夜明けの街で |
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作家 | 東野圭吾 |
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出版日 | 2007年07月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 21人 |
No.21 | 6点 | 猫サーカス | |
(2020/10/14 18:11登録) 結婚して年をとり中年になった主人公は、まさか自分が妻以外の女性に恋するとは夢にも思っていなかった。だが、いつしか相手との距離が縮まり、ともに夜を過ごすうちに、どんどん深みへはまっていく。本作では、さかんに言い訳や口実を探し、謎めいたヒロインに翻弄されつつも不倫にのめり込んでいく。そんな男の心理と行動が見事なまでに描かれている。哀れさを感じる場面もあるくらいだ。と同時に、過去の事件にまつわるタイミリミット・サスペンスとしての意外な展開が加わり、単なるドラマに終わっていない。読み始めると、最後まで一気にページをめくらされる一冊。 |
No.20 | 7点 | 臣 | |
(2019/09/18 10:48登録) 不倫話とミステリーの組み合わせ。 だいじょうぶかな、奥さんにばれないかな、とけっこうドキドキした(笑)。 恋愛・不倫モノはミステリー(サスペンス)に通じるところがあって楽しめた。 中盤ごろのある段階で、○○が探偵役で、不倫関係はこういう結末を迎えるのでは、と予測したが、まさにそのとおりだった。 ただ、真相そのものや、事件において○○や△△、××がどういう立場の人物なのかまでは想像できなかった。 トリックがあるわけでもなく、不手際なところも多々あり、ミステリー的にみればイマイチかもしれないが、面白くするためのプロット作りの巧さは抜群だと思う。 かなり上出来の作品ではないだろうか。 東野さんも素晴らしい恋愛モノが書けるのですね。 女性を描くのが下手だとか、女性の心理がわかっていないとかの声も聞かれるが、これだけ面白ければ問題なし。 クリスティーの男女モノの『ナイルに死す』や『検察側の証人』には及ばないが、こんな風に楽しませてもらえれば、個人的には大満足。 それに復讐物の要素があったのもよかった。 恋愛がベースになっている『容疑者Xの献身』は、マイナス面がどうしても気になって7点にしたが、本作はプラス面だけを見て7点にした。 |
No.19 | 7点 | HORNET | |
(2018/04/07 18:58登録) 昨今の週刊誌記事でのすっぱ抜き攻勢を鑑みると、ある意味旬のテーマ(笑) ミステリの質を求め、しかも不倫モノは読んでいて不快という人には確かに評価が低いかも。自分は、「ミステリの質は求めるが、俗的な話もそれはそれで嫌いではない」ので、なかなか面白かった。 妻に気付かれていやしないか常にビクビクしながら、それでも無茶をしてしまう不倫男性の心理が筆者の筆力でうまく描かれていると思う。もちろん不倫を肯定する気はないが、よくないとわかっていながら欲望に抗えない人の弱さがよく表れている。 ミステリとしてはトリックうんぬんではないが、ヒロイン秋葉の行動動機などの真相が明らかになるくだりはなかなか面白かった。 |
No.18 | 6点 | りゅうぐうのつかい | |
(2016/08/30 18:05登録) 主人公の渡部は、「不倫する奴なんて馬鹿だ」と言っておきながら、些細な出来事から同僚の秋葉との関係を深め、不倫という地獄の底に落ちていく。不倫相手の秋葉は、実家で15年前に殺人事件があり、被害者の妹や刑事から、犯人ではないかという疑いを持たれていることがわかる。事件の時効が近づく中、何の不満もないはずの妻子を捨てて秋葉との愛に走ることができるのか、秋葉が殺人犯だとしても愛し続けることができるのだろうか。主人公の気持ちの揺れや苦悩が描かれている作品だ。 ありきたりな不倫話が延々と続き、それを長々と読まされるのは、正直苦痛であった。東野圭吾作品なので、ただの不倫話では終わらないとは思っていたが、どういうオチになるのかは、最後まで見通せなかった。 作者の作品としては、意外というほどの真相でもないが、秋葉が15年間守り続けた秘密の内容にはひねりがあるし、秘密を持ち続けた理由も斬新。ミステリー的な要素としては、被害者の妹の調査内容や、推理の論理性も見逃せない。 作中に、結婚や夫婦に関する作者の考えが随所に出てくるが、警句的な内容で面白い。この作品のテーマは、結婚とは何か、夫婦とは何か、ということではないだろうか。 最後に「新谷君のはなし」がおまけとして付いているが、新谷君の最後のつぶやきが何とも人間くさい。 どうにもぱっとしない主人公だが、この経験からどのような教訓を得るができたのだろうか。 (ネタバレ) 読み進めていくうちに、秋葉が渡部に意図的に接近したことに気づいたが、なぜ、そのようなことをしたのか、その理由が全く思い浮かばなかった。秋葉の告白によって、その理由がわかるが、これもなかなか面白い。結局、渡部は秋葉に弄ばれただけ。 新谷君が渡部と秋葉の浮気の手助けをしたのは、実は新谷君が有美子と不倫をしていて、自分が有美子と逢い引きする時間を確保するためでは、と思っていたのだが。 |
