海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ パスティッシュ/パロディ/ユーモア ]
パラドックス学園 開かれた密室
湾田乱人シリーズ
鯨統一郎 出版月: 2006年01月 平均: 4.40点 書評数: 5件

書評を見る | 採点するジャンル投票


光文社
2006年01月

光文社
2009年01月

No.5 5点 mediocrity 2020/02/25 01:35
著者の作品はハチャメチャなタイムスリップもの含め何冊か読んでいて、正直あまり期待していな、いや何が起こっても驚かないので、この結末も平常運転に感じました。『冷たい太陽』を読んだ時の方が、むしろ大真面目過ぎて戸惑ったくらいです。

No.4 5点 メルカトル 2019/05/15 22:24
パラドックス学園というよりパラレル学園のほうがしっくりきます。確かにパラドックスに関しても記述はありますが、本筋はあくまでパラレルワールドですね。世界に名だたる若き日のミステリ作家たちが同じ学園に通う世界。しかも、彼らはミステリ小説に対する知識すら持っていない。そんな中で起こる密室殺人事件。これはなかなか魅力的な設定ではありますね。
しかし、大多数の人が何じゃこりゃと思うんじゃないでしょうか。特に本格志向の強い人ほどそのトリックの馬鹿馬鹿しさに怒りすら覚えるかもしれません。こんなものはミステリではないと一蹴するのは簡単ですが、あくまでメタミステリとの解釈により、個人的には納得できる内容でした。私は面白ければ何でもOKなくちですからね、このようなバカミスでも十分許容範囲内ですよ。

解決編はどんどんあらぬ方向へ向かって突っ走っていきますが、最終的にまさか作者が犯人とか言い出すんじゃないだろうなと危惧しましたが、何とか杞憂に終わり安堵しました。とは言え、犯人は意外すぎる人物で、しかもトリックがあれでは本を壁に叩き付けたくなる気持ちも分からないでもありませんが、それは出来ないような仕組みになっていたりします。
ともかく、「マトモ」なミステリではないので、それを了解したうえで読む分には支障はないですが、読者を選ぶ作品なのは間違いありません。
余談ですが、エラリー・クイーンの二人の正体には正直驚きました。油断してましたね。

No.3 4点 E-BANKER 2012/04/17 23:05
「ミステリアス学園」に続くミステリーそのものをパロディした怪作。
あの“ワンダ・ランド(湾田乱人)氏”が再度登場。

~パラドックス学園パラレル研究会、通称「パラパラ研」。ミステリー研究会志望のワンダはなぜかこのパラパラ研に入部することに。部員はドイル、ルブラン、カー、クリスティ・・・と錚々たる名前を持つ者ばかりだが、誰もミステリーを読んだことがないなんて・・・! やがて起こる密室殺人と予想もできない究極の大トリック! 鯨ミステリーのまさに極北~

ひとことで言うと、「よくもこんな本書いたなぁ・・・」。
敢えて分類するなら、メタ・ミステリーになるのかもしれないが、そんな分類なんて意味なし。
前作の「ミステリアス学園」を既読だったので、マトモなミステリーではないとは思っていたが、ここまでバカバカしいとは・・・
本当のミステリー初心者がこれを読んだら、混乱すること間違いなし。
(これをミステリーの中心点とは思わないだろうが・・・)

ちなみに紹介文にある「密室」と「究極の大トリック」については途中でだいたい察しがついたが、相当脱力感あり。
「○○の○」を真の犯人とした当りは、まぁある意味、「究極」なのかもしれないが・・・
でもなぁー、これを「面白い!」と評価するには、相当懐の深い心がないとムリだよ!
作者らしいと言えばそうなのだが、この「おフザケ」をどこまで楽しめるのかで本作の評価も変わってくるでしょう。

どうでもいいが、なぜポール・アルテが校長で、ピーター・ラブゼイが教頭なのか?
(ニコラス刑事にも笑ったが・・・)

No.2 5点 isurrender 2011/09/16 22:48
話自体は面白いです。
結構笑いながら読めました。
でも肝心のトリックはまあよく頑張ったなという感想が一番しっくりくるものでした。
嫌いじゃないけど、もうひと手間加えても面白かったかな。

No.1 3点 kanamori 2010/08/23 17:39
登場人物が重なっているので、一応「ミステリアス学園」の姉妹編かと思います。
ドイル、ポー、アガサなどの大学生が登場し、あの作品を連想させたり、カーが密室殺人の被害者になるなどプロット自体はパロディ趣向充分なんですが、事件の真相のバカバカしさ、いくつか挿入された逆説の陳腐さなど、嗜好から大きく外れた作品でした。


