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平均点: 6.00点 書評数: 1845件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.665 6点 死の扉- レオ・ブルース 2012/04/01 16:32
英国の正統派本格ミステリー作家、L.ブルースの長編第9作目。
素人探偵・キャロラス・ディーンの初登場作品。最近、創元文庫で出版されたものを読了。

~のどかな英国のニューミンスターにある小間物屋で発生した二重殺人事件。深夜の凶行によって店を営む強欲な老婦人エミリーと、地区を巡回していたスラッパー巡査が犠牲となった。町にあるパブリックスクールの歴史教師で犯罪研究を趣味とするキャロラス・ディーンは、事件の調査に乗り出すことに。町の嫌われ者だったエミリーのおかげで、容疑者にはこと欠かないこの事件を、素人探偵はいかに推理するのか?~

実に正統派な「英国本格推理小説」という評価がピッタリ。
一夜にして二人の男女が惨殺されるのだが、重々しさや暗さは一切なく、ただ純粋に謎解きが楽しめるプロットは賞賛できる。
そして、このL.ブルースという作者。ものの本には、英国でA.クリステイと並び称される「ミス・ディレクションの名手」とのこと・・・
本作もその評価を地でいく作品なのは確か。
素人探偵・ディーンが、多くの容疑者や関係者たちに順番に丹念に話を聞くのだが、そこには伏線と読者を誤った道へ導くべく罠が待ち構えているのだ。

そうやって書くと、何だかスゴイ作品のように思えるが、正直な感想「そこまでスゴクはない」。
パズラーものとして、連続殺人を犯す「動機」としては有りだとは思うが、現実的ではないよなぁ・・・
あと、殺害時刻前後の登場人物の絡み具合が複雑すぎて、ちょっと途中で整理がつかなくなってしまった点、ちょっとやり過ぎかも。

まっ、でも決して嫌いなジャンルではありませんし、他作品にも手を伸ばしたくはなった。
(英国本格物で「意外な犯人」というと、なんで「この職業の人」が多いんだろうか? 単に思い過ごし?)

No.664 5点 智天使の不思議- 二階堂黎人 2012/04/01 16:31
二階堂蘭子と双璧をなす作者のシリーズ探偵・水乃サトル登場作品。
シリーズ初の倒叙ミステリーとのことだが・・・

~昭和28年、一人の金貸しが殺された。警察は没落華族の若い女性とその家の元使用人を犯人と断定。だが、2人には難攻不落のアリバイがあり、事件は迷宮入りしてしまう。その女性は後に一躍人気マンガ家になるが、34年後今度は彼女の元夫が不審死を遂げる・・・2つの事件を追う名探偵・水乃サトルは、悪魔的な完全犯罪計画を見破れるのか?~

可もなく不可もなくといった感想。
倒叙物ということで、犯人視点から事件が語られるわけだが、それが水乃サトルが耳にする事実(伝聞)と微妙に食い違っている・・・
その「食い違い」こそが、作者が仕掛けた「欺瞞」なのだが、如何せんサプライズが小さすぎる。
結構もったいぶって引っ張り、警察が解き明かせず迷宮入りしたという割にはアリバイトリックがしょぼい。
(「紅白歌合戦」ネタの奴ね)
「智天使」とか、悪魔的な犯人と煽るほど、真犯人のキャラ・造形が強くないのもちょっと興ざめ。

まぁ、本シリーズ自体、当初からそれほど面白いわけでもなく、なんでこのシリーズに拘るんだろうと個人的には思ってるんだけど・・・
特に今回は、いつもの軽いノリではなく、シリアスな作風・展開のため、サトルのキャラにも合ってない。

この手の倒叙ミステリーが好きな方以外にはあまり薦められないねぇ。
(ラストの「大オチ」もちょっと唐突だし、取って付けたような感じ)

No.663 4点 シャーロック・ホームズ最後の解決- マイケル・シェイボン 2012/03/24 00:39
世界のミステリー史上に燦然と輝く名探偵・シャーロック・ホームズのパスティーシュ作品。
時は1944年、ホームズは何と齢89歳(!)という設定。

~声を失ったその少年には親友のオウムがいた。彼の代わりのように不思議な数列を連呼するオウムが・・・。少年は9歳。親を失い、祖国を離れ、英国南部の片田舎で司祭の営む下宿屋に引き取られていた。彼が巻き込まれた奇禍とはある殺人事件とオウムの失踪。養蜂家の老人に司祭一家のドラ息子、謎の下宿人。オウムはどこに? そして犯人は?~

