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人並由真さん
平均点: 6.32点 書評数: 2050件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.250 5点 緑の窓口~樹木トラブル解決します~- 下村敦史 2017/11/26 10:06
(ネタバレなし)
「僕」こと24歳の天野優樹は、区役所の生活課に所属。生活保護関連の業務をしているが、ある日、公園の樹木相手に奇行を披露する同世代の愛らしい女性を見かけた。そんな折、天野は、イケメンでさばけた性格の岩浪先輩とともに、環境対策課に新設された「緑の窓口」への転属を命じられる。そこは市民が抱える植物全般とその周辺の問題を解決する部署だった。そしてその業務のなかで天野は、先の女性=樹木医の柊紅葉(ひいらぎくれは)と再会するが。

 専門職の知識や素養がバラエティに富んだ市井の事件やトラブルを解決していく、いわゆる<ブラック・ジャックもの>の連作。新世代・社会派の作者がなんでまたいきなりこんなもん、という感じだが、ご当人や担当編集者的には作風の幅を広げようなどの考えがあるのだろう。
 マジメで愛らしく人間臭いがどっかズレてる紅葉のキャラはこの手の作品としてはスタンダードで、よくいえば安心して読める、悪く言えばあちこちによくある「日常の謎」+専門分野ものの連作のひとつ。
 全6本が収録され、途中から伏線を張られていた紅葉の葛藤にも最終話で決着がつくが、その着地点についておおむねの予想が早々とついてしまうのはなんとも。
 ただ第五話の<植物テーマの連作の一つにそのネタをかぶせるか>という作りなどは、いかにもこの作者らしい手応えだった。

 クラス会に行って帰る電車の中で読んだが、道中のお供にはちょうど良い一冊であった。

No.249 7点 消人屋敷の殺人- 深木章子 2017/11/25 11:34
(ネタバレなし)
 Q半島の軽磐(かるいわ)岬にある旧家の武家屋敷・日影荘。そこは江戸時代、邸内から空に飛び出す人間が目撃されたり、明治初期に十数人の人間が邸内から忽然と消えたりと複数の不思議な伝説を遺す邸宅だった。現在その屋敷は中小出版社・流星社の編集者兼経営参加者の平井の所有物になっている。かたや「わたし」こと女子大生の幸田真由里は、連絡のつかない兄・淳也が、その流星社が抱える大人気の新人合作作家「黒崎冬華」の片方ではないかと推察した。そんな真由里のもとに、その冬華の名で、日影荘にいるので来てほしいとの連絡が届く。真由里は、合作作家・黒崎冬華のもう一方の片割れと思われる文学青年・新城篤史の兄=フリーライターの誠とともに、日影荘に向かうが…。

 今まで読んできた深木作品以上のリーダビリティでスラスラ楽しめる。深夜の寝る前と、明け方の早朝の数時間で早々と読了。もちろんこちらもアレコレ思いを抱きながら読むが…。
 まあとにかく、人間消失の謎をふくめてあんまり語らない方がいいタイプの作品ね。ある程度の予想はつくものの真相の全貌は見破れず、最後まで楽しませていただきました。評点は、最後の一行が妙にエロいので、それも踏まえてこの点数(笑)。

No.248 5点 僕が殺された未来- 春畑行成 2017/11/25 11:07
(ネタバレなし)
「僕」こと21歳の大学生・高木は、同じ大学のミス・キャンパスである美少女・小田美沙希に片思いしていたが、ある日、その彼女が謎の失踪を遂げる。誘拐の可能性もふくめて事件性が高まるなか、高木の前に現れたのは60年後の未来から来たと称する15歳の愛らしい少女・大塚ハナだった。未来人の存在を疑う高木に対して、ハナは翌日の出来事を言い当てて自分の真性を証明。そんなハナは、現在の高木が小田美沙希の誘拐事件に巻き込まれて、彼女ともども近々に死ぬ運命にあると告げた。未来の史実でも殺人誘拐事件の犯人は迷宮入りであり、高木は自分と小田美沙希の命を守ろうと決意。真犯人と事件の真実を探って、ハナとともに奔走するが。

 ほとんどラノベ風にさらりと読めるタイムトラベルSF風の青春ミステリ。正直、ミステリとしてはきわめて曲のない作りで、そっちの意味では思っていた以上に楽しみ所がない。(ちなみに169頁になってようやっと主人公のフルネームが明かされ、その叙述がその後に続く展開は何だかなあ、って感じ。いや最初から明かしていたら読者に気づかれるのはわかるけど、今回の場合、正にその程度のネタだよ。)
 21世紀の現在形青年の高木がごく自然に『101回目のプロポーズ』ネタを口にしたり(こういうのって「いつか再放送で観た」とか入れるべきだよな)、随所の時代感覚も若者向けの作品としてはどうも古い。高木を相手にする同じ対話者の呼び方が特に意味も無く「高木さん」「高木くん」と入り混じるとかのあたりも、作者本人なり編集者なりが最後まで推敲すべきだったんじゃないかと。
 ただまあ主人公の高木とハナ、それからヒロインのキャラクターはそれなりに好感が持てる。タイムパラドックスについてのロジックも特に新しいものはないけれど、丁寧に作中で言及され、その辺も悪くない。昭和の佳作の小品という印象の一冊。