キーワードから探す
鯨統一郎
2019年12月
文豪たちの怪しい宴
平均:5.50 / 書評数:4
2016年07月
崇徳院を追いかけて
平均:3.67 / 書評数:3
2014年06月
冷たい太陽
平均:6.00 / 書評数:5
2012年08月
ドラゴンリップ
2012年07月
横浜「佐藤さん」殺人事件
2012年05月
笑う娘道成寺  女子大生桜川東子の推理
平均:4.00 / 書評数:1
2011年07月
キモメン探偵、謎を解く 限界アイドル危機一髪
2011年06月
努力しないで作家になる方法
平均:7.00 / 書評数:1
2011年04月
新・日本の七不思議
平均:4.29 / 書評数:7
2010年12月
小樽・カムイの鎮魂歌
平均:4.00 / 書評数:1
2010年04月
今宵、バーで謎解きを
平均:3.00 / 書評数:3
2010年02月
浦島太郎の真相 恐ろしい八つの昔話 連作推理小説
平均:5.50 / 書評数:6
2009年11月
タイムスリップ忠臣蔵
平均:3.00 / 書評数:1
2009年08月
空海 七つの奇蹟
平均:4.00 / 書評数:2
2009年06月
京都・陰陽師の殺人
平均:4.00 / 書評数:1
2009年03月
鬼姫人情事件帖
2009年01月
マグレと紅白歌合戦
平均:5.00 / 書評数:1
2008年11月
タイムスリップ戦国時代
平均:3.00 / 書評数:1
2008年09月
哲学探偵
平均:3.00 / 書評数:2
2008年08月
蒼い月 なみだ事件簿にさようなら!
平均:2.33 / 書評数:3
2008年04月
ABCDEFG殺人事件
平均:3.00 / 書評数:1
2008年01月
ニライカナイの語り部
2007年09月
なみだ学習塾をよろしく!
平均:4.00 / 書評数:1
2007年04月
マグレと都市伝説
平均:4.00 / 書評数:1
2006年11月
タイムスリップ水戸黄門
平均:4.00 / 書評数:2
2006年09月
親鸞の不在証明
平均:5.00 / 書評数:1
2006年03月
白骨の語り部
平均:3.00 / 書評数:2
2006年01月
パラドックス学園 開かれた密室
平均:4.40 / 書評数:5
2005年10月
なみだ特捜班におまかせ!
平均:5.33 / 書評数:3
2005年03月
タイムスリップ釈迦如来
平均:5.00 / 書評数:1
2005年02月
新・世界の七不思議
平均:6.12 / 書評数:8
2004年12月
すべての美人は名探偵である
平均:5.14 / 書評数:7
2004年08月
いろは歌に暗号
平均:5.00 / 書評数:1
喜劇ひく悲奇劇
2003年10月
あすなろの詩
平均:6.00 / 書評数:2
2003年09月
月に吠えろ! 萩原朔太郎の名推理
平均:5.00 / 書評数:1
2003年07月
タイムスリップ明治維新
平均:4.00 / 書評数:3
2003年05月
とんち探偵一休さん 謎解き道中
平均:4.00 / 書評数:1
2003年04月
みなとみらいで捕まえて
平均:6.00 / 書評数:2
2003年03月
ミステリアス学園
平均:5.62 / 書評数:13
2003年02月
「神田川」見立て殺人
平均:3.00 / 書評数:2
2002年10月
悪魔のカタルシス
平均:1.00 / 書評数:1
2002年08月
ふたりのシンデレラ
平均:5.00 / 書評数:1
2002年06月
文章魔界道
平均:5.00 / 書評数:1
2002年03月
タイムスリップ森鴎外
平均:4.80 / 書評数:5
2001年11月
新千年紀古事記伝YAMATO
平均:4.00 / 書評数:1
CANDY
平均:2.00 / 書評数:1
2001年09月
鬼のすべて
平均:5.00 / 書評数:1
2001年06月
九つの殺人メルヘン
平均:4.33 / 書評数:6
2001年03月
なみだ研究所へようこそ!
平均:5.25 / 書評数:4
2001年01月
北京原人の日
平均:3.00 / 書評数:1
2000年10月
千年紀末古事記伝 ONOGORO
平均:3.00 / 書評数:1
2000年03月
金閣寺に密室 とんち探偵一休さん
平均:6.00 / 書評数:3
1999年06月
隕石誘拐 宮沢賢治の迷宮
平均:4.50 / 書評数:2
1998年05月
邪馬台国はどこですか?
平均:6.98 / 書評数:42