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ミステリの祭典

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リスの窒息

作家 石持浅海
出版日2010年02月
平均点5.17点
書評数6人

No.6 5点 ボナンザ
(2018/02/02 19:05登録)
石持原点回帰な一作。サクサク読めるが、あまりにもご都合主義な感は否めない。

No.5 5点 虫暮部
(2010/10/09 10:21登録)
 ネタバレに配慮しつつツッコミを。
 1.自分の痕跡を消すと、本来そこにあるはずの別の人の痕跡も消えてしまうので不自然な現場になるはず。
 2.或る人に或るものを見せると驚くだろうからそれを時間稼ぎに使える、というのは希望的観測に過ぎるのではないか。むしろ質問責め、または「危険だからそばを離れるな」とかいう展開の可能性が高いのでは。

No.4 4点 まさむね
(2010/09/26 22:42登録)
 現実感が物凄く希薄。
 「扉は閉ざされたまま」でも,相当の違和感を抱いたものの,一個人の内面(動機)に対するものであっただけに,自分としては,まあ,スルーした記憶がある。
 しかし,この作品はそれどころじゃない。違和感どころか,現実感が「まったく」得られなかった。
 だって,普通,誘拐事件だったら即刻警察に連絡するでしょ。警察に弱みがあるわけでもなかろうに。いかにサラリーマンの悲しい性があっても,新聞社のオトナたちが揃いもそろって,馬鹿な判断するかな?社長もあんな馬鹿な指示出さないでしょ。よく潰れないもんだ,この新聞社。
 まあ,それでは作品が成り立たないのだけれども,「若手がスクープ欲しさに上層部に報告せずに独走」くらいのプロットの方がまだまし。被害者の学生証が開示されてるのに,調査も遅すぎるし。かなりイライラする。
 この辺で引っかかると,もうスリリングさを感じることなどできなかった。
 氏の作品は,私にとって2作品目。両作品とも「世間でまともと見られている人間の非常識な判断」が重要な要素になってくるが,その描きっぷりは,決して褒められたものではない。

No.3 6点 こう
(2010/04/14 01:17登録)
 最近になく収穫でした。誘拐事件で第三者に身代金を請求するというパターンは前例もありますが今回はひきこまれる展開、ストーリーでこれだけ楽しめたのは「扉は閉ざされたまま」以来だと思います。
 江守森江さんが述べられている通りでこの状況で警察を呼ばないのは不自然ですがそれは「扉は閉ざされたまま」でいつまでたっても扉をこわさないのと一緒でそこが石持浅海作品らしさなのかなあと思います。
ただ編集局長の異常さをどう描いても警察を呼ばない展開は誰が読んでも納得はできないと思いますが。
 最後は予定調和すぎるくらいなのが少し拍子抜けですが久々に当たりでした。「まっすぐ進め」まで読んでもう読むのをやめようかと思っていたのですがこの作品に限って言えば石持浅海作品らしい不満点はあっても楽しめました。

No.2 5点 江守森江
(2010/03/27 13:52登録)
最初に、女子中学生の局部表現は小説でも「猥褻物領布」先々は「チャイルド・ポルノ規制」に抵触しかねない(ホントか?)
狂言誘拐物として大手新聞社の社員達が女子中学生に翻弄される展開は楽しく読めた。
しかし、相変わらず行動原理が作者独特の動機や倫理観に基づいている為に納得しかねる。
作品が成立しなくなるが、サッサと警察に通報しろ!と思う(私なら常務を拘束して警察に通報し、責任は警察に丸投げする、その責任で会社を解雇されそうになったら裁判で争う)
次に、新聞社のやり手社員なのに被害者の住所をたぐる事への気付きがご都合主義的に遅い(私は誘拐メール到着時に次善策として直ぐに考えた)
更に、狂言誘拐を考えた女子中学生も、これだけの能力があるのだから、作品以前の場面で母親に直接浮気を止めさせるとか、父親に離婚を決意させるとか対処出来ただろうと考えた。
誘拐の成功は奪った金を堂々と遣える時点だと思っているので、根本的にこの狂言誘拐は新聞社の社員達が‘普通な大人レベル’の対処行動をすればどう転んでも成功しないのが見えて弱い。
作品成立の根底を否定したくなる面が払拭出来ない事と一気読みの楽しさを相殺したら水準レベルになった。

No.1 6点 kanamori
(2010/03/04 00:25登録)
「突然の冬の到来に慌てたリスが、食糧確保のため餌を頬張り過ぎたのと同じだ。あとは窒息するしかない」
女子中学生を誘拐した犯人が新聞社に身代金を要求してきた。・・・著者完全復調の誘拐ものサスペンス。
(以下ネタバレ)
エリート女子中学生の淡々と進める狂言誘拐計画と新聞社幹部の慌てぶりが交互に描写され、その対比が面白い。この女の子は本当に恐ろしい。新聞社が警察に通報できない事情もうまく処理されている。久々に手に汗握る誘拐ものを読んだ気がする。

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