No.247 7点 閉じられた棺- ソフィー・ハナ 2017/11/25 10:40
(ネタバレなし)
1929年10月。「私」ことスコットランドヤードの刑事エドワード・キャッチプールは、高名な児童向けミステリ作家レディ・アセリンダ・プレイフォードの屋敷に招かれる。そこには過日の「モノグラム殺人事件」でともに捜査にあたった名探偵ポアロも招待されていた。やがて未亡人のレディは家族と関係者の前で、自分の莫大な遺産の相続相手を子供たちではなく、秘書の青年ジョセフ・スコッチャーにすると表明した。だが当のスコッチャーは不治の腎臓病ゆえにレディの支援のもと末期治療を受けており、遺産を受け取っても使い道などない身の上だった。スコッチャー当人をふくめて一同がレディの思惑に困惑するなか、やがて邸内では予期せぬ殺人事件が……!

 前作『モノグラム殺人事件』に続く、ポアロの公式パスティーシュ長編第二弾。正直言って前作は作者(ソフィー・ハナ)の独自色が出過ぎた印象で(まあハナ自身の作品はいずれも未訳なので、当然筆者はまだ一冊も読んでないのだが)うーん、ミステリとしてはそこそこ楽しめるものの、クリスティーの作風とは文体も物語の流れもキャラクター描写もかなり違う、という感じだった。
 しかし今回は作者がパスティーシュのコツを覚えたのか、偽クリスティーとしてかなりサマになっている。登場人物たちの余裕のある書き方(自分なりの人生観を創作術に秘めるレディの思いや、警察の対面を考えてやたら現場を仕切りたがるコンリー警部とマジメなその部下オドワイヤー刑事との対比など)も窺えてなかなかいい。終盤の<名探偵、みなを集めてさてといい>パターンを、作者風にカリカチュアした物語の進め方もニヤリとさせられる。
 プロットの割に物語が長めといった弱点があり、文体もまだちょっと生煮え(というかクリスティーっぽい雰囲気と作者ハナ本人の折り合い?)の感が拭いきれたわけではないが、個人的には十分、新生ポアロとして及第点をあげられる出来だ。

 ちなみにミステリ的には、最後に明かされる<なぜ殺したか>の動機の真相が鮮烈。すでにwebやミステリファンサークル・SRの会の会誌(SRマンスリー)のレビューなどで話題になっており、筆者自身もその興味を踏まえて本書を手に取ったが、ああ…と思わされた。そのホワイダニットの解明と同時にタイトルの意味が明かされる趣向も悪くない。ラストのクロージングもちょっと天然な感じはあるが余韻があって良い。これは次作にも期待。

 あと版権的に遺族が承認しないのか、それとも作者ハナ自身の矜持か知らないが、クリスティーの原典からの登場人物がメインのポアロだけというのは寂しいので、できましたらほかのお馴染みキャラクターも登場させてくれませんか。ちょっとだけ名前がいきなり出てくるアンリ・バンコランやシッド・ハレー、明智小五郎や神津恭介みたいなパターンでもいいので。

No.246 6点 白霧学舎 探偵小説倶楽部- 岡田秀文 2017/11/21 10:37
(ネタバレなし)
 国民の多くが米軍の来襲による本土決戦を覚悟する昭和20年の夏。「ぼく」こと、旧制中学四年生の美作宗八郎は東京から疎開して、某県の寄宿舎学校・白霧学舎に転入した。宗八郎は寄宿舎に着くや否や、一つ学齢が上の先輩・滝幸治、同学年の斎藤順平、そして学齢は一つ上だが実年齢はずっと上の奇矯な天才「教授」こと梁川光之助が編成する「探偵倶楽部」に迎えられる。倶楽部の目的は田舎にあるわずかな数の探偵小説の精読と、この地方で実際に数年前から起きている謎の連続殺人事件の解明だった。近所にある一条女学院の気が強い美少女・早坂薫も仲間に加えた一同は、真犯人の正体と事件の真相を探り始めるが、それと前後して彼らの周囲で新たな怪死事件が…。

 作者の今年の新作ミステリ長編二本目。人気の名探偵月輪シリーズは今年は出ないみたいで、その代りに本作と別の時代ものの『帝都大捜査網』を出した。ちなみに筆者は後者はまだ未読。

