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ミステリの祭典

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どんなに上手に隠れても

作家 岡嶋二人
出版日1984年09月
平均点6.60点
書評数15人

No.15 6点 ボナンザ
(2022/02/04 20:30登録)
初期の佳作。派手な仕掛けと演出が見事。

No.14 6点 斎藤警部
(2021/05/14 17:55登録)
「テレビというのは、凄いですね。今の正直な気持ちを言いましょうか。私はね、誰よりも今、テレビを逮捕してやりたい気分ですよ。日本中のテレビを残らず逮捕してやりたい」

スタスタ行ける誘拐エンタテインメント。狙われたのは’80年代中盤女子アイドル。明るくも甘過ぎないユーモア良し。知的スリルでがっちり離さない高速展開に、要所で光るヴァイタルなフェイント。事象の鍵を裏で握ってそうで気になるアーミージャケットの写真家、魅力的です。ヘリコプターと木箱の違和感とか、、じりじり来ます。 終わりが近づいても、真相の焦点が何処に向かうのかなかなか明かしてくれない意地の悪さが最高です。

「どうして、こいつらは、こうなんでもかんでも派手にやりたがるんだ? まったく手に負えない連中だ」 

警察除く登場人物群のグループが、被害者擁する芸能事務所、スポンサー会社、被害者両親の三組を中心に、それぞれ何とも歯がゆい微妙な読者疑惑を継続分担。 最後に来て見事に、或る事をずらしてみせたわけだ。。 そこには微妙〜~な肩透かし的要素もあるんですが。。犯人に多少の唐突感ありですが。。やや呆気なく”詰んだ”かなと思いますが。。誘拐被害者の気持ちが何とも淡泊ですが。。アリバイのアレはもうトリックとも言えないテキトーなもんですが。。それでもこの、最後に視線の先を水平方向に45度だけズラされる感覚はなかなか新鮮。やっとストーリーが落ち着いたかと思ったらコレですもん、最後まで重心ずらすフェイントで抜かれた感じです。 ラストシーン、心理のちょっとした謎?をオープンにして、動きながら終わるのがいい感じです。。

「ただ、オレにはやはり、この事件は根本的なところで狂言臭い感じがしてならないね」 

No.13 5点 いいちこ
(2016/11/22 17:34登録)
う~ん、微妙。悪くはないが良くもない。
多くの登場人物の思惑を絡みあわせ、サスペンスとしての盛り上がりや、プロットとしての妙味を高めている点は買うのだが、その結果として犯行計画の偶然性が高まり、フィージブルでない点が大きな難点。
それでいて、真犯人が思わせぶりすぎて直感的にわかってしまう点や、アリバイトリックの破綻も大きな減点材料。
「あした天気にしておくれ」はもちろんのこと、「99%の誘拐」にも遠く及んでいない印象

No.12 6点 パメル
(2016/02/08 17:02登録)
誘拐犯の仕掛ける数々の入り組んだ計画や
被害者サイドの後手後手に回り翻弄されていく過程が
面白く緊迫感が楽しめる
ただ計画があまりにも危うく現実的では無いところが難点

No.11 5点 蟷螂の斧
(2012/04/03 09:44登録)
構成は良かったし、スピード感もあると思いましたが、読後、感慨深いものを感じることはできませんでした。それは犯人逮捕が意外にあっさりしていたからかもしれませんし、主役がぼやけていたせいもあるかもしれません。犯人の行動でよく解らないものは、警察への通報、ヘリコプターの利用で、必然性を感じませんでした。ヘリコプターは謎のひとつであったのにも拘わらず釈然としないまま終わってしまいました。

No.10 7点 E-BANKER
(2012/03/19 23:42登録)
1984年発表のノンシリーズ長編。
作者得意の「誘拐ミステリー」の秀作。

~多くの人が出入りするテレビ局から、白昼売出し中のアイドル歌手が誘拐される事件が発生する。しかも、その直前この誘拐を暗示する奇妙な匿名電話が警察に入っていた。芸能プロダクションやCMのスポンサーたちの対応、駆け引き、警察の地道かつ執拗な捜査、そして事件の驚嘆すべきトリックまで、リアルに描ききった傑作長編推理~

