皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
|
レッドキングさん |
|
|---|---|
| 平均点: 5.30点 | 書評数: 1030件 |
| No.970 | 4点 | ネヴァー・ゲーム - ジェフリー・ディーヴァー | 2025/08/27 05:02 |
|---|---|---|---|
| コルター・ショウシリーズ第一弾。懸賞金付き行方不明捜しを生業とする、賞金稼ぎコルター・ショウ。リンカーン・ライムの科学分析や、キャサリン・ダンスの表情仕草透視に相当するショウの「武器」は、判断岐路の際に諸可能性を「%」で見積もる「確率」、これが、意外と説得力ある(だって、当たらなくてもイイんだもん(^O^))。行方不明事件が連続誘拐、殺人事件へと発展し、おっ、ハードボイルドパターンに縮む?思わせ、そこはディーヴァー、巨大ゲーム産業の闇とを繋ぐツイスト展開。が、敵役「ゲーマー」がチト期待外れ・・「ねずみ男=ΘτΘ=」言うのがシリーズラスボスらしい、で、オチはクリスティ特許(多分)の有名古典ネタと「エンプティ・チェア」の複合技であった。相棒となる黒人レズビアン刑事のキャラがよい。
※2025/10/12 追記。「ファイナル・ツイスト」読んだ。「ねずみ男」、ただのサブキャラだった。 |
|||
| No.969 | 3点 | 動く標的- ロス・マクドナルド | 2025/08/24 22:11 |
|---|---|---|---|
| リュウ・アーチャーシリーズ第一弾(処女作ではないらしい)。行方不明捜し → 身代金誘拐事件 → 殺人事件とアクション → 劇画風どたばたツイスト・・絵(銭湯ペンキ絵)に描いた様なハードボイルド。ハンフリー・ボガードしかめ眉ヅラとも、「さむけ」アーチャーとも違う、痩身・繊細キャラのプロトアーチャー。「小さな危機が好きなんだよ・・支配できて、手なずけられる、チッちゃな危機がね」・・ゴルゴ系コワモテ役者よりも、大泉洋・堺雅人あたりが似合いそ。 | |||
| No.968 | 7点 | ビター・メモリー- サラ・パレツキー | 2025/08/18 22:03 |
|---|---|---|---|
| ヴィクシリーズ第十弾。キンジーシリーズ”E”の巻同様、保険金詐欺事件が主幹。が、そこは、グラフトンに比べて重層的なパレツキー、旧ユダヤ難民の失われた過去探求譚が隣立し、ユダヤ人問題(欧州での迫害)と黒人問題(米国での差別)が背景を成す。E・トッド言うところの「黒人を向こう側に疎外する事によって、ユダヤ人を(欧州とは違い)こちら側に許容した米国」の深刻なディレンマ。もしかしたら、" 日本人(および東アジア人)を疎外する事によって、黒人を仲間として許容した ”てなパラレル別歴史も有り得たかもしれん米国。さらに、「催眠療法による抑圧された忘却の追想」 vs 「誘導により虚構された偽の追想」論争のテーマまでが重層し、すごいなぁ、サラ・パレツキー。たんなるハードボイルドを大きく超えちゃってる。 | |||
| No.967 | 5点 | 証拠のE- スー・グラフトン | 2025/08/14 00:29 |
|---|---|---|---|
| キンジー・ミルホーンシリーズ "E"の巻。今回の話は、火災事故調査という、ごく普通の探偵仕事が、「保険金詐欺共謀」冤罪の罠に巻き込まれ、自己防衛の為、真相究明に東奔西走するヒロイン・キンジーの冒険譚。一証人とコンタクトする為にさえ、合法・違法・脱法・寝技・足技とり混ぜ、惜しむことなく多投する、その細やかな探偵技法の描写が良い。トビキリ美男の前夫へのビターな塩対応だが、" 美しい男は、ゲイか、どうしようもないナルシスト "はチトへんけんでね? | |||
| No.966 | 7点 | 文学少女対数学少女- 陸秋槎 | 2025/08/10 22:02 |
