皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
蟷螂の斧さん |
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平均点: 6.09点 | 書評数: 1668件 |
No.1028 | 5点 | セイレーンの懺悔- 中山七里 | 2017/07/19 18:38 |
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入社2年目の女性TVレポーターの成長物語でもあり、TV報道の在り方について批判的立場での物語でもありました。全体的にもっと毒々しさがあっても良かったのかなとの印象です。ラストの宮藤刑事の一言に変な感動をしてしまいました(苦笑)。 |
No.1027 | 5点 | カササギの計略- 才羽楽 | 2017/07/14 12:44 |
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恋愛小説としては、とても楽しめました。ミステリーとして評価すると、まあ普通かな~といったところ。「ホワイト」より「ブラック」の方が大好物なもんで・・・。 |
No.1026 | 5点 | アポロンの嘲笑- 中山七里 | 2017/07/08 19:11 |
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本作の後に発表された「月光スティグマ」も阪神淡路大震災と東日本大震災を扱っており、社会派的要素が強い作品でした。「アポロン(太陽神)」、「月」と続いたわけで、次は「星」?と思っていたら、今月発売される「ネメシスの使者」が「仮説上の恒星」という意味もあるみたい。ギリシャ神話の「女神」が正解みたいですが・・・。本作は逃亡劇を中心とした社会派人間ドラマといったところ。その面では筆力で読ませてくれ高評価です。しかしミステリーの面ではやや物足りません。著者の専売特許「どんでん返し」を期待し過ぎたか?(苦笑)。 |
No.1025 | 5点 | テミスの剣- 中山七里 | 2017/07/04 13:46 |
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あらすじが物語全体の半分まで紹介されています。これは読むのに辛い。これからどうなるのか?の楽しみを奪われてしまう・・・。最近の著者の作品は社会派よりのミステリーが多いような気がします。本作も冤罪がらみ。後半、物語が急展開するのですが、既視感がありあり(苦笑)。他作品に比べインパクトは弱かったかも。 |
No.1024 | 6点 | ヒポクラテスの誓い- 中山七里 | 2017/07/01 14:25 |
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内容紹介では短篇とは記載されておらず、途中まで読んで短編と知る(苦笑)。一篇毎はそれほどのオチもなく、凍死は○○であった、交通事故は○○であったと続く。それだけかい!?・・・。しかし、ラストは連作短編ということで、うまく纏まっていました。主人公の真琴と古手川刑事との絡みがあるのですが、さてどうなるのか?。続編の「ヒポクラテスの憂鬱」(未読)でもコンビを組んでいるようです。著者のインタヴューでは「古手川は女性に対して完全に不信感を抱いているタイプ」としているので、先が楽しみです。 |
No.1023 | 7点 | 神様の裏の顔- 藤崎翔 | 2017/06/24 17:49 |
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最後の一行的な終わり方であれば、もっとインパクトがあり評価はアップしたと思います。ラストは一件一件丁寧な説明ではあるのですが、一件のみで、あとは読者の想像にお任せでもよかったのかも?。神様と呼ばれた元教師もアッチ系は人間的でよかった(笑)。適度のユーモアがあり楽しめました。 |
No.1022 | 4点 | 三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人- 倉阪鬼一郎 | 2017/06/19 21:10 |
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「四神金赤館銀青館不可能殺人」を読んでいたため、かなり身構えての読書となりました。大胆な伏線が多く、早い段階でトリックは判明(笑)。トリック以外の仕掛けの努力は買いますが、小説自体の評価とは別なので、この評価です。 |
No.1021 | 6点 | ビロードの悪魔- ジョン・ディクスン・カー | 2017/06/17 10:53 |
