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ミステリの祭典

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好兵衛さんの登録情報
平均点:6.20点 書評数:99件

プロフィール| 書評

No.79 4点 女王蜂
横溝正史
(2012/09/30 20:23登録)
推理小説の楽しみどころが。
よく分からなかった作品。

金田一シリーズには強い傾向ですが、

ただ、ただ雰囲気と
時代風景、登場人物を楽しむ。
ミステリ風小説。

なのではないでしょうか?

それでも、犬神家、本陣、獄門島
などは考えさせられる「推理しどころ」
がまだありますし。
そこが、雰囲気と相まって面白いのですが…

ここらへんになると、事件なんて
どーでもよくて、ドラマドラマ。
といった感じが否めないです。

ドラマチックですが、推理小説?
ではないなぁ。
謎もすくないし、
最後には考えさせる間もなく
犯人は特定されてしまいます。


No.78 7点 本陣殺人事件
横溝正史
(2012/07/06 11:00登録)
日本旧家の密室!!として名高い作品。
と、聞いて評価が高いので読みました。

全体的には、密室???といった感じで。
密室にする必然性がよくわからなかったです。

あと、機械仕掛けの複雑すぎる設定が…
すっきりとは、しませんでしたね。

その後の謎の人物や、日記も。
ごちゃごちゃしていたような。
どっちがメインなんでしょう?
作品の書き方としては、やはり密室押しのような
気もするのです。

動機は気にしない性質なので、
まぁ、気にしませんでした。

しかし、横溝氏の本は時代が過ぎても
とても読みやすいのがよいです。
_______
ネタバレ
_______

二人同じ部屋で死んでいる時点で心中は
考えられますし。
偶然密室が雪でできてしまったのも、
あまり好きではありません。
密室もやりたくなっちゃったのかな?

後に出てきた、叙述的なものが当時は
よかったのでしょうか。


No.77 5点 八つ墓村
横溝正史
(2012/07/06 10:50登録)
金田一シリーズは
自分は、本格としては読んでいません。

戦後のおどろおどろしい雰囲気での、
日本の田舎の旧家の殺人。
そういうものが、味わえるものとして、
貴重かな、と。

この作品も、猟奇的、サスペンス性、因果的
といった雰囲気を楽しめた作品でした。
たしかに、こういうジャンルの開祖的な
ものが盛りだくさん含まれていて、あきません。

ですが、推理小説として読むと穴だらけです。
これほどの殺人が起きた理由もそうですし、
(犯人は無駄な動きをしすぎでは?)
犯人にいたるヒントというものも、
読者には、皆無です。
一点あったといっても、後出しですし。

いかんせん殺されすぎで、
犯人ぐらいしか…残らないじゃあないですか。

でも、おどろおどろしさは金田一シリーズの中でも
私は随一で。作品は、お気に入りです。


No.76 7点 獄門島
横溝正史
(2012/07/06 10:39登録)
金田一シリーズに
本格色はもとめちゃいけないと
自分は思うのですが。
(でも雰囲気がいいので読んでしまう。)
それでも、とても評価が高かったので
期待して読んだ獄門島。
本格として期待してしまったので
少し読み方が違ったかもしれないです。
(金田一シリーズの中では
 全体的に本格色がつよい作品だと思います。)

