測量ボ-イさんの登録情報 | |
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平均点:6.25点 | 書評数:631件 |
No.211 | 7点 | 過ぎ行く風はみどり色 倉知淳 |
(2010/01/22 20:18登録) 他の方の意見と同様、なかなか楽しめた作品です。 読後の爽快感も良いですね。 犯人は想定の範囲内というか、僕にとっては意外 な部分もありました(ネタばれになるので、詳細 は書きません)。 採点は8点でも良いのですが、メイントリックが うまいとは思いつつもややアンフェアというか、 推理困難?な感がするので、マイナス1点。 |
No.210 | 7点 | 殺しの双曲線 西村京太郎 |
(2010/01/13 21:06登録) 氏の初期作品。 久々に再読しましたが、なかなか楽しめました。 よくある双生児トリック(ネタばれに非ず!作品読めば 判ります)ではなく、もうひとひねりが利いています。 現在の氏のイメ-ジとはかなり遠い、本格色の強い作品 です。氏の作品では、これと中編ですが「雷鳥九号殺人 事件」が本格色の強い作品で、お勧めです。 |
No.209 | 7点 | 猫は知っていた 仁木悦子 |
(2010/01/13 21:01登録) 乱歩賞創設当初の受賞作品。 平易な行文で読みやすく、事件現場の見取り図も丁寧に 書かれているので、理解力に乏しいこの僕でも状況把握が やり易かったです。 そういう訳で、トリックはやや無理がある部分もあります が、それも何だか好意的に見てしまいます。 これも古き良き作品なんでしょうかね・・ 最近の乱歩賞受賞作品は、あらすじ見ただけで狭義の「 本格推理」とは思えないような作品ばかりで、何だか残念 です。 |
No.208 | 6点 | 弁護側の証人 小泉喜美子 |
(2010/01/07 22:21登録) 20年くらい前、一度読みかけて挫折した(何故?)いわく付 作品。今度は無事読了しました。 さて評価ですが、正直微妙ですね・・ 確かにこのトリックは少なくとも発表当時は斬新だったでし ょうし、多くの方が「名作」と賞賛するのは理解できますが、 文体が僕には合わなかったという事でしょうか? という訳で、皆さんより評価はやや辛めです。 |
No.207 | 5点 | 蜃気楼の殺人 折原一 |
(2010/01/03 10:14登録) (多少ネタばれ有) トラベルミステリには珍しい叙述トリック作品。 でもこのサイト見ている方なら、展開・結末とも 殆ど読めてしまうのでしょうね。 初心者なら楽しめますが、すれっからしの人には 物足りないものと思います。 採点4点 or 5点で悩みますが、僕は何だか んだでトラベルミステリ好きなので、後者で行き ます。 |
No.206 | 5点 | 博士邸の怪事件 浜尾四郎 |
(2009/12/31 19:38登録) 犯人探し+アリバイ崩しが楽しめる作品ですが、解決は正直 残念作で、「殺人鬼」より出来は数段劣ります。 でも、全体の雰囲気は良い作品ですね。 氏の長編はこの作品の他に前述の「殺人鬼」と「鉄鎖殺人事 件」があるだけです。早世していなければもっと名作を産み 出せていたのではないかと惜しまれます。 |
No.205 | 4点 | 「白鳥」の殺人 折原一 |
(2009/12/29 09:40登録) 確かに、2時間サスペンスドラマを彷彿とさせるタネ あかしですね。 何かこう、ワンパンチ足りない印象。 |
No.204 | 5点 | サテンのマーメイド 島田荘司 |
(2009/12/25 22:14登録) 島田氏初期に発表されたハ-ドボイルド系ミステリ-。 ほぼ本格一本槍で、ハ-ドボイルド、SF、ファンタジ-、 冒険小説などを読まない僕にとっては、ハ-ドボイルドと はこういうものかというのを知る良い機会になりました。 ただ、謎解きの部分(種明かし)は強引というか、ちょっ と無理があるような気がしますので、採点は辛めです。 |
No.203 | 8点 | 首無の如き祟るもの 三津田信三 |
(2009/12/21 20:50登録) このサイトで評判が良いので読んでみました。 確かに期待を裏切らず、おおいに楽しめました。21世紀に 現れた名作だと思います。 一見ホラ-色が強いですが解決は合理的で、しっかりとし た本格仕立ての作品です。 採点は本来なら9点評価できるのですが、事件現場の地図 や見取図が一切なく、状況が分かり辛い構成なので、マイ ナス1点としました。 それといらぬツッコミですが、使用人の斧高君、とても当 時6才とは思えない証言力ですね・・ |
No.202 | 7点 | 真っ暗な夜明け 氷川透 |
(2009/12/13 20:08登録) 氏の作品を読むのは3作めですが、その中では一番良かった です。 ロジックの積み重ねで犯人を絞っていく訳ですが、特に「何 故犯人はブロンズ像そのものを凶器に用いず、その台座を使 ったか?」の論理は読み応えありました。 僕自身の嗜好に近い方なら評価できるでしょうが、推理小説 の「小説」の部分に比重を置く方には、合わないかも。 |
No.201 | 6点 | 四万人の目撃者 有馬頼義 |
