| nukkamさんの登録情報 | |
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| 平均点:5.44点 | 書評数:2940件 |
| No.1160 | 8点 | メリー・ウィドウの航海 ニコラス・ブレイク |
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(2016/05/08 10:33登録) (ネタバレなしです) 1959年発表のナイジェル・ストレンジウェイズシリーズ第13作で、初心者からベテランまで全ての本格派推理小説好き読者にお勧めできる作品です。エーゲ海周遊旅行の観光船で起きた殺人事件を扱った船上ミステリーという珍しい舞台、多彩な人物描写、適度なサスペンス、論理的な推理にちょっとしたどんでん返しと伝統的な犯人当てミステリーのお手本のような作品です。 |
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| No.1159 | 10点 | ユダの窓 カーター・ディクスン |
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(2016/05/08 04:21登録) (ネタバレなしです) ドアも窓も施錠された部屋で被害者と一緒だった唯一人の容疑者。普通ならこの人が犯人でしょうが、そうでないならこれは密室殺人事件ということになるという、1938年発表のH・M卿シリーズ第7作です。物語のかなりの部分を裁判シーンが占める異色の本格派推理小説ですが、実に見事な出来映えです。H・M卿が弁護士の資格を持っていることは過去の作品でも紹介されていますが、実際に法廷で活躍しているのは本書ぐらいです。密室トリックはトリック紹介本などでネタバラシされるぐらい有名ですが決してトリックだけに頼った作品でなく、法廷シーンがとにかくスリリングで面白いです。法廷で次々に出てくる爆弾証言にある時はハラハラし、ある時は思わず喝采したくなります。密室の謎解きだけでなく、アリバイ表を使った分析などもあってこれぞまさに本格派の謎解きの見本と言える作品です。なおハヤカワミステリ文庫版と創元推理文庫版では添付されている現場見取り図が異なっていますが断然後者の方がわかりやすくてよいです。 |
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| No.1158 | 8点 | レイトン・コートの謎 アントニイ・バークリー |
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(2016/05/08 04:09登録) (ネタバレなしです) 本格派黄金時代に活躍した作家の中でもひときわ異彩を放っていた英国のアントニイ・バークリー(1893-1971)の1925年発表のデビュー作です。ほぼ同時代に書かれたA・A・ミルンの「赤い館の秘密」(1922年)と似たような展開の物語で、読み比べてみるのも一興かと思います。作風はかなりの違いがあり、ミルンの作品では探偵コンビが協力し合っていますが、本書では時に消極的だったり非協力的だったりと何とも心もとないのが印象的です。密室トリックは大したことありませんがこの時代の作品としては非常に大胆なプロットで、技巧派ぶりを早くも発揮しています。 |
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| No.1157 | 5点 | 鏡よ、鏡 スタンリイ・エリン |
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(2016/05/08 02:44登録) (ネタバレなしです) 米国のスタンリイ・エリン(1916-1986)はジャンル的にはサスペンス小説の書き手、「奇妙な味」のミステリーの書き手として有名です。1972年出版の本書はエリン唯一の本格派推理小説とも言われていますが、クリスティーやカーやクイーンのような本格派を期待してはいけません。物語は「わたし」の視点で描かれていて、この一人称形式というのは本来なら読者が一番感情移入しやすいはずなのに、読むほどに読者は眩暈を感じるでしょう。まるで悪夢か幻想の中のような物語は最後には衝撃的結末へとなだれこみます。そして謎は全て解かれます。犯人も、どうやって誰も入れないはずのアパートに死体が転がっていたのかも、女の素性も、そして不思議なメッセージの意味も。そういう意味では本格派の要素もありますが、謎が解けても悪夢は終わりません。 |
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| No.1156 | 5点 | 灰王家の怪人 門前典之 |
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(2016/05/08 01:45登録) (ネタバレなしです) 2011年発表のシリーズ探偵の登場しない本格派推理小説です。物語の大半は鈴木慶四郎という男の視点(1人称形式)で描かれますが、この描写がしばしば不自然さを伴って回りくどく、読者を混沌に陥れるところは綾辻行人の「人形館の殺人」(1989年)や京極夏彦の「姑獲鳥の夏」(1994年)に通じるところがあるように思います。そのためか(トリックの成立条件がかなり特殊なこともあって)謎解きのすっきり感を得られにくい印象を受けました。 |