見立て殺人の、必然性は私も
よく分かりませんでした。
たしかに、綺麗ではあるけれど。
それはやはり雰囲気であって。
見立てで、有名なだけに、すこし残念。

ただ、世界がとても綺麗。

______________

ここから、ネタバレです。
______________

私は、犯人が多数という結末を好みません。
全部が全部、犯人が違うだけで
犯行の容易さは、増し。それだけでマイナス点。
ひとつの、事件ごとの短編のようなイメージ。

動機は気にしないので、点数には入れないのですが。
いかんせん、この動機ひどすぎないですか?時代なのかな?
金田一シリーズはいつも、動機がキツイ…と思います。

有名な一言は、アクセントとして
なかなかピリッと効いていますね。
当時の小説としては、凄いことだったのでしょうか。
その時代に読んでみたかった。


No.75 6点 奇面館の殺人
綾辻行人
(2012/06/12 17:19登録)
館シリーズも、後一作ですか。淋しいなぁ。

今回の奇面館、引きは抜群。
シュチュレーションというか、設定。
いかにも綾辻さんっぽいというか。

いろんなところに、いろんな謎が盛り込んで
ありそうなワクワクさせる引き。

ただ、館シリーズっぽさは
暗黒館で思いっきり盛り込んだせいか
今回は軽めな感じがしますね。

大きな仕掛けは、流石!面白いと思いますが、
もう少し違う感じで使えなかったかな?
少々、小出し感があります。

事件の少なさと、犯人特定が
相当読み込まないと、
流してしまうというところ
が少しマイナス。

全体的に地味ですが、
館物、本格好きな人向けで。
暗黒館と比べて読むとバランスがよく
シリーズとして面白いのではないでしょうか?


No.74 3点 ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女
スティーグ・ラーソン
(2012/05/27 20:43登録)
映画の宣伝にひかれて、まずは原作からと。
手にとって読みました。
大量の登場人物紹介、一族の。
嵐の孤島のような、密室的な状況。
その中で、忽然と消えた少女。

引きはバリバリの推理小説だと思うのですが。
解決は、推理のしどころがない。
やはり、ドラマのようにながれていくのですね。

「これは、推理小説じゃない現実なんだ。」的な
台詞が出てきますが。まさにその通り。
推理小説としてみたら、とてもじゃないけど
なりたってない。

だとしたら、家計図や、推理小説的な状況。
謎の定義をやめてもらいたいなぁ。
登場人物しっかり覚えちゃったじゃないですか。
あぁ、つられた。(涙)

前・後と分かれていたのですが。
謎のほうに入るのは、ほとんど後半の後半。
しかも、すかしたようにおざなり。

どうやら、映画化!!世界的ヒット!!ミステリ!!
は私にとって鬼門のようです。


No.73 5点 エジプト十字架の秘密
エラリイ・クイーン
(2012/04/02 22:38登録)
国名シリーズも中ごろに入ってきてしまった。
さて、日本で人気の高いエジプト。

こういうロジック一点で解決というものは
好きです。だたし、いかんせん一点過ぎないか。
とも思ってしまう。

とにかくどんどん読みやすくなってくるし、
ハラハラしますし、
絵的にも派手なので読めない!!ということは
なくていいのですが。

犯人断定へのロジックがもうすこし
ちらばっていてもよかったかもしれません。
少し、ものたりないかな。

でもあの一点のロジックはとても好きですね。
確かに犯人はあの人だけです。


No.72 6点 ギリシャ棺の秘密
エラリイ・クイーン
(2012/04/02 22:29登録)
ガチガチのロジックから、
クイーン氏の作風が少し代わったといわれている
だけあって。前三作にくらべとても読みやすいです。

最初の死体発見のひきが派手でスリリング
最後の最後まで ドキドキさせられる展開。

ですが、ロジック点は最後まで
犯人が分からないだけあって
すこし浅いです。

_____________
ここからネタバレです。
_____________


実際探偵が真犯人を特定するまえに、
違う犯人説を推理するのは好ましくないかな。
その時点で、どちらでもよくなってしまうと思う。

そして、もう一人(真犯人)
犯行が出来た状況にいたことから
あんまりどんでんがえってはいないと思う。
最後まで、あいつ(真犯人)
にもできたじゃないか、と私は思って読んでいた。

エラリーが若かったころという設定をつかって
警察側に犯人を置いたのは面白いけれど、
疑いやすくもなる。
(その後も出てくるキャラクターばかりなので)


