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ミステリの祭典

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ハサミ男

作家 殊能将之
出版日1999年08月
平均点7.22点
書評数137人

No.137 5点 みりん
(2023/01/02 00:11登録)
度々挟まれる医師のユーモアが良い。

No.136 4点 じきる
(2021/06/06 01:53登録)
ミステリの作りとしては丁寧だし読みやすい……が、仕掛けを看破出来てしまったからか、驚きは無かった。個人的にストーリーが退屈に感じられたのもマイナスでした。

No.135 8点 mediocrity
(2021/05/25 02:58登録)
<ネタバレあり>


文庫本で約500頁ほどですが、リーダビリティーは高く、一気に読破してしまいました。序盤で叙述トリックであろうということは想像が付くのですが、具体的にどういう仕掛けなのかは想像しにくかった。真実を知った後でさえ、ちょっと状況を整理するのに苦労しました。二重人格の人間を登場させたり、警察関係者を絡めたりして、複雑にしたのが功を奏したと思います。
このジャンルはヒントを与えすぎてバレバレな上に、それ一ネタしか売りがないものが多すぎると常々感じていたので、この作品は珍しい成功例だと感じました。9点付けたいですが、色々と偶然が重なりすぎているのは否めないので8点で。

No.134 8点 Kingscorss
(2020/08/28 13:20登録)
殊能将之さん、めちゃくちゃ好きなんです。。。唯一著作を全部読了してる著者なんです。もう氏の新作を読めないと思うと悲しすぎる。。。(ノД`)シクシク

さて、メフィスト賞受賞の氏のデビュー作で出世作でもあり、一番の人気作でもあり、代表作である今作。核心的な内容は書けないので感想をいくつか。

いや、もう素晴らしい。この手の叙述ミステリーの代表格で、必ず名前の上がる作品。もうプロット自体がすばらしい。文章もデビュー作とは思えない文体で、ひたすら読んでて引き込まれます。未読の人はレビューとか絶対見ずに必ず読んでください!!!

ファンなので個人的には10点あげたいんですが、冷静に分析するといくつか構成上の不備も。。。個人的に気になったのは自殺のシーンの繰り返し(自殺方法が毎回違うのだが)が毎回パターンになってて読んでて飽きてくるのと、最後の真相のシーンがちょっとわかりにくいかなぁーと。

既に色んなミステリーを読まれていると、あまり面白さを感じないかもしれません。今作発表時はサイコパス主人公もこの叙述もわりと目新しかったんですが、20年以上も経過した昨今では似たような設定、トリック、プロットは巷に溢れており、必ずどこかで目にしているはずです。しかし、未読の人は是非、殊能将之さんのセンスに触れてください!

あ、あと実写映画化した関係者の皆さん、猛省してください! ヽ(`Д´)ノプンプン

No.133 4点 雪の日
(2020/04/13 15:24登録)
思っていたほどビックリしなかった。

No.132 7点 レッドキング
(2018/05/21 22:30登録)
残念ながらネタバレ喰らった後に読んだが面白かった。手作りミートパイ自慢の喫茶店マスターとか、本筋とは無関係な部分の描写の細やかな小説って楽しい。

追記:何と映画!化してたの見た。え!どやって?思ったが、なかなかグッドアイデア表現だった。

No.131 6点 ねここねこ男爵
(2017/11/12 23:03登録)
仕掛けやそのための描写がよく出来ている部分と雑な部分が混在していて、相殺してこのくらいの評価。衝撃を味わいたいなら。

コレが流行った時期の作品なんでしょうがないですが、日常描写が延々続く作品は間違いなくコレですねぇ…ワタクシは知らずに読んだのですがすぐに気付いてしまいました。『コレだけ』ではない作品ではあります。

No.130 7点 ボンボン
(2017/10/21 13:24登録)
ミステリとしては、わかりやすくて読みやすかった(ちゃんと騙されるということも含めて)。かなり重度の症状を見せるシリアルキラーの意外に充実した日常とか、鋭い刑事の勘を働かせながら肝心なことを見落としまくる警察とか、シリアスに詰めるところと適当に抜くところが大胆で面白い。もう事件の発端(奇跡の偶然)からして冗談でしょう。前半の主人公にじんわり愛着がわいていたので、後半の状態に慣れるまで少し寂しかったな。

