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ミステリの祭典

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ビブリア古書堂の事件手帖5
栞子さんと繋がりの時

作家 三上延
出版日2014年01月
平均点6.00点
書評数12人

No.12 7点 mediocrity
(2021/01/14 19:23登録)
今作は短編に戻った。そろそろネタ切れで苦しくなってきたんじゃないかと思っていたが、むしろ盛り返した。3巻、4巻より出来はいいと思う。第1話が特に良かった。

No.11 5点 羊太郎次郎吉
(2017/01/21 06:40登録)
他の巻でも書いたような気がするんだけど、この作品を楽しめるかどうかは話に出てくる本に興味があるかないかというのが結構重要なポイントなので当たり外れが多い。
で、この作品はというと私にとっては外れだった。特に寺山修司は作品も好きじゃないし彼をリスペクトしてる著名人も大概好きじゃないので読まなかった。

No.10 5点 風桜青紫
(2016/01/26 22:25登録)
やっぱりこのシリーズは短編のほうが合っているなあ……。初期のころよりもストーリー作りは丁寧になっている印象。どの作品も充実していました。「こんな都合のいい話あるわけないじゃないか!」と笑っていた志田さん、なんだかヘヴィな過去で悲しいです。彼の人生、都合が悪すぎます。頑張って欲しいです。一方、門野さんはなんと嫌な奴なんだ。こんなあくどい外道でも若い女の子と仲良くできるとはなんたる不条理だろう。不幸になってしまえ。

ところで、栞子ママンの「知識を手に入れたい欲求」とかなんとかいうのがどうにもわからない。というか作者もわかっていないのだろう。本を読んで知識を得たいだけなら、わざわざ外国なんかに行かんでも市民図書館に通っていればいいのだ。人間、一生の間に読める本なんて数少ないし、市民図書館に置いてある本をその間に消化しきるなんてことはよほどテキトーな読み方をしなければまず不可能である。そもそも本がそんなに好きならあんな本を新聞紙扱いするような狂った乱読はせずに、お気に入りの本をじっくり読むと思うのだが……。もちろん、言ってしまえば、この作品はライトノベルなので、キャラの中身よりも設定が先行しているんだろうけども、それならそれでそれなりに説得力のあるキャラ造形をしてほしいのである。

No.9 6点 虫暮部
(2015/01/29 20:24登録)
 風雲急を告げた栞子さんと母と五浦の有様からは目が離せない。が、各話のミステリ要素が栞子さんストーリーの単なる賑やかしのように思えてしまうのは困った。“本を巡る謎”という縛りがパターン化を招く制約になっていないか。でもそれがないと栞子さんのキャラクターは成立しないかなぁ……。
 ところで、直筆だからって作家の草稿をありがたがる気持が判らない。書道や絵画じゃないんだから。文章によるコンテンツはいくらコピーしても本質は変わらないじゃないか。

No.8 6点 ボンボン
(2015/01/11 08:17登録)
物語としては、まだ道の途中という状態。このシリーズ、1巻1巻採点する方式がいいのかどうか、分からなくなってきた。
どの話もよく出来ているが、あちらこちらの脇役の人に、「こんな人いるかな」「こんなこと考えるかな」「こんなことやっちゃうかな」というような引っ掛かりを感じることがある。
と言っても、全体としては緊張感があって面白い。

No.7 6点 HORNET
(2014/09/14 13:34登録)
 ミステリ以外はそんなに本を読まないので、今回の話でも知っているのは「ブラック・ジャック」ぐらいだが、そういう自分の知らない本の薀蓄は普通に面白い。栞子さんの母親・家族の謎や、五浦君との恋の行方にどんどん傾倒していくのかと思っていたが、作者の言葉で「いよいよ後半」というぐらいだからゆっくり進んでいくようだ。そういうこともあって、最初のようなリドルストーリー集の色が戻った感じがした。
 一冊の構成の仕方も非常に上手い。作者の力量の高さを感じる。

No.6 5点 ボナンザ
(2014/09/09 17:49登録)
前巻はやや不満だったが、今回は切れ味が戻った。
折り返しということでこれからどうなるのか期待。

No.5 6点 E-BANKER
(2014/07/11 23:25登録)
大人気ビブリオシリーズもはや五作目に突入。
栞子さんと五浦の“仲”は果たして進展するのか、栞子さんの実母にして謎の女性・智恵子との関係は、などなど読みどころ満載の本作!

