皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
sophiaさん |
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平均点: 6.94点 | 書評数: 370件 |
No.31 | 6点 | あなたが誰かを殺した- 東野圭吾 | 2024/02/20 23:11 |
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腹黒一族の内紛パターン。別荘地で殺人事件が起きて、たまたま居合わせた加賀恭一郎が解決するというようなオーソドックスな展開を思い描いていたのですが、東野圭吾には珍しい凝った構成の作品でした。内容は自分の苦手な時系列パズルだったので、整理していくのがとても大変でした。特に加賀が殺人の順序を4パターンに絞ったところが頭が痛かったです(読了後にも自分で改めて検証してみましたが、他のパターンもある気がして釈然としませんでした)。結局時系列を完璧に把握することは諦めました。その論理正しいの?と思うところも多く、緻密なようでいて粗い作品だと思います(阿津川辰海の「蒼海館の殺人」のような)。それでも節目節目で一癖も二癖もある登場人物たちの正体が暴露されていくという趣向があり、引き付けられたので何とか挫折せずに読めはしたのですが。事件解決後にとある登場人物の独白で語られる後悔がよかったです。ところでこの作品はタイトルだけ見て例のシリーズの第3弾かと思っていましたが、クイズ形式でない以上は別物と捉えるのが妥当でしょうか。 |
No.30 | 7点 | 人魚の眠る家- 東野圭吾 | 2021/06/16 00:04 |
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脳死と植物状態の違いも分かっていなかった私ですのでこの作品は大いに勉強になりました。目次の各章サブタイトルで物語の大まかな流れが分かってしまうにも関わらず、続きが気になって一気に読まされるのはこの作者の力だと思います。ただし、中盤の募金活動のくだりはサプライズを狙い過ぎたあまり本編から浮いてしまった気がします。あれがないと大方の予想通りの起承転結になってしまうので、アクセントの意味でも入れたくなる気持ちは分かるのですが、あの一途な人物がああいう回りくどいことをするのにはやはり違和感がありました。 |
No.29 | 7点 | 祈りの幕が下りる時- 東野圭吾 | 2020/06/14 02:09 |
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「容疑者Xの献身」と「白夜行」のエッセンスが入っているので、必然的に悪い作品にはなりません。ただし中盤までは刑事たちがひたすら聞き込んで回るだけの展開で退屈に感じました。「どれだけ無駄足を踏んだかで捜査の結果が変わってくる」の言葉通りであります。前作「麒麟の翼」では七福神巡り、今作は橋巡りというものがキーとなり、物語に加賀のホームグラウンド日本橋の地理を取り入れるのが上手いです。
なお、「赤い指」以降色々と後付け設定して、なおかつ松宮というパートナーも出来たわけですが、それと同時に加賀恭一郎という人間が丸裸にされましたので、今後このシリーズがどう展開していくのかが気がかりであります。 |
No.28 | 6点 | 麒麟の翼- 東野圭吾 | 2020/05/26 17:51 |
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スラスラ読めたのですが、真犯人の浮上が唐突に過ぎた感があります。もう少し伏線を張れなかったものでしょうか。悠人の妹の思いもどこへやら。肝心の「麒麟の翼」も×××のタイトルでした、ではねえ。 |
No.27 | 5点 | 赤い指- 東野圭吾 | 2019/04/06 00:53 |
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これはちょっとオチが読めましたかねえ。氏の作品を多く読んでいる人ほど分かってしまうのでは。氏の名作はこの類のものが本当に多いですからね。しかし加賀恭一郎シリーズってシリーズにする必然性があまりない気がします。刑事が主役だから加賀恭一郎にするか、みたいな。そう感じるのはこれまでの作品で加賀恭一郎という人物につかみどころがあまりなかったからですが、この作品では家庭環境を描いたりして人間味を演出しています。これもシリーズを続けていくための布石なのでしょうね。 |
No.26 | 6点 | 沈黙のパレード- 東野圭吾 | 2019/03/02 18:43 |
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ミステリーランキングで高評価なのでかなり期待して読んだんですが、意外と大したことない?多くの人を巻き込んだせいで、犯行の工程が無駄に細かくなっています。アリバイトリックはあれで成立しているんですかねえ。その気になれば別のところからも調達できるような物をフェイクに使うことが有効なのか。歌手の卵の凋落の経緯は陳腐ですし、登場人物のキャラ造形も類型的で没個性。こういうところは初期の作品の頃から変わってないですよね。終盤の囚人のジレンマ的なところは少し面白かったです。まあそこだけですかね。 |
No.25 | 6点 | 黒笑小説- 東野圭吾 | 2017/08/14 22:59 |
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「怪笑小説」「毒笑小説」を読んだのがもう10年以上前のこと。久しぶりにこのシリーズに手を出しました。
エンタメに徹していた前2作とは異なり、作者の欲求不満解消や出版業界に対する鬱屈した感情のはけ口になってる作品が多い感じがします。どちらかと言えば「超・殺人事件」とかの方に近いかもしれません。 「臨界家族」と「選考会」でプラス1点しておきます。このシリーズはどうも6点ぐらいの評価になっちゃいますね。ワーストは「ストーカー入門」ですかね。 |
