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ミステリの祭典

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臣さんの登録情報
平均点:5.91点 書評数:667件

プロフィール| 書評

No.247 5点 超特急燕号誘拐事件
辻真先
(2011/10/21 11:44登録)
時代は昭和10年、舞台は超特急燕号の中。主人公でもありワトソン役でもある四条杉彦が現代において、その回想を語るというスタイルです。そして事件を解決するのは女性探偵・亀谷ユーカリ。

機関車と一等車の消失、列車内の密室殺人、と謎はたっぷり。しかもwho,how,whyのすべてがそろっています。ちょっとした逆転の発想ができれば真相解明はたやすいかもしれませんが、まあそれでも面白い着想だとは思います。動機についてもいちおう筋は通っています。ただ、そうは言うもののメイントリックについては、いくらなんでもそれはないだろうという感じがしますし、読後感ももうひとつすっきりしません。結局、アイデアだけの作品だったということなのでしょうか。


No.246 6点 十津川警部の抵抗
西村京太郎
(2011/10/14 10:27登録)
連続殺人モノです。十津川警部シリーズを読むのは本当に久しぶりです。実は全く期待しなかったのですが拾い物でしたね。

後半、謎のほとんどが解明されつつあるのに最初の事件の真相だけがうやむやなので、もしかして放置かと心配しましたが、最後の大捕物の前に種明かしされました。この真相は驚きですし、その隠し方は実に巧妙です。隠し方といっても叙述トリックではなく、犯人による手段なのですが、この最初の事件の真相を包み込んだミステリー構造には納得もし、感心もしました。とにかくこの巧妙で残忍な最初の殺人が最も重要です。作者もこの事件に重点を置いたのでしょう。ただ、十津川&亀井が登場するまで警察はいったいなにを捜査していたのと突っ込みたくはなりますが…

なお、タイトルの「抵抗」は上司に対する些細な抵抗のことで、事件の内容とはあまり関係ありませんでした。こういうメグレ風のタイトルを付けてしまうと、ファン以外は寄り付かないように思うのですが…まあ、佐伯泰英氏の時代小説のように熱狂的なファンが多くいれば、作者にとっては十分なのかもしれません。


No.245 6点 しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術
泡坂妻夫
(2011/10/09 13:30登録)
本の仕掛けは倉阪氏の小説で経験済み。でも本書が本家だし、マジックとして使えるので、その分評価は高い。早速、家族に披露しました。これからも使えるので、本のコストパフォーマンスはきわめて高いということですね。
ただし、ミステリとして、小説としては平均か、平均以下でしょう。


No.244 5点 メグレと無愛想な刑事
ジョルジュ・シムノン
(2011/10/05 18:59登録)
今までに読んだ長編のメグレ物とはちょっと違って、早々と謎が提起され、短編ミステリーらしさが感じられます。もしやしてこれは謎解きミステリーなのではと思ってしまいます。でも、ストーリーの流れからすれば、本格ミステリーというよりは、やはり一般小説寄りなミステリーとして楽しむほうが正解でしょう。
『児童聖歌隊員の証言』では、メグレが39度の熱を出して、自宅で少年から真相を聞きだす場面があり、いくらなんでもこんな事情聴取はないだろうと思いながらも、なんともいえぬ可笑しな光景を頭に思い描いて、吹き出しそうになりました。
『誰も哀れな男を殺しはしない』は、ミステリー度の高さは編中随一です。物語の進行とともに徐々に被害者の謎めいた実態が明かされていくものの、謎はさらに深まります。はたして真相は?と少しだけ本格として期待したのですが・・・


No.243 3点 失踪
西村京太郎
(2011/10/02 13:00登録)
佐文字進の推理は空想のように発展していくので、話の展開はスピードアップしていきます。駆け足で駆け抜けていくような感じです。早く読めるということはいいのかもしれませんが、もっとじっくりと楽しみたいですね。それに、こんなとんでもない発想をする犯人がいるのだろうか、という疑問もあります。とにかく恐ろしい発想です。まあ、佐文字の犯人に対してとった行動も常人では考えられない発想によるものでしたが。
携帯やパソコン、メールも登場する現代の作品ですが、西村氏もまだまだ現役でがんばっているんだな、と妙なところに感心しました。


