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[ サスペンス ] 愛しすぎた男 |
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パトリシア・ハイスミス | 出版月: 1996年10月 | 平均: 4.00点 | 書評数: 1件 |
![]() 扶桑社 1996年10月 |
No.1 | 4点 | レッドキング | 2025/07/12 21:00 |
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思い込み・独りよがり・発作的凶暴性・・要するに小児的狂気と、見かけの良さ・世間的如才なさ・社会的有能さ、が両立している、そんなストーカー男の悍ましき第一人称(形式は三人称)語り。リプリー始め、こうも、類似傾向が頻出すると、作者由来の"やまい"ではと疑いたくなる位に"病んだ"サスペンス。周りを固める男女ワキ役達も、それぞれに「歪んで」いて、相変わらず露骨な半無自覚同性愛関係も並走している。恐ろしいのは、この物語が、あくまでもサスペンス成立の為の「フィクション」だけとは感じられず、「リアリズムの文学」として、心に手痛く反照してくることだ。
*毎回思う、もういいかな、パトリシア・ハイスミス読むのは・・と。(が、また読むんだなぁ、これが) |