皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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斎藤警部さん |
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| 平均点: 6.69点 | 書評数: 1433件 |
| No.593 | 7点 | 出雲伝説7/8の殺人- 島田荘司 | 2016/08/22 12:26 |
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| バラバラ屍体のパーツは七つの駅に送られたが、頭部だけが見つからない。。。。「占星術」を連想させずにおかないトリックの数学的美しさへの予感も嬉しい、神話と怨念に裏打ちされた大殺人絵巻。トラベル・ミステリーの風情は期待しなくてよい。 | |||
| No.592 | 5点 | 壷中美人- 横溝正史 | 2016/08/22 09:25 |
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| 犯人はちょっと意外。犯人露呈の伏線(!)も確かに意外。加えてもっと不気味なムゥドがあればなあぁ。。題名が暗示するある種のおぞましさは無く、何ともcozyな雰囲気で語られる中篇(二百頁超)。なんてことない蕎麦屋のくだりが忘れ難い。緩めに話が進む分、最後の惨殺屍体発見シーンはちょっと衝撃。しかし〆の「世界犯罪史上云々」はいくらなんでも言い過ぎだ。
角川文庫併録の短篇 「廃園の鬼」 密閉されない山地の館もの。高齢の学者と三度目の結婚をした元レコード歌手(素晴らしい死語)の新妻。彼女の元夫二人と金田一を交え数名の男女(大半は男性)が集い、その中の数名が同時に目撃する(折りしも元夫である映画監督のロケ撮影中)距離を隔てての新妻らしき女の謀殺シーン。。。。それは現実の事件か映画のリハーサルか? 事の真相はともかく動機の核心については、熱いものを内に込めたままのリドルストーリー。まソレについてはアレじゃあるまいかと想像もしたが、まさかそこまで徹底してたとは。。題名の「鬼」は、そういう意味か! ってやっぱりこっちの作品の方が熱く語っちゃうねえ。 |
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| No.591 | 5点 | ミステリーのおきて102条- 評論・エッセイ | 2016/08/19 13:51 |
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| その昔、南武線は溝ノ口で古本を買って(新刊だったかも?)近くのラーメン屋でパラパラ見てすぐ売っちゃった、そんな状況が実に似合ってた軽~い一冊。目からウロコは落ちないがズレたメガネくらい直してくれる。かゆい所は掻かずにサラッと撫でてくれるようなライトエッセイ集。 但し、Tetchyさん仰るようにネタバレについては結構ヘヴィなので適宜ムニャムニャと流し読みも必要。第十四回吉川英治賞特別章受賞(←冗談です) | |||
| No.590 | 9点 | 硝子の塔- 鮎川哲也 | 2016/08/19 10:10 |
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| 濃度高↑↑の名作撰ですね~~ 切ったらトマトジュースのドロッとしたやつだか血だかがドゥリュン!と飛び出そう。 『初めての鮎哲』には持って来いの一冊じゃないでしょうか!
※創元さんの北村薫セレクション#2と完全に被ってます(並び順までほぼ同じ)! 尚、「硝子の塔」という標題の作品は収録されておりません。がっかりしないでください。 赤い密室/碑文谷事件/達也が嗤う/誰の屍体か/金魚の寝言/他殺にしてくれ/暗い河 (光文社文庫) 【「達也が嗤う」に関してネタバレ考えオチ】 川崎フロンターレサポの私としては、「達也」はちょっと縁起でもない一品ですね、今年は特に! |
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| No.589 | 9点 | 時間の檻- 鮎川哲也 | 2016/08/19 09:52 |
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| これぞ洗練! キリキリと時間が捩れる音、サラサラと時刻の剥がれ落ちる音が耳に届きそうな。。アリバイ偽装とその突破の大傑作撰!
