皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
ALFAさん |
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平均点: 6.67点 | 書評数: 190件 |
No.21 | 10点 | 春にして君を離れ- アガサ・クリスティー | 2024/07/15 09:07 |
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「終わりなき夜に生まれつく」と並ぶ最上のクライム・フィクション。
実はずっと以前に読んでいたのだが、どう評しても言い尽くせない気がして今に至った次第。 二編ともに、自己意識の歪みを描ききった名作である。 |
No.20 | 7点 | 牧師館の殺人- アガサ・クリスティー | 2024/05/02 09:23 |
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本格派フーダニットの見本のような作品。
丁寧に伏線が張り巡らされている。容疑者候補もたくさんで楽しい。 ただ、話者がニュートラルな人物のせいもあって全体に地味。 後期の名作のようなドラマチックな展開はない。 |
No.19 | 7点 | 鏡は横にひび割れて- アガサ・クリスティー | 2023/01/25 11:04 |
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二つの側面を持つ作品である。以下ネタバレ気味です・・・
一面はホワイ&フーダニットの謎解きミステリ、もう一面は女優マリーナ・グレッグの悲劇。 そして厄介なことに前者より後者のほうが圧倒的に素晴らしい。 マリーナは中盤まで登場しないが、周辺の人物たちへの尋問によって彼女の半生が浮び上がる。クリスティお得意の手法。 一方ミステリとしてはシンプルな構造である。メインの殺人は序盤に起こる。あとは尋問が続き中盤は冗長。終盤の事件は口封じに過ぎないと推測がつく。これはむしろ短編向きのプロットかもしれない。 ミステリ部分をうんと軽くしたら、ウェストマコット名義の名作になったのではないだろうか。 |
No.18 | 6点 | 親指のうずき- アガサ・クリスティー | 2023/01/20 11:38 |
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いわくありげな題名よし、曖昧模糊としたストーリーよし、衝撃のエンディングよし。
しかしどうしてタペンスにするかなあ。明朗快活なキャラがチグハグ。 ノンシリーズにして、ほの昏いトーンで徹底すれば傑作サイコスリラーになっただろうに。 |
No.17 | 4点 | 蒼ざめた馬- アガサ・クリスティー | 2023/01/20 09:25 |
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霧のロンドン、臨終の信者の告白を聞き取った神父が殺される。残されたメモには9人の名前が・・・
申し分ない導入部だ。 しかし謎の犯罪組織がちらつきはじめて何やら悪い予感が・・・ ポアロもミス・マープルも「犯罪組織」が出てくる作品は駄作凡作揃い。そして残念なことに予感は大当たり。 突っ込みどころはたくさんあるがなんと言ってもラスボスがショボイ。あの人物の器で精緻な犯罪組織を統括できるわけがない。クリスティの傑作には欠かせない「名犯人」の対極にある。 おそらく、捜査小説形式にして嘱託殺人システムの暴露を最後に持ってきたらマシになったのかも知れないが、それはクリスティの得意とするところではないのだろう。 あえての読みどころは若い探偵役二人の活躍ぶり。トミーとタペンスばりで楽しいが、これもダークな主題と妙にチグハグ。冒頭のバナナ・ベーコンサンドイッチみたい(食べたくない!) まあクリスティ研究でもしないかぎりスルーしていい作品だと思います。 |
No.16 | 5点 | シタフォードの秘密- アガサ・クリスティー | 2023/01/17 15:45 |
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冒頭から降霊会という魅力的なモチーフが出てくる。
しかしクリスティはオカルト方向には向かわないことがわかっているから、その時点で犯人の見当がついてしまってガッカリ。 トリックは日本の風土からすればショボイが英国ではレアだというならまずまず。 でもクリスティ作品に求めたいのは濃密な人間関係の描写やその反転なので、これはものたりない作品だった。 八つ当たり気味に言うと何だか昭和日本のいわゆる「本格」を読んだ気持ち。 でも若い探偵役二人の活躍はトミーとタペンスみたいで楽しい。 |
No.15 | 7点 | ポケットにライ麦を- アガサ・クリスティー | 2023/01/06 09:53 |
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列車での登場シーンから手紙を読むエンディングまで、とにかくミス・マープルがカッコいい。
