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ミステリの祭典

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十津川警部の抵抗
十津川警部シリ-ズ

作家 西村京太郎
出版日1995年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2011/10/14 10:27登録)
連続殺人モノです。十津川警部シリーズを読むのは本当に久しぶりです。実は全く期待しなかったのですが拾い物でしたね。

後半、謎のほとんどが解明されつつあるのに最初の事件の真相だけがうやむやなので、もしかして放置かと心配しましたが、最後の大捕物の前に種明かしされました。この真相は驚きですし、その隠し方は実に巧妙です。隠し方といっても叙述トリックではなく、犯人による手段なのですが、この最初の事件の真相を包み込んだミステリー構造には納得もし、感心もしました。とにかくこの巧妙で残忍な最初の殺人が最も重要です。作者もこの事件に重点を置いたのでしょう。ただ、十津川&亀井が登場するまで警察はいったいなにを捜査していたのと突っ込みたくはなりますが…

なお、タイトルの「抵抗」は上司に対する些細な抵抗のことで、事件の内容とはあまり関係ありませんでした。こういうメグレ風のタイトルを付けてしまうと、ファン以外は寄り付かないように思うのですが…まあ、佐伯泰英氏の時代小説のように熱狂的なファンが多くいれば、作者にとっては十分なのかもしれません。

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