新潮文庫で150頁程度の中編というべき分量で、中身も含めて小品。
ホームズは1903年に探偵業を引退し、サセックスの丘陵地帯で養蜂家となって余生を過ごしたという設定になっており、紹介文に出てくる「養蜂家の老人」とはつまりホームズのこと。
89歳という年齢には勝てず、老骨に鞭打って少年のために最後の冒険を試みる姿や、久しぶり帰ってきたロンドンで、第2次世界大戦で傷つき、アメリカ人が跋扈する姿を見て感慨にふける姿など、ホームズファンならば何とも言えない気持ちになりそう。

一応、殺人事件が起きるのだが、解決のための材料が読者に与えられる訳でもなく、事件は唐突に解決してしまう。
しかも、その場面が何と「鳥目線(!)」
ホームズものの秀作の雰囲気を真似てるかというと、そこまでのレベルに達しているということでもないので、パスティーシュ作品としても中途半端な印象。

まぁ、本当のシャーロキアン以外ならスルーしてもOKでしょう。
(1人寂しく余生を過ごすホームズというのも何だか切ない・・・)

No.662 7点 i(アイ)―鏡に消えた殺人者- 今邑彩 2012/03/24 00:38
警視庁捜査一課・貴島柊志シリーズの第1作。
作者らしい、オカルト風味の効いた本格ミステリー。

~作家・砂村悦子が殺された密室状態の部屋には、鏡の前で途絶える足跡の血痕が・・・遺された原稿には「鏡」にまつわる作家自身の恐怖が自伝的小説として書かれていた。鏡の中から見つめているのは、死んだはずの「アイ」(!?)。貴島刑事が鏡に消えた殺人者に挑む。傑作本格ミステリー~

うまくできてるなぁーとまずは感心。
作者の書くミステリーは、プロットが実に丁寧で好感が持てる。
本作も、「密室」や「鏡の中に消えたように見える血の足跡」など、提示された「謎」はそんなに突飛なものではないが、真相解明の段階で1つ1つのピースがうまい具合に嵌っていく快感を味わうことができる。
トリックも、アリバイと「密室」や「足跡」がきれいに連動しており、まずは十分合格点を与えたくなる。

大方の真相解明後に残された最終章がちょっと問題。
オカルト的な風味を付けたかったのだろうが、いくら○子だといっても、それはすぐに気付くんじゃないのか?
そこはちょっと強引すぎる気がしてやや首を捻ってしまった。
ただ、それを差し引いても高評価はできる佳作。
(貴島刑事の秘密は次作以降で明らかになるのかな?)

No.661 5点 ソフトタッチ・オペレーション- 西澤保彦 2012/03/24 00:36
神麻嗣子、保科匡緒らお馴染みのメンバーが活躍する“チョーモンイン”シリーズの作品集。
既出の短編4作品+書き下ろしの中編表題作という「豪華な(?)」構成。

①「無為侵入」=「あくまでも本人の意志により住んでいる家から立ち退かせることができるのか?」という命題から入る本作。いきなりサイコキネシスやらお得意の超能力全開だが、真相は一応ロジカルなものに。
②「闇からの声」=ライトホラーっぽい作品。プロットはよくある手のものだが、単純なだけにラストの反転が鮮やかに決まった印象はある。
③「捕食」=自分が作った料理を食べた人間が必ず死ぬ(!)という宿命を背負った男・・・そこには息子に対する母親の異常な愛情と怨念があった。これは見せ方が面白い。
④「変奏曲<白い密室>」=雪の降り積もったお屋敷と殺人事件・・・そう、まさに「雪密室」を扱った正統な「本格ミステリー短編」だよな? でもこの真犯人ってどうなの? 背景についての説明が全くないって!?
⑤「ソフトタッチ・オペレーション」=ある居酒屋で呑んでる途中で急に意識を失い、気付けば核シェルターのような密閉空間に閉じ込められた3人・・・作中で岡島二人の「そして扉が閉ざされた」が引き合いに出されてますが、そこは当然西澤風の味付けがなされてるわけで・・・個人的には「そして扉が・・・」+「麦酒の家の大冒険」というような感覚だった。ただ、プロットは大味。

以上5編。
正直、あまり面白いとは思えなかった。
多分にキャラ小説のような味わいで、超能力+ロジックというのが特徴なのだろうが、中途半端という印象しか残らない。
まぁ、このシリーズが好きな方には面白いのかもしれないが・・・
本編とは関係ないが、文庫版あとがきにある作者から故・宇山日出臣さん(元講談社の名物編集者ね)宛ての回顧文が味わい深くてなかなか良い。
(③がベスト。④⑤も楽しめはするが・・・)

No.660 5点 - ドナルド・E・ウェストレイク 2012/03/19 23:45
2000年発表のノン・シリーズ。
作者は不運な泥棒“ドートマンダー”シリーズなどユーモア系ミステリーが有名だが、本作はシリアスな心理サスペンス風。

