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ミステリの祭典

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メルカトルさんの登録情報
平均点:6.04点 書評数:1979件

プロフィール| 書評

No.199 4点 弁護側の証人
小泉喜美子
(2011/12/16 21:39登録)
これだけ読みにくい文章をよく書けるものだと感心するくらい読みにくい。
これが隠れた名作ですか?そうですか。
どんでん返しはどこにあるのだろう、全く想像通りの犯人は驚くに値せず、叙述トリックは一体どれなのか。
単に私の読解力の無さがなせる結果なのだろうか、おそらくそうなのだろう。
読みづらい文体に苦痛を感じる読者は、読まないほうがいいのかもしれません。
それにしても、評価が高いのが最大の謎である、私にとっては。


No.198 6点 本日、サービスデー
朱川湊人
(2011/12/14 22:13登録)
一生に一日だけ、何でも願いが叶う日が神様からサービスされるのが今日だと、あることから知ったサラリーマンの彼は一体どんな行動を取るのか。
女性の右手首だけの幽霊と、アパートの一室で奇妙な共同生活を送る男の末路とは?
など、朱川氏ならではの奇想が炸裂する、かなり風変わりな短編集。
表題作はオチが早々に読めるが、もう一捻りされているところに、作者の面目躍如が保たれている。
全体的になかなか楽しめた。


No.197 5点 迷宮
清水義範
(2011/12/10 21:42登録)
一つの猟奇殺人を、上から横から斜めから、あらゆる角度から検証し突き回して炙り出す手法は、さすが清水氏と感心させられる。
しかし、残念ながら全体がベールに覆われたような感触で、どうにもスッキリしない。
解説にある通り、再読するとまた違った面が姿を現すのかもしれないが、そこまでの気力はない。
決して嫌いな作風ではないが、最後までモヤモヤした感じが拭い去れなかったのは、己の読解力の無さゆえなのだろうか。
著者の意図が十分に汲み取れなかった自分の不甲斐なさが残念な限りである。


No.196 7点 THE QUIZ
椙本孝思
(2011/12/07 21:40登録)
優勝賞金1億円のクイズ番組の決勝大会に残った、10人の挑戦者達。
彼らは難問に挑んでいくが、間違った解答を提示した者は、一人、また一人と目の前で殺されていく。
主催者の目的は一体何なのか、なぜ最後の一人になるまで殺されなければならないのか・・・
細かい疑問点やツッコミどころはあるものの、なかなかいいテンポで物語りは展開していく。
アマゾンではかなり酷評されているが、私は面白く読めた。
特にラストで、全ての謎が明かされていく過程は、意外性十分で衝撃を受けた。
このトリックには前例があるらしいが、私はその作品を知らなかったため、驚愕の展開を堪能できた。


No.195 6点 閉鎖病棟
帚木蓬生
(2011/12/04 21:31登録)
閉鎖病棟と言ってもそれ程閉鎖されているわけではない。
精神科病棟の入院患者が主な登場人物であるが、主要人物はいたって普通で異常性はほとんど感じられない。
逆に読んでいる自分のほうが異常なのではないかと思えてくるのが不思議だ。
だからこそ小説として成り立つわけだが、本作はある意味我々よりも純粋で常識をわきまえたごく普通の患者達の様々な姿を、色んな事件や出来事を通して丹念に描いたヒューマンドラマである。
ミステリではないと思う。
しかし、話の端々に心動かされる場面が散りばめられており、最後の裁判のシーンは涙を堪えるのが精一杯だった。


No.194 7点 ビブリア古書堂の事件手帖
三上延
(2011/11/30 22:08登録)
このような良作が世間の注目を集め、人気を博しているのは非常に喜ばしい事だと思う。
古書にまつわる日常的な謎を、入院中で安楽椅子探偵の栞子さん(ビブリア古書堂の店主)が最低限の情報だけで解決に導いていく、という連作短編集。
しかし、最終話では思いもよらない展開が・・・
途中、何度も女性作家による作品と勘違いしそうになるほど、描写が細かいと言うか繊細である。
栞子さんと、ビブリア古書堂でバイトをすることになった大輔との微妙な関係も、今後どう発展して行くのか気になるところだ。
続編も読みたいが、makomakoさんのように近所に大型書店がないため、しばらくは我慢するしかなさそうである。