No.242 5点 五声のリチェルカーレ
深水黎一郎
(2011/09/28 11:15登録)
著者に関する予備知識はわずか、特に本作に関する情報はゼロでした。だから最初は、たんに薀蓄開示がくどいだけのミステリかと思っていましたが、徐々にこの手のミステリだということがわかってきた次第です。その薀蓄は物語の根幹とうまくリンクしています。
ただ、この種のミステリは書き方しだいでなんとでもなるし(そう言ってしまえば身も蓋もないが)、書き方自体も後半がかなりわかりやすくなってきていて、驚きも中程度だったので、結果的にはそれほどすごいミステリだとは思いませんでした。「告白」「向日葵の咲かない夏」「イニシエーションラブ」の強烈なパワーとテクニックがほしかったですね。まあ、だからこそマニアックだと言われるのですが。
総評すれば、一部のマニアには受けるけど、その受け方もベストとは言えないかなという感じでしょうか。
併録の短編「シンリガクの実験」は独立したものですよね。これについては、意味のない短編をいっしょにするはずがない、という意見もあるようですが、いくらなんでも考えすぎです。
深読みするのは自由だし、それができるのが小説の本当の醍醐味。そういう意味では2作品とも高評価できますが、エンタテイメントとして楽しめたかというと、微妙です。


No.241 6点 月光亭事件
太田忠司
(2011/09/22 11:09登録)
大技トリック付きのオーソドックスな本格派ミステリです。
中程度の満足度でした。
気になる点をいくつか挙げます。
(1つ目はトリック)トリックの手掛かり材料(伏線)について、他のサイト等で伏線とその回収をほめる書評を2,3見かけましたが、これぐらいならごく普通だと思うのですが・・・。それはさておき、このトリックをどう実現するのかを、添付図からは理解できませんでした。添付図の形状では実現できないような気がするのですが、理解力不足なのでしょうか。状況をもう少し詳しく説明してもらいたいですね。
(2つ目は登場人物欄)登場人物欄でミスリードするのってありですか?それとも逆に読者サービスなのでしょうか。
(そして最後に)初めて読む作家さんで、何も知らず、ラノベの延長ぐらいの作品だと思っていましたが、読んでみれば意外にも正当派の本格推理だったので驚いています。狩野俊介少年のキャラクタや、人間関係がドロドロしているところは好みだし、読みやすさも申し分なしなのですが、なんとなく物足らなさもあります。トリック以外にクセがなさすぎるからでしょうか。
本書にかぎらず太田作品全般にいえることですが、このサイトであまり読まれていない(同世代の森博嗣よりもはるかに少ない)のには、なにか理由があるのでしょうか。


No.240 7点 殺す手紙
ポール・アルテ
(2011/09/16 12:35登録)
前半は謎が重なり合って、推理しようにも何がなんだか全くわかりません。わけがわからないものの、この前半部分のサスペンスは極上の一級品です。サスペンスがいったん収まり一部の謎が種明かしされると、やや平坦に感じるも、後半ではアルテらしいテクニックが冴え渡ります。もちろん最後にはひねりがあり、それが見事に決まります。まさに二転三転です。不可能犯罪がないので本格推理物とは標榜しなかったのかもしれませんが、サスペンスフルな本格派ミステリであることにはちがいありません。
読みやすく相変わらずの短さで、一段組も手伝って、おかげであっという間に読了できました。


