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ミステリの祭典

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HORNETさんの登録情報
平均点:6.34点 書評数:1211件

プロフィール| 書評

No.71 7点 ビター・ブラッド
雫井脩介
(2011/01/10 20:08登録)
 「裏のシャドーマン」なる組織内部の裏切り者探し。二代に渡って刑事をしている警官親子の子が主人公。親父に反発を感じながらも,やはり血は争えない,という感じ。そう思うとうまいタイトルですね。


No.70 7点 「ABC」殺人事件
アンソロジー(出版社編)
(2011/01/10 20:04登録)
 「『Y』の悲劇」と同じようなコンセプトで作られた短編集だと思われますが,出来としては随分こちらのほうがよい気がしました。個人的には恩田陸の「あなたと夜と音楽と」と,法月綸太郎の「ABCD包囲網」がよかったです。


No.69 5点 「Y」の悲劇
アンソロジー(出版社編)
(2011/01/10 20:02登録)
 本格を自称する作家たちの競作ですので,メンバー的には豪華。しかし,企画により依頼された作品だと思われるので,各作品は「おつまみ」的な出来栄え。著者たちもそれほど評価を気にせず好きなことをやっている感じがするので,そういう意味で楽しんで読めます。


No.68 7点 スイス時計の謎
有栖川有栖
(2011/01/10 19:56登録)
 他の方が書いてみえるように,表題作がやはりよいですね。純粋に論理を突き詰めて推理を進めるのが本格感があって。「あるYの悲劇」は,法月綸太郎,二階堂黎人らと競作したアンソロジーからの引用。これはこれでちょっとした読書タイムにはあり。
※ちなみに,「モロッコ水晶の謎」に収められている「ABCキラー」も,「『ABC』殺人事件」という競作アンソロジーに収録されています。


No.67 4点 鬼の跫音
道尾秀介
(2011/01/10 19:19登録)
 ものの3時間で全編読めてしまいました。どんでん返し目的の軽い作品集という感じ。この人の作品は,やはり長編のほうがよいというまさむねさんの意見に賛成です。


No.66 4点 少女
湊かなえ
(2011/01/10 19:17登録)
 ほとんどの人が「告白」作者の次の作品として,そうした期待をもって読んでいるので必然的に必要以上に評価が下がってしまうと思います。私もその一人です。なんの先入観もなく読めばそれなりに面白い小説だとは思いますが・・・。ただそういう見方で読んでも,ちょっと都合のいい偶然が重なりすぎている感はありました。


No.65 7点 告白
湊かなえ
(2011/01/10 19:09登録)
 ホームルームで,担任が自分の子どもを殺した犯人の生徒を名指しするという,その前代未聞の設定からして読む気がそそられました。その担任が,決して感情的にならず淡々と語る様子が,異常さを引き立たせます。もともと第一章だけで「聖職者」という話で,その後はあとから加筆されたらしく,確かに章が進むにつれてちょっと強引な展開が目立ったようにも感じましたが,最初の勢いで読めてしまいました。


No.64 4点 ナイン・テイラーズ
ドロシー・L・セイヤーズ
(2011/01/10 19:03登録)
 名作と称され,著者の作品中最も有名。ですが,正-直に言って,なぜこれがそれほど賞賛されるのか分かりませんでした(自分の理解力の欠如かもしれませんが)。この長さ,このゆったりした展開で,ひっぱりにひっぱった謎の解答があれというのは・・・ひょっとしてその意外性が評価の高い理由なのでしょうか?とりあえずなんか悔しいので,氏のほかの作品も読んでみたいと思います。


No.63 7点 僧正殺人事件
S・S・ヴァン・ダイン
(2011/01/10 18:53登録)
 物理的に,科学的に一人の犯人を決定するという理詰めを求めるとすると,心理的な要素の強い本作品はイマイチ。だが、心理が物理より重要というファイロ・ヴァンスのスタイルが一貫されているともいえるし、「ベンスン」「グリーン」よりも理があると感じる。フーダニットよりもホワイダニットの要素が強い。ディーヴァーのリンカーンライムに極みを見るような,科学を駆使したロジックが受け入れられる現代の中で,こうした古典的な探偵小説は「いいなあ」と感じさせるものがある。決してそういう感傷によって温情評価をするのではなく,ミステリ好きなら必ず引き込まれるであろう舞台設定,雰囲気がこの作品にはある。ヴァン・ダイン作品の中で高評価を得るのもうなずける。


No.62 7点 グリーン家殺人事件
S・S・ヴァン・ダイン
(2011/01/10 18:21登録)
 「二十則」に代表されるように,純粋な謎解きを信条としていたヴァン・ダインだけあって,不要な伏線も少なく推理主体の,ミステリファンにとってはうれしい作品でした。バウチャーの批判などもあり,賛否両論のある作者ですが,私は少なくとも「推理」小説ファンの欲を現在になっても満たしてくれる作風は好きです。何よりも,作者自身が,(作家になった経緯を聞くにいたっても)ミステリのこの上ない愛好家なのだな,と感じます。
 本作品については,「手がかりになるいかなる言動も見過ごすまい」と思って読んだので,ファイロ・バンスのペダンティックな物言いを読み続けるのに結構疲れてしまいました。最後にあんなふうに事件のあらましを整理してくれるくだりがあると分かっていれば,適当に読み流したのに・・・。そこが,評価がイマイチ挙がらない原因です。
 まぁしかし,こんな探偵もまた,現代には登場しにくいキャラだと思うと,改めて本格黄金期のよさに浸ってしまいますね。