<太平洋戦争時の一地方を舞台にした青春ミステリ>を謳う通りの内容で、多くのミステリファンは梶龍雄の諸作あたりを思い浮かべるんだろうけど、もしかするとアニメ映画『この世界の片隅に』のヒットにあやかったものかなとも考えた。
 それはともかく溌剌としたキャラクターと時代色、それに現在また新たに生じる殺人事件の謎といった要素の掛け合わせがとてもバランス良く語られる。大技を使った『黒龍荘』の時は見えにくいが、本作や『海妖丸事件』を読むとこの人は基本的にクリスティー的な作風だよね、と思う。ミステリとしてのカードの切り方がよく似ている印象だ。
 そんな事件の真相は、良くも悪くも昭和の国産・佳作~秀作ミステリにありそうな感じで、意外なような、普通に無難な線を狙ったような。ただし大事な手掛かりの大きな一つが真相解明まで伏せられているのはちょっと…という気もしたが、まあ多分それを先に伏線として見せると大方の読者は前もって事件の構造に気が付いてしまうかもしれない。
 口上の通りの<太平洋戦争中の一地方が舞台の青春ミステリ>として佳作~秀作。ヒロインの薫も可愛く、若いうちに読めるなら読んでおいた方がいいかも。

■P177の滝くんの説明のあたりは誤記か誤植だよね。滝が語って、同じ当人がそれを聞いて驚いているので。再版の際か文庫化のときに直しておいてください。

No.245 7点 政治的に正しい警察小説- 葉真中顕 2017/11/20 13:32
(ネタバレなし)
 葉真中作品を一冊単位で読むのは初めてだが、先日楽しんだアンソロジー『ベスト本格ミステリ2017』でのこの作者の短編『交換日記』が秀逸だったので、ほかの作品はどんなかなと思い、まず今年の新刊(文庫オリジナル)を手に取ってみる。内容は全6本のノンシリーズものの短編集で、それぞれがおおむね50~60ページくらい。
 
 以下、簡単に各編の寸評。
「秘密の海」……ミステリ的にはちょっと強引な作り? という気もするが、狙い所はよくわかる。主人公やヒロインの切ない人生も心に沁み込んでくる佳作。
「神を殺した男」……個人的には本書内のベストかな。××の初期短編(特に「××シリーズ」)を想起させる内容と着想で、とても良かった。ただし人によっては、その先行作の影がちらつくのを煩わしく思うかもしれん。
「推定無罪」……短編の紙幅のなかで、読者の興味をあちこちに引っ張りまわすよく出来た話。これ以上は言わない。
「リビングウィル」……ベスト2位はこれかな。読者によって受け取り方が変わりそうで、そこがミソであろう。
「カレーの女神様」……あえてノーコメント。本書の中では相対的に下位に来てしまうかも。
「政治的に正しい警察小説」……小林信彦、中山七里、筒井康隆あたりの<ふざけた毒>をメインに突っ走った一本。形質としては作者自身の自虐ネタにしたところがウマイよね(笑)。

 以上6本どれも楽しく、ノンシリーズ編の短編集のバラエティ感をじっくりと満喫した。ただし文庫の表紙裏の宣伝文句「ブラック・ユーモアミステリ集」というのは、その修辞に該当しない作品もあるのであまりよろしくない。
 あと表紙の頭の悪いカバービジュアルはなんかスキじゃ。このおかげで表題作は、あまりに過激すぎて国会で審議にかけられる警察小説の話かと思った。これも狙ってやっているのか。

No.244 6点 賛美せよ、と成功は言った- 石持浅海 2017/11/18 21:38
(ネタバレなし)
 総ページ数は、新書(二段組み)で約190ページと薄め。
物語の流れも事件の概要もシンプルな造りだが、山場の反転はそれなりに決まっている(最後の真相に至る伏線も張ってあるが、うまいこと読者の目をそらしてある。まあ途中で気が付く人は気が付くかもしれない)。
 このまとまりの良さを「このネタでよく長編に仕立てた」と感心するか、あるいは「しょせんは短編ネタじゃないの?」と見るかで評価は分かれそう。個人的にはなかなか面白く読めた。
 いわゆる「××××」テーマのミステリだが、そっちばかりに気を取られているとスキを突かれる感じで、そういう作風はキライじゃない。佳作~秀作。

No.243 7点 義経号、北溟を疾る- 辻真先 2017/11/16 02:02
(ネタバレなし)
時は明治14年。明治天皇の北海道への来道が迫るなか、現地の北海道では、大開拓使・黒田清隆への遺恨に端を発するお召列車の運行妨害計画が取りざたされる。明治政府の三代目大警視(初代・警視総監)樺山資紀は藤田五郎(旧名・斎藤一)と、元・清水次郎長一家の法印大五郎を探索のため北海道に派遣した。だがそこで二人が認めたのは、先に起きた謎の密室ともいえる状況のなかでの怪死だった。