|---|---|---|---|
| 数学の天才女子高生と、校内誌編集長女子高生の、ミステリを「めぐる」、ミステリに「関する」、作中作付き短編集。
「連続体仮説」 たとえば、「もしAが犯人ならばAはXを行う必要がある(ない)」てなロジックだが、Aが「必要」という価値判断に従うか否かを決定する公理はない。さらに、どう見ても「無意味」な行為Yや、己に不利となる行為Zを、「Aが行うはずがない」という合理的判断さえ、それを保証する公理はない。名作「シャム双生児の謎」や「スイス時計の謎」、青崎有吾はじめ我が国の若手ロジック名手達も、結局のところ、そうである様に、ミステリ小説(=公理体系)における最終結論は、作者次第=言ったもん(書いたもん)勝ち。で、「数学は自由である・・」 8点。 「フェルマー最期の事件」 結論が正解ならば、そこに至る証明手順に瑕疵があっても "That’s OK、It’s OK "。もしかして、ファイロ・ヴァンスの「現象学的本質直観(ハイデガー言うところの ” 己自身を現す者を、それ自身の方から語らしめる ”)」の方が、クイーン以下ロジックによる論証より「手堅い」のかもしれん・・ほんとか? ※その結論の証明の完成を、遥か数世紀後に委託して、数学はそれで良いとして、ミステリ小説は、作者=神が作中でお墨付きを与えて、なお良いとして、これを、現実の犯罪に当てはめた場合、近代司法の証拠と論証による裁判より、江戸奉行おかっぴきの「勘と見込みと拷問」の方が「手堅い」てな結論に(;゚д゚)・・・ 5点。 「不動点定理」 ん? 結果の存在は証明できても、そこに至る過程は証明不能て・・・採点不能。 「グランディ級数」 探偵の数以上に「正解」のあるミステリテキスト。なんちゅう「メルカトルかく語りき」 8点。 ※この作家、中国では理系育ちだったんかな(たしか、古典文献学畑だった様な)。「メルカトルと美袋のための殺人」「メルカトルかく語りき」を継承させたら、結局こういう事にならざるを得んよなぁ。もしかしたら、理系(て言うより「数学系」)の人には書かせない方が良いのかもしれん、ミステリ小説。(ワルいな、麻耶) |
|||
| No.965 | 8点 | 雪が白いとき、かつそのときに限り- 陸秋槎 | 2025/08/05 22:24 |
|---|---|---|---|
| ミステリマニアの生徒会長女子高生と、人生を半ば諦めたシニカルな図書室女司書の、ライトでニヒルな応酬で進行する、5年を隔てた二つの・・瓜二つの様で似て非なる・・女子高生「密室」殺人事件の解明。中国の・・現在は日本在住らしいが・・クイーン(精密ロジック)麻耶雄嵩(偏執ロジック)にして、クリスチアナ・ブランド三津田信三(ダミー解決波状展開)。しかも、密室トリックに絡めたロジック展開、いいねぇ。「虚無への供物」匂わせるホンノリとアンチミステリな「アマデウス」的動機。エピローグで、あれ?メタ飛翔(=本格的アンチ逃避)しちゃう?訝らせておいて、ちゃんと、フィクション土俵に留まるところも、また、よし(ところで「秋槎」って男女共有名なのか?)。これを、麻耶雄嵩以下、日本の新本格・新々本格・ポスト新本格の作家達が書いていたら、絶対、ライトなノベルに仕上げた事だろうに、愚直に、等身大の高校生描写に徹している。(それは良いのだが、和訳の「~なの」「~だわ」女言葉が頂けない。サラ・パレツキーの訳でも思ったが、彼女たちには「~だ」の男言葉で喋らせてほしい。)
犯人特定の「必要条件=(Aであり得る)」と、「十分条件=(A以外あり得ない)超えて(notA は在り得ない)」の明晰判明な識別。ミステリにおける「密室」存在の愚直な認識もGoodで、断固点数オマケしちゃう。 ※X-Japan、AKB、森高千里ともかく、森田童子「僕たちの失敗」まで出て来るとは・・・(^^♪ |
|||
| No.964 | 5点 | 同志少女よ、敵を撃て- 逢坂冬馬 | 2025/07/30 22:24 |
