皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
レッドキングさん |
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平均点: 5.27点 | 書評数: 888件 |
No.21 | 5点 | 死の開幕- ジェフリー・ディーヴァー | 2024/11/09 22:32 |
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ルーン三部作(か?)その二。場末レンタルビデオ屋から、零細ビデオ制作会社に「栄転」したヒロイン。爆破テロ事件に巻き込まれたポルノ女優の死を追って、ビデオ作家への道の夢追い人となるが、同時に、テロ事件に絡んだ、数多の危険を呼び寄せる女探偵の道を突き進む羽目に。いかにも一癖ありそうな容疑者の男達が、三、四いや五人と出て来て、渋い壮年警官とのロマンス道連れに、すっかり、サラ・パレツキー風ヒロインみたいになっちゃった。犯人Who解明ナカナカだが、ツイストエンドは全くの予想通りで、逆に驚いた。
※ルーン三部作その三、「Hard News」の翻訳を希望。 |
No.20 | 4点 | 汚れた街のシンデレラ- ジェフリー・ディーヴァー | 2024/10/23 23:13 |
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ニューヨークのレンタルビデオ屋で働くリベラル・・「リベラリズム(進歩的イデオロギーと社会的エリート臭の混合)」ではなく・・真にリベラル(=自由きまま)な二十歳の娘。夢見がちな娘が出くわした顧客の老人の死。老人が繰り返しレンタルした映画に、宝探しロマンを抱き、乗り出した冒険が危険なサスペンスを呼び寄せる。後のライムシリーズで花開く、倒叙・カットバック手法と、キャラ・設定ツイストが既に先駆されているのみならず、ライム物のテクニカルな彫琢=わざとらしさ、のない粗削りさが逆に魅力的。点数オマケ。 |
No.19 | 3点 | 真夜中の密室- ジェフリー・ディーヴァー | 2023/04/26 21:00 |
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ライムシリーズ第15弾。今回の敵は、どんな錠前も簡単に解錠し、女の部屋に侵入するピッキング達人。ディーヴァーだもの、当然に操り真犯人ツイスト来るけど、分かり易くあっけないネタなんだなァ、これが。さすがにこれでは弱いと自覚したのか、vs「ウクライナから来た暗黒ボス」ネタ付くんだが・・そっちのが面白い位なんだが・・二つのネタ、絡まないんだなぁ、これが。 |
No.18 | 4点 | 煽動者- ジェフリー・ディーヴァー | 2021/05/24 18:12 |
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ダンスシリーズ第四弾。言葉とトリックで群衆パニックを引起こし、凄惨な事故に至らせる美形男。犯人の内面サイコ描写からして、お馴染みのメンヘラ殺人鬼キャラのダミー設定で、さて、今回はどんなツイスト?て思っていたら・・あらら、特に捻りという捻りもなく終わってしまい・・まあ、それが肩透かしツイストだったりして。むしろ、ダンス自身の、捜査官として母として女としてのツイスト展開・・ちと、ご都合よろしすぎるが・・の物語が魅力かと。
原題の「Solitude Creek」=「孤独の小川」、主筋の流れから離れた、日系移民の強制収容所エピソードに関する言葉で、何でこれがタイトルに?て思った。 ディーヴァー、日本マーケットでも意識してんのかな? |
No.17 | 4点 | シャドウ・ストーカー- ジェフリー・ディーヴァー | 2021/05/20 19:22 |
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ダンスシリーズ第三弾。天才シンガーソングライターと彼女に付きまとう超絶ストーカー。歌詞見立て連続殺人?と思わせて、いつものツイスト・・と陽動して、十八番の二重返し・・で終わるはずが、何と今回、驚きの「三重」返し。が、そんだけ、面白いかというと、うーん・・そうでもないんだなあ、ダンスの「透視力」全然冴えないし。
「犯人の名前書いてあんの?」「ジョン ポール ジョージ リンゴてある」・・笑った。 ※ライムトリオがゲスト出演。 |
No.16 | 5点 | ロードサイド・クロス- ジェフリー・ディーヴァー | 2021/05/17 22:59 |
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ダンスシリーズ第二弾。人気ブログのレス書込みでサイコ殺人鬼に仕立られ、逃亡しながら復讐を繰返すオタク少年。「ロードサイド・クロス」て題、何かカーチェイスみたいの連想したが、道路沿いの手作り十字架・・我が国なら路肩の地蔵か野仏・・の事で、犯人のサイコキラー性宣伝の象徴だった。貧困家庭に育ち、スクールカーストでも最下層のニキビ面少年のヒール風味は、「エンプティ・チェア」の「昆虫少年」焼直しで、当然ツイスト展開はミエミエだが、十八番の二重どんでん返しに、ヒロイン母殺人犯疑惑ネタのオマケも付き、期待通りの面白さ。ただ、ダンス「透視力」の必殺具合がいまいち・・・ケムラーともかくベムラーに効かないスペシウム光線て如何なものか・・ |