No.193 7点 名探偵に薔薇を
城平京
(2011/11/26 23:59登録)
第一部はクセのある文体でやや読みづらかったが、第二部ではそれも解消されて集中できた。
これは「小人地獄」という毒薬を巡る物語で、なんと言っても主役はこの毒薬ではないだろうか。
解説によると第一部は後付けらしいが、それにしてはよく練られていると思う。
そして本題の第二部では、二転三転する展開に久しぶりに頭がクラクラした。
それにしても、これほど探偵が心情を吐露するシーンが多いミステリは初めて読む。
それだけに、探偵役の瀬川みゆきの、名探偵であろうとするがゆえの苦悩と孤独が浮き彫りにされていて、身に詰まされ、深く考えさせられる。


No.192 6点 孤虫症
真梨幸子
(2011/11/22 21:23登録)
第32回メフィスト賞受賞作。
序盤から中盤にかけては非常に面白く、のめり込める。
終盤はまったりしてきて、ラストはもやもや感が残る、なんとも評価の難しい作品である。
しかし、疑問点がいくつか謎のままだし、描ききれていない部分もある。
だから、ミステリのカテゴリーに分類するには抵抗がある、かといってホラーでもないし、なんだろう。
エロ描写やドロドロした恋愛物が好みの読者には受けると思う。


No.191 7点 !(ビックリマーク)
二宮敦人
(2011/11/13 22:26登録)
ホラー、サスペンス、ミステリ、この3つの要素を上手く融合した、3篇の中編からなる作品集。
作風はまるで絶好調時の乙一の様。
最終話だけは?な部分がいささか大きいが、それでも不条理の世界を描く作者の手腕はなかなかのものである。
一度騙されたと思って読んでみて欲しい。きっと満足できると思う。
特にホラー好きは見逃せない、オチもしっかりあるのでミステリ・マニアもどうぞ。


No.190 6点 あわせ鏡に飛び込んで
井上夢人
(2011/11/09 21:29登録)
各短編がそれぞれ一定水準を上回っていて、飽きずに読むことが出来る。
しかし、逆に言うと突出したものがないため、どれも抜きん出て面白いとは言いがたい。
個人的には表題作が最も面白かったが、他の作品も時代を感じさせるものが結構あり、その意味でも意義深いものを思わせる。
様々なタイプの作品を楽しめる、お得な短編集と言えそう。


No.189 6点 ゴメンナサイ
日高由香
(2011/11/04 22:16登録)
呪いを読者にまでかけてくるメタ構造がたちの悪い、異色のホラー。
クラスで孤立した女子高生の書いた、演劇用のシナリオを読んだ者が次々と謎の死を遂げる。
呪いをかけられたそのシナリオを巡って、様々な事件が巻き起こり、死者は増えるばかり。
呪いを解く方法は果たしてあるのか?
といった内容で、特に目新しい要素はないが、一気に読める面白さは備えている。
しかし、怖さはあまり感じない上に、文章がやや稚拙な点は気になるところではある。


No.188 6点 彼女がその名を知らない鳥たち
沼田まほかる
(2011/11/01 22:22登録)
主人公の十和子(33歳)は同居人の陣冶の不潔さ、いい加減さを忌み嫌い、憎んでいるが、なぜか離れられない。
彼女は失踪した元恋人との過去を引きずりながら、陣冶が彼を殺したのではないかとの疑いを抱いている。そこへ新たな恋の相手、水島が現れる・・・。
といった展開で、もうドロドロの男女の愛憎劇が繰り広げられる。
しかし、意外な真相とラストシーンは間違いなくミステリであり、全編を通してサスペンスが効いていて、限りない嫌悪感を抱かせながらも、最後まで読ませてしまう腕は確かである。
同作家の『猫鳴り』も読んだが、とても同じ作家の手になるものとは思えない作風の違いで驚かされる。