No.71 10点 オランダ靴の秘密
エラリイ・クイーン
(2012/04/02 22:15登録)
これは面白い!!
今まで読んだロジック小説のなかで一番です。

最初の場面から、ヒントがちらほらと綿密に
組み込まれていて。
挑戦状前に何度も見直し、探す楽しみがありました。
そして、それらが最終的に綺麗に一つにまとまる面白さ。
推理小説を読んでいて、一番楽しく感じる所が
私的には満載でした。

こんな昔の小説なのに少し驚きました 流石。


No.70 8点 フランス白粉の秘密
エラリイ・クイーン
(2012/04/02 22:03登録)
面白かったです。
ロジック小説が好きな私にはたまりませんでした。

物語は相変わらず少し読みにくく、
ロジックの細かい所が読み取りずらいという
点もあったものの。
(数点実際読み間違えて、犯人を間違えてしまった)
最後の謎解きはとてもスッキリさせられました。

じわじわとしぼりつつ、本一点のくだりは
エラリーの論理の醍醐味だと思いました。
私は物語性や動機は重視しないので
国名シリーズは初期の方が好みですね。


No.69 6点 暗黒館の殺人
綾辻行人
(2011/11/15 02:42登録)
長くて、なかなか手が出せなかった作品。

甘い、綾辻氏にしては
トリックが甘すぎる。
文庫本で厚本4冊もあるのに。
最初のほうで、ほとんどのオチがわかってしまう。
綾辻氏の館シリーズをここまで読んでいる人達だったら
想像するようなトリックばかり。

まだ、大どんでん返しがあるんだろう?
あるんだろ?
と思いつつもなかった、作品。

オチの書き方文体が、十角館の殺人と同じように
次のページに一文なのが余計に淋しかった。

ただ、お話がとてもよくて、後をひく味だった。
綾辻氏が大好きなものをすべて盛り込んだ、
というのがよくわかる。
館シリーズのおどろおどろしさ、としてみたら
満点ですね。
人、書けてないかな?面白かったけどなぁ?


No.68 7点 人格転移の殺人
西澤保彦
(2011/11/15 02:32登録)
面白かった!!話が。
推理小説にしては、
文体が読みやすくスラスラ読める。

ので、トリックのほうがお座なりになっていないかと
不安だったのですが。
しっかりした作りになっていると思います。

ミステリ読み始めの方だと更におすすめできます。
最初の方に読むのが吉、です。


No.67 7点
麻耶雄嵩
(2011/11/15 02:24登録)
麻耶氏の頭の中が見てみたい。
と思う作品。

彼にしては本格よりで、
本格としても完成度が高い。
トリックは大きく2つあるが、
こうだ!!と言える道筋や記述がないかな。
フワッとしている。
これではこのトリック分かった!とは、言い切れない。

まぁ、そこを突っ込んだら無粋か。
でも、読者を欺く斬新な方向からのトリックは
流石麻耶氏。

終わり方も、麻耶氏。


No.66 7点
麻耶雄嵩
(2011/11/15 02:16登録)
なんというか、ファンタジー?
ファンタジー感が漂った作品でした。

それが、悪く出ちゃうんじゃないかと
不安でしたが、
うまい具合にトリックとの雰囲気をつくっていました。

二大トリックはどちらも楽しめ騙されました。

難点は…わからない。
全部はわからないよなぁというところ。
個人的に主人公の例の設定はちょいと苦しいと思いました。


No.65 6点 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
麻耶雄嵩
(2011/11/15 02:07登録)
この方はすごい方ですね!
好き嫌いがはっきり別れるんじゃないかなと思います。

独特の雰囲気、ミステリ好きを驚かせようという
気迫満点です。

とにかく、ぶっ飛んでいて面白かったです。
探偵の使い方、あのおどろき密室推理!
いろんな方向からビックリさせてやろう
という仕掛けが面白かったです。
ただ、やはりぶっ飛び過ぎていて真相が…