No.15 | 5点 | スリーピング・ドール- ジェフリー・ディーヴァー | 2021/05/13 17:45 |
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キャサリン・ダンスシリーズ第一弾。脱獄したカルトファミリーのカリスマと手助けする信者の女。対するは、仕草や表情から相手の本性を見抜く「人間噓発見器」のヒロイン捜査官。手に汗握る追いつ追われつのサスペンスで、奥のある人間ドラマもなかなか。でも、ライム物期待しちゃうとねえ。目的‐手段‐主体‐対象の全体性としての物語それ自体を、多重に捻って楽しませてくれるライム「物証分析」推理に比べて、ダンスの「キネシクス」推理、せいぜい、Who(犯人誰?でなく、この人の本性は?)ネタとWhyネタにこじんまり纏まってしまうかな。一つ二つ、模範的古典的な人物トリックあるんだけどね。 |
No.14 | 7点 | カッティング・エッジ- ジェフリー・ディーヴァー | 2021/03/21 15:54 |
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ライムシリーズ第14弾。今回の敵はダイヤ原石へ異常に執着する「約束人」・・ダイヤのカット宝石化への憎悪から、指輪を手にする男女を襲撃する、イカレているが、どこか「人間臭い」猟奇殺人鬼。客観叙述と独白倒叙を交ぜて犯行が描写されるが、こんな単純な進行のまま終わるわけない、どこでどうツイストするんだ?思ってたら・・新エネルギー開発とエコ運動、地震兵器にメキシコ麻薬王ネタと続々出てきて、真の目的・影の主役(分かりやす過ぎ)、さらに裏の裏の目的・真の操り者へと多重に捻って発展して・・見事に収束。
※やっぱり最後に出てきた「あいつ」をここまで完璧なものにして、いつか来るであろう「ライム最後の事件」うまく完結できんのかチト心配。 |
No.13 | 5点 | ブラック・スクリーム- ジェフリー・ディーヴァー | 2021/03/19 13:32 |
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ライムシリーズ第13弾。今回の敵は、犠牲者の声で奏でるワルツを伴奏に、ジワジワと絞殺仕掛けを施すサイコ殺人鬼「作曲家」・・と読者を誘導しておいて、操り者による真のホワイ意図展開へとツイスト・・と思わせて、操り者Bによる別のホワイ企図割込みへと再ツイスト。本拠地ニューヨークからイタリア古都ナポリへ舞台を移し、何でナポリ?目先変え?観光オマケ?と思ったが、そのホワイ展開自体に密接に絡んだ場所なのだった。
※ところでディーヴァー、リベラルとは言え米国白人。難民・テロへのスタンスは、左翼でなく中道左派だった。 |
No.12 | 5点 | スティール・キス- ジェフリー・ディーヴァー | 2021/03/16 18:20 |
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ライムシリーズ第12弾。今回の敵は、家電重機に内在するコントローラーにハッキングし誤作動させ、凄惨な事故を生じさせる殺人鬼「民衆の守護者」。シリーズ中、ウォッチメーカー登場以前の分かり安い展開の倒叙や手記で、スンナリと犯人御用に・・・しかし、いくらなんでもあれでライムものが終わるわけなく、どんなツイスト待ってんのかな、と期待してたら、何か古典的な真犯人操りと叙述トリックおちが待っていた。
※それにしてもディーヴァー、「リベラル派」ての分かるが、「ネーダー風消費者運動」はチト未練かな。 |
No.11 | 6点 | スキン・コレクター- ジェフリー・ディーヴァー | 2021/03/13 20:04 |
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ライムシリーズ第11弾。今回の敵は、骨執着「ボーン・コレクター」ならぬ、皮への執着「スキン・コレクター」。
被害者に猛毒タトゥー施して惨殺する連続殺人鬼。猟奇行為それ自体のホワイ展開が、他の目的のハウへとツイストするのはいつものパターンたが、そのハウが別のハウへと横ずれし、最後は鮮やかにフーダニットへと収束する。 たーだ、「あいつ」による操りってオマケは、さすがにもうクドくて・・・ ※ところでディーヴァー、親「リベラル」ての分かるが、こんな露骨に「宗教右翼」おちょくって、身辺大丈夫か? |
No.10 | 4点 | ゴースト・スナイパー- ジェフリー・ディーヴァー | 2020/09/01 21:36 |
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ライムシリーズ第十弾。証拠と科学分析の四肢(実際は三肢)麻痺探偵と膝関節症の元モデル女刑事コンビが、曰くありげな地方検事の女と組み、挑むのは国家諜報組織とスナイパー。
反米主義活動家、メンヘラ右翼風組織ボス、猟奇的にしてグルメな暗殺者、怪しげな兵器産業経営者などが複雑に絡み合い、当初の見え透いたフー・ホワイダニットテーマが、別のフー・ホワイダニットのハウ=手段にツイストして、おまけに当初のテーマ自体が半ひねりして終わる。 ※シリーズ読み慣れちゃうと、「ああ!○○がピンチ!」てな倒述描写も、どうせカットバックで「大丈夫だったんだよーん」になるの見え透いてしまい・・さすがにチビっと飽きてきた。 |