五つの時計/白い密室/早春に死す/愛に朽ちなん/道化師の檻/悪魔はここに/不完全犯罪 (光文社文庫) え? 「白い密室」ってのが入っているじゃないか、ですって? はハァん? |
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| No.588 | 7点 | 黒猫館の殺人- 綾辻行人 | 2016/08/18 10:37 |
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| 短くてパラパラ行ける、小さな作品。 中心にある物理(..?)トリックは壮大だが、その割に。。なーんか、文章や物語には結構なリアリティがあるんだけど、そのメイントリックだけ取ると机上の楼閣のような。。(『十角館』と真逆だな) だけど、もう一つの(こちらは見え見えの..)大トリックの味わいも相俟って記憶に残る。 まるで、小柄だがアレだけは巨大な、だけど小市民気質の男、でも面白くてイイ奴なんだ、みたいなそんな感じ。 『時計館』の後にこんな小粋な箸休めも悪くない。とにかく面白くてスイスイ読めた。 鏡はそこに置いたのか。。。。
最後に、ちょっとした考えネタバレ .. 黒猫がまさかキティちゃんだったとはね。。。 ぃや正確には彼女の食べこぼし(当然リンゴのかけら)か。。 |
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| No.587 | 5点 | 重要関係者- 佐野洋 | 2016/08/17 22:43 |
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| 掘る/探る手/刑事の妻/組織の本能/おとり/検事の罠/誘った人/密室の裏切り
(角川文庫) 意外と(?)最初期の短篇集。 全体標題が暗示する如く、司法、警察、ブン屋(新聞記者)等、職業上いわゆる事件に関係の深い者達が事件そのものの中心に置かれる様な物語の数々。例によって男女間のナニ(愛欲だとか打算だとか)に振り回される話が多い。ず~いぶん時間が経ってから(1962⇒1983)やっと角川で文庫化された事からも匂う様に、まるで80年代佐野洋の様な書き飛ばしの薄味感がどうも付き纏う。つまらない代物ではないんだけど。悔しいけどファン向け限定かな。 いや、中にはそうでも無い興味津々の反転ストーリーも紛れ込んでいるんだが。。 |
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| No.586 | 4点 | 闇の告発- 佐野洋 | 2016/08/17 22:23 |
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| 「佐野洋の挑戦ミステリー」 闇の告発(問題編①) 配達殺人(問題編②)/死体と眠る/被害者さがし/白っぽい男/殺人クイズ/「佐野洋の挑戦ミステリー」 闇の告発/配達殺人(解決編)/”挑戦”について
(角川文庫) 目次で一目瞭然(?)の様に、全体的に推理クイズ本っぽさ漂う一冊。その割にと言うべきか、むしろその所為でなのか、何ともカサカサ味気ない文章が目立つ。ちょっと詰まらな目かな。。 ところで目次を見ると「佐野洋の挑戦ミステリー」なるもの、問題編は①②と明確に分けているのに、解決編の方はどういうわけか二つ繋げてるみたいでしょう? どうしてでしょう? 気になりますか。。? |
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| No.585 | 6点 | 第二の標的- 西村京太郎 | 2016/08/17 12:34 |
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| 第二の標的/謎の組写真/アクシデンタル・ジャイブ/神話の殺人/危険なダイヤル
(光文社文庫) スルッと読めちゃって、結構忘れるけど、悪くない読み捨て用。 男ってやつは時々、こういうのが欲しくなるからな(ほんまかいな)。 |
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| No.584 | 6点 | 夜ごと死の匂いが- 西村京太郎 | 2016/08/17 12:28 |
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| 夜ごと死の匂いが/危険な賞金/危険な判決/危険な遺産/危険なスポットライト/狙われた男/私を殺さないで
(廣済堂文庫) いい意味で安心しきって浸れる短篇集。傑作選とは呼べないまでも充実したプロの仕事。 こういう本をゆるぅい気分で愉しめる幸せを、しっかり噛み締めたいものです。 |