 文庫オリジナルで刊行された辻真先、今年の新刊。長年付き合った主要なシリーズキャラクターに決着をつけた昨年の長編『残照』が最後の著作になるんじゃないかなと何となく思っていたら、本年もまたこんな力作を書下ろしで出した。
 
 内容は、山田風太郎が70年代に執筆した秀作『地の果ての獄』を思わせる、北海道を舞台にした明治もの。しかも記憶するかぎり、たぶんそっち(『地の果ての獄』)よりも実在人物を取りそろえたオールスターもの的な外連味は豊かな上、お得意の鉄道ネタを主軸にした陰謀活劇、さらにちょっとややこしい(でもないか?)の状況で発生した不可能犯罪の謎解きと、とにかく読者を楽しませんとするサービス精神にあふれて全500ページ強。
 歴史時代小説・活劇謀略もの・謎解きミステリの興味が実にうまく融合して、とても面白かった。
 辻作品は二十~三十冊くらいしか読んでないけれど、これは自分が出会った作品の中でも上位に来る完成度じゃないかと。
 辻センセは、当年お年85歳。なんかこうなるとまだまだ行けそうで、改めて大したヒトである。

No.242 6点 R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室- 古野まほろ 2017/11/11 18:12
(ネタバレなし)
 2020年の東京オリンピックを経て、治安悪化の一途を辿る近未来の首都圏。史上初の女性総理・上原英子は、政敵である副総理で国土交通大臣の鶴井轟太を牽制しながら次期総選挙への布石を打つ。そんな中、鶴井派である警視総監・神保勝久を狙う奇怪な襲撃事件が発生。上原総理の直轄である特殊防犯対策部隊「防二」こと「サッチョウ・ローズ」の女性たちは、伝説的な謎のサイバーテロリスト「ワスレナグサ」の正体を探りながら、規格外れの疑獄事件の中に踏み込んでいく。

『身元不明』の主人公・箱崎ひかりが再登場。今回のひかりは女ワイルド(『ワイルド7』)かナイトセイバーズ(『バブルガム・クライシス』)みたいな個々に特化した能力を持つ女子部隊を率いて活躍するが、本作での実質的な主役はチームの前線リーダー格である「戦争屋」こと時絵主任警部が担当。カバージャケットに描かれているのも時絵の方である(これは公式サイトの告知からわかる)。当初は、えー、これがひかり? かと思ったが新ヒロインでした。うん、納得。
(ちなみに本作は<図書館>の設定で別作品『ヒクイドリ』ともリンクしてるんだろうが、そっちはまだ読んでないので知らない。)

 今回のまほろ作品はゆるやかな勧善懲悪捜査もの&SF味でちょっと味付けしたアクション路線で、お話はほぼ少年マンガ寄りの青年コミックっぽい。悪党はわかりやすく悪党だし、政界の黒い大物連中もいかにもそれらしい妖怪キャラである。
 ついでに言うと主人公チームが秘める文芸設定は、読んでいて気が付かない人はいないだろうが、まああえてこういう大道芸的なネタを今さらやっちゃう辺りがとても良い。大好きです、まほろ先生。
 ほどよいサプライズとしてのミステリ興味もそれなりに盛り込まれ、なかなか楽しめる一冊ではあった。
 まあ「マンガみたいだ」と怒る人がいてもいいけどね(笑)。

No.241 6点 探偵が早すぎる - 井上真偽 2017/11/09 18:47
(ネタバレなし)
 女子高校生・十川一華は、日本有数の超富豪の庶子だった父の急死により、いまは重篤の状態のくだんの祖父から、その祖父の死後、総額五兆円の遺産をいずれ受け取る権利を得る。だがその巨額の財産を狙い、一族の魑魅魍魎のごとき面々がそれぞれに考案した暗殺計画を競うように、一華を事故に見せかけて殺そうとする。一華が唯一信頼を寄せるのは、不愛想ながら有能で、ひそかな人間味を秘めている家政婦・橋田だった。そんな橋田は一華の身を守るため、一人の人物を呼び寄せた。かくして殺人事件の発生以前に犯人のトリックを暴き、さらには時に同じ手段で主犯や実行犯に処罰を与える「トリック返し」の名探偵の活躍が始まる。