No.9 | 6点 | バーニング・ワイヤー- ジェフリー・ディーヴァー | 2020/04/07 16:22 |
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ライムシリーズ第九弾。今回の敵は、電力を自由に操り惨劇を繰り返す「電気男」。骨格は〇〇殺人と見せかけた✕✕殺人・・と見せかけた△△殺人、そうDMディヴァイン「五番目のコード」と同じで、ここまでなら4~5点。と見せかけておいて、ボスキャラ「ウォッチメーカー」・・ライムのモリアーティたる・・ウォッチメーカー登場で加点。 |
No.8 | 3点 | ソウル・コレクター- ジェフリー・ディーヴァー | 2020/03/19 22:13 |
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ライムシリーズ第八弾。お馴染み探偵チーム(あの黒人カメレオン男出なくて残念)VS「ソウル=魂」の支配者。「肉体は滅んでも魂は永遠」の魂。魂とは、すなわちデータの集積の事で、「個人なんて生物的歴史的社会的データの結節点に過ぎない。」 てことで、他人のデータに侵入し改竄して破滅させるのみならず、己の殺人さえも冤罪擦り付けする恐怖の支配者。相変わらず倒述・カットバック描写巧みでハラハラ展開面白くあっという間に読めちゃう・・・が、「ウォッチメーカー」の後だと、ジェフリー・ディーヴァーだと・・ハードル上がっちゃうもんな・・・ |
No.7 | 3点 | 12番目のカード- ジェフリー・ディーヴァー | 2020/02/26 11:37 |
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ライムシリーズ第六弾。黒人女高生ヒロインに歴史ミステリを絡めたサスペンス。いつも以上にハッピーエンディングのいい話。「善玉=黒人少女」vs「悪玉=ブラック大企業」てな、いかにもな米国リベラル派風味がちとウザいが。 |
No.6 | 4点 | 魔術師- ジェフリー・ディーヴァー | 2020/02/25 16:30 |
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ライムシリーズ第五弾。原題は「The Vanished Man=消えた男」。右手でヒラヒラ誤導し左手でネタ仕掛ける手品師のウラをかく探偵と、さらにそのウラをかく手品師の虚々実々の駆け引き。読んでて楽しいが、悪役、せいぜい「手品師」で終わっちゃって、とても「魔術師」には見えない。話自体も「エンプティチェア」「ウォッチメイカー」みたいな舞台どんでん返し大技も無く物足りなく。 |
No.5 | 4点 | 石の猿- ジェフリー・ディーヴァー | 2020/02/24 17:06 |
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ライムシリーズ第四弾。蛇頭殺し屋、中国不法移民、中国刑事そしていつもの探偵チームの手に汗握る攻防を、倒叙・カットバック見事に効かせて描いたミステリックサスペンス。唯一のミステリ要素のフーダニットはフーんてな感じで、面白さも「毒猿」に毛が生えた程度かな。 そっか、石の猿って孫悟空か! |
No.4 | 7点 | ウォッチメイカー- ジェフリー・ディーヴァー | 2018/11/02 17:24 |
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ライムシリーズ第七弾。「痩身丸顔ドラキュラ」と「巨漢肥満モンスター」の猟奇殺人コンビ。対するは、「四肢麻痺のホームズ」に「モデル上がり女刑事」さらに「透視力女」を加えた探偵軍団。 メンタル動機の連続残虐殺人をめぐる虚々実々の攻防・・と読者を誘導しておいて、アッと驚く操り及びドンデン返し(ここまでは「コフィンダンサー」「エンプティチェア」の踏襲)・・と思わせておいて、エッと驚く更なる「二重返し」。 ここまで捻るとそれまでの作品のハラハラドキドキ感は薄れるが、限りなく「本格の様なもの」に近づく。今のところ そしておそらく今後もジェフリー・ディーヴァーの最高作ではないかと。(ライムおよびダンスシリーズしか読んでないが) |
No.3 | 6点 | エンプティー・チェア- ジェフリー・ディーヴァー | 2018/10/25 12:07 |
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ライムシリーズ第三弾。現代のホームズvs不気味な「昆虫少年」。根拠地ニューヨークから南部の沼地に舞台を移し虚々実々の追跡劇・・・と見せかけて、アッと驚く舞台どんでん返しで、ホワットダニット物に物語が完結。 |
No.2 | 6点 | コフィン・ダンサー- ジェフリー・ディーヴァー | 2018/10/25 11:52 |
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名探偵vs名殺し屋。かたや科学のシャーロック・ホームズにして究極の安楽椅子探偵、こなたメンヘラのゴルゴ13 手に汗握る虚々実々の戦い・・と読者を陽動しておいてアッと驚く真犯人。どうせ本格物でないんだろうと、素直に読んでたら油断できない作家。「僕は何故あの男に魅せられるのだろう」・・絶妙なるフーダニットの伏線。 |