| kanamoriさんの登録情報 | |
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| 平均点:5.88点 | 書評数:2430件 |
| No.1030 | 7点 | 黒き舞楽 泡坂妻夫 |
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(2010/08/18 17:48登録) 青年人形師の妻が次々と不審死していく謎に、古い浄瑠璃人形の因縁話を絡めた恋愛風ミステリ。 人形師の小学生時代に教師だった30代の女性の視点で、地方都市の人間関係が語られていきます。連続する死が描かれているものの、女性の母親の造形など日常の情景が読み心地のいい香気をはなっていましたが、最終章で明らかになる真相には唖然となりました。本書は”特異な愛のカタチ”を追及してきた作者のミステリにおける到達点といえる作品だと思います。 |
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| No.1029 | 4点 | 写楽百面相 泡坂妻夫 |
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(2010/08/18 17:48登録) 写楽の謎に寛政年間の謀略が絡む時代ミステリ。 歴史ミステリとして期待して読みましたが、正直リーダビリティに欠ける内容でした。 一番不満なところは、次々と実在の人物が登場するが、読者に対する説明が不親切な点で、ある程度この時代の知識がないと人物整理だけで精一杯だと思います。 |
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| No.1028 | 5点 | 斜光 泡坂妻夫 |
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(2010/08/18 17:48登録) 5年前に失踪した妻が地方の温泉街で踊り子をしているのを目撃した夫と、5年前の殺人事件を追う刑事。二人の視点で並行して物語が展開していき、終盤で交叉するというストーリー。 作者は、同性愛など”特異な愛のカタチ”を主題にしたミステリをいくつか書いていますが、本書もその趣向の別ヴァージョンでした。 最終章の真相が語られる男女の会話が、あまりにも読者向けの説明口調なのが残念。 |
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| No.1027 | 6点 | ゆきなだれ 泡坂妻夫 |
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(2010/08/18 17:48登録) 恋愛ミステリ短編集。 同じ幻影城出身の連城三紀彦「恋文」の直木賞に触発されたかのように、著者は80年代半ばから抒情的な大人の恋愛小説を書き始めましたが、本書はそのような作風の最初の短編集だと思います。 「ゆきなだれ」や「鳴神」など、過去の女性の面影と対峙する主人公の思いや生きざまが描かれた作品が印象に残っています。 |
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| No.1026 | 4点 | 織姫かえる 泡坂妻夫 |
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(2010/08/17 18:26登録) 宝引の辰捕者帳シリーズの第6短編集。 最後の短編集ですが、夢裡庵先生シリーズとちがって連作を完結させる趣向は特にありません。 本書もミステリのトリックは大したものはなく、各編が短めの物語なので、シリーズ愛読者でないと満足できない内容でしょう。 |
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| No.1025 | 5点 | 鳥居の赤兵衛 泡坂妻夫 |
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(2010/08/17 18:26登録) 宝引の辰捕者帳シリーズの第5短編集。 本書もミステリ的にうす味な内容ですが、シリーズを通して読んでいれば、江戸人情話がなかなか読み心地いいと感じます。 なかでは、日常の謎系の「鳥居の赤兵衛」と、暗号ミステリの「雪見船」あたりがまずまずかなと思います。 |
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| No.1024 | 5点 | 朱房の鷹 泡坂妻夫 |
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(2010/08/17 18:26登録) 宝引の辰捕者帳シリーズの第4短編集。 ミステリ趣向の作品では、「天狗飛び」がまずまずの出来。解決はあっけないですが、一応辰の安楽椅子探偵ものです。 編中の個人的ベストは、「面影蛍」。現代を舞台にした職人ものの恋愛ミステリ作品群に通じる味わいがあります。 |
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| No.1023 | 5点 | 凧をみる武士 泡坂妻夫 |
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(2010/08/17 18:25登録) 宝引の辰捕者帳シリーズの第3短編集。 前作と比べてミステリ的にはうす味で、江戸の風物・情緒と人情物語を楽しむ作品集という感じです。 なかでは、「雛の宵宮」がホワイダニットもので、まずまずの出来だと思いました。 |
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| No.1022 | 6点 | 自来也小町 泡坂妻夫 |
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(2010/08/17 18:25登録) 宝引の辰捕者帳シリーズの第2短編集。 シリーズ全6作の中でも本格ミステリ色が一番出ている作品集だと思います。 個人的ベストは「夜光亭の一夜」で、女奇術師の登場や、奇抜な状況設定とか、逆説的なロジックによる真相など、いかにも泡坂作品らしいテイストです。 |
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| No.1021 | 6点 | 鬼女の鱗 泡坂妻夫 |
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(2010/08/17 18:25登録) 宝引の辰捕者帳シリーズの第1短編集。 著者初の時代小説だと思いますが、物語の語り手を作品ごとに交代させる手法はユニークながら、シリーズ第1作だけに主要人物の設定説明が不十分なまま視点人物が変わることで、感情移入しづらい感じをうけました。 収録作では、不可能トリックものの「日吉の死人形」などミステリ趣向が強いものより、花魁の心情の謎を描いた「辰巳菩薩」などの人情ものが印象に残っています。 |