(2009/12/09 20:31登録) 野球選手がプレ-中に突然死するというミステリアス な出だしですが、解決は尻すぼみというか、やや不満 が残りました。 でも文章は読みやすく、約50年も前の作品とは思えな い感じです。 余談ですが、氏の父君は中央競馬会(JRA)の理事 長を務めておられ、その功績を讃えて創設されたレ- スが、今も年末に行われる有馬記念競走だそうです。 これは知りませんでした。 |
No.200 | 8点 | 殺人鬼 浜尾四郎 |
(2009/12/04 20:33登録) 作者もかなり意識されている事が伺えますが、これはまさしく 和製「グリ-ン家殺人事件」ですね。でもおおいに楽しめま した。 日本の推理小説の変遷を勘案すれば、この時期(昭和6年)に この完成度の作品が書かれた事は称賛に値すると思います。 現代の作品しか読まない人にとっては、犯行動機が前時代的だ とか、犯人が比較的判りやすいとかいうツッコミが予想されま すが、聞く耳を持ちません(笑)。 古き良き探偵小説を好む方には必読の作品です。 |
No.199 | 5点 | 人魚とミノタウロス 氷川透 |
(2009/12/01 20:01登録) やや期待はずれ。 最大の不満点は、第二の殺人で犯人を特定する重要な 手がかりが、読者挑戦後に提示されていた事です。 これはアンフェアではないでしょうか? いろんな伏線に対する回収率が芳しくないのも気にな ります。 |
No.198 | 6点 | 本格ミステリ03 アンソロジー(出版社編) |
(2009/11/27 21:14登録) 一番良かったのは「彼女はペイシエンス・・」でした。 他の作品は水準作や凡作と思われ、総合評価するとこ の点数。 |
No.197 | 8点 | そして扉が閉ざされた 岡嶋二人 |
(2009/11/20 21:18登録) シンプル且つ僕好みの設定で、読んでいて楽しめる作品 でした。 核心部分の記述に関して、何となく違和感を感じていた のですが、なるほどそういう真相だったのですね! 僕の推理もだいぶいいところまでいったのですが・・・ 解決編も納得いくものだったので、高得点をつけました。 |
No.196 | 7点 | 戻り川心中 連城三紀彦 |
(2009/11/15 09:20登録) 最後の真相は以外に俗っぽかったのでやや拍子抜けしました が、高評価できることには間違いないです。 採点7点or8点で悩みますが、この作品が「狭義のミステ リ」に定義できるか、あるいは僕の好みの部類かとなると微 妙な面もあり、7点としました。 でも、文体の綺麗さはさすがというべきです。誰にでも書け るものではないでしょう。 |
No.195 | 7点 | そして名探偵は生まれた 歌野晶午 |
(2009/11/12 19:47登録) (少しネタばれ) 3編からなる中編集。 「そして名探偵は生まれた」 表題作ですが、残念ながら3編の中で一番出来が劣りそう です。メイン・トリックは氏の代表作である「○○○の殺人」 を彷彿とさせますが、それを推理する伏線が不足している と思います。採点は5~6点レベル。 「生存者、一名」 これは良作です。生存者が○○だったというオチですが、作 者が仕掛けたもう一ひねりが渋いです。採点は7~8点レ ベル。 「館という名の楽園で」 怪しげな館の中で起こる事件(?)・・・これは僕にとっ てワクワクする構成です。メイントリックも僕好みで、満 足いく出来栄え。「生存者」と甲乙つけ難いので、採点は 7~8点レベル。 評価はこの3作の総合評価で決定しました。 |
No.194 | 8点 | 大誘拐 天藤真 |
(2009/11/06 21:56登録) 存在と評判はもう20年以上前から知っていますが、今回 ようやく読破する機会に恵まれました。 噂とおりの名作には違いないですね。特にエンタ-テイ メント性に優れています。 ただ、僕自身の推理小説の好みからは少しずれているき らいがあるので、採点はこれ以上にはしづらいです。 この作品が書かれた1970年代はあの「占星術」も発表さ れておらず、おそらくまだ社会派が幅を利かせていて、 ましてやユ-モアミステリなどまだ不毛の時代であった と想像します。 そういう時期にこの作品を書いた作者には脱帽です。 |
No.193 | 7点 | あした天気にしておくれ 岡嶋二人 |
(2009/10/30 06:56登録) 誘拐ものですが、誘拐されたものが人ではなく動物(馬)という 設定がユニ-クですね。 なるほど、そういう身代金強奪方法があるのですか・・でもこれ、 競馬に詳しくない人にはちょっと分かり難いでしょうね。 この作品が書かれたときは僕も大学生になった頃で競馬のこと、 あまり分かっていませんでしたので、当時の事情を知る良い機会 になりました。 作品の性質上、どうしても「焦茶色のパステル」と較べられかち ですが、僕には甲乙つけがたかったです。 |
No.192 | 7点 | 焦茶色のパステル 岡嶋二人 |
(2009/10/23 21:20登録) 最後に意外な真相、どんでん返しがあり、唸らせる作品 でした。 ただ競馬やその血統が題材であり、予備知識がない人に は少しキツいかも知れません(競馬を知らない人でも読 めるような配慮が感じられますが)。 僕自身はGⅠレ-スをたまに買う程度の、ライトな競馬 ファンだったので楽しく読めましたが。 国内では珍しい、2人コンビの作者です(現在はコンビ 解消との事)。日本のエラリ-・クィ-ン?日本のディ ック・フランシス?さて、どちらでしょうね・・ |