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| No.583 | 8点 | 君よ憤怒の河を渉れ- 西村寿行 | 2016/08/16 14:42 |
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| 「実際に人を殺す味もおぼえておくといい。」
薬事絡みの謀殺疑惑(不可能殺人!)を追う若手検事、杜丘(もりおか)がハメられた。強姦強盗容疑を着せられた彼は、年上のライヴァルである警視庁の矢村警部、そして味方の筈の伊藤検事正、何より全国指名手配で市民一般から追われ、彼等から逃亡しながら同時に自らの無実証明を追跡し続ける身となる。追われる者/追う者の間に微妙な齟齬や底の見えない展開、そして、謎の共鳴。。 ミステリアスな隠喩の静かな反射。。 “酒の肴にバッヂを磨く” 強姦強盗を虚偽申告した女を追う杜丘。ところが追跡先の民家で女は殺され、杜丘に容疑が掛かる。もう一人の虚偽証言者である男を追って北海道へ渡る杜丘。苦心惨憺の末に彼は一人の魅力的な娘、その父の有力牧場主、彼等の尊敬を受けるアイヌの老人、老人の不倶戴天の敵である一匹の羆(ヒグマ)と出逢い、自分を追って来た矢村警部と遭遇し共に羆と闘い。。 気付くと何気に本格推理領域のシビレさせがゾワリと纏わり付いているのがニクい。「勘違いするなよ、俺は just a 推理小説だぜ?」 と、このハードロマン(素敵な死語!)著名作は鼻息で念を押しているようだ。奇妙な形の蜘蛛の巣。。。。 月があるーーー 娘に惚れられ、牧場主の信を得た杜丘は無謀にも。。。。 動と静の差し合いが最高のバランス。 詩情があるとか無いとか。。 ストーリーの展開ポイントが場面を換えてから明かされる趣向も素敵だ。 薬を吐き出させるトリック(!?)の凄まじさ。。 なかなかの奴に見え出してから矢村の台詞はいちいちイイな。彼の話す言葉は清張の地の文に似ているよ。 悪い男に優しい女、脇役陣は充実。 京子さん、平尾君、忘れ得ぬチョイ役たち。。 そして忘れ得ぬ 「死んだ」。 さて、悪党共は何処に潜む。。。。 その場面で苦笑が出来る余裕。そりゃモテもしよう、杜丘。 おい水葬と鮫葬は違うのか? 標的(ザ・ターゲット)は事務室。。。! 最後の最後までビーーッッチリ詰まったスリルとサスペンスとエロス(冗談)とミステリ興味よ! ところでその「なるほど」はどう英訳しようか。 さて本作は清張ファンなら必読、間違い無い。 文章力の臨界瞬殺現場を見せつけられる。 長い文章が、それを実際に脳が読むより遥か短い時間の凝縮を体現し得ることは重々承知だが、こりゃ限界超え過ぎだよ先生、あなた何喰って生きてきたんですかってべィビィ土下座しちゃうでしょうが。 珠玉の言葉選びがいちいちズシンと来るこんな最高の社会派冒険推理(ハードボイルド味も本格趣向も深い)読まずに死ねるか、って問うてみるしかないでしょう、エヴリバディに。 ラストシーンだけはね、主人公の、ではなく物語の未来が遮断されちまったみたいでちょっと索漠たる想いで、残念だった(それまで最高テンションの文章で絵空事臭さを際どくシャットアウトしていたのが、最後の最後で崩れたような)。それで8点(8.48!)に下げた。 だけどね、勿体無いですよ、ミステリ好きがこれ読まないなんて。 |
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| No.582 | 7点 | 向日葵の咲かない夏- 道尾秀介 | 2016/08/12 13:27 |
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| 一抹の気味悪さとギリギリの爽やかさで〆る神経症ファンタジー。物語の中核に居座る甘酸っぱく硬いジェラート状の本格推理興味が最後に夏と○○のアツさで一気に蒸発(昇華)してしまう思い切りの良さには…チッとばかりダマサレタ感も混じったが、暑い夏の倦怠と退廃にヤラレて見事にシャッキリ納得、呑み込まされた。少年小説の皮を被った本格推理小説、の皮を被った幻想イヤミスと言った着地ぶりか。
【ネタバレ】 奇跡の映像化を実現するとしたら、とりあえずきょうだいをもう一人増やす、のを取っ掛かりにするかなあ。。安直ですが。。。いやぁそんなんじゃ無理無理無理か |
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| No.581 | 5点 | スペイン岬の秘密- エラリイ・クイーン | 2016/08/03 12:19 |
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| 短篇でピリッと効かせりゃ光るネタを、わざわざ長篇サイズに薄めてないか?