No.239 5点 暁の死線
ウィリアム・アイリッシュ
(2011/09/12 13:05登録)
都合のよすぎるところがが大いにひっかかります。そもそも、そこまでして犯人を一定時間内に見つけ出さなければならないのか、という疑問を冒頭でまず抱きました。この必然性が弱すぎます。Tetchyさんが指摘されるような解決方法もありますしね。そんな疑問を抱えてしまうと、最高のサスペンスにも乗り切れません。そんなことを気にしていては、アイリッシュのサスペンスは楽しめないのですがね。
一般的には名作の誉れ高い作品なんですけど、やはり長編ミステリはサスペンスの一点豪華主義では不十分で、物語性を含めて全体のバランスが良くないと傑作にはなり得ないなと感じた作品でした。短編ミステリのように、一点(サスペンス)だけを堪能するつもりで読み進めればよかったのかもしれません。


No.238 6点 サーカス殺人事件
リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク
(2011/09/07 09:49登録)
ノベライズ作品。といってもシナリオだけで映像化はされなかったようだ。理由は不明。
ノベライズ・倒叙スタイル物だから深く考えずに読めた。手口はわかっているので、読みどころはコロンボの手口解明のロジックと犯人との対峙場面だ。コロンボが最初に不審に思うきっかけとなった花と犬についてはうまいと思ったが、密室トリック解明のヒントがあまりにも安直だったのには驚いた。こんなに安っぽくていいのかなという気がした。それとも手口がわかっているからこそ、そう感じてしまうのかな。まあ、その後の展開にはほどほどに楽しめた。犯人との心理戦がやや薄めだったのは残念。
サーカス小屋というノスタルジックな香りのする舞台設定や、部下のウィルソンとの迷コンビぶり、被害者の犬との関係など、非ミステリ的にも楽しめる要素があるのは好印象だった。話の背景にはサーカスの身売り、買収、リストラなどがあり、企業社会に置き換えても面白いのではと思った。会社でも「綱渡り」みたいな仕事もするからね(笑)。


No.237 5点 街の灯
北村薫
(2011/09/05 09:48登録)
上流階級のお嬢様&女性運転手のコンビ・シリーズ3編。
このような時代背景、舞台設定であるせいか、時間がゆっくりと流れるような気がして、ほんわかとした気分にさせてくれる。そういうところは好ましい。こんなゆったりとした雰囲気のミステリには、それとは対極的な凄惨で強烈な事件が似合うのだが、残念ながらそういう事件はない。さらに、提示される謎も、その謎解きもパンチ力がなかった。お嬢様・花村英子のそばにいる、運転手のベッキーさんが謎めいていたところが、むしろ楽しめた。
やや期待はずれだったが、ひまつぶしにさらりと読んで、ほっこりとした気分になれたので、それでよかったのかな。


No.236 6点 「巴里の恋人」殺人事件 ワンナイトミステリー
吉村達也
(2011/08/29 10:57登録)
ワンナイトミステリーという十数年ほど前のシリーズです。文庫で130ページ、しかも字が大きめで行間も広いから、短編といってもいいぐらい。さすが吉村氏、いろいろとチャレンジしてくれます。十分に満足しましたが、やはり一編だけでは物足りないかな。

筋がシンプルでわかりやすいわりには、それなりのミステリ要素がうまく盛り込まれてある。登場人物が少なく犯人をたやすく絞り込めるが、捜査の過程や動機、背景などが面白く、けっこう楽しめた。ミステリの作りや犯人像からして、1時間ものの「相棒」を見るような感じだった。
殺人事件の容疑者扱いをされたのが、いつも自分の留守電に自ら伝言を入れ一人二役を演じる地味で寂しいOL。こんなもてない女性の心理がうまく描いてある。「人間嫌い」ではなく「自分嫌い」だったという教訓めいたメッセージも強烈だった。そんな女性の告白により事件の糸口が見えてくる。
その女性に対する聞き込み役が、警察の常識の枠を超えて捜査をする鷲尾警部と、容疑者を出すための捜査しかしない小林警部の二人。この二人の対比も面白い。
それにしても、容疑者扱いをされた女性はほんとうにかわいそうだった。「自分嫌い」を克服して立ち直ってほしいと思ってしまった。


