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ミステリの祭典

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あびびびさんの登録情報
平均点:6.33点 書評数:669件

プロフィール| 書評

No.89 9点 幻の女
ウィリアム・アイリッシュ
(2009/12/31 12:57登録)
出だしの文からミステリな香り…。さすがに名作だ。
こういう名作に出会うと睡眠不足は覚悟しなくてはいけない。

海外作家の小説は翻訳で物語の流れに乗れるかどうか決まるが、これは読みやすかった。
映像化したものもぜひ見たい。


No.88 8点 オランダ靴の秘密
エラリイ・クイーン
(2009/12/27 23:23登録)
1931年の作品だそうだが、そのロジックの素晴らしさは色褪せていない。

科学捜査に頼らず、ミステリの素晴らしさを満載した数少ない作品だと思う。


No.87 6点 町長選挙
奥田英朗
(2009/12/18 11:34登録)
精神科の診察室へ入ると伊良部先生の「いらつーしゃい」と患者を待ちかねた声。その患者は世間を騒がせる大物ばかり。
微妙に現実味を感じさせるが、まずありえない話。

しかし、本当に笑えるし、面白い。ただ、完璧にミステリーではない。


No.86 7点 クリムゾンの迷宮
貴志祐介
(2009/12/09 13:51登録)
いつも安易に物語を作成しない、内容の濃さには感服。この世界の娯楽は尽きることがなく、妙な現実味を帯びている。

しかし、自分がこの中に放り込まれたら、助かっても頭の毛が真っ白になるか、全部抜けるかだろうと思う。


No.85 8点 空中ブランコ
奥田英朗
(2009/12/07 18:39登録)
ここまで6人の方が全員8点という評価。それなら自分は9点で…と思うほどよくできた短編集だが、ここはミステリー的評価の場であり、それを考えると8点かなと考えた。

しかし、どの話もよく出来ており、7点にはしたくない。こんな笑える物語にはめったに巡り合えない。自分は表題作が一番つまらなかった。


No.84 8点 皇帝のかぎ煙草入れ
ジョン・ディクスン・カー
(2009/12/06 15:18登録)
翻訳モノにしては読みやすいと感じた。ページ数的にも読みやすく、トリックも秀逸。

映像にしてもきっと盛り上がるだろうと思ったが、「皇帝のかぎ煙草入れ」という題名でいいのかどうか。


No.83 6点 さらば長き眠り
原尞
(2009/12/03 16:43登録)
日本という国で、ハードボイルドを書くのは至難の業だと思う。遅筆と聞いたが、それもよく分かる。

アメリカなどでは見たまま、会話のまま書けばある程度ハードボイルドになりそうだが、この国ではそんな洒落た会話はほとんどない。

そんな環境の中でこれだけ楽しませてくれるのだから凄い才能と努力だと思う。決して、上から目線でなく…。


No.82 7点 螻蛄(けら)
黒川博行
(2009/12/03 16:34登録)
新潮で大好評連載だった疫病神シリーズの第4弾。
おなじみの二宮、桑原コンビが宗教団体の胸の内へ鋭く、そして今回も大胆かつ暴力的に踏み込む。

関西弁が嫌いな人でも軽妙な会話には笑ってしまうし、初読でもなんの違和感もない黒川ワールド。

まだ「国境」には及ばないが、それでも500ページをわずか
6時間で読んでしまった。久しぶりに1980円も出してハードカバーを買ったのに!


No.81 8点 サウスバウンド
奥田英朗
(2009/11/29 14:28登録)
おもしろい。特に後半の西表島編が最高。小学6年生の男の子が主役だが、その目線の魅力的なこと…。もう一度その時期に戻りたいとさえ思う。

ただ、ほとんど謎のない物語なので、マイナス1点は渋々…。


No.80 7点 風化水脈 新宿鮫VIII
大沢在昌
(2009/11/26 23:11登録)
新宿の過去、そして現在。そこに何十年も立ち止まって生きてきた老いた男。
さらに昔風のやくざスタイルを貫き、葛藤する妙齢の男。