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| No.1020 | 4点 | 旋風 泡坂妻夫 |
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(2010/08/16 21:14登録) 泡坂版”姿三四郎”というべき作品。 恋あり、陰謀あり、活劇ありの青春アクション小説ですが、ミステリの趣向は極めて薄めのため物足りない内容でした。 |
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| No.1019 | 6点 | 毒薬の輪舞 泡坂妻夫 |
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(2010/08/16 20:57登録) 警視庁刑事・海方シリーズの第2弾。 病院の精神科を舞台に毒殺づくしの事件を描いていて、珍妙な入院患者の造形が絶妙です。登場人物たちの立場が逆転する構図がいかにも作者らしいと思います。ロジカルな解決編は、けっこう読み応えあり。 |
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| No.1018 | 6点 | 死者の輪舞 泡坂妻夫 |
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(2010/08/16 20:46登録) 著者の作品では珍しい警視庁刑事が探偵役の長編本格ミステリ、シリーズ第1弾。 連続殺人事件の全体の構図に仕掛けを施したところは、ちょっと「乱れからくり」のテイストに似ていますが、トリック自体は山村美紗の某初期長編のアレンジだと思いました。タイトルもなんとなくそれを連想させます。 |
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| No.1017 | 6点 | 亜智一郎の恐慌 泡坂妻夫 |
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(2010/08/16 20:27登録) 江戸城の雲見番・亜智一郎シリーズの連作短編集。 シリーズの性格がはっきりしない感じですが、陰謀ものやドタバタの中に巧妙な伏線を張っていたり、逆説的ロジックがあったりして、ミステリ趣向もあります。 編中では、小さな気付きから隠された意外な事象を暴きだす「補陀落往生」がよく出来ていると思います。 |
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| No.1016 | 7点 | 奇術探偵 曾我佳城全集 泡坂妻夫 |
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(2010/08/16 20:11登録) 先に出た2冊の連作短編集「天井のとらんぷ」「花火と銃声」の収録作に未発表作品7編を加えた完全版。 比較的軽めのテイストながら、奇術ネタを絡めたミステリが満載で楽しめました。ただ、一気に読むとちょっと飽きが来る感もあるので、少しづつ味わうのが吉だと思います。 あと、読んでる途中、佳城のイメージが二代目引田天功とかぶってしまい困りました(笑)。 |
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| No.1015 | 5点 | ダイヤル7をまわす時 泡坂妻夫 |
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(2010/08/16 18:13登録) ノン・シリーズのミステリ短編集。 ヴァラエティに富む内容ですが、寄せ集めという感が無きにしも非ず。 本格的な犯人当てにヒネリを加えた「ダイヤル7をまわす時」と、女性心理の日常の謎「広重好み」の2編はテイストが全然異なりますが、ともに印象に残りました。 |
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| No.1014 | 6点 | 奇跡の男 泡坂妻夫 |
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(2010/08/16 17:56登録) ノン・シリーズのミステリ短編集。 すべて出来がいい作品が揃っているわけではありませんが、独特のロジックは相変わらず楽しめた。 奇蹟的な幸運に恵まれる男の秘密「奇跡の男」や、特異な設定の不可能犯罪もの「妖異蛸男」は、ともに強引ながら亜シリーズに通じるテイストがあります。 |
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| No.1013 | 5点 | 生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術 泡坂妻夫 |
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(2010/08/16 17:30登録) 再び、本自体にユニークな仕掛けが施されていますが、肝心の物語が平凡で、前作「しあわせの書」と違って、本の仕掛けと小説の内容が有機的に関連していないので、大きなカタルシスは得られなかった。 |
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| No.1012 | 6点 | しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 泡坂妻夫 |
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(2010/08/16 17:30登録) ヨギ・ガンジーシリーズの長編ミステリ。 新興宗教団体の後継問題に絡んだ事件に関わります。宗教団体の教典「しあわせの書」の秘密はまずまずですが、物語自体はいたって平凡。なんといっても本書の非常にユニークなところは、教典の秘密を読者に実物で提供してくれる仕掛けで、作者の稚気溢れるアイデアは素晴らしい。 |
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| No.1011 | 6点 | ヨギ ガンジーの妖術 泡坂妻夫 |
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(2010/08/16 17:30登録) 超常現象のトリックを暴く連作ミステリ。 ヨギ・ガンジーら三人組の特異なキャラが、とぼけた感じで面白いのですが、過度にドタバタ的なユーモアに寄りかかることなく、真っ当なハウダニットを追及している点が好印象。 なかでは、「ヨギ ガンジーの予言」が奇術テクニックを使った作者らしい作品で個人的ベストです。 |
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