後救いのない終わり方が真の
社会の縮図なのかもしれないと、
小説に理想、寛容、救いを求め
そんな名作も世に数多いですが
逆に、この様な主人公を含めて
人生の業を背負い生きる逞しさ
そんな世界も読み物ならアリです。


No.430 6点 鎮魂歌 不夜城Ⅱ
馳星周
(2026/01/12 14:59登録)
前作よりも暴力沙汰が
更に増え、女性を虐げ
発砲で色々と飛び散り
最後も救い無しで終了。
次回が最終話という事、
楊偉民と健一の決戦!?


No.429 7点 心ひき裂かれて
リチャード・ニーリィ
(2026/01/11 14:26登録)
45年前の作品を図書館の閉架から出して
名作を読ませて頂きました。一人称記述の
心理描写がとてもうまいので古さは感じず
恋愛場面も緊迫場面も大変読みやすいです。
サプライズエンディングに向かう最終盤は
記述を少し重ね過ぎたきらいがありますが、
一昔前のアメリカ社会の病理という感じが
それこそバイアスですが感じられました。
レイピストを隠れ蓑にしたサイコパス?


No.428 7点 Pの密室
島田荘司
(2026/01/06 14:46登録)
「鈴蘭事件」・「Pの密室」中編二編
幼い頃の御手洗が解決した事件2つ
鈴蘭事件が幼稚園、Pが小学低学年
あまりにも子ども離れしたIQと、
人間の裏を知ってしまった悲しさを
持ち合わせる探偵が辛く切ないです。
体が子ども頭脳は高校生のコナン君
とはおよそかけ離れたのりの重さが。

薬学や数学への伏線が盛り込まれて、
さすが島荘と思いました。更に序盤、
キヨシ君の父が総力戦研究所にいた
くだりとか、社会派島荘の片鱗です。


No.427 8点 羊の告解
いとうみく
(2026/01/05 20:12登録)
ある日突然に加害者家族となった、
中学生の混乱、慟哭、再生の物語。

父がなぜ家族に会おうとしないのか
最終盤に明らかになる事で主人公が
再生の道を歩み出す感涙必至の山場。

作者いとうみくさんの児童文学には
いくつも触れたことがあるのですが
これ程に厳しく優しい作品は初です。


No.426 7点 星のように離れて雨のように散った
島本理生
(2026/01/05 16:42登録)
結局、自分の認知が成されていく課程
捉え直しがミステリーの基本原理だと。

主人公春の、父親のこと、叔母のこと
そして春自身のことが、解決していく
その中、対役の亜紀くんのこともまた
同時に見えてくる構図が、素晴らしい。
約220頁でこんなに気づき変容する
物語の力、作者の力ですね。凄い!!


No.425 7点 不夜城
馳星周
(2026/01/04 18:32登録)
おせち料理に食傷気味な頃には
七草粥を食べる古き日本の様。
正統派やY.Aの清々しさの後に
悪漢小説やアンチヒーロー等を
欲する読書ということでしょう。

物語後半で主人公と対役が、其々
自分以外(自分すらも)信じない
その心が交差して一瞬であっても
信じたいと思うその心情のゆれが
感じられました。しかしそれを、
結局安全な処で感じる読者という
だけのこと。品のない覗き見趣味
だなと自身が思うそこには、脇役
元警察官の前科者が、夜の公園で
覗き見するくだりと被りますね。

三部作だから怖いもの見たさで、
次も読むのかなと思っています。

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