No.24 | 6点 | パラレルワールド・ラブストーリー- 東野圭吾 | 2016/06/24 21:19 |
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タイトルの付け方絶対間違ってると思う。
内容は未来版の「こころ」と言ったところでしょうか。 |
No.23 | 7点 | トキオ- 東野圭吾 | 2016/05/31 22:48 |
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最後の一行のための作品。
そこで感動できなければアウト。 文庫化に際して「時生」と改題して正解だと思います。 |
No.22 | 9点 | 容疑者Xの献身- 東野圭吾 | 2016/05/04 03:54 |
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天才数学者が人の心は計算できなかったという悲劇を描いた作品。
警察の身元確認が杜撰なのはご愛嬌。 しかしこういう「芝居でした」的なギミックが好きですよねこの方は。 |
No.21 | 4点 | さまよう刃- 東野圭吾 | 2014/05/21 23:00 |
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ひねりがなく、人間描写も浅い。
こういうストレートな社会派作品には向いていない。 作中に何かギミックを仕込まないと読めない作家なのかなと思う。 |
No.20 | 8点 | 悪意- 東野圭吾 | 2014/05/19 22:39 |
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最終章が素晴らしい。
太宰治の名作「駆け込み訴え」を読んだときのようにゾクゾクした。 一人の人間の発言しか書かれていないが、そこにもう一人いることが鮮明に感じられた。 最終章のためだけに書かれた作品と言っても過言ではないほど。 トリックのひとつに法月綸太郎「頼子のために」と同じ物がありましたね。 |
No.19 | 6点 | 幻夜- 東野圭吾 | 2014/04/13 18:18 |
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これはちょっといただけない。「白夜行」と同じ人が書いたとは思えない。もっとも私みたいな人のために続編なのか否かを曖昧にしたのかもしれませんが。それを「逃げ」と捉えるのは厳しいでしょうか。 |
No.18 | 7点 | 新参者- 東野圭吾 | 2014/04/13 17:06 |
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このミス1位だったので読みましたが、ちょっと期待外れでした。こういう各章リンク系には「白夜行」という超大作があるので、それに比べるとどうしても小ぢんまりとした印象になってしまいます。 |
No.17 | 4点 | 手紙- 東野圭吾 | 2014/04/13 04:51 |
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ただ説教臭いだけの作品。
しかもこの作品を通して著者が言いたかったことは、ちょい役のおじさんの口から全部語られる。 「さまよう刃」といい、社会派作品には向いていないのでは。 |
No.16 | 10点 | 白夜行- 東野圭吾 | 2014/04/13 04:30 |
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この作品を読んだのはもう10年以上前になりますが、今まで読んだ全ミステリーの中でも屈指の作品です。
東野圭吾の作品は相当読んだのですが、この「白夜行」だけ別人が書いたのか?と思うほど人物描写がリアルで、筆力が抜きん出ています。 長いので数日かけて読むつもりだったのが、つい夢中になり一日で読んでしまったことを覚えています。今後こういう作品に出会えるのでしょうか。 |
No.15 | 7点 | 魔球- 東野圭吾 | 2005/02/19 17:51 |
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初期の東野作品の中では高い完成度だと思う。
ただ犯人の身勝手さがどうしても気になる。 犯人の関心事は自分の家族のことだけで、死を選んだのも真相を闇に葬るため。 被害者や遺族に対する謝罪の気持ちが微塵も感じられない。 それを「家族を守った」という美談のように仕上げるのはどうかと思いました。 |
No.14 | 5点 | レイクサイド- 東野圭吾 | 2005/01/18 02:53 |
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お受験の世界を悪し様に描き過ぎで、ちょっと気分が悪くなりました。
キャラの描き分けもあまり出来ていず、内容も薄っぺらい。 |
No.13 | 5点 | 宿命- 東野圭吾 | 2004/10/01 01:10 |
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う〜ん、読んでから1年くらいしか経ってないんですが、
主要人物2人が○○だったということ以外何も思い出せない作品ですね。 |
No.12 | 4点 | どちらかが彼女を殺した- 東野圭吾 | 2004/09/23 22:15 |
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思いっきりネタバレします
犯人を特定する根拠が説得力に乏しいです。薬袋が○手で破られていたから○利きの人間が犯人であるとどうして言えるのでしょうか。偽装工作の可能性が排除できないと思うのですが。結局この作品のテーマは「作者の用意した答えは何か」であって、なぜ読者が作者の意図を斟酌しないといけないのかという釈然としない思いでいっぱいです。さらに文庫版では難易度を上げるためにとある描写を伏せたそうですが、そのような方向からの推理は作品世界から逸脱してしまっていて好きではありません。 |