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伏線があるので、ある程度予想できたのですが、一点だけ盲点がありました。思い込みをうまく利用したもので、やられた感がありますね。 |
No.1020 | 4点 | 猿来たりなば- エリザベス・フェラーズ | 2017/06/02 11:14 |
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謎としては短編向きか?。よって長編としてのプロットに問題があるのかも?。つまり、それほど魅力的ではない謎で終盤まで引っ張っていくので、どうしても退屈な展開となってしまう。謎もだいたいの予想がついてしまう。よって、中盤辺りで謎を明らかにし、そこからもう一つの物語(真相)を構築した方が二度楽しめる小説になったような気がします。 |
No.1019 | 5点 | ロイストン事件- D・M・ディヴァイン | 2017/05/27 08:20 |
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題名に異議あり!(笑)。もしミスディレクションの意図があったとしても、あまり感心するものではなかった。内容としてのミスリードはうまいと思いますが、あくまでも題名としてはどうかという意味です。ロイストンという人物像が巧く描かれているだけに残念。まあ、著者らしい細かい伏線と回収は読みごたえはありますし、ラストの勿体ぶった大芝居は楽しめました。 |
No.1018 | 7点 | 真夜中の死線- アンドリュー・クラヴァン | 2017/05/21 20:38 |
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裏表紙より~『セントルイス・ニューズ』のエヴェレットは、事故にあった同僚の代わりに、その夜死刑になる男へのインタヴューを担当するよう命じられた。ところが下調べを始めると、事実関係に不審な点が浮上してくる。これは無実では? 雰時一分の死刑を止めるべく不埒な記者が夜の街に必死の活動を繰り広げる、絶妙の時限サスペンス!~
600頁の長編。デッド・リミテッド型サスペンスです。冤罪を晴らすための正義感を前面に出すというようなこともなく、エンタメに徹していると思います。まず主人公が女たらしの浮気性であり、妻から離婚を申し出られたり、新聞社からは首を宣告されるといった具合。といっても死刑囚側の描写には、ホロリとさせられる場面も用意されています。プロットもよく考えられており、終結に向けて一直線ということもなく、読者に期待させておいて、それを裏切るというような紆余曲折があります。 |
No.1017 | 5点 | 並木通りの男- フレデリック・ダール | 2017/05/10 15:00 |
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大晦日の夜、ウィリアムは男を車で撥ね死亡させてしまった。その妻に連絡しに行くが、死んだはずの男から「怪我で入院、心配するな」と電報が届く。200頁ほどの中編。フランス・ミステリーらしい毒のある結末か?と思いきや、その期待は見事裏切られました(褒め言葉)。 |
No.1016 | 7点 | 山口線"貴婦人号(エレガンス・トレイン)"- 草野唯雄 | 2017/05/04 11:52 |
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津和野へ向かう山口線下りSLが県境のトンネルにさしかかったとき、崖の上からカメラを構えていた男が突然、宙にとんだ。容疑者となった男はSLに乗車しており、その現場を目撃していたのだ・・・。このトリックは島田荘司氏張りのトリックを思い起こしますが、氏のデビューより以前の発表であり、かなりの高評価としたいと思います。物語は、ほぼ倒叙刑式のような感じで進行します。全体のプロットは、ミステリーファンならすぐ察しがついてしまうと思います。それが明らかになる場面があります。本文~「うーん・・・」誰かが唸った。目の前にモヤモヤと立ち塞がっていた霧。それが一気に吹き払われた感じ。~正にその通りでした(笑)。 |
No.1015 | 7点 | 黒龍荘の惨劇- 岡田秀文 | 2017/04/30 17:34 |
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トリックにはビックリです。私的には「禁断のトリック」と呼んでいるものでした(笑)。うまく応用されており、まったく気がつきませんでした。残念な点が二つほど。派手な事件の割には淡々と語られており、おどろおどろしさをあまり感じることができなかったこと。探偵の役回りの設定(前作を未読のため不明です)が、探偵らしくないこと。つまり警察に先を越されたことや、ロジックを端折っていたことなどでした。 |