 作者らしい、キャラクターの立った外連味ゆたかなミステリ。
 上下二分冊の長編は、連作短編集的な構造にもなっている。
 富豪一族の面々が順々に暗殺計画を思いつき、実行犯に選ばれた庶民や関係者が殺人計画の実働に臨むが、探偵がそれを事前に見破るというのがパターン。
 つまり倒叙ミステリ連作の変奏的な作品で、しかも連作といっても共通してるのが探偵ばかりでなく、被害者(予定の人物)まで一貫してるというのがケッサクである。
 この大枠のなかで読者は毎回、全体図の見えない各エピソードを探りながら「そもそもどのような殺人手段なのか」さらに「どのようにして探偵はその暗殺計画を見破ったのか」などの謎解きと向かいあうことになる。
 相当数の殺人計画およびその暴露に至るネタを揃える必要があるため、中には薄口なものや悪い意味でマンガチックなもののもあるが、ハイテンポな展開の中で十数もの殺人プランが次々と進行し、その大半がヒロインの視野の外で見破られていくというダイナミズムはたしかに面白い。富豪一族のなかで最強のラスボスになるのはこの人物か? それとも? と途中の経過を楽しむ少年漫画的なオモシロさもある。
 かたやラストのどんでん返しは想定内だが、作者はそこにある種の観念を盛り込もうとしている感じで、そういう姿勢はキライではない。全体の軽さも良い方向に作用した印象がある。あんまり年齢層の高い読者向けではないという感じもするが(まあ実際、タイガ文庫はラノベレーベルの一派だろうし)、今年のそれなりの秀作としてミステリファンから支持されてほしい作品。

No.240 7点 上海殺人人形 - 獅子宮敏彦 2017/11/09 10:55
(ネタバレなし)
 複数の小粒だが妙に印象的な謎解き(E・D・ホックの諸作短編パズラーみたいな)を、普通の名探偵とワトスン役の掛け合い(およびフツーのラブコメ)にしないで、緩急のある連作に仕上げた手際はなかなか面白いと思った。
 ヒロインの妖恋華(ヨウレンカ)は大半の女性読者が眉をひそめそうな、エッチで男性読者に都合の良い女の子だけど、本全体のミステリとしての仕掛けがその魅力を底上げしていることもあって、かなりスキになってしまった。

 しかし虫暮部さんのレビューの「紙芝居には紙芝居の良さがあるんだ、みたいな」という一言は実に見事に、妙にクセになる本作の駄菓子的な魅力を言い表してらっしゃるのではないかと。

No.239 5点 ファインダーズ・キーパーズ- スティーヴン・キング 2017/11/01 15:36
(ネタバレなし)
 1978年。60年代のアメリカ文壇を賑わしながら、現在は引退してすでに十数年になる異才の元作家ジョン・ロススティーン。その彼の自宅に、ある夜、強盗が入る。賊の青年モリス(モーリー)・ベラミーはロススティーンの著作に強い影響を受けた過去があった。モリスは成り行きからロススティーンの命を奪い、そして作家が引退後に書き溜めていたシリーズものの未発表長編二冊分(以上)の原稿を持ち去った。だが数奇な運命から、その原稿はモリス当人にも読まれることもないまま、21世紀の初めまで地中に眠ることになる。やがて13歳の少年ピーター(ピート)・ソウバーズが、その原稿が入ったトランクを見つけるまでは……。

『ミスター・メルセデス』に続く<元刑事の初老私立探偵ビル・ホッジスとその仲間たち>シリーズの二作目。 
 もちろんフツー(以上)に面白く(キングだから)、あっというまに上下巻二冊を読み終えられる(キングだから)。
 でもエンターテインメントとしての完成度やまとめ方はともかく、作品の方向的にも、質的な満腹感の面でも「自分が求めるキングはこんなのじゃない!」という感じ。その意味では前作といっしょ。
 事件の主題または背景である<あの作家、あのシリーズに、まだ未発表の作品があったら>という普遍的な憧憬の念そのものは、裏『ミザリー』みたいで、なかなか心を揺さぶるものがあるんだけどね。
 まあ本シリーズのヒロインの彼女が元気そうなのは良かった。
 あと本作は、ホッジスもの三部作の山場に向けての予告編的な側面もある。

 ちなみに、もし『ミスター・メルセデス』を未読でこっちから先に読もうかと考えているなら、前作から順番通り読んだ方がいいです。作中の現実の描写としてまっとうとはいえ、前作の主要人物の去就について、かなり大きなネタバレをしているので。

No.238 5点 巨大幽霊マンモス事件- 二階堂黎人 2017/10/31 10:52
(ネタバレなし)
 うーん……。微妙だなあ。タイトルロールの幽霊マンモスの謎は、現代の新本格ミステリとして普通に常識的? な範疇に収まるし。途中の不可能犯罪の謎の提示はなかなか魅力的なものの、一方で作品全体の結構なんかはある程度、早々と予見できてしまうし。
 さらに反則的な大技はその規格外れぶりを芸にしようとしてるらしいが、あまりカタルシスが得られないんだよね。それとは別のトリックと言うか真相も、かつてJ・D・カーがぎりぎりのところで使ったものを<変なミステリ横溢の新本格のなかならこういうものも許されますよね、てへっ>と、用いた印象である。

