測量ボ-イさんの登録情報 | |
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平均点:6.25点 | 書評数:624件 |
No.204 | 5点 | サテンのマーメイド 島田荘司 |
(2009/12/25 22:14登録) 島田氏初期に発表されたハ-ドボイルド系ミステリ-。 ほぼ本格一本槍で、ハ-ドボイルド、SF、ファンタジ-、 冒険小説などを読まない僕にとっては、ハ-ドボイルドと はこういうものかというのを知る良い機会になりました。 ただ、謎解きの部分(種明かし)は強引というか、ちょっ と無理があるような気がしますので、採点は辛めです。 |
No.203 | 8点 | 首無の如き祟るもの 三津田信三 |
(2009/12/21 20:50登録) このサイトで評判が良いので読んでみました。 確かに期待を裏切らず、おおいに楽しめました。21世紀に 現れた名作だと思います。 一見ホラ-色が強いですが解決は合理的で、しっかりとし た本格仕立ての作品です。 採点は本来なら9点評価できるのですが、事件現場の地図 や見取図が一切なく、状況が分かり辛い構成なので、マイ ナス1点としました。 それといらぬツッコミですが、使用人の斧高君、とても当 時6才とは思えない証言力ですね・・ |
No.202 | 7点 | 真っ暗な夜明け 氷川透 |
(2009/12/13 20:08登録) 氏の作品を読むのは3作めですが、その中では一番良かった です。 ロジックの積み重ねで犯人を絞っていく訳ですが、特に「何 故犯人はブロンズ像そのものを凶器に用いず、その台座を使 ったか?」の論理は読み応えありました。 僕自身の嗜好に近い方なら評価できるでしょうが、推理小説 の「小説」の部分に比重を置く方には、合わないかも。 |
No.201 | 6点 | 四万人の目撃者 有馬頼義 |
(2009/12/09 20:31登録) 野球選手がプレ-中に突然死するというミステリアス な出だしですが、解決は尻すぼみというか、やや不満 が残りました。 でも文章は読みやすく、約50年も前の作品とは思えな い感じです。 余談ですが、氏の父君は中央競馬会(JRA)の理事 長を務めておられ、その功績を讃えて創設されたレ- スが、今も年末に行われる有馬記念競走だそうです。 これは知りませんでした。 |
No.200 | 8点 | 殺人鬼 浜尾四郎 |
(2009/12/04 20:33登録) 作者もかなり意識されている事が伺えますが、これはまさしく 和製「グリ-ン家殺人事件」ですね。でもおおいに楽しめま した。 日本の推理小説の変遷を勘案すれば、この時期(昭和6年)に この完成度の作品が書かれた事は称賛に値すると思います。 現代の作品しか読まない人にとっては、犯行動機が前時代的だ とか、犯人が比較的判りやすいとかいうツッコミが予想されま すが、聞く耳を持ちません(笑)。 古き良き探偵小説を好む方には必読の作品です。 |
No.199 | 5点 | 人魚とミノタウロス 氷川透 |
(2009/12/01 20:01登録) やや期待はずれ。 最大の不満点は、第二の殺人で犯人を特定する重要な 手がかりが、読者挑戦後に提示されていた事です。 これはアンフェアではないでしょうか? いろんな伏線に対する回収率が芳しくないのも気にな ります。 |
No.198 | 6点 | 本格ミステリ03 アンソロジー(出版社編) |
(2009/11/27 21:14登録) 一番良かったのは「彼女はペイシエンス・・」でした。 他の作品は水準作や凡作と思われ、総合評価するとこ の点数。 |
No.197 | 8点 | そして扉が閉ざされた 岡嶋二人 |
(2009/11/20 21:18登録) シンプル且つ僕好みの設定で、読んでいて楽しめる作品 でした。 核心部分の記述に関して、何となく違和感を感じていた のですが、なるほどそういう真相だったのですね! 僕の推理もだいぶいいところまでいったのですが・・・ 解決編も納得いくものだったので、高得点をつけました。 |
No.196 | 7点 | 戻り川心中 連城三紀彦 |
(2009/11/15 09:20登録) 最後の真相は以外に俗っぽかったのでやや拍子抜けしました が、高評価できることには間違いないです。 採点7点or8点で悩みますが、この作品が「狭義のミステ リ」に定義できるか、あるいは僕の好みの部類かとなると微 妙な面もあり、7点としました。 でも、文体の綺麗さはさすがというべきです。誰にでも書け るものではないでしょう。 |
No.195 | 7点 | そして名探偵は生まれた 歌野晶午 |
(2009/11/12 19:47登録) (少しネタばれ) 3編からなる中編集。 「そして名探偵は生まれた」 表題作ですが、残念ながら3編の中で一番出来が劣りそう です。メイン・トリックは氏の代表作である「○○○の殺人」 を彷彿とさせますが、それを推理する伏線が不足している と思います。採点は5~6点レベル。 「生存者、一名」 これは良作です。生存者が○○だったというオチですが、作 者が仕掛けたもう一ひねりが渋いです。採点は7~8点レ ベル。 「館という名の楽園で」 怪しげな館の中で起こる事件(?)・・・これは僕にとっ てワクワクする構成です。メイントリックも僕好みで、満 足いく出来栄え。「生存者」と甲乙つけ難いので、採点は 7~8点レベル。 評価はこの3作の総合評価で決定しました。 |
No.194 | 8点 | 大誘拐 天藤真 |