~「きみの小説を俺の名前で出版しよう」・・・ベストセラー作家の提案に中堅作家であるウェインの心は揺れた。収入は山分け、55万ドルが手に入るのだ。だが条件が一つあった。ウェインはその作家の妻を殺さなければならないのだ。殺しに狂わされ、徐々に荒廃していく人間の内面を描き、傑作「斧」に続いて名称が放つ戦慄の犯罪サスペンス!~

何とも言えない「粘着性」のある作品。
紹介文のとおり、書けなくなったベストセラー作家のゴーストライターを務めることになった中堅作家が、高収入を得る代わりに前者の妻を殺してしまうのだが、その後は殺した方の作家ではなく、依頼した方の作家が徐々に狂っていく様子が描かれていく。
2人の心理が交互に、そして執拗に描かれ、読み手の心に浸透していく感覚・・・作者のウマさは感じられた。

ただ、結局殺人事件は警察がマトモな捜査をせず、殺人者として追い詰められるといったようなサスペンスは一切なし。
ベストセラー作家も若干狂ってきたものの、それほどのインパクトはないまま、静かに終局を迎えてしまった。
というように、「サスペンス」とは銘打っているにしては大変地味なプロット&ストーリーなのだ。

正直、こういう作品を「好みか?」と聞かれると、「いやぁー」というしかないなぁ。
せめてもう少し「緩急を付けた」作品にしてほしかったというのが偽らざる感想。

No.659 6点 ビブリア古書堂の事件手帖- 三上延 2012/03/19 23:44
北鎌倉の住宅街にひっそり佇む古書店「ビブリア古書堂」・・・
店主である栞子さん(美人で巨乳!)とアルバイト店員の五浦を中心として、古書を巡る不思議な世界が紡がれる。

①「夏目漱石『漱石全集・新書版』」=五浦が本を読めなくなった理由がこの夏目漱石全集の中の1冊、「それから」。栞子さんと出会い本に関する彼女の類まれなる推理力で、五浦の祖母の秘密が明らかになる。
②「小山清『落穂拾い・聖アンデルセン』」=ビブリア古書堂の常連の「せどり屋」が巻き込まれた古書の盗難事件。で、盗まれたのがタイトルにある小山清の作品なのだが、「新潮文庫」だけにある「ある特徴」が事件の鍵に・・・本好きならすぐに分かるよね。
③「ヴノグラードフ・クジミン『論理学入門』」=タイトルだけ見ると、「何だそりゃ?」という気になるが、ストーリーは不器用な男と、男を一途に愛する馬鹿な女のちょっと泣かせる話。「三段論法」なんて小難しい話にしなくてもいいのに・・・
④「太宰治『晩年』」=本作では、栞子さんのある秘密が明らかになる。そして知る敵の存在。古書の世界ってこんない熱いものなんだなぁー。そして今後に期待を抱かせるラスト・・・

以上4編。
さすがに売れてるだけのことはあって、軽そうにみえてしっかりしたプロットを感じる作品集。
1冊の古書は多くの人の人生を背負って書店の棚に並んでるんだねぇ・・・
そう考えると、某「Book-○○○」で無造作に並べてある均一本に対しても愛着が湧くかもしれません!

連作形式で、「栞子さん」の謎が徐々に解きほぐされるのもなかなか良い。
ミステリー的なガジェットとは無縁だが、まずは軽~い気持ちで読める佳作でしょう。
(ベストは①。②④はまずまずだが、③はちょっとなぁ・・・)

No.658 7点 どんなに上手に隠れても- 岡嶋二人 2012/03/19 23:42
1984年発表のノンシリーズ長編。
作者得意の「誘拐ミステリー」の秀作。

~多くの人が出入りするテレビ局から、白昼売出し中のアイドル歌手が誘拐される事件が発生する。しかも、その直前この誘拐を暗示する奇妙な匿名電話が警察に入っていた。芸能プロダクションやCMのスポンサーたちの対応、駆け引き、警察の地道かつ執拗な捜査、そして事件の驚嘆すべきトリックまで、リアルに描ききった傑作長編推理~

とにかく「プロットの妙」を感じさせてくれる作品。
こういった「劇場型」の誘拐事件を扱ったミステリーは割と目にするが、ここまで明快で計算されたプロットというのはちょっとないと思う。
事件はいわば「三重構造」になっていて、「誘拐の当事者」=「誘拐を利用した敏腕プロデューサー」=「真のフィクサー」という構造がうまく隠ぺいされ、ラストで収束させる手口が実に鮮やか。

本作のもう1つのうまさが「動機」。
もちろん、誘拐事件の動機だから「金」に決まってますけど、ただ単純な「金」ではない。
これには正直「アッ」と言わされた。ここがプロットの「肝」だよなぁ・・・

作者らしいリーダビリティーと軽いノリも本作の魅力で、とにかく万人受けする作品でしょう。
(さすがに「誘拐モノ」はうまいねぇー)