No.235 7点 サム・ホーソーンの事件簿Ⅰ
エドワード・D・ホック
(2011/08/29 10:43登録)
全作、トリックに特化した不可能犯罪モノです。
私のお気に入りは、「十六号独房の謎」と「古い樫の木の謎」。これらは名編だと思います。「古い樫の木の謎」のトリックは、必死に考えたのですが、すべてハズレでした。ホーソーン医師もミスを犯したぐらいだから仕方ありませんね。
トリックだけの推理小説は読む気がしないと言う読者は多くいますが、そんな方にも、たとえ2,3編でもいいから読んでもらいたいなぁ、と薦めたくなるほどの出来の良さです。わずか2,30ページの中に、(納得がいくかどうかは別にして)事件の背景や動機も織り込まれていて、すべての作品がたんなる推理ゲームではなく、小説としての品格が具わっています。アメリカの古きよき時代の田舎町の匂いが漂ってきそうな描写もいいですし、回想による穏やかな語り口も好ましいですね。
国内でも、横山氏や連城氏、阿刀田氏などの変格短編ミステリを読み飽きたときのために、本格ミステリ(特にトリック偏重型)の作品集をどんどん出してくれる短編の名手を見つけておきたいですね。あまり詳しくはないのですが、有栖川氏、東川氏あたりなのでしょうか。


No.234 7点 幽霊射手
ジョン・ディクスン・カー
(2011/08/19 09:40登録)
この程度の短編でも怪奇風味が盛り込んであります。怪奇性は不可能犯罪とともにカーの持ち味ですから、当然といえば当然なのでしょう。どの短編も適度に恐怖感が加味されて、いい雰囲気に仕上がっています。
結末に重苦しさを残して物語性を演出したバンコラン物の「正義の果て」と、船上の優雅な雰囲気とサスペンスを味わえるラジオドラマ「B13号船室」が好みですが、その他の作品も謎が人間消失、密室など心踊るものばかりで、しかも短編小説としての物語性も十分に具わっていて、みな魅力的です。いまの時代でも本格ファンなら十分に楽しめる内容だと思います。


No.233 7点 イン・ザ・プール
奥田英朗
(2011/08/10 16:08登録)
奥田作品をはじめて読みました。滅法おもしろいですね。

各短編の主人公たちは一見重症のように見えますが、実は、神経や精神をわずかに病んだ、どこにでもいる人たちです。
つねに仲間の輪の中に入ってなければおかしくなる携帯依存症の学生や、つねに男に見られていると勘違いしている自意識過剰なモデル女、健康のためにプールに通いつめ2、3日空くと震えがくる男、等々の主人公たちの気持ちは意外とよくわかります(もちろん勃ちっぱなしの気持ちも痛いほどわかる)。
主人公たちはいたって平凡で、ちょっと病んでいるだけという程度です。それにくらべ、レギュラー登場する準主人公のマザコン・オタク医師、伊良部はどうみてもかなり異常ですね。

そういったどこにでもいるけど、ちょっとおかしな人たちを、読者を納得させるようにリアリティをもって表現した奥田氏の才能には、ほんとうに感心させられます。

こんなお遊び感覚の作品、馬鹿らしくて読めるかという人もいるかもしれませんが、こんな作品でも、奥田氏がもし歴史に名を残すような大作家になったときには、病める現代人を軽妙な筆致で鋭く強烈に描いた初期短編集、なんて紹介されることになり、教科書にも載るようになるのでしょう。いやこれは冗談ではなく、中島敦の山月記、名人伝にも匹敵する素晴らしい名作短編集だと思います。