 あと作者の狙いはわかるような気がするけれど、それでもある登場人物の××××××は、読んでいてあまり楽しくない。
 先駆作である芦辺の『地底獣国の殺人』と島田の『奇想~』が悪い意味でちらつき、後発感を拭えないのもマイナスポイント。

 得点もそれなりに多い作品ではあるが、それらを相殺する要素も少なくない。そんな一冊。

No.237 6点 謎の館へようこそ 白- アンソロジー(出版社編) 2017/10/29 09:50
(ネタバレなし)
 <講談社・新本格30周年記念企画>の一環である、現在形の新世代作家による書下ろしアンソロジー。
 以下に簡単な寸評を。書式はHORNETさんのレビューに倣わせて頂きます。

◇陽奇館(仮)の密室(東川篤哉)
 国産ミステリ史においては三番煎じのトリック! こういうものに「有名な長編と、さらにその先駆の短編に前例があります。もっとひとひねりを」とダメ出ししない担当編集者の了見もよくないのでは?
◇銀とクスノキ~青髭館殺人事件~(一肇)
 初読時は悪くないと思ったが、そのあとに続く濃い作品群の前に霞んでしまった感じ。 
◇文化会館の殺人 ――Dのディスパリシオン(古野まほろ)
 同じ叢書で活躍中の女子大生探偵(真実鑑定士)ユイカの登場編。ゆるい方のまほろ先生ですが、ジュブナイル的なまとめ方は結構スキ。
◇噤ヶ森の硝子屋敷(青崎有吾)
 E・D・ホックの良く出来た短編を思わせる秀作。フィニッシング・ストロークも決まっている。
◇煙突館の実験的殺人(周木 律)
 序盤の掴みから途中のスリル、最後の意外な真相までを含めて、これが本書のなかのベストかな。私的に今まで周木作品はノンシリーズものばかり読んでるので、有名な「堂シリーズ」に先に接していたら、また印象は変わったかもしれない。
◇わたしのミステリーパレス(澤村伊智)
 この作者らしい、トリッキィなミステリ味を具えたコワイ話。読者に想像を委ねる書き方をしている部分も相応にあるが、そこがまた効果的。

 ところで世代人的に「謎の館」といえば、ナショナル乾電池のCMヒーロー・キングパワーUのテーマソングですな。誰か「覚えてます」と言ってくれ(涙)。

No.236 7点 名探偵は嘘をつかない- 阿津川辰海 2017/10/29 01:45
(ネタバレなし)
 死後の世界に在する神様や魂の転生といったスーパーナチュラル要素をミステリのパーツに組み込みながら、作品全体としてはハイレベルなロジックの整合で攻めてくる、かなり剛速球のパズラー。なんというかグロ趣味を抑えながら、トリックよりもロジックにさらに重点を置いた白井智之みたいな作風である。
 <どんなに異常なことであっても、それしか不条理の解法が見つからないもの>として≪作中の現実≫を登場人物たちがやむなく受け入れ、そこから対応策が始まるあたりは、あの『デス・ノート』を想起させる面もあった。

 本作が処女作という作者はまだ二十代前半のミステリマニアだそうで、一部に生硬な部分はあるものの、文章は全体的に達者で構成も練り込まれている(中盤、中規模の山場が続き過ぎる感じもあるので、読むこっちは相応に疲れたが)。
 まちがいなく今年の国産作品の上位に来る力作だとは思うが、一方でネタの盛り込み過ぎが胃にもたれる感触もあり、この作品の大設定である「探偵の弾劾裁判」もあえて無くても良かったんじゃないかなあ。まあそうなると、本作の絢爛的な持ち味は薄れるかもしれないけれど。
 あと過去の殺人事件の人を喰ったような真相は、どこかで見たっぽい感じではあるが、本作の締めには実によく似合っていた。そういう意味ではミステリ作家としての確かなセンスは実感する。
 次作は、良い意味で、もうちょっと軽く短めにお願いします。

No.235 7点 007 逆襲のトリガー- アンソニー・ホロヴィッツ 2017/10/25 10:43
(ネタバレなし)
 米国を揺るがした「ゴールドフィンガー」事件ののち、007号ことジェームズ・ボンドは協力者だった女ギャング、プッシー・ガロアを伴って母国に戻り、休暇を楽しんでいた。だがそこにMから指令が下る。命令の内容は、英国レース界のチャンピオン、ランシ―・スミスの周辺に、ソ連の情報部さらにあのスメルシュの影がちらつくので護衛せよ、というものだった。早速、任務に赴くボンドだが、彼はそこで予想もしなかった巨悪の大陰謀を認めることになる。