唯一残念なのは犯人との直接対決がなかったこと。ポアロと違って描きにくいだろうが、ここはやはり一騎討ちで犯人を破滅させてほしかった。 犯罪の真相を把握しながらも自らは動かないある登場人物を描くことで、ストーリーに奥行きが出ている。 過去の因縁話は結構重要なのだが関係する人物の描写が淡白なのは残念。 |
No.14 | 7点 | 検察側の証人- アガサ・クリスティー | 2022/01/27 14:56 |
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同名の短編を戯曲化したもの。
短編の結末にドラマティックな展開を付け加えている。演劇のエンディングとしては確かにこのほうが効果的だろう。 個人的には、最後のたった一行で構図が反転する短編のほうが好み。 ミステリファンならどちらも必読ですが、あまりスレっからしにならないうちに読んだほうがいいですよ。 |
No.13 | 6点 | NかMか- アガサ・クリスティー | 2022/01/24 13:47 |
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〔冒険/スリラー/スパイ小説〕と分類されているのを見て笑ってしまった。
ここはトミーとタペンスシリーズである以上、陽気で楽しいスパイものという無理筋を承知の上で読まなければならない。 したがって、タペンスの先回りや退役軍人のいかにもな放談などを楽しみつつ、作者が随所にちりばめた伏線を拾って読み進めるのがいいと思う。 特に、犯人ならぬ「敵」の正体を示唆するある生きた手掛かりが秀逸。 また本筋とは関係ないが、1941年に発表されたスパイ小説であることを考えると文中のドイツ国民に対する良識ある記述に驚いてしまう。その頃日本では「鬼畜米英」を叫んでいたのだから。 |
No.12 | 7点 | ホロー荘の殺人- アガサ・クリスティー | 2021/01/07 11:35 |
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(少しネタバレ)
定義も曖昧な「文学的」なる語はあえて使わずに、物語として面白いか?というと実に面白い。登場人物の造形はしっかりしている。主要な人物だけでなく、被害者の息子や病気のおばあさんなど、周辺の人物のキャラも立っていて楽しい。 で、ミステリーとしての構成は?というと印象は弱い。傑作「白昼の悪魔」はしっかりとしたミステリの骨格に必要最小限の物語をまとった筋肉質の作品だし、「ナイルに死す」は同じく大がかりな構図の反転を伴った骨格に、芳醇な物語をまとわせたリッチな作品である。それらに比べると、この作品はふくよかだが骨格の弱い人物のようだ。 (弱さその1)シンプルで大胆なトリックは面白いが、犯人のキャラに会わない。このトリックならもう一人の人物にこそふさわしい。 (弱さその2)事後従犯をあえて買って出る二人。キャラは合っているが動機が弱い。犯人を庇うなら犯人へのシンパシーと被害者への敵意が必要だが、一人はどちらも持っていないないし、もう一人は犯人へのシンパシーは単に社交的なものである一方、被害者に対しては敵意どころか深い愛情を抱いていた。たとえ最後に被害者から頼まれたにしても従犯を引き受けるには無理がある。 というわけで、この物語はもともとトリックなしの単純な悲劇にふさわしい構造ではないかと思う。 ポワロの最終盤の台詞「いつかは私のところに来て事実をきくでしょう」で思いついたが、20年後の設定で過去の事件として再構成したらどうなるかな。この話の場合、「五匹の子豚」のように過去の事件を再捜査するポワロのほうが生き生きと描けると思うが。 とはいえ物語として十分楽しめたのでこの評価。 |
No.11 | 5点 | 象は忘れない- アガサ・クリスティー | 2017/04/07 09:14 |
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(ネタバレします)
数あるミステリのおきての一つに「双子を登場させないこと」というのがある。この場合の登場とは終盤になっていきなり、という意味だろうから本作品はルール違反とは言えない。しかし「双子」が決定的な意味を持つことに変わりはない。その意味でトリックの半分以上は最初からバレている。 あとはフ―&ホワイダニットを追って読むことになるが、真相は解き明かされるというよりは、告白によって最後に開示される。したがってミステリとしての緊張感はあまりない。 一方ミステリ風味の悲しい愛の物語として、あるいは「罪とは何か」を問う物語として読むと味わい深い。この視点から見ると評点7。 |
No.10 | 9点 | 白昼の悪魔- アガサ・クリスティー | 2017/04/01 18:17 |
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読後何年たってもこの作品はクリアに思い出せる。一触即発の三角関係、太陽がまぶしいリゾート、個性豊かな登場人物、シンプルで大胆なトリック、そしてトリックよりも鮮やかな人間関係の反転。
