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ミステリの祭典

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殺す手紙

作家 ポール・アルテ
出版日2010年10月
平均点6.17点
書評数6人

No.6 7点 レッドキング
(2023/09/15 22:55登録)
ヘレン・マクロイ「月明かりの男」同様、これまたナチススパイもの。親友からの手紙に書かれた奇怪な指示どおりに、目的の見えない行動を起こす傷心の男。幻覚の如き危機展開と悪夢の様な逃走劇。舞台ドンデン返しに予期せぬ殺人事件が混入し、ディーヴァーツイストをテンポ良くショートカットさせたジェットコースター展開が、あっと言う間に二重三重返りして、ラスト落ちも決まる。こういうのも書くんだな、ポール・アルテ。

No.5 6点 ボナンザ
(2021/01/26 23:23登録)
アルテにこんなサスペンスが・・・と思わせる一気に読ませる快作。

No.4 5点 蟷螂の斧
(2014/07/04 18:49登録)
ストーリーはサスペンスフルで非常に楽しめた。だだ、ラストのどんでん返しは有名作品を思い起こさせるもので減点。伏線がほとんどないので唐突な感じを受ける。むしろ、どんでん返しがない方が作品として面白かった。

No.3 7点
(2011/09/16 12:35登録)
前半は謎が重なり合って、推理しようにも何がなんだか全くわかりません。わけがわからないものの、この前半部分のサスペンスは極上の一級品です。サスペンスがいったん収まり一部の謎が種明かしされると、やや平坦に感じるも、後半ではアルテらしいテクニックが冴え渡ります。もちろん最後にはひねりがあり、それが見事に決まります。まさに二転三転です。不可能犯罪がないので本格推理物とは標榜しなかったのかもしれませんが、サスペンスフルな本格派ミステリであることにはちがいありません。
読みやすく相変わらずの短さで、一段組も手伝って、おかげであっという間に読了できました。

No.2 6点 nukkam
(2010/11/01 19:44登録)
(ネタバレなしです) 1992年発表の本書はハヤカワポケットブック版裏表紙の粗筋紹介を読んだ時には純然たるサスペンス小説かと思いましたが内容的には推理による犯人当て本格派推理小説と冒険スリラーのジャンルミックス型でした(ちなみにシリーズ探偵は登場しない作品です)。不可能犯罪要素が全くないのがアルテらしくないとも言えますが、その分綱渡り的なトリックも少なくて謎解きのまとまりはいい方です。冒険スリラーの部分もじわじわと緊迫感を高めていく作者の手腕がなかなか見事。結末はやや唐突感があって呆気にとられましたが。

No.1 6点 kanamori
(2010/10/26 20:11登録)
終戦直後の英国を舞台背景にしたノンシリーズ長編。
戦時中に諜報部に勤務していた経歴をもつ主人公の一人称で、謎だらけのエピソードが語られ、序盤は巻き込まれ型サスペンス、中盤ある程度構図がみえたところで、館ものの殺人事件というフーダニットになるなど飽きさせないプロットでした。謎の核心をミスリードすることで、より大きな仕掛けを隠蔽していて、すっかり騙されてしまいました。
余談ながら、ポケミスの表紙絵が斬新なデザインに変わっていて驚きました。活字も大きくなり、本書は一段組なので以前と比べて非常に読みやすい。

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