toukoさんの登録情報 | |
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平均点:6.16点 | 書評数:241件 |
No.141 | 6点 | レベル7 宮部みゆき |
(2010/02/15 21:29登録) 出だしはすごく面白かったんですが、結末に向かうにつれて、しょぼくなっていった印象の作品。 でも掴みのうまさは光っています。 |
No.140 | 5点 | クロスファイア 宮部みゆき |
(2010/02/15 21:12登録) どうしてもキングの「ファイアスターター」を思い出しますが、作者が大ファンを公言しているので、あえてオマージュとして書いるのだと思います。 こちらは超能力者が主人公のテンポのよいサスペンス。 どんなにドロドロでも基本に正義ははずさない本家キングと、どんなに陰惨でも人情の機微ははずさない宮部の日米の差を読み比べてみても面白いかも? |
No.139 | 5点 | 魔術はささやく 宮部みゆき |
(2010/02/15 20:58登録) やっぱりラストで拍子抜けしました。 それまで面白かったので、残念。 お話を収束させる常套手段とはいえ、たとえミステリじゃなくたって、この結末は陳腐すぎるかと。 |
No.138 | 2点 | ステップファザー・ステップ 宮部みゆき |
(2010/02/15 20:49登録) ずいぶん前になりますが、出先で電車の中で読もうと思い、中も見ずに買ってしまい、頁を開いて、そのあまりの余白の多さに愕然とした記憶が……。 内容の薄っぺらさも、図書館で借りたのなら、まだ許せたんだけど!? |
No.137 | 5点 | 蒲生邸事件 宮部みゆき |
(2010/02/15 20:44登録) SF的要素もミステリ的要素も、青春小説を盛り上げるための装置に過ぎないと思います。 で、青春小説としては、まあいい出来なんじゃないでしょうか。 |
No.136 | 6点 | 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 島田荘司 |
(2010/02/15 20:25登録) 留学中、西洋コンプレックスからノイローゼ気味になっている前半の漱石が笑えました。 名誉白人と化した最近の御手洗の超人ぶりの背景には、こんな怨念があったのかしら……なんてつい邪推したくなる!? |
No.135 | 6点 | 暗いところで待ち合わせ 乙一 |
(2010/02/15 20:21登録) ミステリ的要素は希薄ですが、いわゆる「いい話」として破綻なくまとまっている乙一の優等生的作品。 |
No.134 | 5点 | 花の下にて春死なむ 北森鴻 |
(2010/02/15 20:18登録) 隠れ家的ビアバーのわけ知り顔のバーテンが、常連客の持ち込む謎や人生相談を解決するという連作集。 バーテンもの、それも隠れ家的バーというジャンルは、この作品に限らず、あまり得意ではないので、ムーディでナルシスティックでキザなところが個人的には鼻にきました。 とはいえ、ミステリとしてはまあまあ楽しめました。 |
No.133 | 6点 | 超・殺人事件―推理作家の苦悩 東野圭吾 |
(2010/02/14 15:40登録) なんとなく昔の筒井康隆とか清水義範を思い起こさせる作風のコミカルかつちょっと辛辣な切り口の短編集。 内容はミステリ作家の楽屋ネタオンリーなんですが、ちゃんと一般の読者が楽しめる作品になっているので、安心して読めます。 |
No.132 | 5点 | スラッシャー廃園の殺人 三津田信三 |
(2010/02/14 15:36登録) 序盤のホラー談義や舞台の意匠が趣味に走りすぎで、バランス悪いです。 ホラーの舞台裏や楽屋話は煙幕で、ミステリで決着はつくんですがそっちは平凡なのに、全体にマニアックすぎるというバランスの悪さを感じました。 (ちなみに、私はこの作家が編集者時代に出していたワールド・ミステリー・ツアーも、彼が参加していた幻想文学系の同人も知っているんですが、それでもこれは楽しめなかったなあ)。 |
No.131 | 7点 | はじまりの島 柳広司 |
(2010/02/14 15:19登録) 進化論で有名なダーヴィンを探偵役に据え、クローズドサークルと化したガラパゴス諸島で起きる連続殺人事件の真相を追うという歴史ミステリー。 長編というには物足りない長さなのに、これだけ楽しめたのは、内容の密度が濃いからでしょう。 とはいえ、重い内容ではなく、癖のない実に読みやすい文章で、モデルのいる登場人物たちもアレンジが非常にうまく、キャラが立っていて、虚実入り混じった史実の扱い方もうまいです。 トリックには特に目新しいものはないとはいえ、エンタメとしての完成度は高いと思います。 |
No.130 | 5点 | 魔王 伊坂幸太郎 |
