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ミステリの祭典

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三つの消失
アンドレ・ブリュネルシリーズ

作家 ピエール・ボアロー
出版日1988年05月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 6点 ボナンザ
(2017/10/01 19:35登録)
謎の提示は中々。が、トリックは最初はともかく後ろ二つはあっけなく感じるかも。とはいえ本格好きなら楽しめる内容と思います。

No.2 3点 mini
(2016/12/08 09:32登録)
論創社からピエール・ボアロー「震える石」と、S=A・ステーマン 「盗まれた指」が刊行された、今月分の配本は黄金時代のフランス本格派の競演という事ですな、両作共に舞台設定が古城だけにその手のばかり求めるような読者向きかも(笑)
ピエール・ボアローは説明の要もないでしょうが、要するに後のボアロー&ナルスジャックが合作前に別々に単独執筆してたわけです
合作後はまぁ一般的にサスペンス小説に分類される両名だけど、合作前はそれぞれ本格色が強く、と言うかボアローに至っては不可能ものを中心とする悪い意味でのガチなトリック本格ばかり書いていたのは有名
ボアローの「三つの消失」は、日本での翻訳刊行は雑誌『EQ誌』に連載後、ナルスジャックの単独作品と共に合本という形で単行本化された、私が読んだのはバックナンバーの雑誌掲載版
当サイトでは書籍単位という原則が有るのだけれど、短編集ならともかく、長編の合本形式をトータルな形で書評するのは面倒なので、例外的にこちらにも書評書きます

「三つの消失」は題名通り消失事件が3つ起こるわけ、それも第1は絵画の消失、第2は人間の消失、第3は自動車の消失といった具合に段々とスケールアップするわけですよ
こう聞くと第1<第2<第3となるにつれて面白くなると思うでしょ、実は逆(笑)
奇術でもさ、現象がスケールアップするほどネタを明かせばくだらない場合が多い、まぁ舞台上に助手が居てその手しかないだろみたいな(笑)
むしろステージマジックよりも小規模なテーブルマジックの方が信じられない位不思議だったりするわけで
つまり引田天功よりもマリックやセロの超魔術の方が現象としてはええー?だったりするのと同じ、現象のスケールの大きさとマジックの面白さとは比例しないんですよね
で、「三つの消失」も根幹を成すトリックは第1の絵画消失のトリックなのです、この唖然とするような特異なトリックの真相が作品を特徴付けているのですねえ
まぁ勘の良い人なら閃くでしょうけどね
そしてこの特異なトリックが後のプロットと有機的に結びついてくるのでやはり第1のトリックこそが重要で、て言うか第1のトリックが奇抜過ぎて第2第3のトリックがオマケみたいになっちゃっているのが笑える

第1の絵画の消失トリックが面白いだけに上手く書けば不可能ものの佳作にもなり得たのだけれど、どうもボアローという作家は「殺人者なき六つの殺人」にしてもそうだが、トリックのアイデアが優れている割にフーダニットが下手糞である
この作などはそもそもフーダニットになっていない、ハウダニットだけの作と言ってもいい、あっ犯人グループ側の取引の提案には一種のホワイダニットな面も有るか
後に別のある作家がボアローの了承を得て、「三つの消失」の基本アイデアを利用して、フーダニットにも考慮した作を書いたらしい

No.1 6点 nukkam
(2016/04/24 16:40登録)
(ネタバレなしです) フランスのピエール・ボアロー(1906-1989)はフレンチミステリー界では数少ない本格派推理小説の書き手です。1938年発表のアンドレ・ブリュネルシリーズ第3作の本書は冒険小説大賞(冒険小説でなくても受賞できるようです)を獲得した代表作です。本格派ですがいきなり殺人犯が現行犯も同然で捕まってしまう展開に驚かされます。本書のメインの謎解きは消失トリックというのがなかなか新鮮です。第一の絵画消失は不可能犯罪としてはそれほど魅力的な謎ではありませんが(隠し場所はいくらでもありそうなので)、第二、第三の消失は結構派手な謎で読者を魅了します(但しトリックには多くを期待してはいけませんけど)。なお本書はトーマ・ナルスジャック(1908-1998)のサスペンス小説「死者は旅行中」(1948年)と一緒に晶文社版で「大密室」という大仰なタイトルで出版されていますので、本書を探す場合は「大密室」を忘れずに。

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