No.17 | 6点 | 測量ボ-イ | |
(2014/08/30 17:09登録) 氏の作品をそう数多く読んだ訳ではありませんが、これは割 りと珍しいタイプなのでは。 サラっと読めますし、ある意味以外な結末も待っていますしね。 不倫がテ-マだけに、もっとドロドロした話しかと思ってい ました。 |
No.16 | 5点 | Tetchy | |
(2014/08/20 22:46登録) これは世の女性が読めば男に対する嫌悪感が否応なしに増す物語だろう。妻子ある男が自分を正当化して浮気し、不倫まで発展していく様子と、それを上手く隠して家庭を守ろうとする姿に憤りを覚える女性は少なくないだろう。奥さんに罪悪感あるのなら不倫しなければいいじゃん!と本書を読みながら声高に唱える女性読者の姿が目に浮かぶようだ。 さらに火に油を注ぐかの如く不倫相手の派遣社員仲西秋葉が実に都合のいい女性として描かれている。30代、165センチのすらっとした鼻筋の通った眼鏡美人。しかも渡部の家庭を崩すことは考えておらず、週に一度デートとセックスをしてきちんと家に帰すというまさに世の男が理想とする不倫相手なのだ。しかも渡部の奥さんの有美子は夫の不倫を疑っていない(ように描かれている)。 特に渡部の主観から映る有美子の様子は世の女性ならばそんな嘘はすっかり奥さんにはお見通しなのよ!とばかりにすごい剣幕で読んでいるのではないか。 このまさに男にとって実に都合のいい話はしかし最後でどうにか救われる。 だからといって同性である男性が共感する話かと云えば決してそうではない。私はこの主人公渡部の身勝手な言動に終始腹を立てていた。本書はアラフォー既婚男性である渡部の一人称叙述で語られており、この渡部の言葉や思想がいやに断定的でこれが世の中の男性の思いを代弁しているかのように書かれているのが非常に腹立たしかった。 曰く、妻とのセックスはときめきはなく、ただ外的な刺激に反応しているだけ。世の中の夫婦の大多数はもはや男と女ではない。結婚式と結婚は違う。結婚は安心を得るためにし、その安心を得るために払った代償は大きかった。いい母親はかつてのように恋人の対象ではない、セックスしたい対象でもない、かつて愛した女性とは別物。 こうやって挙げていくだけでも非常に失礼甚だしい渡部語録のオンパレードだ。一緒にすんな!と何度も声に出してしまったことか。 また渡部の生活にもリアルさがないのが気になった。建設会社の主任クラスで移動にタクシーを頻繁に使い、銀座や横浜のバーで飲み食いし、さらにはホテルをとって毎週情事に浸るなんて、およそ一介のサラリーマンの懐事情とはかけ離れた生活をしているのが非常に気になった。こんな生活が出来るほど貰ってないだろう。ましてや家のローンも残っているだろうし、そんなときに真っ先に減らされるのが夫の小遣いなのだから、この辺のリアルさに欠ける描写の数々は東野作品らしくなくて非常に気になった。 そんな不快感を終始覚えた本書は最後の事件の真相が明らかになってどうにかギリギリのところで踏み止まってくれた。やはりこれはミステリだった。事件の関係者がたった4人でしかも特に不可能趣味がある犯罪ではないのに、意外な真相と人の心の裏面を描き出してくれた本書はクイーンの後期の作品に通ずるエッセンスを感じたというとほめ過ぎだろうか。 しかしとはいえ、やはり不倫を正当化する男の話は読みたくないものだ。同性としてなんとも情けなくなってくる。 |
No.15 | 5点 | りらっくま | |
(2013/06/22 08:37登録) ミステリーを期待してたら2点。 名に不満のない家庭、よくできた妻と可愛い娘を持ち バッティングセンターでの出会いから不倫にのめり込む 主人公。 主人公の奥さんはいつ頃から気が付いていた?これを 考えると結構おもしろいかも。クリスマスイブには 完全にばれていたわけだが。。。 事件の解決はミステリ通なら平凡ですが、家庭と不倫相手 との葛藤など東野流恋愛物語を楽しむのならあり。 |
No.14 | 7点 | ドクターマッコい | |
(2013/03/05 08:02登録) 主人公と同年代の自分とシミュレーションさせて 楽しめた作品です。 妻の葛藤が描かれているところは秀逸でした。 |
No.13 | 2点 | ムラ | |
(2012/04/01 06:20登録) 主に不倫の話に傾きすぎてイマイチミステリ感が出なかった。 いつもならすらすら読める作者だが、今回はちょっと長く感じてしまった。 なんとなく、聖女の救済を思わせる秋葉。これがガリレオシリーズか、加賀シリーズで占められてたらけっこう楽しめた気がする。 不倫に悩む主人公と、それを客観的に見る加賀や湯川で中和されたら、ひたすら主人公の悩みを見せられるだけの小説にはならなかったと思うので。 話の内容に突っ込むと、せめて被害者の妹くらいは救済してあげればよかったのにと思う。 ただ新谷君と妻の隠された悪意は面白かった。 |