とにかく「プロットの妙」を感じさせてくれる作品。
こういった「劇場型」の誘拐事件を扱ったミステリーは割と目にするが、ここまで明快で計算されたプロットというのはちょっとないと思う。
事件はいわば「三重構造」になっていて、「誘拐の当事者」=「誘拐を利用した敏腕プロデューサー」=「真のフィクサー」という構造がうまく隠ぺいされ、ラストで収束させる手口が実に鮮やか。

本作のもう1つのうまさが「動機」。
もちろん、誘拐事件の動機だから「金」に決まってますけど、ただ単純な「金」ではない。
これには正直「アッ」と言わされた。ここがプロットの「肝」だよなぁ・・・

作者らしいリーダビリティーと軽いノリも本作の魅力で、とにかく万人受けする作品でしょう。
(さすがに「誘拐モノ」はうまいねぇー)

No.9 10点 モグ風
(2011/12/02 13:15登録)
自分的には99%の誘拐よりもこっちのほうが好み。
誘拐犯の用意周到っぷりハンパないので誘拐が好きな方は必見




(これ以降一部ネタバレあり)
犯人が誰であるかはこのサイトにいるひとなら
途中まで読めば消去法によりほぼ目星がつくだろうけど
この小説はそんなことがどうでもよくなるくらい
ストーリーの巧みさひきこまれる。すばらしい。

No.8 7点 kanamori
(2010/08/25 20:45登録)
タイトルからも「あした天気に..」と同系統のサスペンス小説を感じさせ、そのとおりの身代金奪取の仕掛けと誘拐の目的に意外性を持たせたなかなかの良作でした。
複数の登場人物に色々思惑を持たせた関係で、ごたごたした印象がありましたが、本書も誘拐ミステリの秀作だと思います。

No.7 6点 vivi
(2008/11/11 00:30登録)
プロットや展開は非常に面白かったのですが、
今ひとつ、どの登場人物も印象に残りづらかったかな~と。
一番影が薄いのが、誘拐された女の子ですけど(^^;

真犯人は誰なのか、というより、
作中に展開する綱渡り気味の「計画」が、
いつ、どのようにして壊れるのかが妙味だったかもしれません。
しかし、相変わらずのストーリーテリングぶりです☆

No.6 7点 こう
(2008/10/13 00:14登録)
 作者得意の誘拐もので気に入っています。何故アイドル歌手を誘拐したのか、という謎の答えも考えられていると思います。ただ警察への通報の必然性はよくわかりませんでした。  最後真相がわかる手がかりの部分はそれだけが動機でもいいと個人的には思うくらいで、皮肉な結果を生んで面白いです。あした天気にしておくれのトリックとも一部重なっていると思いますがうまいなと思いました。

No.5 6点 いけお
(2008/09/15 12:07登録)
無駄なくきれいにまとまっている。
シンプルな誘拐もので軽い感じだが、完成度は高い。

No.4 7点 COBRA
(2008/06/16 14:14登録)
最初から誘拐でぐいぐいと。
人攫いの岡島と言われるだけある作品でした。

No.3 7点 VOLKS
(2008/03/12 12:11登録)
さすが誘拐モノを得意とする作者、面白かった。
文庫本で読んだのだが、東野圭吾の解説が笑えて印象に残った。

No.2 8点 深夜
(2007/11/17 21:04登録)
初期の誘拐モノだが、この頃から「人さらいの岡嶋」の本領を発揮していたのですね。個人的には「99%の誘拐」にも引けを取らない良作だと思う。

No.1 6点 760
(2005/05/22 20:33登録)
アイドルタレント誘拐事件ってことで、ちょっとノスタルジックな気分に浸れます。人命よりも仕事命!ってあたりもリアルで良かった。解説が東野圭吾さんなんで、お好きな方はどうぞ。

面白いし読みやすいのですが、読み終わった後の感動はあまり無かった・・・

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