No.657 7点 死の接吻- アイラ・レヴィン 2012/03/13 22:49
作者23歳の処女作かつ1953年のアメリカ探偵小説最高のエドガー賞受賞作。
海外ミステリーのランキングには必ず登場する有名作。

~2人は学生同士の恋人だった。女性は妊娠しており、男性は結婚を迫られていた。拳銃、薬物、偽装事故と、いく通りかの殺人方法を調べ上げてみた。結局偽装自殺に決めたのだが、遺書のために女性の筆跡を入手しなければならない。自信はあった・・・戦慄すべき完全犯罪を行おうとするアプレゲールの青年の冷酷非情な行動と野心とは・・・~

まずは評判通りの面白さではないでしょうか。
冒頭からしばらくは三人称(彼は・・・)で物語が進行したため、勘のいい(普通?)読者なら、何らかの叙述的なトリックが仕掛けられるのを感じる。
ある一家の3姉妹が順に登場する3部構成となっているが、連続殺人事件が起こる2部の終盤で読者は「アッ」と言わされるはず。
この辺りは発表された年代を勘案すると、実に斬新で読者の心を惹きつける小憎らしい演出だと思う。

ミステリー的な観点でみると、第2部の終了時点で事件の構図が大筋見えてしまうため、第3部が若干冗長に感じるのが難。
「因果応報」というのが第3部のテーマなのだろうが、もう少しサスペンス性というか、欲を言えば「ドンデン返し」的趣向があるとさらに高水準なミステリーにはなったんだろうなぁ・・・
真犯人が弄した犯罪もやや雑だなぁという印象は残った。

まぁ、でもこれはこれでシンプルだし、余計な演出を加えなくても十分に楽しめる作品なのは間違いない。
なかなかお勧め。
(23歳でこれを書いたのは確かにスゴイこと)

No.656 6点 中途半端な密室- 東川篤哉 2012/03/13 22:47
光文社から出版された、鮎川哲也編「本格推理」と二階堂黎人編「新・本格推理」に編入された作者の短編を1冊にまとめた作品。
東川人気にあやかった文庫オリジナル。

①「中途半端な密室」=十川一人が唯一探偵役として登場。四方を高いフェンスに囲まれ、ただ1つの出入口に鍵のかかったテニスコート内で刺殺された男が発見される。十川が解き明かす真相(?)はなかなかロジカルで切れ味がいい。
②「南の島の殺人」=これ以降は、岡山の大学生・敏ちゃんとミキオのコンビが探偵&ワトスン役として登場。本作は2人の友人である柏原がバカンスに出かけた「とある南の島」で起きた殺人事件の謎。死体が「全裸」ということで、E.クイーンの「スペイン岬」が作中でも引き合いに出されてますが、真相とは一切関係なし。それよりも「南の島」の件がなかなかバカバカしい・・・
③「竹と死体と」=ふとしたことから昭和11年の古新聞から興味深い事件を見つけた2人がまさに「安楽椅子型探偵」に乗り出す1編。高さ20メートルを超える竹で首を括った状態で発見された老婆の謎。ある歴史上の有名な事件が真相解明のヒントになる。
④「十年の密室・十分の消失」=本作のメインテーマは「建物の消失」。このテーマというと、クイーン「神の灯」や泡坂妻夫「砂蛾家」、はたまた折原一「鬼首村」などが思い浮かびますが、トリック自体はオリジナリティあり。ただ「こんなことするかぁ!」というツッコミは想定済みなんだろうなぁ・・・
⑤「有馬記念の冒険」=有馬記念の走破時間約2分30秒がアリバイトリックに・・・というと興味深いように聞こえますが、要はあるAV機器の機能を利用しただけのワンアイデア。でも見せ方はさすが。

以上5編。
作者の思いとは違った形で突然の大ブレイクを果たした作者ですが、本来は本作のようなロジック&ユーモアを基調としたマニア向けの作品がメインのはず。
でもまぁ、売れるだけの力量は十分に感じられますねぇ。
長編デビュー前の小品をまとめただけの作品集ですが、やっぱりキラッと光る原石のような印象は残りました。
どれも短くまとめられてるだけあって、短編らしい切れ味を感じる作品ですし、いい意味で手軽に読める作品という評価ですね。
(やっぱり表題作である①が一番いい。後は②④辺りか)

No.655 7点 原子炉の蟹- 長井彬 2012/03/13 22:44
あの日からちょうど1年。いまだ震災の爪痕を残す最大の要因こそが「原発」。
ということで3月11日を挟んだ読書には本作をセレクト。
1981年発表の第27回江戸川乱歩賞受賞作を新装版で読了。