|---|---|---|---|
| 「史上最も凄惨な地上戦」独ソ戦を舞台に、ソ連精兵の狙撃手少女をヒロインにした戦争小説。大岡昇平「野火」やノーマン・メイラー「裸者と死者」より面白く、「ベルセルク」や「クレイモア」、「進撃の巨人(イェーガー!)」や「キングダム」と比べてさえ、さして劣ることなく面白かった。
「アガサ・クリスティー賞」受賞作とか。(そんな賞、あったんだね、知らなかった。クリスティーの名を冠してるって事は、やっぱり「ミステリ作品」対象にしてるのかな・・) ※NHK「映像の世紀」で、ちょうどこの独ソ戦テーマの作品が放映されてた。小説にも登場するニキータ・フルシチョフや、女兵士(あれ、リュドミラ?)らしき映像も映っていて、なんか「感無量」に・・・。 |
|||
| No.963 | 7点 | ヴェネツィアで消えた男- パトリシア・ハイスミス | 2025/07/27 22:39 |
|---|---|---|---|
| 謎の自殺を遂げた女流画家。遺された父親と夫の間の、ありきたりにして不可解な確執。シニカルな冷笑の次の瞬間に訪れる忿怒・・古代支那なら「怒髪衝天」と表現した様な・・忿怒。およそ和解など考えられない確執の情念の行き着く先は・・・。
” 愛とはエゴの贈り物であり、それに返礼してくれる者か、最初から見返りを期待しない相手にのみ投げかけるべき物 ”・・うーん、何という哲学的真理の文学的表現・・パトリシア・ハイスミス、やっぱ、すげぇ。ミステリどころかサスペンスさえしてないが、点数大オマケ(こんなのばかりだナ、チト抑制せねば) |
|||
| No.962 | 5点 | 欺しのD- スー・グラフトン | 2025/07/20 23:19 |
|---|---|---|---|
| キンジー・ミルホーンシリーズ "D"の巻。「欺し=D(ダぁ)マシの"D"」ね(いろいろ無理あるが)・・原題は「"D" is for Deadbeat」 = 「D(ダぁ)めクズの"D"」ってとこかな・・。半浮浪者・半詐欺師の様な男からの仕事依頼 → 依頼人の怪死 → 事件究明へ物語ツイスト → 過去譚と連結した事件の真相解明、と起承転結するシンプルなハードボイルドで、ちよっと(ほんのチョビーっと)Whoトリックも付く。米国の底辺クズ白人男女の「細やかな」リアル描写が見事で、ヒロイン自身の半汚れ(と言うより2/3汚れ)語りもよく・・ゴミ置き場トレーラーで暮らすムショ常連男との「f●ck」を夢想し、妻子持ち警官との夜通し「fu〇k」で心身をリフレッシュする、ファンキーなダーティ具合がよく・・今回も点数オマケ。 | |||
| No.961 | 4点 | 読後焼却のこと- ヘレン・マクロイ | 2025/07/15 06:26 |
|---|---|---|---|
| 女流作家が購入し、男女数名の文筆家が間借りする屋敷で起こる喉裂き殺人。読後は焼き捨てる旨の指示がある「ネメシス(復讐の女神)」暗殺提案の手紙断片。もちょっと工夫・・マクロイには無理か・・があれば、「モルグ」「まだら」系(+「バスカヴィル」)新機軸もできたかもしれない、マクロイ最後の作品。
※ヘレン・マクロイ、嫌いじゃないけどなぁ・・もし、彼女が、クリスチアナ・ブランド並みのトリッキーな本格技を兼ね備えてたら、ドロシー・セイヤーズ言うまでもなく、クリスティーどころか、P・D・ジェイムズ位に、好きな女流ミステリ作家だったろうに・・・んな、贅沢言っちゃ、イカン(^^; |
|||
| No.960 | 4点 | 愛しすぎた男- パトリシア・ハイスミス | 2025/07/12 21:00 |
|---|---|---|---|