 いや、これは非常に面白かった。
 私的に、原典であるフレミングの正編007は、一本だけあえて手つかずで取っておいてある長編作品以外、全部読んでいる。
 しかしその一方、すでに多数あるボンド・パスティーシュはピアーソンやジョン・ガードナーの初期作のほかはほとんど未読だった(変化球の007ものでは、カッスラーの『マンハッタン特急を探せ』なんか超・超・大好きだけれど)が、今回はズバリ正編『ゴールドフィンガー』の後日譚、同作のヒロイン、プッシー・ガロアのその後も描かれるという設定に惹かれて手に取った。
 ちなみに本書はフレミングの存命中にアメリカで007のTVシリーズが製作された際、原作者みずからがその映像用に提供したストーリーメモを原案としているとのこと。そんな立ち位置も、あまたある007パスティーシュのなかで本書に別格的な箔をつけている。

 なお作者ホロヴィッツはすでにホームズパスティーシュを何冊か手がけ(筆者はまだ未読だが)、そちらで良い意味のファン向けのニセモノ小説のコツを掴んでるのあろう。
 今回は、ところどころエッチな文体といい、随所に山場を設けるストーリーの組み立て方といい、フレミングらしさが横溢である(ボンドが過去の事件簿に思いを巡らすあたりはちょっとサービス過剰な気もするが)。フレミング007のパターンである<悪役の一大不幸自慢>が始まるあたりは大笑いして、心の中で拍手喝采した。
 そもそもすでに敵陣営(スメルシュほか)に顔も素性も知られたスーパースパイが前線で活躍するなら、まだ世界規模の文明が情報化社会にほど遠い過去設定の方が都合もよいわけで、そのあたりの大設定もうまく作劇に組み込んである(ハイテク的な情報分析や仲間組織へのデジタル通信の類が不可なこととか)。

 一方で良い感じで、当人自身が少年時代から007ファンだった作者のボンドのキャラクターへの踏み込みも感じ取れる。特に<職業的な殺人者ではなく、あくまで人間として闘いたい、そしてそれこそが自分の強みだ>と自認する彼の姿など、実にグッとくる。
 フレミングがTV用に遺した原案はまだあと4編あるらしく、さらにホロヴィッツは次作の執筆も始めてるらしいので、今後にも期待。

 あと翻訳の駒月雅子さん、よく仕事するなあ、今年何冊刊行してるんだ、という感じだが、全体の流麗な翻訳文とは別のところでちょっとだけ苦言。
 101ページ目に<若いレーサーのレースに参加しての生還率は8人に1人>とあるけど、これ死亡率の間違いだよね? 参加レーサーの8人のうち7人が死ぬのが当たり前じゃモータースポーツが成立しないよね? よろしくご確認をお願いします。  

No.234 6点 屋上の名探偵- 市川哲也 2017/10/24 13:08
(ネタバレなし)
 澄雲高校の二年A組に在籍する「おれ」こと中葉悠介は、同校の三年生で生徒会長でもある姉・詩織里を、傍から見れば危険なほどに敬愛している。だがその姉が足を痛めて水泳の授業を見学中、何者かが教室に置いておいた彼女の水着を盗む事件が起きた。悠介は、同学年の転校生でE組に在籍する「名探偵」と噂される少女・蜜柑花子に捜査の協力を求めるが。

 現在のところ長編が三作上梓されている「名探偵の証明」シリーズの主人公・蜜柑花子のイヤーワンというかアーリーデイズを描く、前日譚の連作短編。澄雲高校周辺で起きる日常の謎(殺人はないが、一部、傷害などの強力犯罪はあり)四編を収録してある。
「証明」正編の長編三本は全般的にミステリとしてはもうひとつで、むしろ「シリーズもの名探偵ミステリにおける仮想実験」をいくつか試みているらしいところがポイントなのだが、それで好感をもてるかどうかで読み手の評価が分かれる(個人的には、嫌いではない。だから今回のこの本も手に取った)。
 しかしながらこちらは傑作・優秀作とはいえないまでも、そこそこ佳作レベルで手堅い内容のパズラーが集まった感じで、悪くはない。ホワイダニット的には、まあそういう真相だろうね、という所感の第三話などもある一方、妙な経緯で人間消失が生じる第二話など結構よい感じだった。
 正編の「証明」シリーズは第三作目のラストで一区切りを迎えた感もあるが、それでもその上で継続も可能だと思うので、またその内、蜜柑花子には会ってみたい。

No.233 6点 ベスト本格ミステリ2017- アンソロジー(出版社編) 2017/10/21 20:16
(ネタバレなし)
 ここのところちょっと忙しく、仕事を放って長編読んでてもアレなので、短編集やアンソロジーをちょびちょび楽しんでいる。通院の際のお供にもちょうどいい。
 というわけで昨年分に続いて今回もこの路線のアンソロジーを手にしましたが、なかなか総じてレベルが高くて良かったですな。
(ちなみに本書は、今年が『十角館』を一応の起点として数えて、国内新本格30周年を記念する企画の一冊でもある。)

