皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ サスペンス ] 生者たちのゲーム |
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パトリシア・ハイスミス | 出版月: 2000年12月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 2件 |
![]() 扶桑社 2000年12月 |
No.2 | 5点 | レッドキング | 2025/01/24 22:55 |
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メキシコが舞台の女性惨殺事件で、登場人物は、主役以外ほぼ全員・・探偵警官含め・・メキシコ人。キルケゴール的プロテスタント信仰への絶対的拒否(= 一致)に生きる虚無的な画家と、ラテン系カトリック&ロシア正教の「原罪共産主義」(ドミートリー・カラマーゾフの「誰もが誰もに対して罪びと」のあれね)に溺れる自虐的にして攻撃的な職人。殺された女を愛人として「共有」した(された)二人の魂の、嫌悪と共振の軋轢。イタリアむろんスペイン超えて、どラテン匂うメキシコ風光譚としても、充分に愉しめる。(もちろん、whoダニットミステリでもあるのだが・・そこは、まあ・・・点数オマケ付き。) |
No.1 | 7点 | 空 | 2022/03/08 21:09 |
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ハイスミスのミステリ第5作はメキシコを舞台にした、殺人事件から始まり最後に犯人が判明するタイプの作品です。しかし解説にも「フーダニットの形式」だがそうである「以前に、とことんハイスミスの作品」だと書かれているとおり、謎解き興味はあまり感じられません。読了後最初の方を適当に読み返してみると、作者が伏線など全く考えていなかったらしいと思いました。
被害者の顔が切り刻まれていた理由は、最後にサウサス警部が「見当がついていました」と語っていますが、ミステリ的にはつまらない理由です。また、主人公テオドールが何度も経験する奇妙な出来事については、最後まで説明がつけられないままです。犯人の意外性はなくはないのですが、その明かし方演出には工夫が全くありません。 しかし、これがメキシコだからこその友情ドラマとしては読みごたえ充分になっているのが、ハイスミスらしいところなのでしょう。 |