No.1014 | 7点 | 仮面病棟- 知念実希人 | 2017/04/23 20:13 |
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ミステリー通には、判り易い犯人像みたいですね。一般的には、「面白かった。一気読みできた。」との評が多いようです。私的は後者に一票(笑)。在りそうで、無さそうな、そんなプロットでした。サスペンスものとしてはよくできていると思います。ミスリードの点では、直近に読んだフランスミステリー(2012作品)に同様なアイデアで、もっと強烈なものがあり、ちょっと残念な気がしました。 |
No.1013 | 5点 | かがやき荘アラサー探偵局- 東川篤哉 | 2017/04/22 20:07 |
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ある事情で会社を首になり、シェアハウスに住む三人組。家賃が払えず、事件を解決することで家賃を免除してもらおうとする。その主人公のアラサー3人組にあまり魅力を感じることができないのが惜しいところ。著者のユーモアのうちでは、ドタバタ調の色恋ものがお気に入りなのですが、本作では、お相手役の啓介との色恋沙汰はないのです。残念。内容的には、「洗濯機は深夜に回る」の謎がなるほどと思いました。 |
No.1012 | 7点 | ブラディ・ローズ- 今邑彩 | 2017/04/17 16:59 |
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裏表紙より~『美しい薔薇園を持つ屋敷の主人のもとに嫁いだ花梨。彼の二番目の妻は謎の墜落死を遂げたばかりだったが、主の妹・晶はじめ屋敷の一同は新しい花嫁を歓迎する。やがて、花梨のもとに悪意をむきだしにした脅迫状が届くようになり―。差出人はいったい何者なのか?傑作サスペンス長篇。』~
好みのラスト一行的な作品です。脅迫状は梨花の部屋に置かれ、犯人は薔薇園の住人(主人、その妹、お手伝い2人、庭師)しかいない。さて誰か?という謎。この真相は誰も当てることはできないでしょう(笑)。結構凝ったプロットです。サスペンスなので、伏線はそれほどありませんでした。余談ですが、家の庭に植えてある薔薇の名が数種でてきて楽しめました。 |
No.1011 | 6点 | 霧の晩餐―四重交換殺人事件- 笹沢左保 | 2017/04/15 13:33 |
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裏表紙より~「「私にも殺したい人間が…」ひとり旅で岩手県遠野を訪れた律子は、雨宿り先で偶然三人の女と知り合った。行動を共にした四人は、胸を刺された瀕死の男を発見するが、事件に巻き込まれることを恐れ、見殺しにした。共通の秘密を背負うことになった四人は、現場から逃げる車中で、それぞれに殺したい人間がいることを知る。やがて一人が、“交換殺人”を提案した…。」~
偶然に出会った4人が、偶然にも殺したい人物がいる。さらにもう一つの偶然が存在した。でもそんなの関係ねえ(古いか)。プロットは面白いし、オチはフランスミステリー的なエスプリが効いていて結構好みのタイプの小説でした。 |
No.1010 | 5点 | フランス白粉の秘密- エラリイ・クイーン | 2017/04/06 23:04 |
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物語開始早々から事件が発生、この展開は好みです。しかし、この人物が真犯人又はミスリード用の人物であればいいなと思いながら読み始めると、この人物は犯人ではないと初期段階で明言されてしまいました。トホホ・・・。推理小説で、これは失敗では?。あと、非常に気になったのは、大量の血痕の処理はどうなったのでしょう?。結構重要ポイントのはずですが、まったく解明されていません。消去法自体は面白いと思いますが、その消去する理由が論理的でないところがありました。まあ、ハッタリをかましたとエラリー自身が言っているので仕方ないのですが・・・。 |
No.1009 | 4点 | 屋上の道化たち- 島田荘司 | 2017/04/01 14:57 |
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意図的に軽薄な登場人物にしているのは分かるのですが、そのおかげで物語自体も軽薄な感じとなってしまいました。著者に期待していた作風とは、かけ離れていて残念な結果。 |