皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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蟷螂の斧さん |
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平均点: 6.09点 | 書評数: 1667件 |
No.387 | 7点 | 第三の時効- 横山秀夫 | 2013/03/08 17:00 |
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連作短編集。F県警捜査一課の3人の班長(笑わない男「朽木」、冷酷無情「楠見」、直感の鬼「村瀬」)が、それぞれ個性的に描かれていて楽しめました。お気に入りは、やはり表題作ですね。内容的には、かなり重たい話なのですが、冷酷無情の楠見が見事に解決してくれます。よって重さより、スッキリ感の方が勝っていて後味はよいです。 |
No.386 | 8点 | 鴉- 麻耶雄嵩 | 2013/03/07 20:03 |
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(ネタばれあり)地図にない村の雰囲気が良く描かれています。閉ざされた村での、鬼子の存在(見えない物が見える)がうまく、大胆なトリックへの効果となっていると思います。また主人公の人形への愛着(やや崩れている感じ)が結末に繋がっているところも効果的でした。 |
No.385 | 7点 | 夜よ鼠たちのために- 連城三紀彦 | 2013/03/06 16:20 |
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新潮文庫版(6作品)。男目線でのトリッキーな作品が並んでいます。お気に入りは「過去からの声」です。誘拐物で、アイデアは秀逸であると思います。短編なのでアッサリしているのが残念ですが・・・。長編であれば、かなりの衝撃度(どんでん返し)を味わえると思います。 |
No.384 | 4点 | 煙か土か食い物- 舞城王太郎 | 2013/03/05 12:46 |
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文体は特異なもので、スピード感はありました。しかし、一体何を書きたかったのだろうというのが、最初の印象です。推理は二の次で、家族愛?暴力?復讐?よくわからない小説です。 |
No.383 | 7点 | 見えないグリーン- ジョン・スラデック | 2013/03/01 11:39 |
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東西ベスト100の50位(前回79位よりランクアップ)①密室②犯人の消失?③全員にアリバイと本格の要素を詰め込んだ作品でした。表題のグリーンと虹の7色をミスディレクションに使うなど楽しめました。秀逸と感じたのは②犯人の消失?に係るロジックでした。倉知淳氏の「過ぎ行く風はみどり色」・・・みどりとグリーンか・・・本作のオマージュと思えてきました。 |
No.382 | 5点 | ロウフィールド館の惨劇- ルース・レンデル | 2013/02/26 10:27 |
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東西ベスト100に入っていたので拝読。しかし、あまりピンときませんでした。無知~感情の欠如~善悪の判断の欠如、それは文盲が原因であったということなのでしょう。原因(動機)自体に、関心が持てなかったので、サスペンス感を味わうことがきませんでした。残念です。 |
No.381 | 5点 | 目には目を- カトリーヌ・アルレー | 2013/02/24 20:26 |
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裏表紙より「破産寸前の夫、その若く美しい妻、彼女に恋する中年の資産家とオールドミスの姉、この四人の男女の頭の中には、それぞれ思惑がひそみ、それが運命の糸のようにからみあって、破局へと突き進んで行く……。目には目を、歯には歯を、復讐を許すタリオンの掟が……。」四人の独白で物語が展開してゆきます。完全犯罪をもくろむ若い妻の悪女ぶり、けして計画的ではないところが不気味な雰囲気を醸し出しています。結末はすぐ予想できますが、まずまず楽しめました。 |
No.380 | 7点 | 楽園のカンヴァス- 原田マハ | 2013/02/23 09:16 |
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ルソーは好きな画家の一人で、画風は独特の雰囲気がありますね。「夢」ではありませんが、家の壁に「ライオンの食事」が飾ってあります。当時の評価、「日曜画家」と揶揄されたことは知りませんでしたが、その評価の低かったルソーに心酔する3人の物語です。殺人事件などなく、純粋にルソーの作品「夢をみた」の真贋に関するものです。作中に出てくる「物語」がいい味を出しています。画家の情熱が伝わってきました。話はそれますが、昨年、ルーブルの「モナリザ」とは別の「若いモナリザ」が本物(ダヴィンチ)とモナリザ財団が発表しました。絵画の世界は、まさにミステリアスです。 |
No.379 | 6点 | 罠に落ちた女- カトリーヌ・アルレー | 2013/02/22 12:02 |
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(タイトル・女⑰)裏表紙より「療養所がリゾートマンションに生まれ変わる。セリーヌと愛人ジャンは、療養所へと車を走らせていた。ジャンがセリーヌと生まれてくる子供のために部屋を買ってくれたのだ。雪道に降りたったセリーヌ。と突然車が走り出したのだ。なぜ?必死で後を追う彼女の目の前で雪崩がジャンの車を押し潰した。救いを求めて療養所に辿り着いたセリーヌは、そこで悪夢はまだ始まったばかりだということを知る!」誘拐犯と遭遇したセリーヌの恐怖と脱出までのサスペンスもので、一気読みができました。 |
