蜃気楼の殺人 旧題『奥能登殺人旅行』 |
---|
作家 | 折原一 |
---|---|
出版日 | 1992年11月 |
平均点 | 4.50点 |
書評数 | 4人 |
No.4 | 5点 | 名探偵ジャパン | |
(2018/05/20 21:39登録) 折原一といえば叙述トリックの第一人者ですが、かつて「ミステリといえば旅情もの」という時代がありました。その時代においては、「旅情ものを書かねばミステリ作家にあらず」とまで恐らく言われていたのでしょう。仕方なく(?)折原も旅情ものを書き、そこへ得意の叙述トリックも組み込んだのですが、旅情と叙述は「ベストマッチ」とはいかなかったみたいです。 折原ミステリには、やはり狂った人間が必要です。最後になってようやくそういった人物が出てくるのですが、時すでに遅しというか、場違い感がすごいです。折原作品としては異色というか、楽しみ切れない中途半端な作品になってしまったのは残念です。 |
No.3 | 5点 | E-BANKER | |
(2011/02/18 20:45登録) 旧タイトル「奥能登殺人行」でノン・シリーズの1冊。 当時流行していたトラベルミステリーをベースに、叙述トリックを融合した「意欲的(?)」な作品。 ~銀婚式を迎えた野々村夫婦は、新婚旅行の思い出を辿るように能登半島へと旅立つ。だが夫は殺され、妻は失踪。両親の足跡を追いかける一人娘の主人公万里子は、25年前の2人がもう1組の男女と接触していたことを知る。過去と現在が錯綜する折原マジックが炸裂!~といった粗筋。 う~ん。中途半端なんですよねぇ・・・初期は作者も何作かトラベルミステリー風味の作品を発表してますが、この手のミステリーにはお決まりのアリバイトリックではなく、得意の叙述トリックを合わせたら、「きっと面白いに違いない!」と思ったんでしょうか? 「残念」。狙いどおりにはいきませんでした。何しろ、途中でネタがバレバレ。伏線の貼り方が拙なすぎです。 何しろ、ごく最初に○○が同じ人物が登場し、よく分からないうちにフェードアウトするんですから、「何かあるな」と気付かずにはいられませんでした。 これを最後にトラベルミステリーは書かなくなりましたから、作者もこの融合は失敗という判断だったのでしょう。 (能登半島の名所がいろいろ出てきますので、その辺りに土地勘のある方にとってはシンパシーを感じるかもしれません) |
No.2 | 5点 | 測量ボ-イ | |
(2010/01/03 10:14登録) (多少ネタばれ有) トラベルミステリには珍しい叙述トリック作品。 でもこのサイト見ている方なら、展開・結末とも 殆ど読めてしまうのでしょうね。 初心者なら楽しめますが、すれっからしの人には 物足りないものと思います。 採点4点 or 5点で悩みますが、僕は何だか んだでトラベルミステリ好きなので、後者で行き ます。 |
No.1 | 3点 | ざき | |
(2004/11/04 23:18登録) なんかパンチに欠けた作品。怪しい人間が出てくるからすぐよめちゃうし、謎解きが少しずつなされていくがあまり盛り上がらない。 折原氏はもっといいのがいっぱいある、ということで。 |