~関東電力九十九里浜原子力発電所の建屋内で、一晩中多量被ばくした死体がドラム缶詰めで処分されたという。失踪した下請け会社の社長なのか? だが中央新聞の大スクープは一転して捏造記事という批判を浴びる。事実は隠ぺいされ、原子炉という幾重にも包囲された密室が記者らの前に立ちはだかる。乱歩賞受賞の社会派推理の傑作~

本作が発表されたのが今からざっと30年前ということを考えれば、何とも感慨深い。
1年前に露呈した原発神話の崩壊や、東電の安全管理の杜撰さ、そして政府・電力会社の隠ぺい体質・・・
全てが本作で起こる事件内で指摘されているわけではないが、やっぱり自然界の一存在でしかない人間が、放射能物質を100%コントロールすることの難しさを感じずにはいられない。
ただ、だからといって「原発を全て廃炉に」という主張にもやはり素直に首肯することはできない。
実は私の実家も、とある原発の比較的近くにあり、周辺には直接・間接に関わらず原発産業に依存している人々が多い。
もちろん、電力という現実的な問題もある現在、できる限りの安全性を追求しながら、依存度を下げていくという体制が現実的な選択肢だろうと思う。(何だか煮え切らない評論家みたいで嫌だが・・・)

ということで、本筋の殺人事件に話を戻すと、
「原子炉」という特殊な建物を舞台にした「密室殺人」と「サルカニ合戦」をモチーフにした「見立て殺人」という、本格ミステリーの2大ガジェットが本作のメインテーマ。
密室については、1箇所しかない出入口で全ての進入者がコンピュータ制御されたという不可能状況の設定は面白い。その解法自体は複雑なものではなく、簡単に言えば「隙を突く」というようなプロバビリティ的要素があるのがやや難。見せ方にもう少し工夫があればもう少し劇的なものに感じられたかもしれないので、ちょっと惜しい気はした。
「サルカニ合戦」の見立ては、確か阿井渉介の作品でも取り上げていたが本作が先。まぁ「旧悪に対する恨みをはらす」というモチーフが重なるので使いやすいのだろうと思うが、例えばトリック等と連動しているということでもないので、必然性については疑問符。

まあ、こういう作品を早速「新装版」として書店に並べる出版社もあざとい気はするが、歴史的な出来事を忘れず、「原発」についての自分自身のスタンスを考えてみるということだけでも手に取る価値はあるのだろう。
(作者は2002年に逝去されているが、大震災を目にしていたらどう思っていたのだろう・・・)

No.654 5点 我らが隣人の犯罪- 宮部みゆき 2012/03/10 00:43
ノン・シリーズの短編集。
作家としてのうまさを堪能できる作品という巷の評価ですが・・・

①「我らが隣人の犯罪」=乱歩の「屋根裏の散歩者」を少し思い出してしまった。やっぱり、主人公が少年というのがある「間違い」のもとになっているのかな? ミリー(スピッツ犬ね)の件はあまりにもクドく書かれてるので、それがプロットに直結してるのが見え見えになってる気はした。
②「この子誰の子」=プロットこそ単純だが、まとまってて面白い作品。何か秘密のありそうな主人公の少年、そして判明する運命のいたずらのような偶然・・・基本的にはいい話。
③「サボテンの花」=これもラストにホロッとくるいわゆる「いい話」。ただ、この教頭先生の人物描写部分がそんなにないので、生徒たちがここまで「思ってくれる」のにちょっと違和感。なんで校長先生になっちゃいけないんだろう?
④「祝・殺人」=バラバラ殺人を扱った本格色の比較的強い作品。真相はワン・アイデアから導き出されるものでたいしたことはないのだが、新米刑事と関係者の女性との会話が面白い。
⑤「気分は自殺志願」=奇妙な病気に罹った、とあるレストランのボーイ長と駆け出しミステリー作家が共謀して演出した「詐欺」事件を明るく見せた作品。この作品、面白いけど確かにオチがない。

以上5編。
「うまい」のは確か。さすが「宮部みゆき」というのが正直な感想&評価。
ただなぁ・・・基本的に合わないんだよねぇ。この作風は・・・
どの作品も練られたうえに、ムダを削ぎ落とすだけ削ぎ落とした作品なのだが、ミステリー的な観点からみれば、もう一捻り欲しいとしか言いようがない。
これは作者が悪いのではなく、あくまで私個人の好みの問題なのでしょう。

面白いことは間違いないし、手頃な分量ですので、初心者から上級者まで楽しめる作品という評価にはなります。
(どれがいいかなぁ? 敢えて言えば①か④)

No.653 6点 悪魔の涙- ジェフリー・ディーヴァー 2012/03/10 00:41
文書鑑定士パーカー・キンケイドを探偵役に据えた唯一の長編。
シリーズ探偵のリンカーン・ライムはカメオ出演に留まるが、それなりの存在感あり。