謎解きはスカスカで物語もさして面白いワケじゃないが、どういうバランスの機微が働いたか、割と愉しく読める。 最後エラリイが事の顛末を街往く車(デューセンバーグ!)の中で語るシーン、語る内容よりそのシチュエーションがやけに鮮烈。あそこだけは大好きだなあ。。「ギリシャ棺」の終幕以上に好きだ。 |
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| No.580 | 7点 | シャム双子の秘密- エラリイ・クイーン | 2016/08/03 12:05 |
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| サスペンスを煽るべく使命を帯びた不気味な人物や不審人物が何人も登場しますが、主人公(?)のシャム兄弟が決してそちら側ではなく爽やかな少年たちとして描かれているのが良いですね(穿った見方をすればそのお蔭で彼らを容疑者リストから外せなくなる)。しかし「巨大なカニ」って。。某バンド(バンヅ)のシルエットロゴじゃないんだから。
カードを巡る云々も、そのロジックだけ取りゃ何だかなァという気もしますが、独特の閉ざされたサスペンス感あるからこそなかなかの興味を唆ってくれます。スペクタクルな山火事避難の大団円(?)もエキサイティングで良いよ。唸らせはしないけど、読ませる本だね。 |
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| No.579 | 6点 | 母性- 湊かなえ | 2016/08/02 10:15 |
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| イヤよイヤよでスルスル読めてスッキリ爽快。私は変態でしょうか。
辛い過去を持つ人が思ったよりいっぱいいたし、そこから愉しい未来に繋げた人も何人もいた。しかしあの、ほとんどバカ結末と呼びたくなる予想外の大団円はいったい何ですか、と(笑)。 |
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| No.578 | 7点 | 緋色の記憶- トマス・H・クック | 2016/08/01 12:16 |
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| フーダニットならぬフーダイド? 予想外のホワイダニット、そしてホワイナットダニット。。。 そもそもイットは何を意味するか。
混在するカットバック/フラッシュバックを繰り返した挙句「ゼロ時間」にぶち当たってもまだ過去・現在・未来(?)の謎がどっぺりと痕を残しまくり。だいたいこの物語の「ゼロ時間」は本当にそこなのか? 文庫あとがきで紹介されていましたが「雪崩の様子をスーパースローモーション映像で見せられるような」って喩え、ズバリです。 出だし数十頁はちょっと退屈、しかしこの退屈はじっくり味わっておくべきです、真相の驚きに最後やられる為に。 湯気の立つホットアップルサイダー。。。。 |
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| No.577 | 9点 | 赤い帆船(クルーザー)- 西村京太郎 | 2016/07/29 10:54 |
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こりゃズッシリ来たねえ、唸りますよ。 読み逃していた海洋期京太郎の傑作、十津川のデビュー作をようやく髄までしゃぶり尽くす事が出来ました。 あいつがポルシェで死んだ東京の夜、あいつはレースで太平洋の真っ只中。。。。 色んな所で意表を突いて人がどんどん死に、誰をどう疑えばいいのか焦点も定められないままサスペンスは加速熟成拡散深化。このアリバイ偽造の魂(ソウル)はマリアナ海溝よりも●●●●●●●●●●(←●●過ぎる洒落)よりも深くて暗いよ、もう最高よ!我が愛して止まないミステリにおける対称性の美が、思いも寄らない、まるで復讐的な深淵から突き上げて来るのには驚きましたよ。 十津川がいきなりタヒチ語でおどけ出した(?)のは驚いたなァわらぅたなァ。。しかし、まさか。。いゃ まさか その アレのそれが あいつ。。。さて、そんなピンポイントで、まさかのパスポートによるアリバイ成立押し!本には指紋、旅券に押印てか! 「男性」と書いて「ガイズ」! このタイミングで、その杉山!? そこでふと思ったのが、その故意の遅延性云々を鉄道領域へと雪崩の如く適用させてみたら、そこには如何なる異化美あふれる風景が。。ということ。 松本清張「火と汐」のサーチアンドデストロイ級ネタバレにゃあ鼻からペチンコ玉も飛び出したってナもんですが、それはそれでしっかり必然性あるネタバレでした。 と思うと或るシーンではあのシュガーベイブの山下達郎さんが事件周辺に登場(?)、あわよくばまさか共犯の一翼ベェイベでは。。。なかろうかと妄想もしてみたよ。色々あらァな。。 しかしすげーなー、京太郎さん絶対クロフツの海洋アリバイもんに真っ向勝負挑んだんじゃろ、自信満々の体(てい)でよ。 ‘課長は皮肉でなく言った。’←痺れる一文だ。 或る漢字語の振り仮名に’イントリーギング’じゃなく’スプレンディッド’! “チバシ”というその響きに一抹の疑い。。まさかポリネシアのどこかの島ににそんな名前の邑でもあるんでないかと。。