(2009/11/06 21:56登録) 存在と評判はもう20年以上前から知っていますが、今回 ようやく読破する機会に恵まれました。 噂とおりの名作には違いないですね。特にエンタ-テイ メント性に優れています。 ただ、僕自身の推理小説の好みからは少しずれているき らいがあるので、採点はこれ以上にはしづらいです。 この作品が書かれた1970年代はあの「占星術」も発表さ れておらず、おそらくまだ社会派が幅を利かせていて、 ましてやユ-モアミステリなどまだ不毛の時代であった と想像します。 そういう時期にこの作品を書いた作者には脱帽です。 |
No.193 | 7点 | あした天気にしておくれ 岡嶋二人 |
(2009/10/30 06:56登録) 誘拐ものですが、誘拐されたものが人ではなく動物(馬)という 設定がユニ-クですね。 なるほど、そういう身代金強奪方法があるのですか・・でもこれ、 競馬に詳しくない人にはちょっと分かり難いでしょうね。 この作品が書かれたときは僕も大学生になった頃で競馬のこと、 あまり分かっていませんでしたので、当時の事情を知る良い機会 になりました。 作品の性質上、どうしても「焦茶色のパステル」と較べられかち ですが、僕には甲乙つけがたかったです。 |
No.192 | 7点 | 焦茶色のパステル 岡嶋二人 |
(2009/10/23 21:20登録) 最後に意外な真相、どんでん返しがあり、唸らせる作品 でした。 ただ競馬やその血統が題材であり、予備知識がない人に は少しキツいかも知れません(競馬を知らない人でも読 めるような配慮が感じられますが)。 僕自身はGⅠレ-スをたまに買う程度の、ライトな競馬 ファンだったので楽しく読めましたが。 国内では珍しい、2人コンビの作者です(現在はコンビ 解消との事)。日本のエラリ-・クィ-ン?日本のディ ック・フランシス?さて、どちらでしょうね・・ |
No.191 | 7点 | ハサミ男 殊能将之 |
(2009/10/18 19:00登録) はい、まあ普通に楽しめました。 女子高生殺人の犯人は見抜けましたが、作者の本当の 仕掛けはこことは別にあったのですね・・・ ウ-ンうまく一本取られました、これは。 |
No.190 | 2点 | コズミック 清涼院流水 |
(2009/10/13 21:12登録) これは・・・ミステリではないですね。 ボリュ-ムだけ3人前なのが余計に始末に悪い(笑) 氏の作品は当分読まないと思います。 |
No.189 | 6点 | ロシア幽霊軍艦事件 島田荘司 |
(2009/10/13 21:11登録) 久々に島田作品を読みました。 1980年代のものとは違い、氏の作品にもう過大な期待は しないで低いハ-ドルしか設定していませんが、その低い ハ-ドルをクリアできる価値はありました。 ただ残念ながらミステリ色は薄く、「本格推理小説」では なかったです。 でも読み物としては十分面白く、特にロシア史の勉強にな りました。 |
No.188 | 4点 | 寝台特急(ブルートレイン)殺人事件 西村京太郎 |
(2009/10/13 21:07登録) 今を思えば氏がトラベルミステリの第一人者と世間で いわれるようになった記念碑的作品。僕が読んだのも もう20年以上前です。 当時はこんなものかと思っていましたが、後年鮎川氏 らの作品を知るに伴い、不満点が徐々に明らかになっ てきました。 この作品もそうですが、氏の作品は読者が真相を推理 するデ-タを与えていないことが多い(但し鉄道マニ アや関係者なら推理できる?)のが評価を落とさざる を得ないポイントです。 |
No.187 | 7点 | 密室殺人ゲーム王手飛車取り 歌野晶午 |
(2009/10/09 19:53登録) これは凄いアイデアですね。 チヤットで知り合った数名がお互いが犯す殺人のトリックを 推理しあう・・・そして最後は意外な結末も待っています。 でも小説の中だからこそ楽しいのであって、本当にこんな事 があったらと思うと、ゾっとしますね。作者も言っています が、現実に起こらない事を祈るのみです。 僕は将棋ファンなので、タイトルに魅せられて(?)読んで 見ましたが、これはあまり関係ないみたいでした。 |
No.186 | 9点 | 悪霊館の殺人 篠田秀幸 |
(2009/10/09 19:47登録) 大作、かつ力作、秀作です。 導入部からの展開、怪しげな人間関係の中で起こる連続殺人、 そして「読者への挑戦」、探偵と真犯人の対決から意外性を 含む解決まで、探偵小説の王道を行く作品であり、僕の好み の範疇にかなり近い作品です。 事件解決の鍵となる「心理の矛盾点」の解釈にやや不満(人 の主観が大きい?)があるも、さしたる減点要素ではありま せん。 氏の作品は、デビュ-作の印象が良くなかった為長い間遠ざ かっていましたが、このレベルの作品を書いてくれるのなら 以後も見逃せないです。 大満足の作品です。「一作家一作品」に限定すれば、国内編 のマイ・ベスト10に入れても良いかも。 |
No.185 | 9点 | 放浪探偵と七つの殺人 歌野晶午 |
(2009/10/02 20:33登録) 7編ある短編集。内容を問題編と回答編に分け、回答編は袋 とじ・・ワクワクしますね、この構成。 構成だけでなく、内容も充実していました。謎を解く難易度 も簡単すぎず、難しすぎず(有罪・・は例外)、丁度良かっ たです。この僕でも、7編中4編、謎解きに成功しました。 ベスト作品を挙げるのは難しいですが、強いて言えば「水難 の夜」か「W=mgh」でしょうか?「有罪としての不在」 はさすがに難しすぎますね。 採点8点 or 9点かで迷いますが、久々に9点つけちゃい ましょう。 |