~世紀末の大晦日午前9時、ワシントンの地下鉄駅で乱射事件が発生。間もなく市長宛てに2000万ドルを要求する脅迫状が届く。
正午までに「市の身代金」を支払わなければ、午後4時、午後8時、そして午前0時に無差別殺人を繰り返すとあった。手掛かりは手書きの脅迫状だけ・・・FBIは筆跡鑑定の第一人者であるパーカー・キンケイドに出動を要請した~

まずまず水準級の面白さ、というのが正直な感想。
プロット自体はこの手の作品によくある感じがして、あまり新鮮味があるものではない。
ただ、「文書鑑定士」という特異なプロフェッショナルを主役に据えた当たりは、さすがにベストセラー作家という気はした。
タイトルにある「悪魔の涙」というのが、最後に効いてくるのがニクイ。

結構な分量ですが、本作の肝は第4章以降。
殺人鬼の死亡で事件が収束したかに思えた後、FBIの施設内で発生する殺人事件。そして判明する意外な犯人。
これが噂の「ドンデン返し」かぁ・・・
ただ、この真犯人が「肩書き」を偽ってFBIに近づいたことになっているのだが、もしそうだとしたらFBIって相当緩い諜報機関だぞ!
プロットにはそんなに影響はないけど、どうにもリアリティに欠けるように思えて気になった。

正直ジェットコースター・サスペンスというほどのスピード感はなかったが、良質なサスペンスという評価は特に否定しない。
(パーカー・キンケイドの人物造形にも深みがあり、好感の持てる存在)

No.652 6点 写楽殺人事件- 高橋克彦 2012/03/10 00:40
1983年発表の第29回江戸川乱歩賞受賞作で作者処女長編。
謎の浮世絵師「写楽」を題材とした歴史ミステリー。

~謎の絵師といわれた東洲斎写楽は、いったい何者だったのか。後世の美術史家はこの謎に没頭する。大学助手の津田もふとしたことからヒントを得て、写楽の正体に肉薄する。そして或る結論に辿り着くのだが、現実の世界では彼の周辺に連続殺人が起きていた。2つの謎に津田が挑む~

「写楽」の正体をめぐる謎解きは面白かった。
多くの専門家や著名人がその正体について様々な説を発表しているという事実をもってしても、いかにそれが魅力的な謎なのかが分かるというものでしょう。
「秋田蘭画」についての薀蓄は全く知らなかったので非常に新鮮。平賀源内ってそんな人物だったんだねぇ・・・
(エレキテルを発明した科学者くらいに思ってた)

もともと歴史ミステリーは好きなジャンルなだけに、その点では非常に満足。
ただ、他の方の書評どおり、現実の殺人事件の方はそれほどアピールできるところはない。
アリバイトリックはトリックと呼べないほどのレベルだし、終盤に判明する二重構造もやや唐突な気はした。
この2つを両立させるのはなかなか難しいのだろう。

まぁ、「歴史ミステリー」部分だけでも読む価値はあるでしょう。
(島田荘司の「写楽」は未読だが・・・どうなのかな?)

No.651 6点 亜智一郎の恐慌- 泡坂妻夫 2012/03/02 22:30
亜愛一郎シリーズの番外編。愛一郎のご先祖・智一郎の活躍を描く作品集。
舞台は江戸城の中。第13代将軍・徳川家定の時代という設定。

①「雲見番拝命」=「雲見番」とは、将軍のお側で雲を見て天気や天変地異を察知するというお気楽な役目(?)のはずが、突然将軍直属の「隠密」のような役割を担うことに。そして、智一郎を頭にした4人が集結する。
②「補陀落往生」=あるお城下で、まるで姨捨山のようにお荷物になった老人たちを「昇天」させてくれる怪僧が現れる。智一郎たち4人はこの事件の謎と先ごろ起きた城主による大量斬首事件に関連を見出すが・・・。泡坂らしいテイストを感じる作品。
③「地震時計」=ある藩主から将軍へ進呈された「地震時計」・・・。時を前後して起こった遊郭での心中事件との関連性から意外な結末に・・・。
④「女方の胸」=跡継ぎのいない将軍・家定にその昔生ませた隠し子が? その子供の探索を命じられた4人だったが、本人も母親もなかなか見つからず。そして、意外なところで意外な姿で見つかるのだが・・・。
⑤「ばら印籠」=家定が崩御し、後を継いだ第14代将軍・家茂。まだ若い家茂から命じられたのが、「写真をとってほしい」ということ。江戸で唯一写真技術を持つという男を探し当てたが・・・。写真にうつった印籠に意外な事実が浮かぶ。
⑥「薩摩の尼僧」=幕末に向け徐々にきな臭くなっていく江戸の街。討幕の急先鋒である薩摩藩に絡んだ事件が発生。
⑦「大奥の曝頭」=大奥で起こった幽霊騒動を調査するため、智一郎らが難と女装して潜入(分かるだろ!普通)。騒動のからくりは実に単純なものだったのだが・・・