| 思い込み・独りよがり・発作的凶暴性・・要するに小児的狂気と、見かけの良さ・世間的如才なさ・社会的有能さ、が両立している、そんなストーカー男の悍ましき第一人称(形式は三人称)語り。リプリー始め、こうも、類似傾向が頻出すると、作者由来の"やまい"ではと疑いたくなる位に"病んだ"サスペンス。周りを固める男女ワキ役達も、それぞれに「歪んで」いて、相変わらず露骨な半無自覚同性愛関係も並走している。恐ろしいのは、この物語が、あくまでもサスペンス成立の為の「フィクション」だけとは感じられず、「リアリズムの文学」として、心に手痛く反照してくることだ。
*毎回思う、もういいかな、パトリシア・ハイスミス読むのは・・と。(が、また読むんだなぁ、これが) |
|||
| No.959 | 4点 | ヘルズ・キッチン- ジェフリー・ディーヴァー | 2025/07/08 22:15 |
|---|---|---|---|
| ジョン・ペラムシリーズ第三作。映画ロケ地スカウトマン・・今回はもっぱらドキュメント映画作家役・・が出会う冒険譚も、前二作の郊外田舎町から、ニューヨーク、それも最も「ヤバイ」地区に舞台が移り、ハードボイルド具合もきつくなる。60年代中頃のボブ・ディラン・・プロテスト・フォークを捨て、熱狂的カトリック信者となる以前、猥雑でダーティなブルース・ロックを唱ってた頃のディラン*・・の詩の如く、シュールに歪んだ光景が気だるく語られる。保険金目当て放火殺人容疑の黒人老女を助くべく、探偵でも弁護士でもないのに、不器用に足掻く映画人ペラム。ライムシリーズのダミー敵キャラに相応しい「放火魔」、Who・Why真犯人キャラ、共和党親玉になる前のドナルド・トランプ**のパロディ(「ド悪役」 と「結構いい奴」配合が5: 5) のキャラなど、適役脇役が読ませてくれる。
*65年の「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」は、間違いなく英国パンクの源流。 **まんま、トランプの実名も数か所出て来る。 |
|||
| No.958 | 6点 | 初ものがたり- 宮部みゆき | 2025/07/03 23:19 |
|---|---|---|---|
| 全作、食べ物が「お題」の如くに登場する、江戸ミステリ8:江戸グルメ2配合短編集。
「お勢殺し」 醤油売りの女と色事師の手代、女の本気と男の浮気と江戸版アリバイトリック。 「白魚の目」 供え物の稲荷寿司で毒殺された浮浪児五人。悍ましき事件の驚愕の犯人。 「鰹千両」 ただの鰹刺身を千両(一億弱?)で買うと申し出られた魚売り困惑譚の顛末。 「太郎柿次郎柿」 渋柿と甘柿に擬えた、殺しに至る兄弟の宿業譚。 「凍る月」 新巻鮭の消失と悲恋男女の変容・・嗚呼!! 彼はかつての彼ならず・・ 「遺恨の桜」 菜飯、桜茶、桜餅・・春の江戸グルメと町娘の男捜しとvs 超能力少年対決と・・ ※ミステリ具合ともかく、池波正太郎ばり江戸グルメ描写旨そ。あの浪人屋台の稲荷寿司と柿洋館(羊羹<(_ _)>)、是非、喰いたい。 |
|||
| No.957 | 6点 | 割れたひづめ- ヘレン・マクロイ | 2025/07/02 05:28 |
|---|---|---|---|
| 吹雪の古館、妖し気な男女、幽霊伝説、オカルト儀式、密室殺人・・・おお、カー直球。ちとズッコケな密室トリックまで、ありがちカー。が、男女の「妖しさ」が、カー風どたばたゴシック浪漫に彩られず、変に生真面目にドンヨリとフロイトしちゃうあたり、べりぃマクロイ。あの少年少女の、小鬼風キャラはなかなかヨく。 | |||
| No.956 | 5点 | 本所深川ふしぎ草紙- 宮部みゆき | 2025/06/29 21:31 |
|---|---|---|---|
| 「本所七不思議」(てのあるらしい)を元ネタにした、江戸末期ミステリアス短編集。
