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ミステリの祭典

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去来氏曰く
南郷弁護士シリーズ 改題「夜の指揮者」

作家 島田一男
出版日1960年01月
平均点8.00点
書評数2人

No.2 10点 フランコ
(2018/01/10 16:03登録)
島田一男で出来が特に良いのが、『上を見るな』『その灯を消すな』そしてこの『去来氏曰く』の南郷弁護士物の中の本格物。簡潔にして読みやすく、魅力的な謎の提示、展開の面白さ、解決の鮮やかさ等、バランスが良い。いずれも書き下ろし物で、良く書けている。

No.1 6点 nukkam
(2016/04/28 14:10登録)
(ネタバレなしです) 「去来氏曰く」というタイトルで1960年に発表された南郷弁護士シリーズ第7作で、後に「夜の指揮者」に改題されています。作者自身が「ガッチリ、本格物と取ッ組んでみたいと考えた」とコメントしており、このジャンルのシリーズ作品としては第2作の「その灯を消すな」(1957年)以来ということになります(シリーズ第6作の「黒い花束」(1959年)もまあ本格派ではありますが謎解きが結構強引で粗いです)。3つの事件にそれぞれトリックを凝らしてあり(但し光文社文庫版で第1の事件を「密室」と紹介しているのは間違い)、謎解き説明はあっさり気味ですが犯人の深遠謀慮は敢闘賞ものでしょう(しかし細工が過ぎて結局ぼろがでる)。それにしてもこのシリーズ、本格派の作品では南郷の1人称形式、軽ハードボイルドの作品では3人称形式ですが探偵役の1人称と犯人当て謎解きの両立とはなかなか珍しいですね。

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