home

ミステリの祭典

login
ホラー作家の棲む家
作家三部作 改題『忌館 ホラー作家の棲む家』

作家 三津田信三
出版日2001年08月
平均点5.55点
書評数11人

No.11 6点 みりん
(2023/07/02 02:50登録)
夏といえばホラー!ホラーといえば三津田信三ということで氏の幻のデビュー作
ホラー映画って映像媒体だから怖いけどさあ、ホラー小説なんて怖いって言っても所詮文字でしょ?wと侮っていた自分、これを読んでもうビビりまくりである(特に作中作)。
小説という虚構の世界にさらに虚構を作り上げるややこしいメタ構造のなかでどちらが真の虚構なのか内側と外側が途中から縺れ合っていく過程が恐ろしく、あの粘着質な文体は恐怖を更に加速させる。真相は複雑で難解。自分の頭では多分3割くらいしか読み取れてないので誰か解説して。作中作は最後まで読みたかったなあ…


三津田先生乱歩好きだったんだ
作中の楽しいミステリ談義を引用 
「乱歩の中にある作家としての資質(怪奇幻想小説)と志向(探偵小説)がせめぎ合ったからこそ、一連の名作が生まれたわけです。そしてついに『陰獣』では、それらが融合してしまった。だからこそ、あの作品はあそこまでの圧倒的な面白さがあるのだと思います。」
「探偵小説の歴史を見ても、こんな作品は滅多に見当たりません。実際日本ミステリの創始者であるはずの乱歩作品の模倣者が出ていないことからもそれがよく分かります。」
「ようやくそれに匹敵する作家が現れるのは、『陰獣』の発表から五十年以上が過ぎてからです」
「連城三紀彦  (中略) 同じ耽美でもその方向は違いますが、花葬シリーズをはじめとする初期短編には見事なまでに理知と耽美の融合があります」

『陰獣』即図書館で予約しました笑

No.10 6点 ミステリ初心者
(2020/02/12 19:03登録)
ネタバレをしています。

 すでに書評をしていたと思っていたのですが、どうやらしていなかったようです(笑)。刀城言耶シリーズで三津田さんのファンになり、購入しました。大分前に読んだので、ところどころ忘れてしまいました。かなり読みやすく、読み終わりまで時間がかからなかった印象があります。

 作者と同名の主人公が書く本が作中に登場する、いわゆる作中作です。主人公が書くホラーと、主人公が体験するホラーが同時に進行します。リョウコ?の正体が明かされ、過去の事件の犯人が主人公だった?というような感じになります。そんな感じのストーリーだった気がします。主人公が作中作のようなこと実際にしていたら、つじつまが合う…的なラストだった気がしますが、はっきりとは解決しません。この辺りはミステリではなくホラーなので、こういうラストもありかと思います。

 この作品はミステリというよりホラー感が強いです。私はホラーはあまり読んだことがありません。なので、点数をつけるのが難しかったです。6としてみました。
 あと、関係ありませんが、私が読んだ三津田さんの本の中では一番表紙が怖いです。忌館のほうです。

No.9 3点 ボナンザ
(2020/02/11 20:27登録)
残念ながらホラーとしてもミステリとしても今二つ。
三津田のデビュー作でなければ読むこともなかっただろう。

No.8 5点 了然和尚
(2015/09/01 17:50登録)
「首無の如き祟るもの」が本サイトで人気のようなので、読んでみようと古本屋を探したのですが、代わりに本作が見つかったので読んでみました。(ホラーとは知らなかった)現実と創作の2つの話が混沌化して、展開がスピードアップするあたりからついていけなくなって、内容の評価は低めですが、乱歩などの話や、登場する本格推理の名作など、わき道は十分楽しめましたし、参考になりました。大昔に買った「怪奇小説傑作集(創元推理文庫)」の1、2が本棚にあるので、また読んでみようかと思いました。
もちろん「首無の如き祟るもの」の期待度も上昇しました。

No.7 5点 名探偵ジャパン
(2014/09/20 08:57登録)
途中までは興味深く読めた。怪しい洋館、主人公にまとわりつく怪異、愛読者だという謎の人物。だがしかし、「これはホラーなんだ」と思い直すと、これらの怪異が合理的な理由で解明されるという流れにはならないだろうなと予想はつく。果たしてその通りで、うまくはぐらかされた。
途中に入る乱歩の蘊蓄も楽しく読めた。取材の成果を生かしたいがため、また、ページ数を稼ぎたいがために挿入される蘊蓄は嫌いだが、こういった内容とリンクした、ミステリと関連した読んで楽しいものなら歓迎だ。
刀城シリーズが好きで本作も読んでみたが、やっぱり私はホラーは合わないかな。

No.6 5点 好兵衛
(2011/06/14 01:40登録)
言耶シリーズなどに比べると。
かなりホラーよりでしょうか、
それでも、驚き要素てきなものは存在します。

三津田氏のパートが個人的には読みづらかったです。

ミステリとして一番ネックなのは
真相がうやむや 真相は読者が考えて、形式なことです。

ですが、読みやすいのでホラー色強めなミステリーが
読みたい方にお勧めです             

にちゃり。

No.5 6点 makomako
(2011/05/19 22:01登録)
刀城シリーズは大好きなのだが、こういった現実と物語の混在したような作品はどうもあわない。ホラーもあんまり好きではない。処女作ということだが、導入部分が長く退屈なのはその後の作品と共通しているようだ。我慢して読んでいくとだんだん興味深い内容となってくるが、おしまいのほうはどうもよく分からない。作者も多分分からせようと思ってはいないのだろう。それにしてもこんな家に住もうと思うことじたいが私の感覚では理解できそうにない。

No.4 8点 dei
(2009/05/09 00:47登録)
どこまでがノンフィクションで、どこからがフィクションなのかわからない怖さがあった。
ホラーの中にもミステリが仕掛けてあった。

No.3 6点 touko
(2009/03/01 20:12登録)
内容より、学生時代の知人たちが実名で出てくることや、以前住んでいたことのある場所が舞台であることにビックリしました。
作者とはまったく面識ありませんが、色々ニアミスしていたようです……汗。

作中のホラー談義、ミステリ談義ともユニークなので、ホラーもミステリも好きという方にはお勧め?

No.2 6点 おしょわ
(2008/09/05 22:56登録)
ちょっとホラー色が強いですが、デビューの時点からホラーとミステリの融合を目指しているのが感じられます。

No.1 5点 マニア
(2008/07/22 21:33登録)
「呪われた家」に纏わるホラーミステリ。しかし、他の三津田作品に比べるとホラー分がかなり多めかな。

前半は特に山場がなく、くどくどしい説明が多くテンポも悪く読みづらかった。そこはデビュー作だから仕方ない気もするけど・・・。しかし、後半の一気に読ませる怒涛の勢いは流石。

ラストがよく分らなかったのが残念かな。

11レコード表示中です 書評