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| No.1155 | 7点 | お楽しみの埋葬 エドマンド・クリスピン |
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(2016/05/06 15:41登録) (ネタバレなしです) 1948年発表のフェン教授シリーズ第6作となる本書では、クリスピンのユーモアぶりが最大限発揮されています。なぜか議員に立候補したフェンの選挙戦ぶりもユーモアに拍車をかけています。そして終盤の犯人追跡も、スリリングでありながらどこかユーモラス。犯人と警察&フェンだけでなく、人間、倒木、動物、妖精(?)などが入れ替わり立ち替わり追跡劇に巻き込まれて豪華絢爛!本格派推理小説としてもよく出来ていて、第22章の冒頭でフェンが語った解決への糸口が、からみ合った謎を一気に解きほぐしてくれます。 |
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| No.1154 | 7点 | 死の会計 エマ・レイサン |
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(2016/05/06 15:01登録) (ネタバレなしです) 1964年に発表され、1965年のCWA(英国推理作家協会)のシルヴァー・ダガー賞を受賞したジョン・サッチャーシリーズ第3作の本書は企業ミステリーでもありますがそれほど難解ではなく、すがすがしささえ感じさせる結末が心地いいし、謎解きとしてもある種のどんでん返し(着想の逆転といった方がいいかも)が巧さを感じさせる本格派推理小説です。読みやすいといっても会社勤務を経験していない読者だとこういう作品舞台がなじめやすいかは微妙かもしれませんが、初期代表作と評されるのも納得の1冊だと思います。 |
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| No.1153 | 6点 | 熱く冷たいアリバイ エラリイ・クイーン |
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(2016/05/01 21:54登録) (ネタバレないです) 米国のフレッチャー・フローラ(1914-1968)はエラリー・クイーン名義での代作3冊を含めても長編ミステリー作品は10作に満たず、短編ミステリーの方は130作を超しています(非ミステリーの通俗小説なども書いているようです)。ミステリー作品は犯罪小説やハードボイルドが多いようですが、1964年にエラリー・クイーン名義で発表した本書は本格派推理小説です(探偵クイーンは登場しません)。原書房版の巻末解説で「思いつきがたまたま的中しただけであって、推理とほど遠い」部分は確かにありますが謎解き伏線はそれなりに張ってありますし、弱点を補ってあまりあるのが登場人物の内面描写と人間ドラマで、少々通俗的ではあるものの味気のないパズル・ストーリーに留まってはいません。アンソニー・バウチャーやF・M・ネヴィンズが好意的に評価したのも納得です。 |
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| No.1152 | 6点 | 去来氏曰く 島田一男 |
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(2016/04/28 14:10登録) (ネタバレなしです) 「去来氏曰く」というタイトルで1960年に発表された南郷弁護士シリーズ第7作で、後に「夜の指揮者」に改題されています。作者自身が「ガッチリ、本格物と取ッ組んでみたいと考えた」とコメントしており、このジャンルのシリーズ作品としては第2作の「その灯を消すな」(1957年)以来ということになります(シリーズ第6作の「黒い花束」(1959年)もまあ本格派ではありますが謎解きが結構強引で粗いです)。3つの事件にそれぞれトリックを凝らしてあり(但し光文社文庫版で第1の事件を「密室」と紹介しているのは間違い)、謎解き説明はあっさり気味ですが犯人の深遠謀慮は敢闘賞ものでしょう(しかし細工が過ぎて結局ぼろがでる)。それにしてもこのシリーズ、本格派の作品では南郷の1人称形式、軽ハードボイルドの作品では3人称形式ですが探偵役の1人称と犯人当て謎解きの両立とはなかなか珍しいですね。 |
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| No.1151 | 6点 | 向うみずな離婚者 E・S・ガードナー |
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(2016/04/25 02:39登録) (ネタバレなしです) 1964年発表のペリー・メイスンシリーズ第72作で、メイスンの事務所で(さすがに殺人ではないけど)事件が起きたり、弁護士同士の対決があったりとプロットの工夫が光ります。ただ推理はやや中途半端で、メイスンは被告の無罪を証明はしますが犯人の正体については指摘するまでには至りません。弁護士としての役割はこれで十分果たしたとは言えるでしょうけど、ミステリーの探偵役としては物足りなかったです(ちゃんと最後には事件が解決されていますが)。 |