(2010/02/14 15:02登録) 伊坂幸太郎初体験。人気作家なので、予約が多く、図書館ですぐ借りれるものを適当にチョイスしたのがこれ。 なるほど、ネット世代の今の学生とかにすごくウケそうな内容ですねえ! 政治的な内容を扱ってはいるんだけど、メッセージ色は薄く、文章も世界観もライトで単純化されているけれど寓話とまではいかず今っぽさがあり、荒唐無稽なSF的要素もあるわりに、ラノベ的な閉じたオタクっぽさは感じられないし、どこかで聞いたような惹句の連発がちょっとオシャレな感じさえする……売れるわけだと納得しました。 |
No.129 | 10点 | 薔薇の名前 ウンベルト・エーコ |
(2010/02/10 23:43登録) いつの間にか、登録されていたのですね! 個人的に、もっとも好きな作品です。 私の大好きな衒学趣味と博物館学的薀蓄、それをドロドロした中世を舞台に、エンターティメントとリーダービリティを意識した歴史ミステリーの形式で提供してくれてるんですからもうたまりません。 あらゆる読書の楽しみ、本の楽しみが詰まった知的エンターティメントの金字塔だと思います。 そして、このすべてを好きになろうとか、理解しようとせずとも、自分の興味のある部分だけを読んで楽しむ……そんな読み方も出来る懐の広い本でもあります。 私は浅学なので、とうていすべてを把握しきれないけれど、古代からもしかして未来までの圧倒的な蔵書数を誇る書庫に迷い込んだような感覚に、この世界にいつまでも浸っていたいと思わせる魔力があります。 |
No.128 | 8点 | そして扉が閉ざされた 岡嶋二人 |
(2010/02/10 22:38登録) クローズドサークルの成立のさせ方、推理合戦への持って行き方に新鮮味を感じました。犯人当ても面白かったです。 本格系のミステリ作家には珍しく、アップ・トゥ・データな風俗描写がうまい作者だけあって、今読むと、林真理子とかバブルでGO! 並みのノスタルジアにも浸れるという珍しい作品かも? 女性の登場人物たちの行動・心情に説得力がないという意見も出ているようですが、林真理子あたりの取材に基づいた小説に出てくるバブリーな女子大生たちを思わせる微妙なリアリティが描けていると感じたのですが、勝手に行間を読んだ部分もあるのかも; それでも、結末ありきでご都合主義的に登場人物の言動を飛躍の連続にしている作品も多い中、当時のトレンディドラマの中だけのことにせよ、それぞれ、こういう行動をしそうだというキャラクター像がまず確立されていたので、ミステリ作品にうまく利用したんだろうな、と思えたし、個人的には非常にスムーズに読めました。トリックそのものより、そのあたりの評価が高得点につながったかな。 |
No.127 | 7点 | 招かれざる客たちのビュッフェ クリスチアナ・ブランド |
(2010/02/05 23:48登録) 時代を感じさせるとはいえ、どの作品も一定以上のレベルで、安心して楽しめるミステリの短編集。 しかしまあ、えげつない登場人物が多いなあ。 オチのつけ方がブラックで、R・ダールを思い出しましたた。 |
No.126 | 6点 | 死体を買う男 歌野晶午 |
(2010/02/05 23:32登録) トリックは平凡なんですが、萩原朔太郎のホームズ、江戸川乱歩のワトソンという設定が、面白かったです。朔太郎が魅力的に書けているし、ラストに役割逆転して乱歩が面目を果たしたのもバランスがよさげ。 |
No.125 | 6点 | キマイラの新しい城 殊能将之 |
(2010/02/05 23:22登録) ミステリとしては弱いけれど、擬似的に中世の騎士が現代日本に蘇えることによって起こるドタバタ喜劇の部分はよく書けていたので、癖のある、人を選ぶ作品が多いこの作者にしては万人向けの、安心して楽しめる作品になっているんじゃないかな? |
No.124 | 4点 | 変身 東野圭吾 |
(2010/02/04 23:32登録) 似たようなSF作品は、これ以前にも山ほど描かれているので、手垢のついている印象の上に、全体的にイージーで、センス・オブ・ワンダーがまったくなく、読後感も悪い。登場人物にも、作品自体にも情熱やこだわりが感じられない。 とりあえず何か書かなきゃいけなかったので、商売で適当に書き飛ばしたんじゃないかと疑ってしまった……。 |
No.123 | 2点 | 左手に告げるなかれ 渡辺容子 |
(2010/02/01 21:19登録) 面白かったのは、故伊丹十三の映画(マルサの女とかスーパーの女)のような私服保安員(いわゆる万引きGメン)の内幕を紹介した部分だけで、サスペンスものとしてはイマイチ。 とにかく、つっこみどころが多すぎなんですが、仕事そっちのけで、素人探偵業を行う主人公を許容し続ける上司の存在が一番の謎だったりします。 |
No.122 | 6点 | 上高地の切り裂きジャック 島田荘司 |
(2010/02/01 21:14登録) 表題作の方がきれいにまとまっているとは思いますが、強引な山手の幽霊の方が作者らしいスケールの大きなワクワク感と力づくな強引さがあって、個人的には面白かったです。 |