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ミステリの祭典

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take5さんの登録情報
平均点:6.52点 書評数:286件

プロフィール| 書評

No.266 6点 マチルダは小さな大天才
ロアルド・ダール
(2024/01/01 05:51登録)
ロアルド・ダールは
大人も子どもも楽しめる作家ですね。
ある道徳性について論考された本の
参考文献として用いられていた児童文学ですが
大人への皮肉が身にしみる名作です。
マチルダの担任と校長の伏線回収だけ
ちょっとしたミステリー。


新年一人目の書評でした。
昨年だけでこのサイト
3000件も紹介されていました。
2024年 謹賀新年
今年も皆さんの紹介から
良書に出会える事を願います。


No.265 9点 同志少女よ、敵を撃て
逢坂冬馬
(2023/12/30 17:55登録)
初めて満票を得たという
アガサ・クリスティ賞受賞作
独ソ戦を描いた戦争小説であり
広義のミステリーであり、
女性視点の社会派小説であり、、、
とにかく読み応え満載でした。
戦争の大義、
それでも生きる意味とは、
弾道学からロシアの生活まで
作者の綿密な取材力が光る大作。
作者はこれがデビュー作?本当に?
あり得ない筆力です。
中盤から私の頭の中に
ノーベル賞の「戦争は女の顔をしていない」
が浮かぶのですが、最後に、、、
いやもう冬休みに大作に出会えて良かったです。

後お二人で書評10人達成、
「飢餓海峡」で潰されてしまった
高評価に新しい血を送り込み計画
8か9か迷って9点にしました。
どなたか乗りませんか。


No.264 9点 この夏の星を見る
辻村深月
(2023/12/03 15:34登録)
小説として10点
ミステリーとして4点
その他の要素の最頻値として9点

Surges がBGMで流れてくる。
『コロナ禍』などと
私のような大人が一括りにしたら
決して見えない世界がある十代の一年間。
辻村深月さんが好きです。
これまでの作品で
一番ミステリーから遠く
一番琴線に触れました。


No.263 7点 恩讐の鎮魂曲
中山七里
(2023/11/19 11:56登録)
御子柴シリーズ第三弾
よかった点
緊急避難をめぐる伏線回収(因果応報)が
よく描かれています。
また、特養老人ホームをめぐる
今日的課題もよく描かれています。
難点
登場人物の背景をめぐる伏線回収が
too match過ぎて
カタルシスを通り越しています。
でもお休みの午前中に
二時間ちょっとで一気読みできた
リーダビリティは高く、
よい時間を過ごせました。


No.262 5点 復讐の協奏曲
中山七里
(2023/11/18 17:06登録)
御子柴シリーズ
キャラ設定が特殊な事に加えて
被害者関係者と加害者がシンクロするという
かなり作り物の世界を読みます。
まあ小説ですから作り物の世界でも
よいのです。
最後の法廷のくだり、
ページの制約か?と思うほど
あっけなく終わりました。
情報屋の能力高っとか、
突っ込みどころ満載ですが
リーダビリティも高っです。


No.261 7点 翼がなくても
中山七里
(2023/11/12 14:21登録)
こちらのサイトで皆様から
中山七里を教えていただき
御子柴という極めてキャラの立つ
主人公に親しみ始めた訳ですが、

その御子柴をサブにした番外編。
私、陸上に親しむ陸上小説好きで
そのような作品をいくつか
読みましたが、青春物でもなく
しかし狂気をはらむスポーツの世界は
一定のレベルで描かれております。

ご都合主義の極致という点も幾つかあります。
殺害後の処理とか、
何と言ってもデヴィッドガーターの下りとか。
でも繰り返しになりますが
全力で走る実感がシンクロする
私には、
200mの表現だけでよい小説でした。


No.260 8点 はるか、ブレーメン
重松清
(2023/11/04 14:56登録)
人生の最後に見ると言われる走馬灯。
その走馬灯を改変する仕事があるという。
たどり着きたくてもたどり着けない
そんな存在をブレーメンの町になぞらえて
物語は進みます。
人間の記憶こそ最大のミステリー。
いつもは解き明かしたいと思う真実、
その真実という概念にも新たな光を当てる
名作でした。


No.259 7点 成瀬は天下を取りにいく
宮島未奈
(2023/10/22 21:55登録)
これで感想文書くのもすごいが、
小学生の知人に薦められて読み終わり、
ふとこのサイトの検索に
『成瀬』と入れてみたら登録済み!?
いやこれミステリーなら何でもあり
と思いますが、
素敵な作品なのでまあいいや。
最終章の成瀬の人間っぷりが爽やかで
全ての小中高校生に推します。
自分を貫く事が苦しい昨今、
これはファンタジーかもしれないけれど、
君の何かを肯定してくれるはず。

そして世の中の私のような父は
成瀬の魅力に鑑みて
子にスマホを買わない接し方を
ありとバイアス気味に肯定されるのでした。


No.258 7点 宵待草夜情
連城三紀彦
(2023/10/16 13:03登録)
1983年版の、
作者自身の後書きがとてもいいです。
作品5つの中で、
個人的には四番目『花虐の賦』が一番。
かぎゃくのふ、で合ってますか?
賦って税金とかだとしたら暗喩が
効いていますね。
勘違いだとしたら恥ずかしいですが。


No.257 7点 禁断
今野敏
(2023/10/14 18:46登録)
すらすら読めます。
典型的なやくざが出てきたり、
警察の様子は警察小説の典型で、
横浜を舞台にテレビのドラマのよう。
ただ、
中国の要人とあれほど簡単に合流して
心通わせていくのはいくらなんでも
都合がよすぎるかと。
前半の不穏な空気感はよかったのに。