No.232 6点 亜智一郎の恐慌
泡坂妻夫
(2011/08/10 15:50登録)
江戸幕府スパイ物。つまり公儀隠密モノですが、お庭番ではなく、江戸城の雲見番というのが隠れ蓑となる職業です。将軍直属の少数精鋭部隊で構成され、秘密度は高いのですが、その仕事は藩の改易ネタを探るようなものではなく、些細な事件から殺人事件まで秘密警察的に動き回り、謎解きするのがお役目です。とはいっても半分ぐらいはお笑いなのですが。キャラクタ的には、準主人公である、芝居好きな片腕の軟弱隠密・緋熊重三郎が面白い存在でした。
時代短編ながらもミステリ的な凝った作りには、さすが泡坂、と感心させられます。ただ、キャラクタがわかりやすくはっきりとしているし、せっかくの時代物なのだから、ミステリ要素はほどほどにして、「仕掛人・藤枝梅安」みたいな作品にしていたほうが多くの読者を楽しませることができ、長期シリーズ化することもできたのでは、という気もしました。とはいえ個人的にはほどよく楽しめました。


No.231 5点 真夜中に涙する太陽
笹沢左保
(2011/07/29 18:18登録)
事件の中心人物である作家・大野木の登場が少ないため、主人公である作家兼素人探偵である笹沢佐保や、大野木周辺の人物の証言でしか大野木の人物像が浮かび上がってきません。だから事件の背景に関するもやもや感を拭い去ることはできず、読者が推理するという段階にはいたりません。
それに、殺人は起これどトリックはなく、警察の影も薄く、どちらかというと笹沢探偵自身が話の中心といった感じでもあったので、ミステリらしくなく、すこし違和感がありました。
著者の笹沢佐保にとっては、作家・笹沢左保をすこしでも多く登場させることが重要だったのでしょう(多数の著作のうち笹沢探偵が登場するのは本作だけらしい)。
こんな感じでいろいろと問題もありましたが、なぜだかほどほどに楽しめた作品でした。


No.230 5点 顔に降りかかる雨
桐野夏生
(2011/07/23 12:24登録)
乱歩賞受賞作品ですが、ミステリとしてはラストがあまりにも陳腐で貧弱です。著者はエンタテイメント資質がよほど欠けているのか、そもそもミステリ要素はどうでもよいと思って書いたのか、どちらなのでしょうか。
犯人を予想できたとはいえ、その犯人が明かされるラストに向けてどう話をもっていくのか、わくわくしながら読んでしまっていたのがわれながら情けなくも感じます(笑)。
筆力はあるのですね。本作後の作品を読むのが楽しみです。

追記
登場機会は少なかったが主人公のミロの父「村善」は、バイプレイヤーとして光っていた。次の作品にも出るのだろうか。映像なら、つい先日亡くなった原田芳雄が似合いそう。


No.229 5点 回廊亭の殺人
東野圭吾
(2011/07/18 01:26登録)
意外な真相、技巧的な叙述。たしかにテクニック的にはすぐれた作品ですが、いくら真相が意外でも、これでは犯人当てとしての面白みはありません。フェアぎりぎりを狙って技巧に走りすぎたかなという印象です。一人称小説なのになぜ、というひっかかる点もあります。ただ、読者を飽きさせない物語性とサスペンスはさすがといわざるを得ません。


No.228 6点 ミミズクとオリーブ
芦原すなお
(2011/07/13 09:40登録)
料理人系・安楽椅子探偵モノとしては、個人的には北森鴻の「香菜里屋シリーズ」よりも楽しめました。料理人といっても本書の場合、主人公の奥さん(主婦)なのですが。
謎解きレベルとしてはかなり低め(直感というのもありましたね)であることはたしかですが、むしろ登場人物の会話が読者を楽しませてくれます。主人公と妻、主人公と友人の河田、そして3人そろっての掛け合い、みな自然だし、漫才風でもあって笑えます。登場する料理も旨そうな家庭料理ばかりで、いい感じですね。
主人公夫婦の関係が、(サザエさんの)マスオさんとフネさんというのは当たっていますね。toukoさんに、座布団一枚!
とにもかくにも、これからも読んでいきたいなと思えるような作品集でした。満足しました。

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