以上7編。
亜愛一郎シリーズといえば、ブラウン神父シリーズとの対比がなされるほどロジックや逆説的仕掛けが有名ですが、本作はそういう作りではない。
謎やトリックもちょっと肩透かし的なものもあって、作者のファンにとってはやや物足りないかもしれない。
ただ、幕末の江戸の街や江戸城の中が生き生きと描かれ、読者を飽きさせない手腕はやはり見事と思わされる。
まっ、そういう意味では十分楽しめる作品とは言えるかな。
(中では②が面白い。あとは③くらいか・・・)

No.650 8点 アクロイド殺し- アガサ・クリスティー 2012/03/02 22:28
650冊目の書評は、例の「仕掛け」であまりにも有名な作者の長編6作目で。
確か大昔にジュブナイル版で読んで以来、超久々に再読。

~深夜の電話に駆け付けたシェパード医師が見たのは、村の名士・アクロイド氏の変わり果てた姿だった。容疑者である氏の義子が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。だが、村に越してきた変人が名探偵エルキュール・ポワロと判明し、局面は新たな展開を見せる。驚愕の真相でミステリー界に大きな波紋を投じた名作~

「さすが!」としか言いようがない。
計算され尽くした作者の技量や構成力にはただただ脱帽ですね・・・
ラストで詳らかにされる、ポワロの推理にはやはり相当のインパクトを感じざるを得ませんでした。
例の「フェアかアンフェアか」という論争については、ミステリーそのものが成長期であった頃の話であり、現代の読者にとっては特に気にする必要はないはず。

果たして本作の「仕掛け」は叙述トリックなのだろうか?
無論、真犯人によって手記にまぎれて意図的に隠されていた箇所もあり、その点でちょっとアンフェアっぽさは残るのだが、真犯人を特定するロジックは読者にも十分解き明かせるものである。(デイクタフォンの件なんかは秀逸だと思うが・・・)
要は、容疑者に視点人物を含めるかどうかというところが「鍵」なのだが、数多のミステリーを読み続けてきた今だからこそ、オリジナルである本作の「スゴ味」が伝わってくる。

とにかく、大作家クリスティのすごさを味わうには外せない1冊なのは間違いなく、後世に残すべき作品という評価。
(「仕掛け」を知っててここまで面白く読める作品というのもなかなかない)

No.649 6点 寝台特急(ブルートレイン)八分停車- 西村京太郎 2012/03/02 22:26
1986年発表のトラベルミステリー。最近、徳間文庫で再販されましたが、角川文庫の旧版で読了。
お馴染みの十津川警部・亀井刑事コンビが謎に迫る。

~ブルートレインの八分停車を利用して人が殺される! 亀井刑事は腎臓結石で病院にいるとき、レントゲン室で男が人を殺してやると言っているのを聞いた。該当するブルートレインは6本。十津川警部と亀井刑事は推理に推理を重ね、問題のブルートレインは「出雲3号」と推測したが・・・殺人、そして殺人。スピーディな展開と意外な結末。十津川と亀井の名コンビで贈る長編トラベルミステリー~

作者のトラベルミステリーとしてはまず上出来なレベルでしょう。
謎の中心は、京都駅での「出雲3号」八分間の停車と東京・四谷での殺人事件の関係。
これは中盤以降まで読者の興味を引っ張れるだけの魅力はあり。
京都駅で右往左往する亀井刑事もなかなか味わい深い。
ただ、真犯人も事件全体のプロットも終盤早々には判明してしまい、それ以降はかなりトーンダウン。
「動機」的には連続殺人を引き起こすほどのものだと納得できるが、そこまで差し迫っていたのかという疑念はかなり残った。

いわゆるトラベルミステリーに否定的な方は多いでしょうが、やっぱり「謎解き」をメインとした本格ミステリーには本来不向きなんだと思いますねぇ。
タイムリミットもののサスペンスというのが、一番向いてるジャンルなんだろうな。(氏の作品でいえば「札幌着23時25分」が代表例)
ということで、いつものとおり「旅のお供」というレベルでの評価。
(腎臓結石の亀井刑事をまるで恋人のように愛おしげに心配する十津川警部・・・気持ち悪い!!)