「方葉の芦」 殺された守銭奴の大店主と、健気な被疑者娘のキャラ変化譚。 「送り提燈」 驕慢な大店娘の奔放な命令に翻弄される、手代と女中の儚き想念。 「置いてけ堀」 殺された亭主未練を断てない女と、カッパ化物譚の真相や如何。 「落葉なしの椎」 丑の刻に取り付かれた様に店前の落葉を掃き清める娘の謎。 「馬鹿囃子」 人殺し告白虚言癖の娘と顔斬り魔の男の哀しき由来顛末。 「足洗い屋敷」 天女の如き継母に憧れた娘の識る真実。(「火車」「白夜行」の香り) 「消えずの行灯」 亡き娘の身代り謀話が二重三重に転倒して行く苦い譚(ハナシ)。 ※「血みどろ砂絵」みたくは本格してないが、オマケして全体で、5点。 |
|||
| No.955 | 3点 | 魔術はささやく- 宮部みゆき | 2025/06/28 17:46 |
|---|---|---|---|
| 若い美女達の連続自殺事故死。「死者達のミッシングリンクや如何に」が、サブリミナル(むかーし「コロンボ」で教わったなぁ、なつかしや)ネタから、肩透かしな催眠術Howオチへとうねる、プチサスペンスミステリ。竜頭蛇尾だが面白くない事はなかった。※「恋人商法」・・結婚詐欺ならぬ恋人詐欺、要するにソフト美人局・・なんて言葉も懐かしや。 | |||
| No.954 | 6点 | ハード・タイム- サラ・パレツキー | 2025/06/25 22:24 |
|---|---|---|---|
| ヴィクシリーズ第九弾。ヴィクも、もう、齢四十うん歳。終盤の1/3は、獄中記・・と言うより、地獄めぐり冒険譚。「ハード・タイム(珍しく原題のママ)」と言うより、ヘヴィ・タイムな、ヘヴィボイルドで、あんまりミステリとは言えないが、点数、大オマケ・・なーんか、この作家には、点数、甘くなっちゃう(~_~;)・・。 | |||
| No.953 | 4点 | 天久鷹央の推理カルテⅢ 密室のパラノイア- 知念実希人 | 2025/06/17 21:48 |
|---|---|---|---|
| ツンデレ(あってる?)引きこもり女医ホームズと、長身オドオド研修医ワトソンコンビの「医療」ミステリ中短編集。
「閃光の中へ」観た者を自殺に導く呪いのスマホ映像のWhy 「拒絶する肌」男性アレルギー重篤ジンマシンのWhy 「密室で溺れる男」水回り皆無の密室で「溺死」したクズ息子のWhy ミステリを、不可思議(できれば犯罪)現象の「科学」的謎解き、と定義するならば、超常以外の何物でもない現象を、医学によって解明することは、紛れもなくミステリに間違いない。が、解説されて、「へえー」「ふーん」「ほおー」てな納得の医学的因果説明ミステリって、「液体窒素」トリック並みに興ざめやねぇ。ミステリとしては2点だが、ラノベとして実におもろかったんで、点数、2点もオマケしちゃう。 ※今気づいた、これ、シリーズもので、第三弾なのね。 |
|||
| No.952 | 7点 | 元年春之祭- 陸秋槎 | 2025/06/15 01:12 |
|---|---|---|---|
| ついに現る中国のエラリー・クイーン(logic)!、いや、クリスチアナ・ブランド(波状改釈)、いやいや、作者アトガキ*読んだところ、中国の麻耶雄嵩(ちょびっと京極も入ってる)であった。儒教「五経」に屈原「離騒」そして「荘子」・・中国形而上学と、漢美文詩と新本格ミステリの華麗なる織物。堪能せざること能わざる哉。断固、点数オマケしちゃう。
* ” 麻耶雄嵩先生(!)の「隻眼の少女」、三津田信三先生(*_*;)の「厭魅の如き憑くもの」・・この二冊の傑作と出会わなければ、この作品は書けなかった・・・" うーん、大学で古典文献学を学んだ中華人民共和国の学士って真面目なのねぇ、麻耶を「先生」って。 |
|||
| No.951 | 4点 | シティ・オブ・ボーンズ- マイクル・コナリー | 2025/06/10 23:01 |
|---|---|---|---|
| ヒエロニムス・ボッシュシリーズ第八弾。犬が咥えていた物は、二十年前の虐待痕跡のある少年の骨だった。二昔前の少年虐待殺人の、一転二転三転反転Whoダニット。シリーズここまでで、一番、地味で渋い味わいかな、と。ミステリとしては・・・うーーん | |||