No.256 4点 『アリス・ミラー城』殺人事件
北山猛邦
(2023/10/01 14:41登録)
すみません。
叙述トリックを楽しみたくて
借りたのですが
途中で寝ていました。
体調のせいでしょう。
こんな理由で評価されるなんて
ファンの方に失礼ですが、
物語や人物そのものの魅力が、、、
否体調のせいでしょう。


No.255 7点 闇に香る嘘
下村敦史
(2023/09/23 17:47登録)
江戸川乱歩賞受賞
一人称の文体が効果的な作品。

学習の一環として点字を打った事があり、
トリックは想像がついたのですが、
確かめるまではしないまま読み進めました。
主人公が兄の存在に不信感を抱いて、
母がそれを知った際の反応の叙述、
そこで真実が朧気ながら見えます。
苦難の歴史の中で母は慈愛を育てる、
1つ前に読んだ作品の母子愛とは
異なる深さですね。

中国残留孤児問題に触れる
社会的事象を学ぶ意味でも
意味のある読書でした。
1つ前に読んだ作品の三割り増しで
時間がかかりました。よい意味で。


No.254 6点 聖母
秋吉理香子
(2023/09/23 14:19登録)
叙述トリックもの260ページ
食後にサクッと90分読了、
あっという間に読めます。

毒を含むタイトル通り、
内容はどくどくしいです。
猟奇殺人、不妊治療、母子愛。

うまいのになぜか刺さらず、
うまいですよ。
でも隠れ蓑になる元祖猟奇者との接点が、
ご都合的で、そこだけが残念。

結論。
最後は好みですねそればっかりは
しょうがない。


No.253 7点 追憶の夜想曲
中山七里
(2023/09/19 19:57登録)
みりんさん、
飢餓海峡ありがとうございました。
当方は逆に中山七里で
書評続けさせて頂きました。
飢餓海峡、
なぜか三日天下で残念でしたが、
社会派の名作なので
何方かまた読んで頂けたら幸いです。


さて、本題ですが、
読後感がひどく悪い!
そんな名作。
300ページしかないのに、
あれほど人の悪意を
入れ込みますかね。
そしてこれでもかと伏線の回収を
ぶっこみますかね。
軽妙なやり取りが素敵な
よくできた法廷ミステリーでいいのに。
御子柴の生い立ち回収まで、
一気に読ませてしまう筆力。
一章の頭が前作のおさらいということを
引き算すると、
ますますコスパのよすぎるページ数。
内容が息子とシェアできない
(したくない)のだけ残念。
こんなに波乱万丈なら、
御子柴の三作目はどうなってしまうのでしょう?


No.252 7点 贖罪の奏鳴曲
中山七里
(2023/09/18 10:54登録)
好きなタイプのミステリーでした。
法廷での大逆転。
キャラの立った主人公の生い立ちと
メインストーリーのリンク。
人が更正できるのなら、
その要因は何なのか。
少年犯罪を扱う社会派でもあり、
今後もこのシリーズで
しばらく楽しめそうです。
300ページ未満のこなれた文章も
大変好ましいです。

※主人公が弁護士として
やっちゃいけない運搬をしてるのも、
かつての教官のいう、
死ぬまで贖罪の労を惜しむな
ということを体現していて良しと。


No.251 8点 名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件
白井智之
(2023/09/06 19:51登録)
バタバタと人が死に、
げぼが撒き散らされ、
どうなることかと思いましたが、
反転、反転、また反転、
これ程練り込まれたロジックは
なかなかないなと、
現代ミステリーの1つの到達点です。
情緒や風情を求めずに、
紙媒体の可能性を広げた名作と言えるでしょう。

はらわたから2年でここまで精度が上がるとは。


No.250 7点 空中ブランコ
奥田英朗
(2023/09/03 22:56登録)
イン-ザ-プールが7点だったので
もう少し高くてもよいかとおもいましたが
四捨五入して7点ということで。
伊良部シリーズはとにかく読みやすい
そして面白いです。
精神科医としてめちゃくちゃな様で
読者にも痛いというか刺さる
ところが出てくるのが、
ユーモア作品の王道です。
一話の長さもちょうどよいです。

見たことはないですが、
映画やアニメにもなった様です。
キャラが立っている証拠ですね。


No.249 7点 イン・ザ・プール
奥田英朗
(2023/09/02 16:33登録)
伊良部シリーズは読みやすいです。
ミステリーの範疇かは定かではないですが。
主人公の思い込む世界が反転するのを
読者として追いかけるというスタイル。
5つの作品のいずれかには、
誰しも多少思い当たる事柄が在るのでは。

因みに学校公開で訪れた中学校の学級文庫に
奥田作品がずらっと並んでいました。
自家中毒予防?


No.248 7点 短編少年
アンソロジー(出版社編)
(2023/08/26 17:36登録)
収録作品
「逆ソクラテス」 伊坂幸太郎
「下野原光一くんについて 」あさのあつこ
「四本のラケット」 佐川光晴
「ひからない蛍」 朝井リョウ
「すーぱー・すたじあむ」 柳広司
「夏のアルバム」 奥田英朗
「正直な子ども」 山崎ナオコーラ
「僕の太陽 」小川糸
「跳ぶ少年」 石田衣良

特に『逆ソクラテス』の伏線回収が素敵。
どの作品も少年時代を瑞々しく切り取った
素敵なものばかりです。


No.247 6点 家日和
奥田英朗
(2023/08/24 05:54登録)
ミステリーでも
ミステリーではなくとも
一番身近な家族を題材としたものが
読んでいて安心して面白い
しかもそこにユーモアがあれば尚更、
というのが私の定説です。
私見です。

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