どれも「ナイルに死す」と同じ。違いはあちらが情景描写を含めてゴージャスなのに対し、こちらはシャープに引き締まった物語であること。あとは似ている。 真相開示も鮮やか。読者にではなく犯人にレッドヘリングをぶら下げていおいて、いきなり虚をつくやり口は数あるポアロものの中でも最上位の鋭さではないか。 敢えて難を言えば「死体」発見時がきわどいくらいか。 無駄のない本格ミステリのお手本のような作品。 「忘られぬ死」や「青列車の秘密」でもそうだったが、クリステイは似た構成の短編を先に発表している。習作と本画のような関係で、読み比べてみると面白い。 映画版、TVドラマ版ともにストーリーが整理されていて出来はいい。TVドラマ版で、ポアロの名指しを完全な無表情で聞いていた犯人がいきなり襲い掛かるシーンは名演技。 評価はTVドラマ10、映画7。映画はピーター・ユスティノフがあり得ないことと「地中海殺人事件」という改題がアホらしいから。 |
No.9 | 10点 | 謎のクィン氏- アガサ・クリスティー | 2017/04/01 16:37 |
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「愛」「救済」をテーマにした12編の短編集。しかし決してミステリ風味の恋愛小説ではない。12編すべて本格的なミステリの骨格を持っていて当たり外れはない。後の長編に昇華するテーマやモチーフもいくつか見受けられる。
と、ここまでならよく出来た短編集という評価で終わりなのだが、この作品を濃く彩っているのは探偵役二人、クィン氏とサタスウェイト氏。 クィン氏は半ばスピリチュアルな存在として描かれていて、二人の関係はホームズ、ワトソンやポアロ、ヘイスティングスとは大いに違う。普段は社交界のスノッブな老人サタスウェイト氏が、どこからともなく現れるクィン氏に出会った時だけインスピレーションを得て謎を解き明かす。 したがって二人(?)の関係は生身の人間同士というよりは霊と霊媒のようなものか。あるいはクィン氏とはサタスウェイト氏が夢見た理想の自分、若く自由で俗物根性とは無縁の自分自身なのも知れない。 個性の強いキャラ設定だけあって好き嫌いは分かれるかもしれない。しかしいうまでもなく「相性は読者側の都合であって作品の質とは無関係」である。自分の世界観と合わない場合、すぐれた作品であればあるほど論評には客観性と表現力が求められる。したがって極端に好みに合わない場合は論評を差し控えるというのも一つの見識だろう。珍妙な言説を弄して自爆されてもはた迷惑である。 いずれにしてもこの探偵役によって優れたミステリがさらに幻想的な持ち味になった。 クリスティの短編集の中でも「死の猟犬」と並ぶ個性の強い名作。 印象に残るフレーズ 「私はまだ一度もあなたの小径を通ったことがありません」(サタスウェイト氏) 「後悔していますか」(クィン氏) 「い、いえ」(サタスウェイト氏) セリフの持つ象徴性はぜひ本編で・・・・ |
No.8 | 5点 | バートラム・ホテルにて- アガサ・クリスティー | 2017/03/28 18:10 |
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クリスティは「組織」を描くとどうしてこんなにリアリティがないのだろう。個人をあれほど生き生きと描くのに。
古き良き時代風のホテルの役割が面白いのと、セジウィックのキャラが魅力的なのでオマケ。 |
No.7 | 5点 | パディントン発4時50分- アガサ・クリスティー | 2017/03/28 17:53 |
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タイトルからして列車モノかと思いきや、実は館モノ。
オープニングからいきなり事件発生でテンポよく展開する。 ルーシーの活躍も楽しく読めたのだが、最後の解決がミス・マープルが仕掛ける逆トリックだけというのが弱い。 |
No.6 | 6点 | ゼロ時間へ- アガサ・クリスティー | 2017/03/25 09:40 |
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よく出来たミステリはあとから思い出しやすい。トリックだけではなく全体像が。
クリスティでいえば例の前衛トリック三作をはじめ「白昼の悪魔」「ナイルに死す」「葬儀を終えて」など。いずれもシンプルな構成の中に生き生きとした人間関係、精緻なトリック、大胆な反転が仕組まれているから思い返してみても全体像がくっきり浮かび上がってくる。 「ゼロ時間へ」は読後すぐでも、トリックだけが印象に残って全体はもやっとしたイメージになる。つまりすっきりしない。ここはこうで・・・・と頭の中で再整理したくなる。で、その原因を考えてみると (以下ネタバレしますよ) 1.結局これは「未遂事件」だったということ 「いやいや二人も死んでるって。」しかし一人目は単なる口封じ、それに殺人といえるかどうか。二人目は富豪の老婦人、しかも惨殺されるのだから申し分のない被害者だ。ところが読者は最後に、この殺人は本筋のたくらみのための材料に過ぎないこと、そしてそのたくらみは結局未遂に終わったことを知る。 二つの殺人を本命と思って追究してきた読者は最後に微妙な納得を強いられることになる。 2.三つの前振り 本命の犯罪は、被害者を心理的な罠に嵌めて冤罪で処刑するというものだが、この罠は被害者の心理描写だけでは弱い。そのため冒頭に同パターンの話を振って補強しておく必要があった。 やむを得ない前振りだったが、目撃者の前振り、法律家の前振りと重なることで構成は複雑になってしまった。 3.心理的な違和感 細かいことだが、第一の殺人(?)は犯人のキャラにそぐわない。この犯人なら危険な証人を偶然に任せることはしない。 というわけで、ほぼクローズドサークル、いかにもな登場人物、巧妙なトリックのわりに地味な出来になってしまった。タイトルのアイデアは面白かったのだが。 トリックはベタだがよく出来ているので、これを追っていくぶんには楽しめる。 なお、この作品はどういうわけかフランスで映画化されている。往年の名女優ダニエル・ダリューが老夫人を演じていて楽しい。映画の出来はいいが原作に忠実な分、残念なところも同じ。 |