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| No.1150 | 5点 | 製材所の秘密 F・W・クロフツ |
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(2016/04/25 02:32登録) (ネタバレなしです) 1959年に「サンデー・タイムズ紙」がベストミステリ99を選んだ時にクロフツの作品から選ばれたのが1922年発表の冒険スリラー小説である本書だったそうです。クロフツは1957年に死去しているので全作品が選考対象だったはずですが、なぜ本書がベスト作品として選ばれたのか不思議ですね。多分イギリスでは冒険スリラーの人気が日本人が想像している以上に高いのでしょう。前半はアマチュア探偵のシーモア、後半はプロの捜査官であるウィリス警部が活躍するのですが、それにしても悪役たちのひそひそ話を盗み聞きする場面の多いこと!多少の都合よい展開には目をつぶりますけど、こうも易々と情報筒抜けを許してしまうとは犯人たち、あまりにも杜撰(笑)。 |
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| No.1149 | 5点 | 水晶玉は嘘をつく? アラン・ブラッドリー |
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(2016/04/25 02:20登録) (ネタバレなしです) 2011年発表のフレーヴィア・ド・ルースシリーズ第3作の本格派推理小説です。いくらフィクションの世界だと言っても犯人当てはまだしも自分の都合のいい解決へ持っていこうとするフレーヴィアに共感できませんでした。起伏に富んだプロットは読み応えたっぷりなんですけど。うーん、3作読んでもフレーヴィアの考え方を無条件に支持できない自分はやっぱ頑固爺さんなんだろうか(笑)。 |
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| No.1148 | 4点 | ワンダーランドの悪意 ニコラス・ブレイク |
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(2016/04/24 23:56登録) (ネタバレなしです) 1940年発表のナイジェル・ストレンジウェイズシリーズ第6作です。「不思議の国のアリス」のパロディーみたいなタイトル、「アリス」を読んだ読者なら楽しめそうな場面の数々、そしてマッド・ハッターを名乗る人物(犯人?)。しかし本格派推理小説とファンタジーの融合化を目指したのであれば、本書は中途半端に終わったような気がします。わくわくもどきどきもしないし、事件は色々と起きるのですが凶悪事件性がなくて長編ミステリーを支えるには物足りません。推理はそれなりに細かいところまで考えられていますが。 |
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| No.1147 | 5点 | 火よ燃えろ! ジョン・ディクスン・カー |
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(2016/04/24 22:33登録) (ネタバレなしです) 1957年発表の歴史本格派推理小説です。不可能状況下での銃殺という魅力的な謎を扱っていますが、目撃情報がかなりあやふやなこともあって不可能性がいまひとつ伝わりにくくなっているのは惜しいところです。冒険スリラー小説要素が強いため謎解きが盛り上がりにくくなっているのも否めません。まあそれでも「喉切り隊長」(1955年)よりはなんとかミステリーとして踏みとどまっていますが。トリックは歴史物だから謎として成立したというものなので賛否両論あるかもしれません。ちゃんと謎解き伏線があることは巨匠カーならではです。それにしても「ビロードの悪魔」(1951年)、(カーター・ディクスン名義の)「恐怖は同じ」(1956年)に次いで3度目のタイムスリップとは、いくらなんでも多すぎでは(本書でタイムスリップは最後みたいですが)。 |
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| No.1146 | 4点 | しっかりものの老女の死 ジェイニー・ボライソー |
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(2016/04/24 22:23登録) (ネタバレなしです) 1998年発表のローズ・トレヴェニアンシリーズ第2作です。どきどきしたりわくわくしたりするような場面がほとんどありません。抑制された文章表現に加えて自殺か他殺かさえなかなかはっきりしないスローな展開なので読者によっては退屈してしまうかもしれません。推理場面もほとんど目立ってません。悲惨極まりない決着場面がそれほど気味悪さを感じさせないのは、この地味な描写のおかげといえなくもありませんが。 |
