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ミステリの祭典

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kanamoriさんの登録情報
平均点:5.88点 書評数:2501件

プロフィール| 書評

No.41 6点 繭の夏
佐々木俊介
(2010/03/10 20:34登録)
夏休みに姉弟探偵が遭遇する過去の眠れる殺人。
いわゆる「回想の殺人」テーマのオーソドックスなミステリ。
さきに「模像」を読んでいただけに、あまりの作風の相違にちょっとビックリした。
新人賞応募作にしては、目新しい趣向はありませんが、仁木悦子ファンであれば満足いく作品だと思います。


No.40 6点 ゾルゲの遺言
伴野朗
(2010/03/10 20:25登録)
太平洋戦争前夜を舞台背景にした国際謀略サスペンス。
物語はタイトルで想像されたとおりです。スパイ(裏切者)は誰かというテーマは犯人当てミステリそのもので、本格として読むことが充分可能。「三十三時間」と並んで本格色の強いサスペンスです。


No.39 7点 時鐘館の殺人
今邑彩
(2010/03/10 20:15登録)
本格ミステリ短編集。
この人は時に凡作やホラー系の作品も書いていますが、初期の端正な本格ものは見逃すのはもったいない。
短編集ではこれが一番かな、表題作ほか「生ける屍の殺人」「黒白の反転」等どれもよかった。


No.38 6点 粘土の犬
仁木悦子
(2010/03/10 18:56登録)
ミステリ短編集。
どの作品もいいですが、「黄色い花」「かあちゃんは犯人じゃない」なんかが好きですね。
子供が主人公のミステリを書かせたら彼女が一番でしょう。


No.37 6点 佐渡金山殺人事件
中町信
(2010/03/10 18:44登録)
氏家周一郎シリーズの第1作。相変わらずベタなタイトルです。
専業作家になってから却って作品の質が落ちてしまいましたが、これは久々にトリックが決まったまずまずの作品ではないでしょうか。(どの作品も設定がよく似ているので自信はありませんが)


No.36 7点 修道士の首
井沢元彦
(2010/03/10 18:34登録)
歴史ミステリ連作短編集、織田信長推理帳シリーズの第1作。
「六点鐘は二度鳴る」「裁かれたアドニス」など本格度が非常に高い。著者の短編集ではベストでしょうね。
シリーズ2作目以降は長編となり、そのぶん本格度は落ちたように思います。


No.35 8点 逃がれの街
北方謙三
(2010/03/10 18:21登録)
今や忘れられた感のある北方ハードボイルド。男の矜持とか生きざまとかは当世流行らないんだろうなあ。
一般的には「眠りなき夜」「檻」とかが代表作なんでしょうが、マイ・フェイバリットはコレです。パーカー「初秋」に感動した人なんかは、ド真ん中の逸品だと思います。


No.34 7点 呪いの聖域
藤本泉
(2010/03/09 22:18登録)
東北地方の謎の村集団をテーマにした「エゾ共和国」シリーズ第1作。独特の雰囲気のある土俗伝奇ミステリです。
主人公が下北半島近くの雪花里村へ到着したあたりの、なんともいいようのない恐怖感は読後も消えることがない。文章表現は荒削りな感じがするが、初期の坂東真砂子に似た印象を持った。
シリーズ第2作の乱歩賞「時をきざむ潮」は、より本格風味を加味したものになっていると思います。


No.33 7点 昆虫探偵
鳥飼否宇
(2010/03/09 21:57登録)
昆虫の世界の本格ミステリ。
被害者が昆虫なら探偵も昆虫、名探偵・熊ん蜂シロコバ氏が難事件を解決する連作ミステリ。
設定はバカミスだが、トリック自体は昆虫の生態を活かしたまっとうな本格編で、実に面白い。


No.32 7点 初恋よ、さよならのキスをしよう
樋口有介
(2010/03/08 20:17登録)
せつない探偵・袖木草平シリーズ第2弾。
 「パパ・・・」
 「なんだ」
 「今の女の人も宿命なの?」
初恋の女性の死の謎を追い求める大人のハードボイルド小説。
ルポライター袖木と娘の加奈子の会話がたまらなくいい。袖木草平に宿命は、いったい何人いるのか・・・。
 「パパも苦労するよね」 


No.31 6点 ゴールドういろう
東郷隆
(2010/03/08 18:20登録)
殺人許可書を持つ丁稚。
なにわの秘密情報部員・定吉七番シリーズ、スパイ・アクションコメデイの第4弾。
今回の任務は、伝統和菓子の壊滅をもくろむ名古屋の悪の首魁から小豆のインゴットを取り戻すこと。スベリ気味のギャグもますます快調でなによりである。
「定吉七は丁稚の番号」「太閤殿下の定吉七番」ともどもお薦めです、ホント。