No.12 | 5点 | ミステリー三昧 | |
(2011/04/12 21:19登録) <角川文庫>不倫を題材にしたサスペンス長編です。 不倫相手がもしかしたら殺人者かもしれないというミステリ的要素とその愛人に溺れる愚かな男性の心の葛藤を描いたサスペンス長編です。 ミステリ的要素として「時効を目前に控えた事件」の真相は何なのかという謎がありますが、結局ずっと隠し続けてきた事実が最後に明かされるというだけなので、読者にとってそれが驚きの真相に成り得るかという点がポイントになりそうです。私的には、実際の現場では捜査の網にすぐ引っ掛かって解決しそうな気がして、時効間近の難事件という割には軽い印象でした。時効まで告白を待ち続けた理由もあまり納得できない。そんな辛い思いをしてまで成し遂げる必要があったのか理解に苦しむ。だって15年間でしょ。あまりにも長すぎます。 純粋に小説を楽しむという点でもイマイチです。やはりこの手の小説には修羅場は欠かせないでしょう。女と女の意地とプライドのぶつかり合いのようなドロドロした展開を期待してしまうので、私的には刺激が足りませんでした。円満解決なんてありえない訳ですから、もっとブラックな結末でも良かったんですけど・・・ 不倫をこれからしてしまうかもしれないといった境遇の人が読んで、思いとどまるきっかけになると良いですね。「新谷君の話」も含めて。 |
No.11 | 3点 | くりからもんもん | |
(2011/02/21 11:23登録) あたり、はずれのはっきりした著者のはずれの方。引っ張るだけ引っ張って、おちがあれでは・・・ |
No.10 | 5点 | まさむね | |
(2011/01/12 23:13登録) いやぁー,中盤までの展開&巻末ボーナストラック(?)「番外編 新谷君の話」が怖いのなんのって。 いやはや,下手なホラーなど足元にも及ばないくらい,コワイ。心臓に悪い。 えっ?謎的なことはどうかって?それは東野氏の作品としては想定の範囲内だったので,正直フツウですよ。(すみません。ミステリとしての印象はそこまで。) そんなことより,まぁ,怖いのなんのって…。 【以上,アラフォー男子(妻帯者)の率直な感想】 ちなみに,主人公(男性)もアラフォー。主人公(女性)は30過ぎ。いやはや,リアリティが…怖いのなんのって…。「新谷君の話」なんて,ビクビクしながら読んだんですから。夏に読むべきだったなぁ。涼しくなれそうだし。 注:冷静な書評になっていないことは自認しております。したがって,何の参考にもなさらず,気持ちだけ察していただけますればコレ幸いです。人によっては,全く怖くない作品だとは思いますが。 |
No.9 | 4点 | いけお | |
(2010/08/24 11:05登録) ラストも恋愛っぽい部分も物足りない感じ。 どちらかに偏った構成の方がよかった。 |
No.8 | 3点 | すねいち | |
(2010/08/15 17:02登録) 作者への期待値が高いだけに、面白味も、結末の展開も乏しく、残念な感想だけ残った。 |
No.7 | 5点 | 鷹 | |
(2010/05/08 00:59登録) ミステリーというより、男の狡さ、弱さと、女のしたたかさを描いた作品ですね。 |
No.6 | 2点 | あびびび | |
(2009/09/16 22:13登録) ネタばれ… まさに女性が体を張る物語。しかし、「あなたで良かった」 なんて、本当にいい加減。 東野はすきだけど、その心理には賛同できない。 |
No.5 | 4点 | こう | |
(2008/11/17 00:02登録) 部下と不倫する中年男性の視点で語られる東野作品では珍しい作品でした。「秋葉」という女性を描写するためなのでしょうが結局この作品の真相、動機(?)を踏まえると不倫の描写がやはりくどい感じです。一種のミスディレクションの狙いもあるのかもしれませんがページ配分と狙いが合っていない気がします。 |
No.4 | 5点 | 白い風 | |
(2008/10/30 23:07登録) 東野さんには珍しく(?)恋愛偏重の作品かな。 基本恋愛がらみはちょっと苦手だな、特に不倫は。 時効寸前の殺人事件にからんだ物語・・・でも、この事件のウエイトは小さいかな。 そもそも主人公(渡部)には直接関係ない気もする…。 事件自体の真相もそれを隠し通した事実もちょっと…でしたね。 |
No.3 | 5点 | さとりん | |
(2008/08/13 20:09登録) いままでの氏の作品とは違った方向。 読み始めたときは「うわぁ、、恋愛ものかぁ」と思っていたけど、途中からは「さすが東野圭吾!」と本領を発揮してくれた。 が、いままでのようなどんでん返しがあるようなミステリーではなく、あくまでちょっとドキドキする恋愛小説って感じ。 |
No.2 | 4点 | COBRA | |
(2008/06/13 13:51登録) 東野作品に関しては、 面白いと感じるノルマが高くなってるのはあるが、 最近の作品で唯一、テーマも面白くなかった。 特にいつもバシッと決める落ちが、丸見えなのが辛い。 |