No.129 8点 斎藤警部
(2017/09/06 23:26登録)
こいつオカシイ、医師もオカシイ。死にたいシリアルキラーと警察側のカットバック(●●●●●●)。ところが警察が捜査してるのはシリキの真似した模倣犯の事件。シリキも警察とは別箇に模倣犯を追いつつ自殺トライアルも死力を尽くして律儀に繰り返す。それを冷笑する医師「お前は死ねない」。経緯あって模倣犯事件の容疑でシリキに目を付け始める警察(●●●●)。じっくり読んでる筈なのにハイスピードでページが進んで悔しいこと悔しいこと。お、カットバックご両方の接点が遂に来た、と思ったらあれ、クロスしたまま離れて行っちゃってるじゃん(X型)?! いや、そう見せてやっぱり違うのか(Y型)!?

●●●●●●●●●●が結構長い、しかも意図的に●●●●●●●●●●どっちの●●●●●●●●●●なる●●●●●●●●●●「死の接吻」●●●●●●。

●●●●●●●、マスコミ●●●●●●●●●●●●●●●●設定●●●●●●、アンフェア●●●●●●●●●。

それにしても、こりゃ●●●●●●●●●面白そう(おっとネタバレか?)。
それと、いい文章だね。 云い難い品格を感じます。 タイトルがXTCの曲に引っ掛けてあるのは良かった。アンディ・パート●ッ●が「ノッてるかーい?」とか言ってンのは(わざと書いてンだろうが)引っくり返って大笑いです。

余計な●●●●●●●●●●●●●●、まっとうなサイコキラー警察小説で通したら完璧作になったのに(評価や評判の高低は別として)、と思わぬことも無かったですが、やはりこの●●●●あってこその闇の突出、ひいては作品の突出ですよね。

一人●●●二人●●●上手に●●●●●(片方だけ●●●●●●●●●●●●巧妙)、これぞミス●●●●●●●魂! って感じにキメてくれたのも光ってます。●●●●●や●●●●●●を髣髴とさせますよ。
 
しかし最後まで●●●●●●●●●●●●●●●●●●なんて。。こりゃ本作をうっかり「●●モノ」とカテゴライズしちゃう人もいるかも知れませんな(●)。

No.128 6点 邪魅
(2017/03/25 07:23登録)
色物揃いのメフィスト賞の中ではかなり正統派ミステリという感じがしますね

叙述トリックの見本ともいうべき作品
個人的な感想を言うなら、好きな作品ではないです傑作であることは間違いないでしょうね

No.127 7点 takepon
(2016/02/01 00:44登録)
概ね面白かったのですが、2点程苦言を。
1点目はハサミ男の正体が判明した時に『誰?』となったこと。伏線なさすぎ。
2点目は最後のアパートの現場。コードで縛られ絶命した日高の状態を見れて検証すれば、時間的に堀之内が部屋に入って犯行を行うことが不可能とわかるのでは?と思われること。警察は先入観にとらわれ過ぎ?

No.126 6点 パメル
(2016/01/29 15:17登録)
主人公の異常な性格設定がそのままゲームのルール設定に
なっているようなもので感情よりもプロットの興味
ひたすら知的ゲームの面白さを追求した作風
ミステリとして特別に斬新なアイデアや仕掛けがあるわけではないし
作品を構成する一つ一つの要素もありふれている

No.125 8点 tider-tiger
(2015/12/19 10:10登録)
ハサミ男と名付けられて世間を騒がしている連続殺人犯は新たな標的を狙って行動を開始した。ところが、人気ない公園でその標的がすでに殺害されている。しかも、遺体は喉にハサミを突き立てられている。先回りされたうえに真似までされた元祖ハサミ男には正義感などもちろんないが、ちょっと気になるので模倣犯を捜し始めるのであった。

