皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
虫暮部さん |
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平均点: 6.22点 | 書評数: 1893件 |
No.10 | 6点 | 牧師館の殺人- アガサ・クリスティー | 2020/01/30 12:32 |
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随分と俗っぽい牧師さんだ。GOOD!
ところどころにさりげなく埋め込まれたユーモアも冴えている。 「夜中の十二時にスーツケースを持って、森の中で何をするつもりだったんでしょう?」 「ひょっとすると――古墳の中で眠るつもりだったのかもしれませんよ」 とか。これに何も突っ込まずにシレッと続くところが GOOD! “最初はまさかアクロイドではと疑った”←私も! |
No.9 | 5点 | 青列車の秘密- アガサ・クリスティー | 2020/01/09 12:01 |
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次々に新しい人物が登場して、ええっ多過ぎるよと思ったが心配無用、読み進めるとそれぞれ適切なところに落ち着きスッキリ整理された物語だ。この作者には紋切り型のキャラクターを生き生き描く才があり、風俗小説として面白い。ミステリとしてはつまらない。
あの人の頭文字が●だとは、推測は可能だが気付かなかった。“彼女(メイド)の名前はエレンなんですか、それともヘレンなんですか”と言う台詞が日本人向けの伏線なのである。 |
No.8 | 3点 | ポアロ登場- アガサ・クリスティー | 2019/11/14 10:41 |
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この中の一編が雑誌に混ざっていたなら、枯れ木も山の賑わいと言えないこともない(誤用ではない)。しかしこうして一冊にまとめて枯れ木だらけの山にしちゃうと……面白い部分が皆無と言うわけではないが、これがいいねとタイトルを挙げるほどのものは見当たらなかった。 |
No.7 | 5点 | ビッグ4- アガサ・クリスティー | 2019/11/01 11:47 |
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登場人物も殺人もざっくりと記号化されていて、妙に効率良く事件をこなすさまはゲームのよう。そのテンポのおかげで、出来が悪い割につまらなくはない。 |
No.6 | 7点 | アクロイド殺し- アガサ・クリスティー | 2019/08/30 10:06 |
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“アクロイド”って何だろう? セルロイドやアルカロイドからの連想で普通名詞だと考えたのだ。“~殺し”と言うからには、被害者の何らかの属性を示す語に違いない。モンゴロイドのように人種を表すのか。悪のアンドロイドって意味ではまさかあるまい。えっ、単なる被害者の名前? なーんだ。
そんなことを思った小学校時代、幸いネタバレ無しで読めたので結末で驚愕、海外のミステリを読む大きなきっかけになった。 さてそれを今読み返したところ、意外な程に面白い。物語序盤にそんな兆しは欠片もないのに何故あの人があの人を殺すのか? また、言動の不可解な人物が幾人も見受けられる。 つまり、メインのネタはどうしたって忘れようがないけれど、詳細についての記憶は曖昧――そんな状況が、本書を優れた倒叙ミステリに変貌させたのだった。 |
No.5 | 5点 | チムニーズ館の秘密- アガサ・クリスティー | 2019/08/26 10:20 |
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奇妙な偶然の一致や、なんでそうなるのか不思議な言動が満載。ミステリの国と言うスラップスティックな架空世界の物語、と割り切っても、物凄く面白いとまでは思えなかった。其処此処に見受けられる妙なユーモア感覚は評価出来る。 |
No.4 | 3点 | 秘密機関- アガサ・クリスティー | 2019/05/01 12:49 |
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作品としてのポテンシャルが低いので本気で読むとアラが目立ってしまうような。トミーとタペンスは若気の至り全開で意外に軽佻浮薄なキャラクター。場当たり的に感じられるストーリー展開がメタ的に面白くはあった。 |
No.3 | 5点 | スタイルズ荘の怪事件- アガサ・クリスティー | 2018/07/31 14:06 |
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最後に出て来る証拠品はあまりにもわざとらしく、処分に困るなら食ってしまえと思った。 |
No.2 | 4点 | ゴルフ場殺人事件- アガサ・クリスティー | 2017/06/16 12:35 |
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中盤、二つ目の死体の死因が実は……とか、被害者の目論見とか、面白味を感じる部分もあったが、全体としてはそれほどでもない。
ポアロが、冷酷で邪悪な性格は親子で遺伝する、みたいなこと言ってるのは嫌だな~。 |
No.1 | 8点 | そして誰もいなくなった- アガサ・クリスティー | 2014/07/02 20:13 |
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20年ぶりくらいに再読。おおまかな流れは覚えていたけれど、しっかり楽しめた。
気になったのは、彼等の“罪状”である。私見を述べると、少なくともミス・ブレント(使用人を解雇しただけでしょう?)、マッカーサー将軍(私情を挿んだのは褒められたことではないが、戦争中であり誰かが死を覚悟で危険な任務に就かねばならなかったのでは)、マーストン(彼の事例はあくまで事故。道徳心に乏しいという理由で罰を上乗せするのが公正だとは言いがたい)を死刑に値すると見做すのは厳し過ぎる、と思う。他の者もそんな極悪人揃いというわけではないし。 |