No.61 4点 ボーン・コレクター
ジェフリー・ディーヴァー
(2011/01/10 16:50登録)
 他のリンカーンライム・シリーズを読んでから遡る形でこれを読みました。後発作品では,人格者とまではいきませんが,落ち着いて物事を分析する物腰が印象的なライムが,このデビュー作では非常に人間的に未熟な面を露呈していて意外でした。また,彼の科学的分析が非常に専門的(なのかどうかもわかりませんが)すぎて,「すごいな」とは思いますがついていけませんでした。はっきり言えば「分かりにくい」ということです。そう考えると,作品を重ねるうちに多少は読みやすくなったのかなとも思います。


No.60 9点 ウォッチメイカー
ジェフリー・ディーヴァー
(2011/01/10 16:41登録)
 翻訳物は主に本格黄金期の古典的なものしか読まず,近年の海外ミステリはどんなものなのか,まったく知りませんでした。なんとなく勝手な思い込み・偏見で,雰囲気重視の,精密さに欠けるものだとイメージし,近寄らずにいましたが,こんなによく考えられた,精密なものだとは・・・。リンカーン・ライムの「微細証拠物件」の分析は少々化学的な色が濃すぎて疲れますが,彼のキャラクターを引き立たせる推理の仕方とも言えます。何より,もう終わったかと思った後にさらにどんでん返しをされた結末が非常に印象的でした。


No.59 6点 スリーピング・ドール
ジェフリー・ディーヴァー
(2011/01/10 16:36登録)
 最後のどんでん返しは確かに意外ですが,その予兆が物語全般に上手にちりばめられているのではなく,ラスト近くに一気に来る印象がありました。そういう意味では,これまでのリンカーン・ライムシリーズのほうが精密な作りになっていたと思います。


No.58 8点 ゴールデンスランバー
伊坂幸太郎
(2011/01/10 16:32登録)
 首相暗殺犯の濡れ衣を着せられた主人公。それは巨悪によって当て馬にされた,理不尽な悲劇であることが分かってきます。包囲網が張られる中,追い詰められていく青柳ですが,彼の人間性を見抜ける少数の人たちが味方となり・・・。止まらずに読んでしまうテンポと迫力があり,大いに楽しめました。
(未読の方は注意)
 唯一,友人が爆弾で死んでしまったのが悲しかった・・・。


No.57 7点 グラスホッパー
伊坂幸太郎
(2011/01/10 16:22登録)
 かなりヤバイ状況に追い込まれているはずの主人公なのに,その危機感を感じさせないのがこの人の作品らしい。といって読んでいるこちら側としてはスリルがあり,「槿」とその家族の正体が何なのか,敵なのか味方なのか,よく分からないまま物語が進んでいくあたりがハラハラさせられます。そんな感じで一気に読めてしまいました。


No.56 8点 死神の精度
伊坂幸太郎
(2011/01/10 16:17登録)
 他のアンソロジーで表題作を読み,それがとてもよい読後感だったので読みました。結果としてはやはり表題作が一番よかったかな,と思いますが,伊坂作品の中では最も好きにありました。昔の「死神くん」という漫画を思い出しました。


No.55 5点 重力ピエロ
伊坂幸太郎
(2011/01/10 16:14登録)
 途中で手がかりとなる要素が明らかになってきて,推理をするのは楽しかったですが,「まさかそんな単純な結末じゃないよな・・・。驚く仕掛けがあるんだろうな・・・」と思って読み進めたら,意外にもその「単純な結末」だったことにちょっと拍子抜けしました。伊坂作品は結構好きなほうですが,その中でなぜこの作品がここまで代表作扱いされるのかは少し疑問です。


No.54 6点 ラットマン
道尾秀介
(2011/01/10 16:11登録)
 伏線も多く,楽しく読み進めることができました。結末は確かに意外でしたが,そのときになって明らかにされることも多く,そういう意味では純然たるミステリとはいえない作品仮名とも思います。「あぁ,なるほど」という程度でした。
 まぁでも,読んで損はない,楽しい読書時間になると思います。


No.53 7点 カラスの親指
道尾秀介
(2011/01/10 16:07登録)
 詐欺師の化かしあい,裏のかきあいで,最後にはどんでん返しをさらにどんでん返し。登場人物のキャラクターにも好感がもて,読後感もよい話でした。


No.52 8点 追想五断章
米澤穂信
(2011/01/10 16:02登録)
 物語の結末自体は途中から予想が出来ました。ただしそれは事件の真相という点だけで,5つのリドルストーリーの仕組みということではありません。本筋においては謎を担う役割になっているそれぞれのリドルストーリー自体もそれ単体でなかなか面白く,二重においしい気がしました。よく考えられた作品だと思います。

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