クールな文体は高評価。
細部を大切にしている。
再読した時に新たな風景が見える。
とてもお洒落な小説というのが私の印象です。
最後の二行がかなりベタだが、わざとだろうなあ。
本来の立ち位置は少数だが熱烈なファンがいるマニアックな作家であろうに、なまじデビュー作がヒットしてしまったばかりに黒い仏で必要以上に叩かれてしまったように私は感じた。 
医師に関してやや消化不良(もしくは書き過ぎ)なところと、終盤でなにが起こったのかまるで理解できていなかった磯辺刑事及び、同僚のマヌケぶりはちょっと有り得ないので減点して8点。

連続殺人犯が己の模倣犯に殺害された遺体を発見するというとんでもない偶然をどう評価するか。
→偶然によってプロットを動かすのは感心しないが、偶然が物語の発端となるのはセーフとしたい。いや、セーフというか、この馬鹿馬鹿しさが面白い。

アンフェアではなかろうか。 
→危うい部分はあるも、アンフェアではないと思う。

お亡くなりになってから二年くらい経つのか。寒い時期というのは憶えている。
悲しい。

No.124 9点 ニックネーム
(2015/12/12 23:09登録)
トリック以外も色々面白い

No.123 9点 ロマン
(2015/10/20 14:27登録)
本当に見事に騙されたとしか言いようがない。驚愕の結末というだけでもネタバレになってしまいそうだ。先入観なしに読むことをおすすめする一冊だ。トリックもかなり精緻に練られており、その切れ味は十分である。

No.122 8点 CHABI
(2015/08/06 22:22登録)
大変面白かったです。
上手い!の一言。

No.121 8点 初老人
(2015/01/29 15:38登録)
二つの主たるトリックが使われており、終盤で明らかにされる怒涛の真相開示に読んだ当初は相当の衝撃を受けた覚えがある。
真犯人の印象が薄いのが多少の不満だが、それも含めて作者の計算の内なのだと思えば十分納得がいく。

No.120 6点 ボナンザ
(2014/04/10 17:16登録)
衝撃はそれほどでもないが、仕掛け方は丁寧だ。
タイトルに偽りありかもしれないが・・・。

No.119 7点 アイス・コーヒー
(2014/03/07 17:48登録)
まず、本作は予備知識なしで読むのがベストであり、これから予備知識なしで読みたい方は感想なんて見ないことをお勧めする。

(ネタバレはなし)シリアルキラーが自らの模倣犯を追うという本作だが、そのトリックのうちいくつかはすぐに気付いてしまった。この手法も発表以降十年ほどでかなり模倣されている。しかし、「ハサミ男」の破壊力はすさまじく、最後まで飽きさせなかった。作者の伏線を確認しながら読める、というのもあるがそれだけではない。もっと大きな企てがあちこちで進行していたのだ。そして、再読してみると……文章に秘められた深い闇がみえてしまう。
主人公である「ハサミ男」、皮肉屋で引用癖のある「医師」、どこか読者の目を引く堀之内、事件に翻弄される磯部…人物の関係図がよく出来ている。ちょくちょく出てくる薀蓄は冗長に感じる人も多いだろうが、一応これも重要な点。少なくとも、本作においてはこれにも目を通しておくべきである。
読み終えてみると、やはりこれはサイコサスペンスだな、と思った。結局、ハサミ男の総てが分かったとは言えない。内容が荒削りではあるが、強烈な印象が残った。

(追記)映画「ハサミ男」の方も見てみたが、原作を愚弄している。映像化でトリックを成り立たせるために内容まで改変し、もはや修復不可能の域にまで破壊してしまった。演出も失敗といっていい。やはり紙の本でしか成り立たない設定だ。

No.118 6点 take5
(2013/10/14 00:09登録)
五百頁お風呂で三時間くらい一気読み、確かに面白いけれど、…叙述トリックの華麗さよりも、警察官のやりとりや散りばめられたミステリーネタの方が面白く読めました。
読者の偏見を内省させられる語り手のミスリードなら、やはり私はビル・バリンジャーの「赤毛の男の妻」です。

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