home

ミステリの祭典

login
巷説百物語
巷説百物語シリーズ

作家 京極夏彦
出版日1999年09月
平均点7.43点
書評数21人

No.21 7点 小原庄助
(2022/12/23 08:46登録)
勧善懲悪の物語と推理小説が合体しているような作品で、しかも怪談仕立ての展開は、その種の噺が好きな人にはこたえられないだろう。
ネタになっているのは、江戸後期の竹原春泉が描いた「絵本百物語―桃山人夜話」。もちろん、これを知らなくとも十分楽しめるが、知っていればもっと作品を楽しむことが出来る。しかも手回しよく、京極夏彦たちによって図面と現代語訳が、図書刊行会から刊行されている。
江戸中期ころまで、「百物語怪談」と呼ばれる形式の説話集がたくさん刊行されていた。数人のものが集まって一晩で怪談を語り合い、それが百物語に至ると怪異が生じるという伝承があるが、この形式を借りてたくさんの怪談を集めたものである。
ところが江戸も後期に入るとそれが廃れて、逆にたくさんの種類の妖怪の絵のほうが人気を博すようになる。鳥山石燕の一連の妖怪図絵がその代表である。だが、この種の図絵はいったいいかなる妖怪なのか、どうしてそのような名がついたのかといったことが、ほとんど記されていない。そこで研究者があれこれとその素性を調べることになる。ところが京極は、こうした調査結果を読むだけでは満足せず、その絵に合うような新たな物語で彼の想像力で作り上げようという野心を抱いたのだ。つまり、妖怪絵の背後に許しがたい残虐な殺人事件を幻想し、山猫廻しのおぎんとか行者の又市、百物語の収集家の百介たちが、次々に解決するわけである。その解決方法が手が込んでいて面白い。
古い百物語が、京極夏彦という作家に出会うことで、また新たな百物語が紡ぎ出される。これからも次々に妖怪たちが蘇ってくるだろう。

No.20 7点 じきる
(2021/10/11 21:39登録)
時代小説風の怪異譚ですが、ミステリに通ずる仕掛けの要素も楽しめます。又市一味のからくりに毎度唸らされました。

No.19 5点 いいちこ
(2018/12/07 20:15登録)
短編であることを差し引いても、作品に奥行き・重厚感・リアリティが不足しており、この評価

No.18 7点 TON2
(2012/11/05 21:16登録)
怪談・怪異のように見えて、それは計算されつくした小股くぐりの又市たちの仕業。
作者のスーリーテリングのすごさを感じます。

No.17 5点 ムラ
(2012/03/11 08:31登録)
嗤う伊右衛門から登場の又市
最初は同一人物かわからなかったけど、最後の帷子辻での語りと落ちで確信に至った。
妖怪を語る仕置き人みたいな感じでどれも楽しめた。一番好きなのは最後がしんみりとする帷子辻である。

No.16 8点 E
(2010/10/02 10:25登録)
最後に明かされる仕掛けのからくりを読むたびに「すごいなー頭いいなー」と馬鹿丸出しの感想が浮かぶ自分;
登場人物達も良く描かれていて、読み進めるのが楽しいです。

No.15 6点 メルカトル
(2010/07/25 23:30登録)
読み始めた時は「おおっ、これは」と確かな手応えを感じたのだが、そのワクワク感は第一話に留まってしまった。
時代小説風の文体には違和感を覚える事はなかったが、どうも何か物足りなさを感じた。
これも期待の裏返しなのかも。

No.14 8点 itokin
(2009/11/11 10:22登録)
特異な怪談物の民話をミステリー仕立てにし登場人物、文体等話の進行にマッチした語り口はさすがです。いつもながら京極ワールドに引きずり込まれました。

No.13 8点 おしょわ
(2008/03/12 21:55登録)
今更ではありますが、すべてここから始まっているというのを鑑みてこの作品の重要性が際立ちます。
純粋に面白いし、その後の「続」「後」「前」へのつながりがすばらしいです。

No.12 7点 dei
(2007/09/06 21:41登録)
一話目を読んだときにはページ数からは考えられないほどの濃密な世界におどろいてしまったが、やはり全体としてワンパターン化したことは否めない。
正直、ただの妖怪小説かと思っていたので、ミステリ要素と妖怪話を巧くかみ合わせたのはさすが。
迷ったけど8点つけるほどではないかな。

No.11 8点 vivi
(2007/06/06 00:55登録)
文句無く、楽しめる作品ですね。
時代風俗とか、台詞回しとか、最初はとっつきにくいんですが、
慣れるとそれが心地よくなってくる・・・文体の魅力もたっぷりです。
こういう仕掛け話、必殺シリーズみたいで面白いですね。
ある意味パターン化されているのは、パターンの美を解する作者のこだわりかも。

No.10 9点 HATT
(2004/12/12 06:14登録)
作者は頭の良い人ですね。こんなお話が何篇も書けるなんて。一編一編、内容がぎいしり詰まっています。連作短編集として完成度が高いです。

No.9 9点 ai
(2004/01/24 15:27登録)
よても面白かったです!!やっぱり京極夏彦最高!
時代物なのに読みやすく、読後感も良い感じです。
続編を読みたくなりますね。

No.8 7点 一二三
(2003/09/17 16:11登録)
内容は面白いし、9点かと思いましたが、だんだんパターンが固定化してきていたことと、少々ネタばれの感が否めずマイナス2点で、合計7点です。アニメ化の計画が進んでいる模様。期待しています。

No.7 9点 Alice
(2003/08/07 19:11登録)
芝右衛門狸に感動した。

帷子辻も面白かった。

京極夏彦って天才。

No.6 8点 小太郎
(2003/04/20 00:55登録)
一番最初のと、一番最後のは10点。
平均8点。

心の中の叫び、葛藤。
静寂な空気感と、静かに響く音色。
心地よい言葉のリズム。

そういったディテールが
京極作品の独特の魅力です。

個人的には(例えば)
夏目漱石とか、芥川龍之介らと
並び称されるべき文豪だと思っています。

No.5 10点 かつお
(2003/01/22 00:39登録)
単純な勧善懲悪にとどまらない時代劇、しかもキャラ萌えの京極夏彦全開ですね。最後の書き下ろし作品がしみます。

No.4 10点 美来
(2002/06/12 11:59登録)
マイ ファースト 京極です。
ほんとに良くできた話をありがとう、といいたい(^^)

No.3 6点 犬養秋日子
(2002/04/13 10:38登録)
もともと時代物好きなので…長編に比べると読みやすいと思うので他人にも薦めやすいと思うのですが。ドラマは…もう同人誌の様な別物だと割り切ってこの作品に取り組んで見た方が良いかと…。苦笑。でも本当に読みやすくて面白いのは確かです。

No.2 7点 ミコ
(2001/10/19 13:36登録)
何と言っても毎回の決めゼリフがいい。京極作品ならではのクセのあるキャラクターたちが、いい味出してます。

21中の書評を表示しています 1 - 20