No.648 4点 修道女フィデルマの叡智- ピーター・トレメイン 2012/02/26 14:18
舞台は7世紀のアイルランド。主人公であるフィデルマは、ドーリィという法廷弁護士の資格を持つ修道女という設定。
東京創元社で先に長編2作が翻訳されており、本作が初の作品集。

①「聖餐式の毒杯」=当地では異人に当たるゴール人の男性が聖餐式の最中、毒入りワインを飲んで死亡してしまう。毒殺の仕掛け自体はたいしたことはないが、「動機」の解明の方に見るべきものあり。
②「ホロフェルネスの幕舎」=夫・子供殺しの疑いをかけられた旧友のために、フィデルマが事件解明を請け負う。本作のプロットはよくある手のもので、いわゆる「裏の裏は表」ということなのだが・・・
③「旅籠の幽霊」=雪嵐に巻き込まれ、とある旅籠に泊まったフィデルマが幽霊騒動を解決する。これはかなりいいかげんなプロットのように見えた。特に、幽霊の正体に捻りがなさすぎる・・・
④「大王の剣」=アイルランドのとある王国の王位継承をめぐる殺人事件が舞台。これも②とプロットが完全に被っている気がするのだが・・・ まぁこれも「動機」が一番の肝だねぇ。
⑤「大王廟の悲鳴」=これもプロットは実に単純。ごく短い作品だけに、容疑者は最初から3名しかなく、動機も見え見えなのがちょっといただけない。

以上5編。
うーん。ちょっと退屈だったなぁーというのが正直な感想。
舞台が中世のアイルランド、かつ宗教用語が頻繁に出てきて読みにくいこともあったが、それよりもプロットにキレが乏しい。
フィデルマ自体はなかなかのキャラだとは思うのだが、いかんせん謎そのものがちょっと貧弱。

長編は未読なので、どうなのかという興味はあるが、あまり期待できないかな?
(なかでは④がいいかな。プロットは被るが②が次点)

No.647 3点 黄色館の秘密- 折原一 2012/02/26 14:17
1998年発表の黒星警部シリーズ。
黒星警部をはじめ、部下の竹内刑事や葉山虹子といった、いつものドタバタメンバーが今回もなぜか集結(?)

~実業家の阿久津又造一家が住む「黄色館」は、世界の珍品を集めた秘法館でもある。ところが、犯罪集団「爆盗団」から純金製の黄金仮面を盗むとの予告が! そこへのこのこ現れた密室マニア・黒星光警部。黄金仮面が宙を舞い、密室で人が死ぬ世紀の怪事件を見事なまでに掻き回す。犯人は一体誰なんだ?~

相変わらずバカなシリーズです。
「~者」シリーズの重く、シリアスな作風とは大違い。ひたすら軽く、ひたすらおちゃらけたストーリー。
ジョークの分かる人しか読まない方が賢明でしょう。

一応「密室殺人」が出てきますが、正直怒り出したくなるレベルのトリックというか解法。
タイトルは古の名作「黄色い部屋の謎」をもじってるのですが、パロディにもなってない。
まぁ、いいんですけどね。最初からまともなトリックなんか期待してませんから・・・
黒星警部は基本的に真相を複雑に捻じ曲げる役割ですから、最初から黒星警部の推理を無視すれば、簡単に真相に辿り着ける。
ただ、今回の「竹内刑事登場」のくだりはどうですかねぇ?
思わず脱力感に陥ってしまいました。

マトモなミステリーに飽きた方以外はスルーしても全然OK。
(「模倣密室」以来、新作の出ない本シリーズですが・・・やっぱり不評なのかな?)

No.646 6点 笑わない数学者- 森博嗣 2012/02/26 14:15
「すべてがFになる」「冷たい密室と博士たち」に続く、S&Mシリーズ3作目。
今回は「数学」と「天文学(?)」にスポットライトを当てた理系ミステリー。

~偉大な数学者・天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」。そこで開かれたパーティーの席上、博士は庭にある大きなオリオン像を消してみせた。一夜明けて、再びオリオン層が現れたとき、2つの死体が発見される・・・。犀川助教授と西之園萌絵の理系師弟コンビが館の謎と殺人事件の真相を探るが・・・~

本作も実に単純に面白かったですね。
これはまさに新本格系の作家が得意とする、「お館もの」+「物理トリック」の組み合わせ。
シンプルで分かりやすいトリック(オリオン像のやつね)の割には、犀川もやけに苦戦したなという印象は持った。
伏線も相当あからさまに出してたもんね。
真相に気付く読者も多かったろうと思います。(私は「アッ!」と思わされましたが・・・)

結局、天王寺博士の正体は誰なのか? というのがもう1つのポイントとなるわけですが・・・
これに対する解答は「不定」ということなんですかね?
犀川が最後思わせぶりに仄めかしてはいますが、やっぱり消化不良のような感覚。
ラストの公園のシーンもなかなか考えさせられる・・・

個人的には前2作よりは落ちるという評価ですが、やっぱり良質なミステリーという評価でいいのでは?
文庫版巻末に掲載された、数学者・森毅氏の解説がお宝もの。
(萌絵のように一瞬に計算できる能力。うらやましいねぇー)

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