これを読んでから、『黒死館殺人事件』を
読んで見ましたが、こちらのほうがしっかりしていて
面白いです。

ミステリを沢山読んでいる人程、
面白いのではないでしょうか。
アンチミステリはミステリ好きのためにあると思います。


No.64 7点 ローマ帽子の秘密
エラリイ・クイーン
(2011/06/14 01:59登録)
国名シリーズをやっと読み始めました。

エラリィー・クイーンの登場作として、
その雰囲気を楽しめました。
翻訳ものは、読みにくくて苦手ですが
カーほど読みにくくはなかったです。

殺人事件が一件だけ、というのにまず物足りなさを
感じてしまいました。
しかし、犯人にいたるまでのロジックは
とても面白かったです。

***ここからネタバレ***
ですが、帽子というところから考えていくと
犯人がわかりやすいのではないかな?
と思いました。(まず、男の人三人にしぼられてしまいます)
あと劇帽子の存在をよく把握できなかったのは
私だけでしょうか?


No.63 7点 幻の女
ウィリアム・アイリッシュ
(2011/06/14 01:51登録)
ミステリの評価で必ず見かけていたので、気になって。

一番は斬新。こんなミステリってあるんだ。
という印象です。

ミステリの中でも、斜め上をいった感じというか。
「謎」の見せ方にはこういう見せ方もあるんだよ、
ということを教わった感じです。

一番は表題にもあるように、幻の女の存在と謎が
これまで見てきたミステリとは変わっていて
とても面白かったです。
そして、翻訳本としては読みやすかったですね。

****ここからネタバレ****
ただ、犯人の部分は登場人物少なめだけあって。
といった感じです。
あと、皆さんおっしゃるように幻の女は幻だったほうが
いい気がしますね。


No.62 5点 ホラー作家の棲む家
三津田信三
(2011/06/14 01:40登録)
言耶シリーズなどに比べると。
かなりホラーよりでしょうか、
それでも、驚き要素てきなものは存在します。

三津田氏のパートが個人的には読みづらかったです。

ミステリとして一番ネックなのは
真相がうやむや 真相は読者が考えて、形式なことです。

ですが、読みやすいのでホラー色強めなミステリーが
読みたい方にお勧めです             

にちゃり。


No.61 7点 水魑の如き沈むもの
三津田信三
(2011/06/14 01:36登録)
言耶シリーズも増えてきましたね。
新書しかない作品の、文庫版も作っていただきたいな。
あと、地図を追加してほしいですね。

今回もサービス精神は満点。
読みやすさも巻をおうごとに、読みやすい。
だが、怖くない。ノリが、軽い。
一番のトリックが好みではない。
その解答を聞くと可笑しくなってしまう。

しかし、ミスリードや、物語全体の仕掛けなどが
とても面白かった。
あらゆる方向から読者をミスリードさせようという
作者に拍手。

****ここからネタバレ****
恒例の「はじめに」の使い方が面白い。
シリーズを読んできた読者をはめる気、満々。
足跡の一点ロジックは大好きです。
竹林の結界のように本当に怪奇現象的な作用が起きるのは
本格色強めだけあって、すこし嫌です。


No.60 7点 密室の如き籠るもの
三津田信三
(2011/06/14 01:24登録)
言耶シリーズ短編集。

四話入っているのでその順に。

首切の如き~
解決をみて、やはり短編だからこういう感じか。
読むのやめようかなと思いました。
解答が滑稽で、ホラー要素だけが目立ちます。

迷家の如き~
隙魔の如き~
この二話は、短編ながらもロジック要素なども
もりこんであり。
オーソドックスに楽しめる短編というかんじ。

密室の如き~
表題作。中篇。やはり三津田氏完成度が高いです。
題のごとく、密室に挑戦した作品。
密室の解き方が綺麗でおもしろいです。

密室一本で長々と長編にする作品も多い中
斬新で、きれのいい中編だと思います。

***ここからネタバレ****
ただし、被害者が加害者をかばっての
というところは、好きではありません。

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