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| No.1145 | 4点 | 悪魔が来りて笛を吹く 横溝正史 |
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(2016/04/24 22:13登録) (ネタバレなしです) 1951年発表の金田一耕助シリーズ第8作の本格派推理小説です。横溝には「悪魔」をタイトルに使っている作品がいくつかありますがその中でも本書は最もそれにふさわしく、特に第16章の最後の文章には戦慄さえ感じます。謎解きは不満点が多く、ある手掛かりが文章では読者に伝わりにくいものであることや、何よりも淡路島の事件の真相は反則技にしか感じられません。しかし戦後の混乱期と没落貴族の描写はさすがですし、インパクトのある悲劇ドラマとして読ませる作品です。 |
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| No.1144 | 6点 | 白魔の歌 高木彬光 |
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(2016/04/24 16:54登録) (ネタバレなしです) 1958年発表の神津恭介シリーズ第9作の本格派推理小説です。このシリーズとしては変わったプロットで、死体の演出こそ派手ですが物語のテンポは遅めでトリックへのこだわりもなく、全体的には地味な作品です。空さんのご講評の通り、プロットのバランスが悪いように感じます。神津恭介の真相説明はそれほど論理的ではありませんが虚しさの残る結末の効果がよく効いていて、推理への不満をそれほど感じさせませんでした。 |
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| No.1143 | 6点 | 三つの消失 ピエール・ボアロー |
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(2016/04/24 16:40登録) (ネタバレなしです) フランスのピエール・ボアロー(1906-1989)はフレンチミステリー界では数少ない本格派推理小説の書き手です。1938年発表のアンドレ・ブリュネルシリーズ第3作の本書は冒険小説大賞(冒険小説でなくても受賞できるようです)を獲得した代表作です。本格派ですがいきなり殺人犯が現行犯も同然で捕まってしまう展開に驚かされます。本書のメインの謎解きは消失トリックというのがなかなか新鮮です。第一の絵画消失は不可能犯罪としてはそれほど魅力的な謎ではありませんが(隠し場所はいくらでもありそうなので)、第二、第三の消失は結構派手な謎で読者を魅了します(但しトリックには多くを期待してはいけませんけど)。なお本書はトーマ・ナルスジャック(1908-1998)のサスペンス小説「死者は旅行中」(1948年)と一緒に晶文社版で「大密室」という大仰なタイトルで出版されていますので、本書を探す場合は「大密室」を忘れずに。 |
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| No.1142 | 4点 | 旅のお供に殺人を コリン・ホルト・ソーヤー |
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(2016/04/23 23:02登録) (ネタバレなしです) 1997年発表の<海の上のカムデン>シリーズ第8作でシリーズ最終作です。舞台はいつもの<海の上のカムデン>ではなく、この老人ホームの住人たちが何とメキシコ旅行に行って色々な出来事に遭います(メキシコ情緒はなかなかよく描けています)。アンジェラとキャレドニアが(特に前者は)好奇心から事件の謎解きに取り組むのがこのシリーズのパターンですが、本書に関しては殺人事件が起きているにも関わらず犯人探しのプロットにならず、推理要素の薄いトラベル・ミステリー調なのが異色です。どちらかといえば巻き込まれ型冒険スリラー色が濃いです。個人的には犯人がべらべらと自白して真相がわかる展開はあまり好みではないのですが。 |
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| No.1141 | 4点 | 破壊者 ミネット・ウォルターズ |
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(2016/04/17 22:34登録) (ネタバレなしです) 1998年発表の長編第6作です。創元推理文庫版の巻末解説ではウォルターズ作品の中では伝統的な謎解き小説の要素が強いと評価していますが、あまりそれを感じることができませんでした。kanamoriさんのご講評の通り、読者が犯人当てに挑戦するようなタイプではありません。もともとこの作者は意図的に不快なものを読者に突きつける傾向がありますが、特に本書では文章表現が猥褻だったり汚かったりする度合いが過剰気味で、とても「伝統的」とは言えないと思います。むしろ非情なハードボイルド小説が好きな読者の方が本書を受け入れやすいと思います。 |
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