①「彷書月刊」=古書マニアには必読の雑誌『彷書月刊』。古書店に大量の『彷書月刊』を持ち込んだ後、なぜか再び買取に現れる謎の女性・・・。真相は本シリーズお馴染みの「あの人」の過去が大きく関わっていた! ミスリードの旨さが光る一編。
②「手塚治虫「ブラックジャック」』=パートⅡでは藤子不二雄が登場したが、今回は日本漫画界の金字塔“手塚治虫”が登場。「ブラックジャック」に関する薀蓄に留まらず、手塚治虫の人となりまでも詳細に語られ、興味深く拝読させてもらった。手塚作品には様々な稀覯本があるらしいけど、それは氏の“仕事振り”に起因していたんだなぁ・・・納得。
③「寺山修司『われに五月を』」=詩歌やエッセイ、演劇など様々なジャンルにその才能を発揮してきた“鬼才”寺山修司。知名度の割にはあまり詳しく知らなかった」んだよなぁ・・・。寺山の処女詩集という稀覯本を持ち込んだのは、母親・智恵子の古くからの知人、というわけで、栞子さんは智恵子の影に惑わされることになる。本筋の謎解き自体はやや平板。

以上3編。
作品としては上記の3編なのだが、幕間にはシリーズ全体のストーリーに影響を与えるショートストーリーが数編挟まれ、作者のストーリーテラーとしての才能が遺憾なく発揮されている。
各編のミステリー的な仕掛けはやや小粒なのだが、ここまでくればシリーズ全体が今後どのように進んでいくのか、伏線っぽく語られてきたエピソードやエッセンスはどのように回収されていくのか、そちらの方に興味が移ってしまい、気にならなかった。

作者あとがきによると、「シリーズも後半に入りました・・・」とのことだから、少なくとも数作はまだ続いていくということなのだろう。
栞子さんと五浦の関係にようやく進展が見られた本作だが、まだまだ紆余曲折ありそうな予感。
まぁいずれにせよ、ますます楽しみになった(という感じかな)。
(いつもながら、題材となる古書のセレクトが魅力的だ!)

No.4 6点 まさむね
(2014/04/28 21:39登録)
 人気シリーズ第5弾。
 ラブストーリーとしての割合が高くなってきていますが,スキを突くような第1話の反転や,各短編におけるトリビア的知識などなど,楽しめると思います。
 ちなみに,個人的には「篠川智恵子さんみたいな母親ってあり得る?」とか「いや,そもそも栞子さん的な人って実在しないよね~」とか,気にならないでもないです。この辺の設定をちょっと薄めるのは難しいのかなぁ。

No.3 7点 白い風
(2014/03/21 23:53登録)
流石に今回はミステリより恋愛モードが高かったですね(笑)
話の内容では第二話の手塚治虫『ブラック・ジャック』が一番楽しめました。
1話完結の漫画ならではの話でしたね。
しかし、どの世界でもファン(マニア)は大変だね(笑)

No.2 6点 kanamori
(2014/03/02 20:43登録)
人気ビブリオ・ミステリの第5弾。古書店主・篠川栞子と大輔の関係進展に、裏で古書の謎を演出する母・篠川智恵子の暗躍を絡ませた、3つの”日常の謎”の物語が収録されています。

第1話「彷書月刊」は、古書に関する専門誌を売却のため持ち込んでは買い戻す不思議な老婦人の謎。意外な人物との関係が明らかになるが、それまでのミスディレクションが巧み。
第2話「手塚治虫『ブラック・ジャック』」は、コミック本の稀覯巻を巡るある男性の理不尽な行動の謎。新刊書店でも古書店でもない”書房”はたしかに現代では盲点かも。真相には涙腺を刺激された。
第3話「寺山修司『われに五月を』」は、謎解きとしてはやや平凡ですが、タイトルを本書の主題にリンクさせている点で秀逸。
個々の話は、ミステリ趣向的にマンネリを感じなくもありませんが、プロローグに(中町信もどきのw)ちょっとした仕掛けがあったりで楽しめました。

No.1 7点 makomako
(2014/02/16 12:15登録)
シリーズも7作目となるとだんだんだれてくることが多いのですが、これはなかなかしっかりしています。
 古書を中心とした推理を交えながらラブストーリが展開していくのですが、お話は佳境となってきて次が出ればすぐ買ってしまいそう。
 古書推理としては手塚治虫のブラックジャックが一番興味深かった。わたしの年代はこれをリアルタイムで読んでいるのだが、まさか違ったバージョンが何冊もあるとは知らなかった。コレをかいた時期の手塚治虫の評価が下がり気味であったこともぜんぜん知らなかった。驚きです。

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