盗難車を巡る捜査が基本だが、この二人の生き方にスポットを当てて、物語は静かに進行する。

ほとんどアクションはないが、このシリーズの通過点として必要不可欠な一冊かも知れない。


No.79 7点 闇の底
薬丸岳
(2009/11/19 15:28登録)
夢中になって読めた。ある意味、天使のナイフよりも濃厚だ。

しかし、終章でその後が淡々と綴られているが、そのせいか余計に不気味な結末となった気がする。

他の作品も読んでみたい。


No.78 7点 シャドウ
道尾秀介
(2009/11/16 14:16登録)
ラットマンと同じで、終盤はひとつひとつパズルを正確に埋めていくストーリー。その度に、納得させられるが、緻密な設定ならこれも可能だろう。

ただ、主人公の子供同士が(特に女の子)あまりにも大人びており、違和感がなくもない。しかし、今の子供はしっかりしており、これが現実なのかな?


No.77 8点 過ぎ行く風はみどり色
倉知淳
(2009/11/13 15:36登録)
これはまちがいなくミステリですよ…最後までこの流れ。
ある程度犯人は絞り込めたが、その内容までは分からなかった。
旅行の友に読んだら最高だろうと思う。


No.76 3点 アルバイト探偵(アイ)
大沢在昌
(2009/11/13 15:28登録)
高校生が父親の影響で探偵役を演じる。
事件はけっこう重いが、高校生だけに軽いノリである。

それがいかにもアルバイト探偵らしい。
新宿鮫なら結果的に目の前の窮地をいかにして潜り抜けるかという緊迫感があるが、結果は同じでも、「どうせ助かるのだから…」と読むのがあほらしくなったりする。


No.75 8点 狼花 新宿鮫IX
大沢在昌
(2009/11/06 21:33登録)
新宿鮫もついにここまで来たか…という感慨。

鮫島の対極にいた香田と仙田が本当は同一線上にいたのではないかと錯覚するラスト。

作者はこの二人を愛情を持って書きあげている。


No.74 7点 最悪
奥田英朗
(2009/11/02 04:49登録)
ある時期の3,4人の人生はついてなくて、最悪に向かって突き進んでいく。それぞれの立場はまったく異質なもので、ほとんどつながりはないが、最後にドッキングして、その破壊力は膨大なものに…。

どこにも謎はないが、そのスピード感に圧倒される。まだ読んでないが、「邪魔」もこんな展開なのだろうか?


No.73 7点 灰夜 新宿鮫VII
大沢在昌
(2009/11/01 06:42登録)
鹿児島での話。一旦新宿に帰って物語が発展するのかと思ったが、最後まで(2,3日ですが)当地での物語。しかし毒猿が再度登場?したのかと思うほど最後までハラハラした。
女性陣も晶の存在を忘れるほど魅力的で、自分は今まで以上に楽しめた。

やはりこのシリーズは面白い。


No.72 8点 検察側の証人
アガサ・クリスティー
(2009/10/26 22:59登録)
クリスティーの真骨頂というべき作品ではないか。

ラストの顛末が見たくて、DVDを借りたが、「情婦」という題名はひどい。そのまま、検察側の証人でよかったのではないかと思う。

最後に、犯人が吠えれば吠えるほどこの作品が凄みを増す。そういう意味では「情婦」は物足りない。いつか見たテレビドラマの方が、「このクソ野郎!」と思った。


No.71 8点 奪取
真保裕一
(2009/10/26 22:50登録)
この作者にすれば非常に砕けた物語だが、はっきり面白い。

でもページ数が三分の二になれば、さらに終わり方がもう少し意外な方向に行けばまたちがった評価になるのでは…と思う。

でも、あのラスト以外の終わり方ならまた文句をいうかな?


No.70 7点 暗礁
黒川博行
(2009/10/22 17:11登録)
疫病神、国境に続く桑原、二宮の名コンビ第3弾。
相変わらず、会話が絶妙で、一旦、本から顔を離して笑ってしまう。

桑原の徹底した極道人生と、二宮のごきぶり人生。このシリーズは新宿鮫のように続いて欲しい。

ただ前2作が凄すぎて、やや話題性には乏しいかも。疫病神⇒
国境を読破すれば、もう無視することはできないだろうが…。

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