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ミステリの祭典

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kanamoriさんの登録情報
平均点:5.89点 書評数:2426件

プロフィール| 書評

No.626 6点 福家警部補の挨拶
大倉崇裕
(2010/07/03 16:00登録)
女性警部補・福家を探偵役にした倒叙形式の連作短編集。
刑事コロンボのプロットを忠実に継承した正統派の倒叙ミステリで、作品に出来不出来がありますが、「オッカムの剃刃」はなかなかの傑作。
コロンボや古畑任三郎に比べて、探偵役に強烈な個性がないのが残念。


No.625 5点 丑三つ時から夜明けまで
大倉崇裕
(2010/07/03 16:00登録)
幽霊の犯罪を担当する静岡県警捜査五課の「私」を主人公にした連作ミステリ。
ほとんどの作品で密室殺人などの不可能犯罪を扱っていますが、壁をすり抜ける幽霊の存在を前提とすれば、どのようなミステリ趣向が考えられるかをテーマとしたものと思われます。
しかし、設定を充分活かしきったとは言えないですね。


No.624 6点 やさしい死神
大倉崇裕
(2010/07/02 23:07登録)
落語界を舞台にした連作ミステリ、シリーズ第3弾。
やはり、探偵役の牧編集長&間宮緑にいまいち個性がないのは変わりませんが、戸板康二の歌舞伎シリーズを落語界に置き換えたような、日常の謎の設定が読み心地いい。


No.623 2点 無法地帯 幻の?を捜せ!
大倉崇裕
(2010/07/02 22:57登録)
怪獣のプラモデルの争奪戦を描いたドタバタ劇。
作者の趣味を前面に押し出した内容で、全く興味がない身にはどうでもいい作品でした。


No.622 5点 白戸修の事件簿
大倉崇裕
(2010/07/02 22:57登録)
軽犯罪ものの連作ミステリ、シリーズ第1作。
お人好しの大学生主人公が、いずれも中野駅に絡む事件に巻き込まれるという同じパターンで、繰り返しギャグとドタバタ劇が楽しい作品。


No.621 6点 七度狐
大倉崇裕
(2010/07/02 22:57登録)
落語雑誌の牧編集長&新人部員・間宮緑シリーズの長編ミステリ。
先の短編集のテイストとは一転、閉ざされた村を舞台にした連続殺人を描いていて、本格ミステリど真ん中の作品です。
見立てや不可能犯罪など本格好きの趣向がふんだんに盛り込まれていて、パズラーの佳作といえそうです。


No.620 6点 三人目の幽霊
大倉崇裕
(2010/07/02 22:57登録)
落語界を舞台にした連作ミステリ。
落語専門誌の編集長と女性編集部員がホームズ&ワトソンの役割で5つの日常の謎に近い事件を扱っています。
主人公格の二人の個性が弱めですが、表題作の「三人目の幽霊」など結構面白く読めた。
落語界を背景にする必要がないのでは?という作品もあり、これはアイデアが先に浮かんで無理やりシリーズものにした感じでした。


No.619 6点 三人の中の一人
S=A・ステーマン
(2010/07/02 21:23登録)
ネタバレ気味ですが、ウェンズ氏が探偵役を務めるシリーズの長編ミステリ。
フランス片田舎の城館を舞台にした連続射殺事件で、頻繁に「ベンスン殺人事件」に触れながら弾道学による犯人の身長を特定する過程が描かれています。そのあたりまでは、真っ当な館ミステリかと思いきや、終盤のウェンズ氏のひと言が意表を突きます。
主な容疑者は3人だから、誰もがタイトルに深い意味はないと思うんじゃあないかと・・・。この作品もクリステイの某作とアイデアがバッテングしていますが、本書の方が3年ほど早く出版されているようです。


No.618 5点 おさがしの本は
門井慶喜
(2010/07/02 05:02登録)
図書館の司書を主人公にした連作ミステリ。
本探しテーマで森谷明子の「れんげ野原」と設定が被るが、本に関しての蘊蓄は、本書のほうがディープですね。
とくに、「林森太郎」の件はちょっと虚をつかれるというか、作者の博識ぶりにあきれました。