No.378 | 7点 | 警察庁から来た男- 佐々木譲 | 2013/02/21 21:44 |
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(タイトル・男⑧)前作「笑う警官」で道警の腐敗が一掃されたに見えたが、まだ腐敗が残っているのだろうか?警察庁から監察官が訪れたのだ。二つの事件と監察場面が交互に描かれ、いやがうえにも緊迫感が盛り上がってきます。登場人物にも個性があり、また薄野の情景もうまく描かれていて楽しめました。 |
No.377 | 6点 | 笑う警官- 佐々木譲 | 2013/02/20 17:26 |
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スピード感があり楽しめました。射殺命令の現実味云々については、緊迫感を出すためには必要な要件なので、それはそれでいいのではないかと思います。組織の狂気があってもいいと肯定的にとらえています。 |
No.376 | 8点 | ビッグ・ボウの殺人- イズレイル・ザングウィル | 2013/02/16 22:32 |
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密室(心理的トリック)の元祖とのことで拝読。単純明快さという点で「黄色い部屋の謎」よりも上位に位置付けたいですね。密室の評価よりも、動機と犯人の独白に至る経緯が秀逸であると思いました。犯人にとって、喜劇でもあり悲劇でもあったというところです・・・。 |
No.375 | 5点 | 高山殺人行1/2の女- 島田荘司 | 2013/02/16 12:07 |
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(タイトル・女⑯)スピード感もあり、一気読みできました。著者の車に対する愛着が感じられる一冊でした。サスペンスものなので、真相云々はさておき、エピローグと題名がミソなのでしょう。 |
No.374 | 4点 | 奇跡の男- 泡坂妻夫 | 2013/02/15 22:01 |
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(タイトル・男⑦)短編5編です。表題作の発想は面白いと思いますが、全体に感心するものはありませんでした。 |
No.373 | 6点 | 死ぬほどいい女- ジム・トンプスン | 2013/02/15 10:38 |
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(タイトル・女⑮)幽閉された、ちょっといい女・モナに出会った訪問販売員のドリー。彼の独白で物語は進み、登場人物は6人です。犯罪に手を染めていく様子や精神が崩れていく過程ががノンストップで描かれていて、一気読みできました。 |
No.372 | 4点 | 死化粧の女- 福田洋 | 2013/02/14 17:57 |
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(タイトル・女⑬)裏表紙より「独り暮らしの老婆が扼殺され、金が盗まれた。資産家の老人が自殺し、その死の直前に銀行預金が引き出されていた。女探偵・夏川和香は、事件に挑む。共通項は、姿を消したお手伝いの女。追跡の果て、女はかつて岡山で起きた一家5人殺しの犯人の妻に酷似していた」背景にあるのは冤罪なのですが、あまり心に響いてきませんでした。犯人はわかりきっているので、犯人側からの視点で物語を構成した方が、インパクトがあったような気がします。 |
No.371 | 6点 | 101号室の女- 折原一 | 2013/02/08 14:44 |
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(タイトル・女⑭)氏の作品には「叙述トリック」があることが前提となっていると思います。従って、叙述の善し悪しで「どんでん返し度」が決まる場合もあると思いますが、やはり、いかにサスペンスフルな物語であるかで評価したいと思います。お気に入りは「101号室の女」「網走まで・・・」そして「殺人計画」(叙述というよりブラックユーモアです)の3作品。 |
No.370 | 7点 | 孤島の鬼- 江戸川乱歩 | 2013/02/07 12:36 |
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東西ミステリーベスト100の27位(1985年版37位)著者のランクイン4作品のうち、本作のみランクアップ。密室殺人、暗号の謎、同性愛、○○男の登場、宝探し、そして強烈な狂気をもった真犯人と盛り沢山の小説。ミステリー部分は前半だけで、やや物足りなさを感じますが・・・。後半は、乱歩独自の世界が描かれている通俗小説的な趣となっていました。もう現在ではこのような作品(真犯人の意図等)は、なかなか書けない時代となっているのではないでしょうか。その意味で、価値ある作品であると思います。 |
No.369 | 8点 | 陰獣- 江戸川乱歩 | 2013/02/05 15:30 |
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東西ミステリーベスト100の35位(1985年版14位)。私(探偵小説家~探偵形)と大江春泥(同~犯罪形)の対立構造をうまく料理していると思います。この時代では、かなり凝ったトリックとなるのでしょう。陰鬱で艶めかしい雰囲気も良く出ているし、ラストの余韻もよいと思います。 |
No.368 | 6点 | パノラマ島奇談- 江戸川乱歩 | 2013/02/05 15:29 |
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東西ミステリーベスト100の87位(1985年版37位)倒叙ものですが、ミステリーというより幻想小説になるのでしょう。パノラマ島の描写が長いのですが、シュールな感じで、結構楽しめました。海中トンネルなどは、八景島シーパラダイスなどの先駆けになっていると思います。 |