No.187 6点 空想探偵と密室メイカー
天祢涼
(2011/10/27 21:43登録)
問題の密室だがさほど特異な設定とは思わないが、これを作った理由は前代未聞であり、密室史に名を残すといっては言いすぎか。
ラストの密室を巡る攻防は非常に読み応えがあり、圧巻である。
ただし、タイトルにあるように“空想”探偵のポアロやフェル博士が謎を解くのを期待すると裏切られる。
まあしかし、全体的によく練られていて面白かった。


No.186 5点 予告探偵 西郷家の謎
太田忠司
(2011/10/23 21:42登録)
最終章まではごくオーソドックスな本格ミステリ。
いかにもな名探偵とありがちな助手、密室殺人に過去の事件が絡む、ある意味コード型の本格推理の様相を呈している。
が、最終章で唖然とする展開に・・・。
ただし、取って付けたような印象は否めない。


No.185 6点 殺人鬼フジコの衝動
真梨幸子
(2011/10/19 21:39登録)
10人以上殺人を犯したフジコの半生を描いたジャンル不明の小説。
あくまで暗く、重い。決して文章が上手いわけでもない。
がしかし、物語に引き込まれることは間違いない。
特に前半の小学生時代の虐め苛まれるフジコの育った環境はあまりに異常で、嫌悪感は半端ではない。
だが、この小説のキモはあとがきにある。
このあとがきによって初めてミステリとしての姿をおもむろに現すことになる。
衝撃的とか、やられたとかという声が多いのだが、個人的には「ああ、そうだったのか」くらいにしか思えなかった。
しかし、このあとがきの存在はこの作品の全体像を引き締める役割を果たしているのは間違いないだろう。


No.184 4点 死亡フラグが立ちました!
七尾与史
(2011/10/11 22:21登録)
申し訳ないが、私には体質的に合わなかった。
こういったミステリの形もあるのだということを再認識させられはしたが、いかんせん無理がある。
殺し屋、死神のやり口はいわゆる可能性の犯罪ではあるが、そんな偶然に頼ったやり方で、ターゲットを24時間以内に殺害できるだろうか。
バナナの皮が凶器って、冗談きついですよ。


No.183 6点 スメラギの国
朱川湊人
(2011/10/07 22:23登録)
特殊な能力を持った一匹の猫と取り巻きの猫たちと、大切な人を失ったり傷つけられたりした人間との死闘を描く力作。
朱川氏にしてはグロくはないが残酷な描写が目立つ。
しかし、やはりさすがに泣かせどころは心得ていて、終盤はかなり心動かされる。
ホラーとサスペンスが融合された、氏にしては異色の長編となっている。


No.182 3点 鉄人探偵団
山下貴光
(2011/09/26 21:51登録)
帯によると、勇気と友情の青春ミステリーらしいが・・・正直読むんじゃなかったと後悔している。
魔が差して衝動買いしてしまったが、ほとんど見所がない。
3人の少年と1人の少女の、友情を描いた青春小説のようだが、ミステリ的要素は薄いので、読もうと思っている人は要注意である。
ま、こんなこともありますね。


No.181 7点 厭な小説
京極夏彦
(2011/09/18 23:55登録)
誰にでも書けそうで京極氏にしか書けない、そんな作品。
あえてジャンル分けするならば、ホラーということになるだろう。
帯にあるように、読後はどんよりしている。
連作短編集なのだが、どの作品も共通の人物が登場するだけで、ほとんど独立した仕上がりになっている。
厭な子供や老人、彼女、家などにまつわるエピソードが独特の筆致で描かれている訳だが、後味は思ったほど悪くない。
ただなんとなく不安定な余韻を残すため、どんよりしているのである。
最終話ではちょっと意外な展開で、あるミステリ的手法が取られていて、個人的にはもっとも面白かった。


No.180 5点 人面屋敷の惨劇
石持浅海
(2011/09/11 23:28登録)
はっきり言ってタイトル負けしている印象は否めない。
作者が一体何が描きたかったのか、その意図も私には理解できないし、いわゆる館ものを書きたかったようだが、その意味でも成功しているとは言いがたい。
立派なタイトルを付けているのだから、もっと内容を充実させて欲しかったと言うのが正直な感想。
内容が希薄であるし冗長に感じたのは間違いない。

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