No.30 5点 パドックの残影
海渡英祐
(2010/03/08 17:57登録)
競馬新聞記者・栗本を探偵役にした連作ミステリ。
馬主・騎手・調教師など競馬界の周辺で起きた殺人事件を正攻法で描いている。海渡の連作短編集というと軽妙でトリッキイなものが多いが、この作品は本格度はそれほど高くない。
中編の「出馬表は語る」がダイイングメッセージや毒殺トリックを絡めた犯人当てミステリで、終盤に「読者への挑戦」を挟んでもおかしくない作風になっているのが却って異色。


No.29 6点 赤い帆船(クルーザー)
西村京太郎
(2010/03/08 17:38登録)
初期の「海の十津川警部」もの第1作。
東京ータヒチ間のヨットレースを絡めた雄大なアリバイトリックが冴えた本格ミステリ。のちのトラベルミステリものと比べてこの時期の作品は重厚・緻密さがあり、読み応え充分。
海洋ミステリものでは「消えたタンカー」と並ぶ秀作だと思う。


No.28 6点 五声のリチェルカーレ
深水黎一郎
(2010/03/06 13:59登録)
殺人を犯したある中学生の動機の謎(「生きていたから殺した」)と誰を殺したかという謎、この二つの謎を解くミステリかと思っていたら、とんでもない方向から一撃をくらった。一読即再読を強いられる騙し絵ミステリ。
諸々のネタバレ書評でも、色々分析されており、みなさん相当入れ込んでます。いまのところ本格マニアにとって今年一番の話題作ではないでしょうか。本当に意地の悪い作家だ。
なお、併録の短編は独立したもので、本作との関連はないというのが正解のようです。根拠は日本シリーズの背番号3にあるんだとか。


No.27 5点 廃墟に乞う
佐々木譲
(2010/03/06 13:28登録)
ある事件の影響で休職中の刑事を主人公にした連作短編集。
設定から「刑事くずれ」のミッチ・トビンをイメージしたが、それほどのトラウマはないようです。
警察小説三羽鴉でいうと、エンターテイメントに徹した今野、どんでん返しのある横山に比べて、いかにも地味な印象。直木賞なら「エトロフ発緊急電」なんかで20年前に獲っててもおかしくなかった作家なんだけど。


No.26 7点 顔のない肖像画
連城三紀彦
(2010/03/06 13:11登録)
花葬シリーズや「紫の傷」「夜よ鼠たちのために」に並ぶ、騙しのテクニック満載の逆説的ミステリ短編集。
すべての収録作で最後にひっくり返しが冴える。タイトルもそうだが、パラドックスがテーマとなっているのだと思う。


No.25 5点 兇弾
逢坂剛
(2010/03/06 12:59登録)
悪徳警官もの、禿鷹シリーズ外伝。
シリーズものなのでこれだけ読んでも楽しめないだろう。
(以下ネタバレ)
前作で主人公が殉職しているので、まさかの続編というか外伝。神宮署の裏金証拠書類の争奪戦だけで、ここまで話を創るのはさすがだが、逆に言うとただそれだけの話。最後の携帯電話の意味がわからない、さらなる続編があるのか?


No.24 6点 真珠郎
横溝正史
(2010/03/05 22:58登録)
「真珠郎はどこにいる。」
戦前の耽美探偵小説の傑作、名探偵・由利麟太郎登場。
信州の湖畔に建つ屋敷(「犬神家の一族」)、主人公が現地に到着する寸前に出会う謎の老婆(「悪魔の手毬唄」)、洞窟内の追跡劇(「八つ墓村」)等々、戦後の金田一耕助シリーズに出てくるガシェットが多々出てきて横溝ミステリの原点といえる作品。
おまけに主人公(探偵役ではないが)の名前が椎名耕助である。
(以下ネタバレ)
鍵となる人物の登場が後出しで不満な点もあるが、顔のない死体を連続して作ることによって、トリックの新バージョンを案出しているのは評価できる。乱歩も指摘しているが、「赤毛のレドメイン家」風の香りがある。
扶桑社文庫版には由利先生ものの短編4作と顔のない死体トリックを論考した「私の探偵小説論」が併録されていてお得感がある。再読してみてさらに評価が上がった。


No.23 4点 プールの底に眠る
白河三兎
(2010/03/05 11:48登録)
留置所内で回想する13年前のセミと出会った夏。
相性が悪い「僕と君」派の青春ミステリ。セミと名付けた少女の造形とか駅の掲示板のエピソードなど魅力的に描かれていると思うが、ぬるい文章が肌に合わなかった。若い読者だと、また違う評価だと思うが。
「衝撃的結末」も少しも衝撃を受けなかった。


No.22 2点 Nのために
湊かなえ
(2010/03/05 11:27登録)
見事に騙された!
紹介文に「湊かなえの新たなるステージ」のようなことが書かれていたが・・・男女4人のリレー形式の独白によって明らかになる殺人事件の真相・・って、どこが「新たなるステージ」なのか、マンネリもいいところ。
巧妙なトリックだ!
東京創元社だから、てっきりミステリだと思ってしまった。

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