 収録短編の10本がそれぞれ水準以上に面白く、なかでも個人的なベスト編は葉間中顕のトリッキィな警察小説『交換日記』。これは連作シリーズのその形質までも××××××××に使っていて(それが作者の意図か偶然かは判然としない部分もあるが)、見事にやられた。
 キャラクターに魅力のある『早朝始発の殺風景』(青崎有吾)『鼠でも天才でもなく』(似鳥鶏)、<そっち>でもうひとつ引っ繰り返すか! という仕掛けの『言の葉の子ら』(井上真偽)、正統派パスラーの『琥珀の心臓を盗ったのは』(青柳碧人)『佐賀から来た男』(伊吹亜門)なども良い。
 苛烈な独自の世界を描いた『シヴィル・ライツ』(佐藤究)やこのアンソロジーのシメの位置に配置された連城風の短編『もしかあんにゃのカブトエビ』(倉狩聡)も収録作品の幅を大きく広げて味わい深い。 
 個人的に全部が初読だが、ここで初めて出会うシリーズキャラクターもいたりして、彼ら彼女らをメインに据えた短編集がすでに出ているものは、いずれそっちにも手を伸ばそうと思った。
 21世紀の国内短編ミステリ・シーンは豊潤である。

No.232 7点 Y駅発深夜バス- 青木知己 2017/10/17 15:13
(ネタバレなし)
 虫暮部さんのレビューに興味を惹かれて読んでみた。作風の振り幅の広さは実に楽しかった。ノンシリーズものを集めた短編集なら、こういうバラエティ感のあるものが好みである。
 標題作と、配列で二番目にくる『猫矢来』の二編が、個人的にはミステリとしても小説としても特に好ましいバランスである。前者のN××要素や嫌なラスト、後者の女子主人公の内面のモノローグ「でも、だまされているよりは、変態の方がましな気がする」とかには妙なトキメキを覚えた。なお『ミッシング・リンク』も『九人病』も(後者は虫警部さんの言われるとおり)ラストをひねり過ぎた感もなきにしもあらずだが、それぞれの舞台設定とミステリ的な結晶感はいい。最後の『特急富士』は、倒叙ものの一種の「あるある感」をネタにまとめ上げた好編。
 なんというかスタンリイ・エリンかダールあたりの作風に新本格の骨格を組み込んだ感じで、全体としてはとても楽しめた。それなりに良いノンシリーズ短編を書いていた初期の赤川次郎を、さらにずっとロジカルにした感触もある。

■P124の4行目は「貴之」じゃなく「浩一」だよね? 再版か文庫化の際は直しておいてください。

No.231 6点 浜中刑事の迷走と幸運- 小島正樹 2017/10/17 15:10
(ネタバレなし)
 昭和43年夏の群馬県。苦学生の少年・池澤俊太郎は、陰湿な恐喝者をはずみから傷付けてしまう。池澤の随一の親友である高校生・里遊馬は、母子家庭の家族を養わねばならぬ池澤を庇って身代わりの罪をかぶり、保護観察処分となった。高校を中退した遊馬は、同じ県内にある全寮制のフリー・スクール(卒業しても高校卒業の公認は得られない私塾)の与古谷学園に入園するが、そこは生徒を暴力と虐待で縛る拝金主義の魔窟だった。だがそこで暴力教師・関村広茂が変死。凶器と思われた苅込鋏ははるか遠方の意外な場所で見つかった。

 田舎でのんびり駐在生活を送りたい本人の意図とは別にラッキーかアンラッキーか功績をあげてしまう「ミスター刑事」こと浜中康平ものの第二弾(ただし今回の実質的な名探偵役は、浜中の相棒の夏木大介刑事~前回もそうだったかな? 忘れてしまった)。

 物語は数十年前の<戸塚ヨットスクール事件>を思わせる題材だが、内容はおそらく現実の事件以上にカリカチュアライズされている。
 トリック派の作者としては今回は消えた被害者(の死体)の行方の謎、学園内で起きたなんらかの事件のホワットダニット、さらには周囲に建造物やその時間に飛んだ飛行機やヘリなどなにもない場所で「高空から落下」した凶器の謎などが創意となっている。
 学園内の苛烈な虐待の描写は、今年、すでに古野まほろのあの長編を読んでいたものの、それとは違うベクトルでじわじわ来る。今回はメッセージ的な意味で作者はこっちに重点を置きたかったのかな、と思っていると、終盤でこの描写がある部分のホワイダニットに応えた形になるのはうまい。佳作~秀作。 

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人並由真さん
ひとこと
以前は別のミステリ書評サイト「ミステリタウン」さんに参加させていただいておりました。(旧ペンネームは古畑弘三です。)改めまして本サイトでは、どうぞよろしくお願いいたします。基本的にはリアルタイムで読んだ...
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