No.617 4点 パラドックス実践
門井慶喜
(2010/07/02 05:02登録)
履修科目に論理&雄弁がある特殊な学園を舞台にした連作ミステリ。
教師たちが色々な日常の事件に遭遇する様を描いていますが、感情移入できる登場人物が見当たらない。ミステリとしても中途半端な感じです。


No.616 7点 天才までの距離
門井慶喜
(2010/07/02 05:01登録)
美術探偵・神永美有シリーズの第2短編集。
前作よりミステリ度がパワーアップしている気がします。
美術品の真贋が予想外のアプローチで判明する様は、本格ミステリの<論理のアクロバット>を読まされたのと同じ感覚でした。
脇役で登場する女学生イヴォンヌがいい味出しています。


No.615 6点 人形の部屋
門井慶喜
(2010/07/02 05:01登録)
専業主夫と娘の”つばめ”が織りなすペダントリーに満ちた連作短編集。
強いて言えば”日常の謎”ミステリでしょうが、謎自体はどうでもいい感覚になって、父娘のウンチク会話がなんとも心地よい。


No.614 6点 天才たちの値段
門井慶喜
(2010/07/02 05:00登録)
北森鴻など美術品の真贋を絡めたミステリは数ありますが、この連作ミステリの探偵役・神永美有はある種の天才というところが目新しいかな。
デビュー作品集と思えないほど文章がしっかりしていて、淀みがないのがいい。


No.613 7点 火刑法廷
ジョン・ディクスン・カー
(2010/07/02 00:25登録)
怪奇趣向が最大限に発揮されたノンシリーズの問題作。
カーの代表作の一つに挙げられることが多い傑作には間違いありませんが、「三つの棺」同様に最初に読むべきカー作品とは言えないでしょう。(その理由は「三つの棺」と全く別ですが)
ある程度カーを読んだ人でも、評価が別れる問題作であるといえます。


No.612 4点 猫と鼠の殺人
ジョン・ディクスン・カー
(2010/07/02 00:11登録)
ポケミスの「嘲るものの座」で読みました。
この密室トリックは、いつかはカーの作品にも出てくるだろうなあという感がありました。
しかし、この作品の肝はおそらくそのトリックではなく、真犯人に降りかかる皮肉な状況ではないでしょうか。


No.611 6点 連続自殺事件
ジョン・ディクスン・カー
(2010/07/01 23:54登録)
フェル博士ものの第13作目。
古城からの転落死という設定から、バンコランもののある作品を彷彿とさせますが、怪奇趣向はそれなりにあるものの、同時にドタバタ劇を挿入したりしています。
メイン・トリックの実現性に関し何かで読んで、トリックは知っていましたが、それなりに面白く読めました。


No.610 4点 テニスコートの謎
ジョン・ディクスン・カー
(2010/07/01 23:31登録)
フェル博士ものの第11作目。
足跡のない殺人がテーマですが、物語がとりとめないものになっていてリーダビリテイがない上に、トリック自体が平凡で面白味に欠けます。


No.609 7点 緑のカプセルの謎
ジョン・ディクスン・カー
(2010/07/01 23:19登録)
フェル博士ものの第10作。
不可能犯罪を扱っていますが、密室殺人ではなく、毒殺トリックを扱った秀作です。
物理的なものより、このような心理的トリックは、ヤラレタ感が強いですし、終盤の映画フィルムの件も非常に巧妙で、考え貫かれたプロットという感じがします。


No.608 5点 死者はよみがえる
ジョン・ディクスン・カー
(2010/07/01 23:09登録)
フェル博士ものの第8作。
どんな手を使ってでも読者を欺いてやろうというカーの稚気が目いっぱい出ていて、怪奇趣向のないフーダニットに特化した作品です。ちょっと評価に迷うのですが、まあこんな点数にしておきます。


No.607 4点 ヴァンパイアの塔
ジョン・ディクスン・カー
(2010/07/01 23:00登録)
カー短編全集の最終第6弾。
ラジオドラマ作品集が中心の収録で、出来がいいとは言い難いです。表題作は、おそらく「死が二人を別つまで」の原型ではないかと思います。

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