(笑) 待てよ、もしもアガサク的に意外な犯人吊るし上げショーをやるのが主眼ってんなら、まさかあの●●●●●が真犯人だったりはしないでしょうか。。。。?? と忙しい多方向疑惑の渦に呑まれながらもストーリーは高速航行を続けます。 さて、愈々こんな終局近くに来ても。。。何たる彫りの深いアリバイ工作だよ! 一瞬「地球は丸いから。。」なんてナンセンスな考えなんぞしちゃったじゃないか。 罪の無いヨット談義。。ライフジャケットの秘密(ちょっと怖い)。。’その時に調整’か、よし俺もそうしよう。 心理の小道具は’飲料水’かよ。。。。どこまでも慎重な犯人(ヤツ)。ヨットマン十津川も思わずシンパシィ・フォー・ジ・海の悪魔でねえがよ。 いや、信じるよ・・十津川よ! いや、まさかのその、殺した人数の見込み違いの水平線。。。。 十津川推理の部分は晴天正解、だがしかしその領域外には予想を超えた。。って、抉(えぐ)りのラインが深すぎるじゃないですか、京太郎さん。真犯人が、第一のターゲットを無事仕留めた事を確認した経緯前後、そこに、嗚呼、まさかの複数の悪魔的要因が爪を尖らしていたとは!! ふたたび、信じよう。。まるで伊藤由奈の歌だ。。過去の妙な経験が嫌な形で役に立った。。暗い机の引出し。。 なんだか最後のほう、質実剛健でスポーツマンシップにのっとった連城みたいになっていません?? 複雑にして深すぎるよー。。。。。こりゃまるで「三つの棺」のアリバイ版を狙ってるんじゃないですか??? ミステリ世界で普通だったら白けさせるもの代表たる「偶然」がこんなにも泣かせる輝きを。。。何故なら、そこに海があるから。。。。それだけじゃあない。 これは大事なことだから明記しておきますが、本作には京太郎さん悪癖のアンチクライマックスは有りません。 それにしても、十津川の直上司が近未来の十津川そのものだ。まさか、鬼貫ではあるまいな。。 もちろんですね、いわゆる冷静に考えたら(以下全略) |
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| No.576 | 9点 | ナボコフの一ダース- ウラジーミル・ナボコフ | 2016/07/25 12:51 |
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| 怖ろしく濃度の高い純文学作品ですが。。。。一部ミステリファンの趣味には大いなる親和性があると信じ、登録します。
私にとって「奇妙な味」重量級の理想短篇集です。(軽量級は『くじ』) フィアルタの春 /忘れられた詩人 /初恋 /合図と象徴 /アシスタント・プロデューサー /夢に生きる人 /城、雲、湖 /一族団欒の図、一九四五年 /いつかアレッポで…… /時間と引き潮 /ある怪物双生児の生涯の数場面 /マドモアゼルO /ランス (サンリオSF文庫) |
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| No.575 | 9点 | くじ- シャーリイ・ジャクスン | 2016/07/25 12:35 |
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| 有名な表題作のラストスパートぶりも凄いが、何より「魔性の恋人」の芳醇な味と薫りにもう何十年もシビれてる。。。 気色悪いほどサドゥン・エンドの作品がいくつか有るなあ、これがまた、たまらないのよ! 私にとって「奇妙な味」軽量級(と言っても充分重い)の理想短篇集。(重量級は『ナボコフの一ダース』)
良い痴れて /魔性の恋人 /おふくろの味 /決闘裁判 /ヴィレッジの住人 /魔女 /背教者 /どうぞお先に、アルフォンズ様 /チャールズ /麻服の午後 /ドロシーと祖母と水平たち /対話 /伝統ある立派な会社 /人形と腹話術師 /曖昧の七つの型 /アイルランドにきて踊れ /もちろん /塩の柱 / 大きな靴の男たち /歯 /ジミーからの手紙 /くじ (早川書房 異色作家短篇集) |
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| No.574 | 7点 | 詩的私的ジャック- 森博嗣 | 2016/07/22 17:08 |
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| 西野園の乱心の直後に西の空の色合いの描写云々、ここは痺れた。三浦グッジョブのシーンもちょっと泣けた。 しかしまあ、どいつもこいつもバカばかりで、嬉しいよ。バカじゃないかも知れない犀川さん!その「人間の進路の広角さ」ってのは、3Dはおろか4Dフィールドまで視野に入ってるんですか?
椅子取りゲームは Extreme Game の洒落かい? って一瞬思った。 んで、そこに「空気弁」と来るとは! なんかそんなミステリの根幹から外れた感想ばかり出て来る。 でもエンディングが見せる、ある定義の豊かなゆらぎ具合は素敵だな。。 大和田獏みたいですよね、森ミステリって。 なんか弱いんだけど、面白いんだからそれで最高さ。後期レッドツェッペリン的な、程よく大げさな割に程よく弱いみたいな、そんな浮遊するシニフィアン(咳..)的良さに満ちていますね。7.47相当の7点。何処かが惜しいのね。 ところで例の「英語で云々」はまさか目くらましのための見え透いた逆トリックてやつでしょうか? 思えば処女出版作の「F」趣向ってのもGT(逆トリック)そのものだったのかな? |
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