No.5 | 5点 | 忘られぬ死- アガサ・クリスティー | 2017/03/22 11:04 |
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「六人の人間が、この世を去ってやがて一年になるローズマリー・バートンのことを考えていた。」
そして彼女が死んだ同じ場所、同じ顔ぶれでパーティが企画されていることが明らかになる。 いかにも傑作ミステリらしい予感。ところが・・・・ (以下ネタバレですよ) 私は「傑作ミステリに名犯人あり」だと思う。名探偵ではない。真相の解明は普通の捜査官でもいいし場合によっては自白や事件調書でもいい。しかし犯人はしっかりとした存在感がほしい。それも作品全体を通して。終盤にいきなり現れた殺人鬼なんてのはゴメンである。 この作品は構成も見事、トリックも鮮やか。しかし遠くにいるはずの、登場シーンも少ない人物が犯人となっていた。しかも初めから札付きと分かっている血縁。それが変装して主犯だったなどというのは私は楽しめない。 一方共犯者は冒頭から存在感があるのはいいが、冷静沈着かつ有能な人物が一目ぼれで共犯者になるというのも無理がある。叙述できわどく補強してあるが。 二人の動機が片や金目当て、片や結婚目当てと異なっている点も弱い。 同時期に書かれた二編の傑作では、いずれも抜き差しならぬ共犯者同志が一つの目標に向かって突き進む。そして二人の関係性にも大きなトリックが仕掛けられている。 というわけでこの作品は優れた構成、鮮やかなトリック+弱い犯人という、私にとっては決定的に残念な結果になってしまった。 |
No.4 | 10点 | 終りなき夜に生れつく- アガサ・クリスティー | 2017/03/21 10:41 |
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読み終えた感想は「ヤバい!これ反則でしょ!」だった。
「反則」は例のミステリの作法のことではない。作法でいえば私は「オリエント急行」も「アクロイド殺し」も「そして誰もいなくなった」もOKです。 反則とはこの作品が、ミステリの枠を超えて心にというよりミゾオチあたりに「悪を為す人の心」というダークなイメージを残したこと。 「悪」を為す心の弱さ、エゴ、やさしさ、悲しさをリアリティ豊かに、言い換えると意地悪く描き切ることで、読み手の心に自らのものとしてそのイメージが住みついてしまう。 読み手、読み方によってはその毒が効かない場合もある。その場合は純粋に謎解きを楽しむことになる。私の場合はかなり効いた。だからうかつに再読もできない。 普通のミステリは読み手のリアルとは切り離されているから、真相が開示されて解決し、あとは安心して寝るということになるが、この作品の場合そうはいかなかった。 |
No.3 | 9点 | そして誰もいなくなった- アガサ・クリスティー | 2017/03/18 13:18 |
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いわずと知れたクリスティの三大前衛ミステリの一つ。他の二作同様、ネタバレを食わなかった幸運な人だけが人生に一度楽しめる。
展開は邦題通り、猛スピードで次々に人が殺されていく。推理する暇はあまりないから終盤まではミステリというよりスリラーテイスト。 真相は最後に明かされるが、犯人のダークな心象は後期のクリスティ作品にも通じるものがある。 こんな着想を単なるパズルミステリに終わらせない力量はさすが。 それだけでもう満点だが、最後から二番目の「死」を心理的な可能性に頼った点でマイナス一点。 |
No.2 | 9点 | オリエント急行の殺人- アガサ・クリスティー | 2017/03/16 10:57 |
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採点はむつかしい。
とにかくこのトリックを小説化しただけでもう満点ともいえるし、その分犯行のリアリティや、謎解きの楽しさが犠牲になっているともいえる。 でも読まないより読んだほうが「一度目は」思いっきり楽しいのでこの評価。 映像に向いた作品と見えて、映画もTVドラマもそれぞれ名作になっている。 映画はオールスターの演技合戦が見もの。アルバート・フィニー(ポアロ)の速射砲のような尋問を「食い」ながら返していくウェンディ・ヒラー(公爵夫人)の緊迫感あふれるやり取りが印象に残っていたがDVDでは別テイクになっていた。 TVドラマ版は重厚でシリアスな改変は見事だが、一部のキャスティングが物足りない。 追記 ケネス・ブラナーの最新作も楽しい。ジョニー・デップの絵に描いたような悪役がいいし、堂々たる英国紳士になってしまったポワロは笑える。 いずれも評点9。 |