home

ミステリの祭典

login
日影門さんの登録情報
平均点:6.38点 書評数:16件

プロフィール| 書評

No.16 7点 ダレカガナカニイル・・・
井上夢人
(2003/08/27 23:53登録)
 ボーダー線上の作品だけど、◎。
 一部の好事家のものだった探偵小説が推理小説となり市民権を得、ミステリあるいはミステリーと呼称されエンターテインメントの要素を広く取り入れ始めた過度期の作品。
 読後、?は残るものの、ストーリーテリングの妙で読ませる。


No.15 7点 殺戮にいたる病
我孫子武丸
(2003/08/27 23:46登録)
 よいです。
 前作までとは打って変わったシチュエーション。エログロ大好き人間としては、もっとこってり描写してほしい○○。そして、個人的に「やられた!」と臍を噛んだラスト。これほどまでに落差を味わったのは、「サイコ」以来。


No.14 7点 切り裂きジャック・百年の孤独
島田荘司
(2003/08/27 23:41登録)
 個人的には、本作品と「占星術殺人事件」「暗闇坂の人喰いの木」は同点です。
 おのおの一長一短はあるけど、この「切り裂きジャック・百年の孤独」は切れ味ということで印象に残る作品となりました。これに近い驚きを与えてくれたのは、綾辻行人の「時計館の殺人」ですかねえ。
 服部まゆみ氏のジャックものも面白いんだけど、どちらかというと時代小説の面白さのように感じました。


No.13 7点 暗闇坂の人喰いの木
島田荘司
(2003/08/27 23:35登録)
 御手洗潔シリーズ、最後の傑作ではないだろうか?
 本作品にこそ、島田荘司のエッセンスが詰まっている。


No.12 7点 占星術殺人事件
島田荘司
(2003/08/27 23:32登録)
 凄いです! これをパクった「金田一少年…」もスゴいけど、これを思いつく島田荘司も凄い!!
 不二本蒼生のカバーイラストの妖しさ、袋綴じの細工も◎だが(四六版並製)、著者の稚気・勇気も楽しい一冊。


No.11 8点 奇想、天を動かす
島田荘司
(2003/08/27 23:27登録)
 島田荘司の現時点での最高傑作。
 本格と社会派、そして探偵小説との見事な融合。ぜひ、詠んでみてください。


No.10 2点 龍臥亭事件
島田荘司
(2003/08/27 23:22登録)
 これ、実名だしちゃっていいの。確かに有名な事件だけど、遺族もいるでしょ?
 兆弾はないよね、いくらなんでも。京極夏彦の「陰摩羅鬼の瑕」でも、警察をエラくボンクラっぽく描いてたけど、あんありだよね。


No.9 5点 マークスの山
高村薫
(2003/08/27 23:08登録)
 ミステリじゃないですよね、これ? 合田雄一郎の苦悩するヒーロー譚でしょ(あんまりヒーローらしくないけど。ズック洗うヒーローって見たことない)。 著者は「小説」として執筆しているので、ミステリの要素は薄いけど、そこは豪腕高村薫、読ませます。精神病理と警察機構に興味のある人向き。


No.8 6点 たまらなく孤独で、熱い街
山田正紀
(2003/08/27 22:56登録)
徳間文庫の一周年記念だかに書き下ろした作品。
 たしかこのころ仁賀克雄氏の「ロンドンの恐怖」を単行本かHMMの連載で読んでいた気がする。
 私にとって、山田正紀氏は佐野洋氏(講談社文庫「轢き逃げ」はぜひ復刊してほしい)と並んで、面白味は薄いけど興味のある作家である。設定は魅力的なのに尻すぼみだったり、主人公が地味でページを捲る指が滞ったりするんだけど、最後はやっぱり地味、みたいな…。
 で、本作品。「動機なき殺人」を扱っている小説としては一番早いのではないだろうか? 笹沢左保の「異常者」や西村京太郎の「恐怖の金曜日」といったミッシング・リンクものはあったものの、ここまで訳のわかんない作品はなかっただろう。これに比べればT・ハリスの「レッド・ドラゴン」のわかりやすいことこのうえなし。
 わからないから偉い、などというつもりは毛頭ないが、倍くらいの分量で中田・浜田を肉付けしてみたら斯界の耳目を集めたのではないだろうか。横溝正史の「本陣殺人事件」と並んで、実作者にぜひ加筆してほしい。


No.7 5点 陀吉尼の紡ぐ糸
藤木稟
(2003/08/27 22:37登録)
 良くも悪くも京極夏彦の登場によって世に出た作品ではないか? こういったおどろおどろしい世界が好きな人にはお勧め。


No.6 7点 模倣犯
宮部みゆき
(2003/08/27 22:34登録)
 誰かが書くべきテーマなのかもしれない作品。
 被害者側の視点から犯罪を照射する作品は、乃南アサの「風紋」シリーズで描かれているが、全体小説としては初めてではないだろうか。枝葉末節に関しては不満が残ることも事実だが(個人的には動機がどうしても納得できない)、あの時期にこそ書かれるべき作品であり、シリアル・キラーの系譜においていつまでも語られ読まれるべき作品だと思う。
 「東西ベストミステリー100」で筆者が「黒死館殺人事件」「ドグラ・マグラ」を未読のものに評して、「とにかくかじるだけでも、なめるだけでもいい」と言っていたことが、「模倣犯」を読んでその言葉を思い出した。


No.5 9点 火車
宮部みゆき
(2003/08/27 22:21登録)
 とにかく読んでみてください。宮部みゆきの真骨頂が味わえます!
 ミステリとか、そういった範疇を越えた作品。残りのページを気にしながら読んだ数少ない小説です。


No.4 7点 テロリストのパラソル
藤原伊織
(2003/08/27 22:17登録)
 悪くない。
 が、ハードボイルド小説の常で、主人公はなんであんなに感がいいんだろ?
 主人公よりインテリヤクザに感情移入する読者って変?
 


No.3 4点 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
麻耶雄嵩
(2003/08/27 22:15登録)
 最後の事件が一番ショボイんじゃないのかな。
 才気は買うけど、正当な評価は次作以降。実際「夏と冬の奏鳴曲」は、十分楽しめた。


No.2 9点 白夜行
東野圭吾
(2003/08/27 22:09登録)
 宮部みゆき「火車」に比肩しうる作品。
 これを読んでとやかくいう人間は、K岩J吾氏同様(初期のサスペンス横溢する作品よ、何処へ!)、想像力を失った人ではなかろうか。


No.1 5点 陰摩羅鬼の瑕
京極夏彦
(2003/08/27 22:04登録)
 期待が大きすぎたせいか、「あのオチはないだろ!!」
 相変わらずの鼻面を引きずりまわされる快感(?)は健在なものの、ミステリとしても小説としても驚愕はなく、あるのは「姑獲鳥の夏」の残滓ばかり。個人的には「狂骨の夢」が本シリーズのベストと判断する人間ゆえの偏見なのか。

16レコード表示中です 書評